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2018/10/28

ヤナギハナガサの花蜜を吸うツマグロヒョウモン♂



2018年8月中旬・午前7:56

民家の花壇に咲いたヤナギハナガサ(別名サンジャクバーベナ)の群落でヒョウモンチョウの仲間が訪花していました。
横目で見つつ一度素通りしそうになってからもしやと思い、引き返してカメラを向けると、ツマグロヒョウモン♂(Argyreus hyperbius)でした。
翅を開閉しながら吸蜜しています。

花から飛び去っても、しばらくするとまた同じ群落に舞い戻っていました。


▼関連記事(ちょうど1年前に同じ庭で♀を撮影)
ヤナギハナガサの花蜜を吸うツマグロヒョウモン♀


ツマグロヒョウモン♂@三尺バーベナ訪花吸蜜
ツマグロヒョウモン♂:翅裏@三尺バーベナ訪花吸蜜

2018/10/27

脱皮前の眠で微動だにするオビガ(蛾)亜終齢幼虫【100倍速映像】



2018年7月下旬

オビガ(蛾)の飼育記録2018年#1


4年前にオビガを幼虫から飼育したものの、ヤドリバエに寄生されていたせいで成虫まで育ちませんでした。
成虫の羽化まで見届けることを目標に、飼育に再チャレンジしてみます。
里山の林道沿いに生えたタニウツギ灌木を見て歩き、オビガApha aequalis)の幼虫を計5頭も採集してきました。(a〜e)


オビガ(蛾)幼虫@タニウツギ葉:林道脇
オビガ(蛾)幼虫@タニウツギ葉:林道脇

3日後、そのうちの1頭がタニウツギの葉裏にぶら下がり、動かなくなりました。
実際は葉表なのですが、採取してきたタニウツギの枝を水差しにしたら葉の裏表が逆になってしまいました。

(採取してきたのが斜め下に伸びる横枝だったので、こうなりました。)
この個体eはほとんど白毛なので、中齢(亜終齢)と思われます。
詳しく見ると、胸背の毛束だけが茶色で、残りの長毛は白毛です。
確かにこのとき亜終齢だったことが後に分かります。
脱皮する前のみん状態を微速度撮影で記録してみましょう。
枝を水差しにしたままだとタニウツギの葉自体が微動してしまうので、毛虫が乗った葉を葉柄から切り落とし、葉が萎れてカールしないように重しを乗せました。
ノギスで採寸した体長は約41mmでした(毛は除外)。
オビガの終齢幼虫は約50mmらしい。

約6時間の微速度撮影を100倍速の早回しにした映像をご覧下さい。(午後13:10〜19:07。その間の室温は約32℃)
途中から、デジタル時計を葉先に置いて時刻を写し込みました。
更に、採寸代わりに直径20mmの1円玉を毛虫の手前に並べて置きました。

みん状態のオビガ亜終齢幼虫はときどき自発的にかすかに蠕動しています。
ほんの僅かに前進しようとさえしていました。

つづく→#2:オビガ(蛾)終齢幼虫への脱皮


オビガ(蛾)亜終齢幼虫e白毛@タニウツギ葉表+脱皮前眠
オビガ(蛾)亜終齢幼虫e白毛@タニウツギ葉表+脱皮前眠+scale
オビガ(蛾)亜終齢幼虫e白毛:側面@タニウツギ葉表+脱皮前眠+scale

2018/10/25

訪花中のキアゲハを襲うトモンハナバチ♂【ハイスピード動画】



2018年7月下旬

農道沿いでムラサキツメクサに訪花するキアゲハを240-fpsのハイスピード動画で記録していたら、とても興味深いシーンがたまたま撮れていました。

キアゲハPapilio machaon hippocrates)が花から飛び立つまで長撮りしていると、途中から1匹のトモンハナバチ♂(Anthidium septemspinosum)が登場しました。
初めはニアミスしても互いに無関心でムラサキツメクサ(=アカツメクサ)から吸蜜し、トモンハナバチ♂は花から花へ飛び回っています。
トモンハナバチ♂がキアゲハの下をくぐって飛ぶこともありました。(@0:33〜)

