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2018/10/25

訪花中のキアゲハを襲うトモンハナバチ♂【ハイスピード動画】



2018年7月下旬

農道沿いでムラサキツメクサに訪花するキアゲハを240-fpsのハイスピード動画で記録していたら、とても興味深いシーンがたまたま撮れていました。

キアゲハPapilio machaon hippocrates)が花から飛び立つまで長撮りしていると、途中から1匹のトモンハナバチ♂(Anthidium septemspinosum)が登場しました。
初めはニアミスしても互いに無関心でムラサキツメクサ(=アカツメクサ)から吸蜜し、トモンハナバチ♂は花から花へ飛び回っています。
トモンハナバチ♂がキアゲハの下をくぐって飛ぶこともありました。(@0:33〜)

やがて驚いたことに、トモンハナバチ♂がキアゲハの背後から狙いを定めてコツンと突撃しました。(@1:43)
不意に追突されたキアゲハは驚いて前方に飛び去りました。
それをトモンハナバチ♂は少し追尾してから戻って来ました。
トモンハナバチは狩蜂ではなくハナバチの仲間ですから、この攻撃性は意外でした。
これは探雌飛翔のパトロールをしていたトモンハナバチ♂が交尾相手の♀と間違えてキアゲハに誤認求愛したのでしょうか?

▼関連記事
訪花中のクマバチ♂を襲うトモンハナバチ♂【ハイスピード動画】

それなら初めにキアゲハを見つけた途端に飛びつこうとするはずです。
初めは見逃していた(無視していた)のに、しばらく経ってから急に交尾を挑むのは謎です。
確かにキアゲハの翅には黄色と黒の斑紋があり、トモンハナバチの配色と似ていなくもないですが、いくら何でもサイズや形が違い過ぎるでしょう。

同じ花に長時間居座って吸蜜していたキアゲハに対して、「いい加減、もうそろそろ縄張りから出ていけよ!」と攻撃的な占有行動をしたのではないか?という気がします。
トモンハナバチ♂には蜜源植物が咲いている一帯を縄張りとして、交尾相手の♀が飛来するのを待ち伏せする習性がありそうです。
だとすれば他種の昆虫と言えども、縄張り内の餌資源(花蜜や花粉)をあまり奪われないように追い払おうとしても不思議ではありません。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。

(登場したトモンハナバチが1匹ではなく複数個体だった可能性は?)

トモンハナバチは蜂類にしては珍しく、♂の体長が♀よりも大きい性的二型です。
これは♀を巡って♂同士で激しい闘争行動が繰り広げられることを示唆しているのですが、私は未だ見たことがありません。

2018/10/21

訪花中のクマバチ♂を襲うトモンハナバチ♂【ハイスピード動画】



2018年7月下旬

民家の庭に咲いたセイヨウニンジンボクの灌木でキムネクマバチ♂(Xylocopa appendiculata circumvolans)が吸蜜に来てしていました。
前回撮り忘れた240-fpsのハイスピード動画で訪花シーンを撮ってみました。(前回とは撮影地点が違います。)

▼前回の記事
セイヨウニンジンボクの花蜜を吸うクマバチ♀の群れ

花から花へ飛び立つ瞬間を狙ってクマバチ♂の羽ばたきに集中していたら、小型のトモンハナバチ♂(Anthidium septemspinosum)も素早く飛び回っていたことに現場では気づきませんでした。
スーパースローで見直すと、とても興味深い瞬間的な行動が記録されていました。

セイヨウニンジンボクの花で吸蜜中のクマバチ♂の背後からトモンハナバチ♂が飛来しました。
トモンハナバチ♂はホバリング(停空飛翔)して狙いを定めると脚を前方に伸ばして相手に掴みかかりました。
一瞬早くクマバチ♂が花から飛び立ち、間一髪で攻撃?を交わしました。
空中でホバリングしながらクマバチ♂とトモンハナバチ♂は睨み合いました。
2匹はすぐに別れたのですが、迫力たっぷりの一瞬の空中戦でした。
似ても似つかないのに(大きさも色も明らかに別種)、そそっかしいトモンハナバチ♂がクマバチ♂を交尾相手(トモンハナバチ♀)と誤認したのかもしれません。
探雌飛翔中のトモンハナバチ♂は、とりあえず蜂らしい物なら何でも飛びついてみる作戦なのでしょう。