やがて驚いたことに、トモンハナバチ♂がキアゲハの背後から狙いを定めてコツンと突撃しました。(@1:43)
不意に追突されたキアゲハは驚いて前方に飛び去りました。
それをトモンハナバチ♂は少し追尾してから戻って来ました。
トモンハナバチは狩蜂ではなくハナバチの仲間ですから、この攻撃性は意外でした。
これは探雌飛翔のパトロールをしていたトモンハナバチ♂が交尾相手の♀と間違えてキアゲハに誤認求愛したのでしょうか?

▼関連記事
訪花中のクマバチ♂を襲うトモンハナバチ♂【ハイスピード動画】

それなら初めにキアゲハを見つけた途端に飛びつこうとするはずです。
初めは見逃していた(無視していた)のに、しばらく経ってから急に交尾を挑むのは謎です。
確かにキアゲハの翅には黄色と黒の斑紋があり、トモンハナバチの配色と似ていなくもないですが、いくら何でもサイズや形が違い過ぎるでしょう。

同じ花に長時間居座って吸蜜していたキアゲハに対して、「いい加減、もうそろそろ縄張りから出ていけよ!」と攻撃的な占有行動をしたのではないか?という気がします。
トモンハナバチ♂には蜜源植物が咲いている一帯を縄張りとして、交尾相手の♀が飛来するのを待ち伏せする習性がありそうです。
だとすれば他種の昆虫と言えども、縄張り内の餌資源(花蜜や花粉)をあまり奪われないように追い払おうとしても不思議ではありません。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。

(登場したトモンハナバチが1匹ではなく複数個体だった可能性は?)

トモンハナバチは蜂類にしては珍しく、♂の体長が♀よりも大きい性的二型です。
これは♀を巡って♂同士で激しい闘争行動が繰り広げられることを示唆しているのですが、私は未だ見たことがありません。

2018/10/22

クジャクアスター(菊)の花蜜を吸うモンシロチョウ



2016年10月中旬

民家の庭に咲いた見慣れない菊の花にモンシロチョウPieris rapae)が訪花していました。
翅をしっかり閉じて吸蜜しています。
ベニシジミやハナアブ、セイヨウミツバチ♀も訪花していました。

おそらく園芸種だと思うのですが、赤紫色の小さな花が多数付いていて葉が細長い。
全体の高さ(草丈)は約1m。
ガーデニング関連の掲示板で問い合わせたところ、クジャクアスター(別名クジャクソウ)だろうとご教示頂きました。


モンシロチョウ@クジャクアスター訪花吸蜜

2018/10/15

夏の水田を飛んで渡るキアゲハ



2018年7月下旬

青々と育つイネが一面に広がる田んぼの上空をキアゲハPapilio machaon hippocrates)が飛び回っています。
手前の畦道に着陸したようですが、私からは見えない死角に入ってしまいました。
吸蜜出来る花が何か咲いていたのかもしれません。
あるいは♀が産卵のために水田の畦道に生えたセリ類を探しに来たのでしょうか?

夏になるとこのような光景を結構頻繁に見かけるのですけど、ようやく映像に残すことが出来ました。(夏の風物詩)
動画をスロー再生すると、ナミアゲハではなくキアゲハであることが分かります。


2018/10/12

ムラサキツメクサに訪花するキアゲハの羽ばたき【HD動画&ハイスピード動画】



2018年7月下旬

用水路と田んぼに挟まれた農道に咲いたムラサキツメクサ(=アカツメクサ)の群落でキアゲハPapilio machaon hippocrates)が訪花していました。
意外にもこの組み合わせは初見です。
半開きの翅を小刻みに羽ばたかせながら吸蜜しています。
強い風に吹かれてムラサキツメクサの茎が大きくしなっても必死でしがみついています。

多数の個体が訪花していたのに、互いに出会っても求愛飛翔などは一度も見れませんでした。
たまに翅色の濃い個体が居たのは性差なのかな?と思い、帰宅後に保育社『標準原色図鑑全集1:蝶・蛾』でキアゲハを調べると、

春型では♂♀ほとんど差はないが、夏型では♀のはねの地色は汚黄色(♂は鮮黄色)で、強く黒いりん粉がひろがる。(p16より引用)

花から飛び立つ瞬間を狙って240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。
飛び立つと強風に煽られながらも力強く羽ばたいています。

複数個体を撮影。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。


キアゲハ@ムラサキツメクサ訪花吸蜜
キアゲハ@ムラサキツメクサ訪花吸蜜
キアゲハ@ムラサキツメクサ訪花吸蜜
キアゲハ@ムラサキツメクサ訪花吸蜜

2018/10/08

ナミアゲハ♀♂の求愛飛翔【HD動画&ハイスピード動画】



2018年7月中旬・午後15:21〜15:28

快晴で猛暑の午後、アベリア(別名ハナツクバネウツギ、ハナゾノツクバネウツギ)の生垣でナミアゲハ♀(Papilio xuthus)を見つけました。
アベリアに訪花して吸蜜中なのかと思いきや、枝先の葉にしがみついて翅をゆるやかに開閉していました。
風が吹いて枝が激しく揺れても逃げません。

これ以降の展開で性別が重要になるので、先に説明しておきます。
wikipediaでは

ナミアゲハのオスメスは腹部先端の形で区別できるが、外見からはあまり判らない。
と書いてありますが、保育社『標準原色図鑑全集1:蝶・蛾』を紐解いてナミアゲハについて調べると、

雌雄の区別
春形では♂♀の差はほとんどないが、夏型では♂のはねの地色は白みが強く(♀は汚黄色)、後翅の前縁の黒色の丸い斑紋は強く鮮明(♀ではあっても不鮮明)、肛角部の赤い斑点がない(メスには春型の♂♀と同様にあらわれる)

変異
季節による大きさの差があり、夏型は春型に比べて大きく、はねの外縁に近い黒い帯は幅広くなる。
(p16より引用)
私のフィールドではキアゲハに比べてナミアゲハはレアなこともあり、未だ細かい点まで見分けられていません。
とりあえず、後翅肛角部の赤い斑点の有無で性別判定することにして話を進めます。

性別判定の説明はこのぐらいにして、動画の説明を続けます。
アベリアの枝先で翅を全開にして休んでいた♀の背後からナミアゲハ♂が飛来しました。
♀も枝先に止まったまま翅を羽ばたかせてから、飛び立ちました。
生け垣の奥でナミアゲハの♀♂ペアによる乱舞のような求愛飛翔が始まりました。
横の開けた空間(芝生の低空)で、もつれ合うように飛び続けます。
おそらく♂が♀に着陸を促しているのでしょう。

めくるめく乱舞をじっくり観察するために、私も慌てて240-fpsのハイスピード動画に切り替えてみました。(@1:41〜4:04)
♀♂は肛角部の赤い斑点の有無で見分けることにします。

スローモーションで見ると、逃げる♀を♂が必死で追いかけているのではありませんでした。
♂が♀の直前をしばらく飛び、急に羽ばたきを止めて地面に急降下する、という運動を繰り返しています。
やはり♂が♀を下へ下へ誘導しているようです。
♂は♀に翅の斑紋を見せつけ、性フェロモンを振りまいているのかな?
熱烈な求愛を受けてもなぜか♀はその誘いに乗らず、ホバリング(停空飛翔)したり上に飛んだりしています。
ホバリングの際は胴体をほぼ垂直に立て力強く羽ばたいています。
結局2頭は空高く舞い上がり、ペアを解消した模様です。
1頭は行方を見失ってしまいました。
芝生のエリアに残った個体(性別不明)は低空でアベリアの生け垣の方へ飛び去りました。