▼関連記事(5年前の撮影)
トラマルハナバチ♀とトモンハナバチ♂のニアミス【ハイスピード動画】

Take2の映像でも、奥の花に移動したクマバチ♂の背後から再びトモンハナバチ♂が急襲していました。
この出来事に全く気づかずに撮影を止めてしまったのが残念です。

おそらく誤認求愛だろうと考えていたら、特定の蜜源植物の周囲に縄張りを張って守ろうとする(クマバチ♂などのライバルを追い払う)占有行動の可能性も出てきました。
実は同じ日に別な場所で観察したのですが、訪花中のキアゲハに対してもトモンハナバチ♂が背後から飛びかかって追い払っていました。
▼関連記事
訪花中のキアゲハを襲うトモンハナバチ♂【ハイスピード動画】
さすがに大型の蝶に対してトモンハナバチ♂が誤認求愛するとは考えにくいので、占有行動の習性もありそうです。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。


【追記】
アメリカの公共放送局PBSが近縁種Wool Carder beeを扱った動物番組を公開しました。
見事なスーパースロー映像を駆使していて、見応えがあります。
雄蜂♂が蜜源植物の群落で縄張りを張り、同種の♂や他種のハナバチ(マルハナバチなど)を激しく追い払うと紹介されていました。
つまり、縄張り防衛の占有行動という解釈でした。
闘争の際には腹端の刺を使うそうです。
同種の♀が訪花に来ると交尾を挑むのです。

2018/10/20

三巣並行営巣に失敗したスズバチ♀



2018年7月下旬
▼前回の記事
コンクリートブロックを物色して営巣地を決めたスズバチ♀

駐輪所やゴミ集積場として使われている小屋の軒下に置かれたコンクリートブロック内でスズバチ♀(Oreumenes decoratus)が営巣を始めたので、定点観察に通ってみました。
ところが泥巣を少し作りかけただけで未完のまま放棄してしまったようです。

スズバチ♀の営巣開始を観察したのが7/10。
そのときはコンクリートブロック内に泥巣は全く作られていませんでした。
その3日後(7/13)および10日後(7/20)に作りかけの泥巣を写真に撮りました。
今回は18日後(7/28)の夜です。
暗い穴の底にある泥巣を写真で記録するのはピント合わせが意外と難しいので、今回は赤外線の暗視カメラによる動画で撮ってみました。
ストロボ写真で記録するよりも上手く状況を記録できました。
母蜂の活動する姿を見たのは初日だけです。
コンクリートブロックを採寸してみると、縦×横×高さ=39×19×10cm。
各ブロックに3つある深さ19cmの穴の断面は角が面取りされていて、長径×短径=8×4.5cmの楕円状。

面白いことに、コンクリートブロックに3つ並んでいる穴の奥底で、同じ深さの同じ位置(右下)に泥巣を3つも作りかけていました。
この辺りではスズバチの生息密度が高くないので、複数個体の♀が同じ場所で集団営巣した可能性は低いと考えています。
(集団営巣では3つの穴の同じ位置に泥巣が作られたことを説明できません。)
1匹のスズバチ♀が三巣並行営巣を試みたのでしょう。
実はこのような現象は他の種類の蜂でも結構よくあることです。
私は以前、キアシナガバチの女王蜂を個体識別して二巣並行営巣を証明したことがあります。(私が蜂の観察にのめり込むきっかけとなった忘れがたい事例です)

▼関連記事
二巣並行営巣を始めたキアシナガバチ創設女王
キアシナガバチ創設女王による二巣並行営巣の謎

【参考文献】
1. Kasuya E. Simultaneous maintenance of two nests by a single foundress of the Japanese paper wasp, Polistes chinensis antennalis (Hymenoptera: Vespidae). Applied entomology and zoology. 1980;15(2):188–189.
フタモンアシナガバチ創設女王による二巣並行営巣の報告です。
2. 牧野俊一, 山根正気. ニッポンホオナガスズメバチの創設女王で見られた2巣並行営巣行動の観察. Kontyû. 1979;47(1):78-84.

どうしてこんなことが起こるのでしょう?
複眼と単眼による蜂の視覚系は、ヒトの見ている世界とは異なります。
営巣地を決めた蜂は定位飛行をしながら周囲の風景を記憶しようと努めます。
その視覚記憶に頼りながら巣材を集めに何度も往復して、次第に巣が建造されます。
ヒトが作った人工物をたまたま蜂が気に入ってそこに営巣を始めたとき、その人工物が幾何学的な繰り返し構造になっていると蜂は混乱して正しく位置を記憶できなくなってしまうようです。
自然界には「規則正しい繰り返し構造」などという物は存在しませんから、長い進化の過程でも、そのような本能行動の過ちが修正される機会が無かったのでしょう。
今回の場合は、一つのコンクリートブロックに相同の穴が3つ並んでいたことがスズバチ♀の混乱を招く元となりました。
実はこの軒下には、同型のコンクリートブロックが4つ並べて置いてありました。
スズバチ♀はその中で左端のブロックを選んで記憶することは出来たようですが、そこまでが能力の限界でした。
(残り3つのコンクリートブロック内には泥巣は全く作られておらず、落ち葉やゴミが溜まっていました。)

蜂が選んだブロックの右隣のブロックはなぜか真ん中で真っ二つに割れていたので、蜂の目から見ても他と区別しやすかったのかもしれません。
現代人が団地や集合住宅などの人工的な繰り返し構造から我が家を難なく探し当てる能力があるのは、建物に表札やラベルを書いて目印にしたり、座標の概念を駆使して住所を記憶するからです。(何号棟の何階の何号室)
蜂にはこれが出来ないのです。(フェロモンで匂いの目印を付ければ良いと思うのですが…。)

写真を並べてみると、造巣は7/13以降になると全く進んでいません。
母蜂が何らかの理由で死んでしまったのかもしれません(殺虫剤で駆除されていないことを祈ります)。
あるいは、この「おかしな営巣地」を捨て新天地でやり直すことにしたのでしょう。
幾ら働いても造巣が一向に進まないので「おかしい」と気づいたスズバチ♀が「本能の落とし穴」から自力で抜け出せたのだとすれば、とても興味深いですね。(ファーブルが好きそうな話です)

コンクリートブロックの横に無人カメラを設置してスズバチ♀の行動を全て録画していれば貴重な記録になっていたことでしょう。
蜂の為を思えば、コンクリートブロックの余計な穴を塞いでやれば、造巣に専念できたかもしれません。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。


スズバチ営巣地@コンクリートブロック(7/13)
スズバチ未完泥巣a@コンクリートブロック(7/13)
スズバチ未完泥巣b@コンクリートブロック(7/13)
スズバチ未完泥巣c@コンクリートブロック(7/13)
スズバチ営巣地@コンクリートブロック(7/20)
スズバチ未完泥巣a@コンクリートブロック(7/20)
スズバチ未完泥巣b@コンクリートブロック(7/20)ピンぼけ
スズバチ未完泥巣c@コンクリートブロック(7/20)

2018/10/19

ノウゼンカズラを訪花するモンスズメバチ♀の羽ばたき【HD動画&ハイスピード動画】



2018年7月下旬

駐車場の隅に立つヒノキの高木に巻き付いた蔓植物ノウゼンカズラの花が満開に咲いていました。
そこへ飛来したモンスズメバチVespa crabro)のワーカー♀が正当訪花を繰り返しています。
まずは花から飛び立つ瞬間を狙って240-fpsのハイスピード動画で撮ってみました。