しばらくしてから私もアベリアの生垣に戻ると、先程と同じように2頭の♂が枝先に互いに離れて停まっていました。
ここは集団お見合いの待ち合わせ場所になっているのかもしれません。


資源とは特に関係の無い場所に集まった雄が、そこで小さな縄張りを作り、求愛のディスプレイを行う。このような行動をする雄たちを「レック」という。レックが求愛のディスプレイで自分をアピールし、雌を呼び寄せて交尾をするというのが「レック型一夫多妻」である。(wikipediaより引用)
♂が縄張りを構えてアベリアに訪花する♀を待ち構えているのだとすれば、♂同士の縄張り争いが起こらないのが不思議です。
アベリアの花で吸蜜するナミアゲハも見ていません。
私の知る限り、アベリアの白い花はアゲハチョウが好む色では無いように思います。
スイカズラ科のアベリアはナミアゲハ幼虫の食草(ミカン科)ではありませんから、ここで成虫が一斉に羽化したとは考えられません。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。

保育社『原色日本昆虫生態図鑑IIIチョウ編』によると、ナミアゲハの

交尾飛翔型は←♀+♂。(p138より)


交尾したまま飛翔する場合は、♂、♀のどちらか一方が飛び、他方はぶら下がっている。♂も♀も翅を使って同時に飛ぶことはない。このように交尾しながら飛ぶときに♂が飛ぶか、♀が飛ぶかは種によって一定していて、属や科についても通則がある。(中略)ここで←♀+♂の記号は、♀が飛翔し、♂は交尾したまま♀に連行され飛翔しないことを示す。 (p88より引用)



アゲハの追飛(交尾拒否)←♀+♂[1970年9月27日]
追飛の形式は種によっていくらか異なるが、空高く舞いあがるという共通した性質が認められる。それは突然にあらわれる動く物体に驚いた個体に急に負の走地性(正の走光性とする説もある)があらわれるためではないかとも思われる (p86より引用)



今回、求愛が成就して交尾成立するまで見届けられなかったのは残念でした。
しかし鈴木紀之『すごい進化 - 「一見すると不合理」の謎を解く (中公新書)』を読むと、しつこく求愛してくる♂をいちいち断ったり上手くあしらったりしなければいけない♀の暮らしも大変そうです。

♂はたくさんの♀と交尾したいがゆえに、♀にとってコストになるような行為さえも厭わないことが知られています。モンキチョウやアゲハチョウの仲間では、よく一匹の(もしくはそれ以上の数の)♂が♀の周りにくるくるとまとわりついて飛んでいるのが観察されます。これは陽光の下で起きている、♂と♀の微笑ましい求愛の光景ではありません。たいていの場合♀はすでに交尾をしており、愛情に必要な量の精子を体内に蓄えています。そのため、これ以上交尾する必要はなく、それよりはむしろ、捕食者から身を守りつつ、栄養をたくさん摂取して、産卵に備えるほうが重要です。ところが、♂は交尾できるかもしれないというわずかな望みにかけて、♀に「ちょっかい」を出し続けます。こうした♂の利己的な行動は♀にとってははっきり言って邪魔なだけです。♂が♀にもたらすこのような行動は、進化学の専門用語として「セクシャル・ハラスメント」と呼ばれており、♂は不要どころか、繁殖の邪魔をする存在にまでなってしまったのです。 (p179-180より引用)





【追記】
『蝶の自然史―行動と生態の進化学』という本の第2章に収録された山下恵子『オスはどうやってメスを探すのか――ナミアゲハのオスの配偶行動を解発する 視覚的信号の定量的解析』によると、
チョウの♂が♀を探しだす方法には、静止している♂が飛来してくる♀を待つ見張り型と、♂が飛翔し静止している♀を探す探索型が知られている。(p17より引用)
 (ナミ)アゲハの♂は、午前中、♀を探してカラタチやミカンといった食樹のまわりをたんねんに飛んでいる。(p21より引用)