飛来した蜂が風で揺れる花に着地するのに少し苦労しています。
花弁から歩いて花の中央に潜り込み(正当訪花)、吸蜜します。
胸背が黄色い花粉で汚れている個体でした。
ノウゼンカズラに正当訪花すると雄しべの葯が胸背に当たって花粉が擦り付けられる仕組みになっているのでしょう。
次の花に潜り込むとこの花粉が雌しべに擦り付けられ、他家受粉が成立するのです。
これで積年の謎が解けました。
以前観察したコガタスズメバチ♀の中に胸背が黄色く汚れている個体が居て、何の花粉か分からなかったのです。

▼関連記事
花粉で汚れたコガタスズメバチ♀の帰巣
葉で休息中のモンスズメバチ♀がノウゼンカズラの花から飛び立つキイロスズメバチ♀とニアミスしました(@1:37〜1:48)。
花から飛び立って上昇中にうっかり葉にぶつかり、バランスを崩して墜落する瞬間が捉えられていました。(@2:10〜2:20)

最後は通常のHD動画による撮影です(@2:20〜)。




▼関連記事(3年前の撮影)
ノウゼンカズラの花で獲物を探すコガタスズメバチ♀

モンスズメバチ♀@ノウゼンカズラ訪花吸蜜

ノウゼンカズラ花
ノウゼンカズラ花・全景@ヒノキ幹
ノウゼンカズラ花・全景@ヒノキ樹冠

2018/10/18

ネムノキの花で採餌するクマバチの群れ



2018年7月下旬

川沿いに立つネムノキの大木でピンクの花が満開に咲いていました。
そこへ多数のキムネクマバチXylocopa appendiculata circumvolans)が飛び回り、訪花していました。



残念ながらこの日は望遠レンズを持ってきていませんでした。
映像では遠くてクマバチの性別は不明ですけど、別に取った高画質の写真を拡大してみると顔色が見れた個体は黒かったので♀でした。
後脚の花粉籠の状態も分かりません。
クマバチ以外にも小型の蜂も飛び交っていますね。(蜂じゃないかも?)

翌日は台風が通過し、ようやく晴れた翌々日に望遠レンズを持って再訪したときにはネムノキの花は盛りを過ぎてしまい、クマバチが全く来なくなってしまいました。
別の場所に生えたネムノキの花をあちこち見て回っても、訪花昆虫の姿はありませんでした。
来年はこのネムノキ大木の近くまで行って、開花の時期から注意して観察してみます。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。


2018/10/16

クリの樹洞に営巣したニホンミツバチ♀



2018年7月下旬

農村部の庭に植えられたクリ(栗)の大木の周囲を多数の蜂がひっきりなしに飛び交っていました。
大木の根本に雑草が生い茂っていてよく見えませんが、藪の隙間からそっと覗くと、どうやらニホンミツバチApis cerana japonica)の巣があるらしいと分かりました。
おそらく樹洞の中で営巣していると思われますが、防護服がないので下手に近づけません。
幹の下部を多数のワーカー♀がウロウロしています。
スズメバチが巣を襲っているときのような振身威嚇行動はしていませんでした。
採餌に出かける個体と帰巣する個体が飛び交っています。
栗の枝には未だ青いイガが実っていました。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。

防護服を持っていなくてもちょっとした秘策があるので、定点観察に通ってみることにします。

つづく→ニホンミツバチの巣がある樹洞を深夜に観察【暗視映像】


ニホンミツバチ♀群れ@巣口:クリ樹洞
ニホンミツバチ♀群れ@巣口:クリ樹洞

2018/10/12

コナラの樹液酒場で交尾するヨツボシケシキスイ♀♂と群がるムネアカオオアリ♀



2018年7月中旬・午後17:50

里山の林道を登っていると、発酵した樹液の濃密な匂いが漂ってきました。
帰路の下山中にも同じ場所で樹液臭がします。
辺りを見回すとスギが多くてそれ以外の樹種は少ないので、樹液臭の元を頑張って探してみることに。
すると案の定、林道の横の崖を少し登った所に生えているコナラの幹に樹液が滲んでいました。

薄暗くなってきた夕方の雑木林で、ムネアカオオアリCamponotus obscuripes)のワーカー♀が5匹、コナラの樹液に群がっていました。
甘い樹液を飲み過ぎてアリの腹部の節間膜が伸び切っています。