ナミアゲハ♀@アベリア枝先
ナミアゲハ♀@アベリア枝先
ナミアゲハ♂@アベリア枝先(直後に飛び立つと、後翅表の肛角部に赤点無し)

2018/10/06

後翅を擦り合わせるウスイロオナガシジミ



2018年7月中旬

里山の林道脇の雑木の葉表に乗ってウスイロオナガシジミAntigius butleri)が休んでいました。
閉じた翅を互いにゆっくり擦り合わせて後翅の尾状突起を触角のように動かしています。
鳥類などの天敵は急所の頭部を狙ってくるので、身体の前後を誤認させる自己擬態で身を守っているそうです。
舞台となった葉の樹種はおそらくハルニレではないかと思います。

てっきりミズイロオナガシジミかと思ったのですが、帰宅後に調べてみると実は初見のゼフィルスでした。

▼関連記事(9年前の撮影)
ミズイロオナガシジミ
飛び立ちのハイスピード動画など、もっとじっくり撮るべきでしたね。


ウスイロオナガシジミ:翅裏@ハルニレ?葉上
ウスイロオナガシジミ:翅表@ハルニレ?葉上

2018/10/05

ヒヨドリバナを訪花するカラスアゲハ♀の羽ばたき【HD動画&ハイスピード動画】



2018年7月中旬

里山を下山している夕方に、山道の横の斜面に咲いたヒヨドリバナの群落でカラスアゲハ♀(Papilio dehaanii dehaanii)が訪花していました。
半開きの翅を激しく羽ばたかせながら吸蜜しています。

訪花シーンからの飛び立ちを240-fpsのハイスピード動画で撮ってみました。(@0:41〜)
薄暗い夕方なので、画質が粗くなってしまいます。
吸蜜中は前翅だけでアイドリングのように羽ばたき、後翅は動かしていないことがよくわかります。。
翅表にビロード状の性斑が見えないので、おそらく♀ですね。(アングルがいまいちで自信がありません)

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。


カラスアゲハ♀@ヒヨドリバナ訪花吸蜜

2018/10/04

ヒメジョオンを訪花するオオチャバネセセリの羽ばたき【ハイスピード動画】



2018年7月中旬

畦道に咲いたヒメジョオンの群落でオオチャバネセセリZinaida pellucida)が訪花していました。
翅を半開きにして吸蜜しています。

次の花へ飛び立つ瞬間を狙って240-fpsのハイスピード動画で撮ってみました。
本種の飛翔は、数回羽ばたいてから翅を閉じて慣性で飛ぶ独特のリズムがあります。
飛行中はゼンマイ状の口吻を丸めて縮めています。
隣の花が近ければ飛ばずに歩いて渡ることもありました。

意外にもこの組み合わせは初見だったので、高画質ののHD動画でも撮ればよかったですね。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。


2018/10/03

柳の葉で休むモンシロチョウ



2018年7月中旬

湿地帯に生えた柳の灌木林(樹種不明)でモンシロチョウPieris rapae)が飛び回り、虫食いだらけの柳の葉に止まりました。

柳の葉に付いたアブラムシの甘露を舐める蜂を観察したばかりなので、モンシロチョウも同様に柳の葉を舐めるかと期待しました。

▼関連記事
柳の葉を舐めるヒメスズメバチ♀

モンシロチョウ成虫の食性は花蜜専門で樹液に集まる蝶ではないため、甘露を舐めるとしたら非常に意外性がある発見になります。
ドキドキしながら見守ったものの、モンシロチョウは口吻を伸ばしませんでした。
残念ながら、ただの休息だったようです。