アリの他には交尾中のヨツボシケシキスイLibrodor japonicus)♀♂ペアが居ました。
樹液を吸汁している♀の背後から♂がマウントして交尾しています。

ストロボを焚いて撮った写真を見返すと、ヨツボシケシキスイ以外にも、とても小さい謎の甲虫も何匹か樹液に来ていました。
マクロレンズで接写する気になれないほど薄暗かったので、そちらは追求せずにスルーしてしまいました。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。


ヨツボシケシキスイ♀♂交尾+ムネアカオオアリ♀5群れ@@コナラ樹液酒場
ヨツボシケシキスイ♀♂交尾+ムネアカオオアリ♀5群れ@@コナラ樹液酒場

コナラ葉裏(ミズナラと異なり葉柄が長い)

動画撮影後にヨツボシケシキスイの♀♂ペアを採集しました。
容器内で離れた際に、♂の伸ばした長い交尾器が見えました。
以下は標本の写真。

2018/10/11

アカメガシワ雌株の花蜜を吸いに集まるクマバチ♀



2018年7月下旬

街中の庭に植栽された高木に見慣れない不思議な花が咲いていて、多数のキムネクマバチ♀(Xylocopa appendiculata circumvolans)が訪花して賑やかに飛び回っていました。
どの個体を撮るべきか、目移りしてしまいます。
この日は望遠レンズを持ってきていなかったのが悔やまれます。

帰ってから樹種を調べると、どうやらアカメガシワのようです。
赤い葉柄が目を引きました。
花がほとんど散りかけの状態だと後に分かったのですが、そのせいで名前を調べるのに苦労しました。

訪花するクマバチ♀のどの個体を見ても後脚の花粉籠は空荷でした。
アカメガシワは雌雄異株で花弁が無いとのこと。
この木は雌株なので、花粉を出さない雌花しか咲きません。

クマバチ♀以外にも黒い小型の蜂が高速で飛び交っていたのですが、動きがあまりにも速過ぎて撮影中の私は気づきませんでした。
それでも撮れた動画をスロー再生すると、オオハキリバチ♂かもしれません。

おそらく花蜜が目当てというよりも、交尾相手を待ち伏せして探雌飛翔していたのでしょう。
来季はアカメガシワ雌花の咲き初めから定点観察して、訪花昆虫をしっかり観察するつもりです。
(秋になると実がなったので、どこか近くに雄株の木がありそうです。)

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。


クマバチ♀@アカメガシワ訪花吸蜜
クマバチ♀@アカメガシワ訪花吸蜜
クマバチ♀@アカメガシワ訪花吸蜜
クマバチ♀@アカメガシワ訪花吸蜜
クマバチ♀@アカメガシワ訪花吸蜜

アカメガシワ
アカメガシワ
アカメガシワ雌花
アカメガシワ葉
アカメガシワ葉
アカメガシワ葉
アカメガシワ幹

2018/10/10

オオアワダチソウの花蜜を吸うカタグロチビドロバチ



2018年7月中旬

山麓の畑の隅に咲いたオオアワダチソウの群落でおそらくカタグロチビドロバチStenodynerus chinensis)と思われる小型の狩蜂が訪花していました。
性別は不明です(見分け方が分かりません)。
ちょっと吸蜜するとすぐに飛び去ってしまいました。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。


2018/10/09

ツルマサキの花蜜を吸うエントツドロバチ♀



2018年7月下旬

街中の神社の境内で神木(樹種不明:杉ではない針葉樹)に常緑の蔓植物ツルマサキが絡みついて、ホストの幹よりも太く育っていました。
巻きつかれたホストの木は横枝を過度に剪定されたこともあり枯死してしまい、今や全体がツルマサキに覆われるように乗っ取られてしまいました。(ツルマサキに絞め殺された後で邪魔な枝を切り落としたのかも)

そのツルマサキに地味な花が咲くと、エントツドロバチ♀(別名オオカバフスジドロバチ;Orancistrocerus drewseni)が訪花・吸蜜していました。

他の狩蜂も訪花していたのですが、動きが素早くて撮り損ねてしまいました。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。


エントツドロバチ♀@ツルマサキ訪花吸蜜

ツルマサキ花
ツルマサキ花
ツルマサキ花@蔓根元

2018/10/05

肉団子を作るセグロアシナガバチ♀?