「柳の下に何時も泥鰌どじようは居らぬ」
もう少しじっくり粘れば、柳の葉を舐める決定的なスクープ映像が撮れたかな?
食わず嫌いせずに味見すれば病みつきになるかもしれないのに…。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。


モンシロチョウ@ヤナギ葉

2018/10/02

ヒヨドリバナの花蜜を吸うオオウラギンスジヒョウモン♂



2018年7月中旬

堤防の土手に咲いたヒヨドリバナオオウラギンスジヒョウモン♂(Argyronome ruslana)が訪花していました。
翅をゆるやかに開閉しながら吸蜜しています。
すぐに飛び去ってしまい残念でした。


▼関連記事(8年前に撮った近縁種)
ヒヨドリバナの花蜜を吸うウラギンスジヒョウモン♀

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。


オオウラギンスジヒョウモン♂@ヒヨドリバナ訪花吸蜜

2018/10/01

羽化したキアゲハの初飛翔【HD動画&ハイスピード動画】



2018年7月中旬

▼前回の記事
キアゲハにスポーツドリンクを与えてみる

キアゲハの飼育記録(2018年)#9


羽化したばかりのキアゲハPapilio machaon hippocrates)新成虫bが翅を広げて止まっている割り箸をペン立てにそっと移すと初飛翔を披露してくれました。
240-fpsのハイスピード動画で撮ると、力強い羽ばたきで黄色い新鮮な鱗粉が飛び散る様子をスーパースローで観察できました。
このときの室温は31.4℃、湿度53%。

映像の後半はその前日に羽化した成虫aです。
夕方、割箸から飛び立った初飛行は撮り損ねました。
明るい窓際に向かって飛ぶと、レースカーテンにしがみつきました。
(映像はここから)
元気に羽ばたきながらレースカーテンを上へ上へ登って行きます。
翅を広げて静止したところを指で触れると、少しだけ飛んで逃げました。
このときの室温は32.0℃、湿度49%。

飼育下で終齢幼虫から成虫の羽化まで見届けて満足したので、撮影後は外に放蝶しました。

つづく→#10:


キアゲハa@レースカーテン
キアゲハa@レースカーテン

2018/09/28

キアゲハにスポーツドリンクを与えてみる



2018年7月中旬・室温31.4℃、湿度53%
▼前回の記事
羽化終了後に蛹便を排泄するキアゲハc


キアゲハの飼育記録(2018年)#8


羽化終了後のキアゲハPapilio machaon hippocrates)成虫cにスポーツドリンクを給餌してみました。
アクエリアス(AQUARIUS)の粉末を水で溶かすと、レモン汁のような薄黄色の液体になります。
マルチビタミン配合と謳われている商品で、私が味見すると甘味よりも酸味がかなり強いです。
ペットボトルの蓋に少量注いでから脱脂綿に吸わせました。

アクエリアスはほぼ無臭なので、少し手助けしてあげないとキアゲハは気づいてくれません。
捕獲したキアゲハcの足先を濡れた脱脂綿に付けてやっても自発的に口吻を伸ばすことはありませんでした。
爪楊枝でゼンマイ状の口吻を伸ばしてやり、脱脂綿の表面に触れさせてやるとようやく自分で吸水を始めました。
かなり酸味の強いドリンクなので蝶は気に入らないのではないかと心配しましたが、水で薄めなくても喜んで飲んでくれました。
ただの砂糖水を与えるよりもミネラル成分も効果的に補給できます。
満ち足りるとキアゲハcは口吻をクルクルと縮めました。
よほど気に入ってくれたようで、その後も脱脂綿から飛び立とうとしません。
AQUARIUSのCMに使ってくれないかな?