2018年7月中旬

湿地帯に生えた柳(樹種不明)の灌木の虫食い(食痕)だらけの葉で、おそらくセグロアシナガバチPolistes jokahamae)と思われるアシナガバチのワーカー♀を発見。
葉に付着したアブラムシの甘露を舐めているのかと思いきや、肉団子を丸めていました。
柳の葉を食い荒らした何かの幼虫を狩った直後なのでしょう。
アシナガバチは身繕いをしてから肉団子を抱えて巣へ飛び去ってしまいました。

きっちり背側から撮りたくて私が回り込もうとしたのに、間に合いませんでした。
識別点の前伸腹節が見れていないので、よく似たキアシナガバチPolistes rothneyi)の可能性も否定できません。
腹部側面の斑紋が、なんとなくセグロアシナガバチっぽい気がしています。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。


セグロアシナガバチ♀?@ヤナギ葉+肉団子作り

2018/10/04

セイヨウニンジンボクの花蜜を吸うクマバチ♀の群れ



2018年7月中旬

民家の軒下に植栽された庭木に紫色の見慣れない花が咲いていました。
多数のキムネクマバチ♀(Xylocopa appendiculata circumvolans)が訪花しています。
どの個体も後脚の花粉籠は空荷なので、花粉よりも花蜜が目当てなのでしょう。


クマバチ♀@セイヨウニンジンボク訪花吸蜜
クマバチ♀@セイヨウニンジンボク訪花吸蜜
クマバチ♀@セイヨウニンジンボク訪花吸蜜
クマバチ♀@セイヨウニンジンボク訪花吸蜜

風が強く吹く日で枝が激しく揺れ、撮影には最悪の条件です。
クマバチ以外にも狩蜂が訪花していたのに、風のせいか落ち着き無く飛び回り、撮り損ねて悔しい思いをしました。



【追記】
翌年も無風快晴の日に同じ場所で撮影した結果、クマバチ♀は穿孔盗蜜していることが判明しました。
▼関連記事セイヨウニンジンボクの花で穿孔盗蜜するクマバチ♀【HD動画&ハイスピード動画】
初めての観察時にクマバチ♀の盗蜜に気づかなかったのは、風揺れのせいだけでなく、花盛りで多数の花が花序に密生していて蜂の口元がよく見えなかったからでしょう。
クマバチ♀の採餌戦略(正当訪花と穿孔盗蜜)に個体差がある可能性も考えられます。



さて、この樹種は何でしょう?
小枝に小さな花が輪状に咲いていて、蕾は白です。
なんとなくシソ科のハーブの花と似ている気がします。
樹高は民家の2階に届くぐらいで、約3.5m。
外来植物(園芸種)だと思うのですが、全く見知らぬ花なので調べてみました。
「紫色の花 庭木 7月 掌状複葉 全縁」と目に付いた特徴を全て入れて画像検索すると、セイヨウニンジンボクとあっさり判明しました。
良い時代になったものです。
予想通りシソ科でしたが、「シソ科の樹木」があるとは知りませんでした。


※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。
風揺れが激しい映像なので、いつものような手ブレ補正はしませんでした


セイヨウニンジンボク花
セイヨウニンジンボク花
セイヨウニンジンボク花・全景

2018/10/03

花が咲いたツタの群落で獲物を探索するキイロスズメバチ♀



2018年7月中旬

ブロック塀を覆い尽くしたツタ(蔦)の群落で訪花昆虫を目当てにキイロスズメバチVespa simillima xanthoptera)のワーカー♀が飛び回っていました。
このキイロスズメバチ♀はツタの花蜜が目当てではなく、ゆっくりホバリングして獲物を探しているようです。

▼関連記事
ツタの花蜜を吸うキイロスズメバチ♀
狩りの瞬間には立ち会えませんでした。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。


2018/10/02

吸蜜のためヤブガラシを訪花するクロアナバチの羽ばたき【HD動画&ハイスピード動画】



2018年7月上旬

民家の軒下に猫の額ほどの庭があり、ヤブガラシの群落が蔓延っていました。
そこでクロアナバチSphex argentatus fumosus)と思しき黒い狩蜂が訪花していました。
少なくとも2匹が飛び回っていました。
採集、採寸が出来ていないのですが、体長以外でコクロアナバチと見分けるポイントはあるのでしょうか?
微妙な差異ですが、顔面の毛がコクロアナバチは「銀黄色」でクロアナバチは「灰白色(銀白色)」らしいです。
今回の蜂の顔は白っぽいのでクロアナバチだと思います。


▼関連記事(5年前の撮影。実はクロアナバチかも)
コクロアナバチがヤブガラシに訪花吸蜜

それから性別も不明です。
多くの蜂では顔色が性的二型で、顔に白い毛が密生している方が雄蜂♂と相場が決まっています。

ところが、クロアナバチは♀の顔も白っぽいのです。
クロアナバチの性別判定法が図鑑を調べても載っていないので、知りたいところです。
「素人が図鑑を買って読んでも普通種さえ見分けられるようにならずフラストレーションが溜まる」のは「図鑑」として問題でしょう。
身近な普通種こそ、きちんと分かりやすい文章で記述しておいて欲しいものです。
もし雌雄の区別が困難なら、そのように書いておいてもらえると助かります。
この2種は♀の営巣習性が明らかに異なるので、そういう現場なら私にも見分けられます。

余談ですけど、蚊もヤブガラシに訪花していたのが意外でした。(@0:42〜1:02)
吸蜜シーンだとしたら嬉しいのですが、オレンジ色の花ではなく蕾で翅を休めていただけかもしれません。
蚊の背側がしっかり撮れる前に逃げられてしまい、私には種類が見分けられません。

後半は、クロアナバチがヤブガラシの花から飛び立つ瞬間を狙って240-fpsのハイスピード動画で撮ってみました。(@1:05〜)
飛び立つと空中でホバリング(停空飛翔)を行ない、方向転換を披露してくれました。

最後に興味深いニアミスがありました。(@1:47〜)
ヤブガラシの蔓にヤブキリ♂(Tettigonia orientalis)が止まっていました。
クロアナバチ♀はクサキリやツユムシなどを狩ることが知られています。
狩りの決定的瞬間が撮れるのではないかと期待して見守ったのですが、クロアナバチは獲物の存在に気づかずに飛び去りました。
映像に登場するクロアナバチは♂なのかな?(性別判定法を知りたいところです)
天敵である狩蜂の羽音を聞いたら慌てて逃げ出しても良さそうなのに、このヤブキリ♂は全く動じなかったことも不思議です。
襲われるまでは保護色でひたすら隠れる作戦なのかな?
このヤブキリは有翅なので成虫です。
産卵管が無いので♂でしょう。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。




【追記】
余談ですが、塚谷裕一『カラー版 - スキマの植物の世界』という中公新書を読んでいてたら、ヤブガラシについて驚愕の事実を知りました。
関東より東に生えているヤブガラシは三倍体で果実が付かない。中部地方以西には、黒い果実を付ける二倍体が混生している。 p2より引用)

関東以北で見かける個体はすべて三倍体。中部以西は二倍体が混ざる。意外なことにこの事実は、2003年に私たちが論文を発表して指摘するまで、全く気付かれていなかった。(中略)三倍体に比べ二倍体は葉の厚みが少なく、花序も華奢。三倍体は葉が必ず5枚の小葉を1セットとするが、二倍体はしばしば新芽の先などで3枚1セットの葉を付ける。 (p114-115より引用)

確かに言われてみれば、ここ東北地方でヤブガラシの実を見たことがありません。
クロアナバチ:背側面@ヤブガラシ訪花吸蜜
クロアナバチ:顔@ヤブガラシ訪花吸蜜

ヤブキリ♂:背面@ヤブガラシ蔓
ヤブキリ♂:側面@ヤブガラシ蔓

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