※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。

つづく→#9:羽化したキアゲハの初飛翔【HD動画&ハイスピード動画】


キアゲハc:背面@スポーツドリンク吸水
キアゲハc:側面@スポーツドリンク吸水
キアゲハc:顔@スポーツドリンク吸水
キアゲハc:側面@スポーツドリンク吸水後
アクエリアス粉末(マルチビタミン)成分表

2018/09/26

羽化終了後に蛹便を排泄するキアゲハc

▼前回の記事
羽化の途中で蛹便を排泄してしまったキアゲハb【10倍速映像】


キアゲハの飼育記録(2018年)#7



2018年7月中旬

朝(6:45)様子を見ると、プラスチック容器内の隅に作られた帯蛹cからキアゲハPapilio machaon hippocrates)の成虫cが羽化していました。
蛹化してから8日目の早朝でした。
抜け殻にしがみついた状態で翅伸展は既に完了していたものの高さがギリギリで、後翅の尾状突起が容器の底につかえて窮屈そうです。
終齢幼虫cはそれを見越してここで蛹化したのだとしたら、驚異的な予測能力ですね。
幼虫自身の体長を基準にして高さを測定したのでしょうか?

キアゲハ成虫cに割り箸をそっと差し出すと素直に登ってくれました。
広い空間でのびのびと翅を伸ばし、緩やかに開閉して乾かします。

キアゲハc@羽化(翅伸展)後



午前9:07、室温30.3℃、湿度59%。
止まり木でじっとしているキアゲハcが腹部をヒクヒクさせてから、白っぽい液状便を勢い良く大量に放出しました。
羽化後の翅伸展が無事に終わったので、不要になった体液を蛹便(羽化液)として排泄したのです。
排泄の瞬間、腹部が急激に収縮し、真下に向けていた腹端をやや前方に屈曲させました。
それまで膨満していた腹部が少し収まったようです。

キアゲハc蛹便(羽化液)@ティッシュペーパー

予め真下に敷いていたティッシュペーパーが羽化液で汚れました。

透明な液体成分と白い尿酸成分から成ることが分かります。
特に悪臭はしません。
幼虫時代に摂取した水分を羽化するまで蓄えていたのです。


※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。

つづく→#8:キアゲハにスポーツドリンクを与えてみる




以下の写真は帯蛹から羽化した後の抜け殻です。
キアゲハc羽化殻:側面@方眼紙
キアゲハc羽化殻:側面@方眼紙
キアゲハc羽化殻:背面@方眼紙
キアゲハc羽化殻:腹面@方眼紙
キアゲハc羽化殻:腹面@方眼紙
キアゲハc羽化殻:尾端@方眼紙

2018/09/25

訪花中のモンシロチョウに誤認求愛するモンキチョウ♂



2018年7月上旬


▼前回の記事
ムラサキツメクサの花蜜を吸うモンシロチョウ

ムラサキツメクサ(=アカツメクサ)の群落で訪花していたモンシロチョウPieris rapae)を動画に撮っていると、探雌飛翔中のモンキチョウ♂(Colias erate poliographus)がやって来ました。
おそらく同種の♀だと誤認して求愛しに来たのでしょう。
モンキチョウの♀も通常は翅が白いので、ちょっと紛らわしいのでしょう。
しかし、すぐに別種と気づいたようで、2頭は離れて飛び去りました。
再生速度を15%に落としたスローモーションでリプレイしてみましょう。(@0:24〜)
モンシロチョウの場合は太陽光に含まれる紫外線の下で見ると雌雄の翅の模様が明確に異なり見分けられるのだそうです。
同じシロチョウ科に属するモンキチョウの場合は配偶行動の際にどうやって性別を見分けているのでしょう?(既に解明されているのかな?)

渡辺守『モンキチョウの交尾行動』によると、

・(モンキチョウの)♀には黄色い翅をもった個体と白い翅をもった個体の二型が生じ、ふつう、モンシロチョウと間違えられるような白い翅の個体が♀の過半数を占めています。 
・朝、♀は草むらの中で羽化し、その中でほとんど動かないので、♂は早朝から草地の上1メートルくらいをゆっくり飛んで♀を探し始めます。これを探雌飛翔といい、羽化したばかりの処女♀を草むらの中に発見すると、いきなり♀に体当たりをするかのように急降下し、一瞬の後には連結してしまいます。
(『動物たちの気になる行動(2)恋愛・コミュニケーション篇』p59〜61より引用)


モンキチョウの求愛飛翔や交尾中の連結態はよく見かけますけど、♂の求愛が実って交尾を始める瞬間や、♀による交尾拒否行動を私は未だ観察したことがありません。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。


鈴木紀之『すごい進化 - 「一見すると不合理」の謎を解く』(中公新書)によると、
近縁な種類どうしでは交尾の証拠がよく見つかっています。ということは、私たちが直接観察できたわけではありませんが、求愛程度の軽微なエラーはさらにたくさん起きたのだと想像できます。こうして考えてみると、他種への求愛はもはや例外的なエラーなのではなく、自然界にはよくある出来事として捉えられるようになってくるのではないでしょうか。 (p123より引用)


フィールドで起こる誤認求愛のような小さな事件をアマチュアのナチュラリストが地道に記録していくしかありません。


▼関連記事(3年後の撮影)

2018/09/24

羽化の途中で蛹便を排泄してしまったキアゲハb【10倍速映像】



2018年7月中旬・午前7:51〜8:10
▼前回の記事
羽化直前のキアゲハ帯蛹b【40倍速映像】


キアゲハの飼育記録(2018年)#6


水平に固定された帯蛹は珍しいのですが、果たして無事に羽化できるでしょうか?
蛹化してから8日目の朝、キアゲハPapilio machaon hippocrates)帯蛹bの胸部が急に割れ、いよいよ羽化が始まりました。
新成虫は容器天井の縁に足で掴まり、水平に固定された蛹からスムーズに抜け出ました。
そのまま容器の上縁に掴まり、翅の伸展を開始。
黒い口吻をクルクルと何度も伸縮させると、元々2本だった口吻がジッパーを閉じるように1本の管に連結します。

途中で背面を向いてしまったので、見栄えを考慮して側面から撮ろうと容器を少し動かしました。(回した)
それに驚いたキアゲハ新成虫は少し暴れ、黄土色の蛹便(羽化液)を勢い良く噴射しました。
飼育容器の壁と底が蛹便で汚れました。
蝶が羽化する時は体液の内圧で翅芽を膨らませ、羽化が完了したら余った体液を蛹便として排泄します。
蛹便を早くに排泄してしまったら翅伸展に支障を来すのではないかと心配になりました。
容器ではなくカメラを動かして撮影アングルを調整すべきでしたね。
自然界でもたまにこのような事態があるのかもしれません。
つまり、羽化中は一番無防備な状態ですから、天敵に襲われた時に咄嗟に蛹便を噴射すれば相手を多少はたじろがせることが出来るのかもしれません。
それとも体内の水分が多い個体は早めに蛹便を排泄するのかな?

しかし、みるみるうちに翅が伸び、無事に羽化を完了してくれて一安心。
その後は翅を軽く半開きに開閉して乾かしています。
開いた翅を横から撮りたいのに、またもや背面を向いてしまいます。
もしかすると、光を背に受けたがる性質があるのかもしれません。

撮影中に測った室温と湿度は、
午前7:01 27.2℃、62%
午前7:51 28.9℃、60%
午前8:02 29.2℃、59%


つづく→#7:羽化終了後に蛹便を排泄するキアゲハc


キアゲハb@羽化直後(翅伸展後)
キアゲハb@羽化直後(翅伸展後)

キアゲハb羽化殻:側面@方眼紙
キアゲハb羽化殻:側面@方眼紙
キアゲハb羽化殻:側面@方眼紙
キアゲハb羽化殻:背面@方眼紙
キアゲハb羽化殻:腹面@方眼紙
キアゲハb羽化殻:開裂部@方眼紙
キアゲハb羽化殻:尾端@方眼紙
キアゲハb羽化殻:尾端@方眼紙

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