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2018/12/03

樹洞に帰巣するニホンミツバチ♀を空中で待ち伏せるキイロスズメバチ♀【HD動画&ハイスピード動画】



2018年9月上旬
▼前回の記事
ニホンミツバチの巣がある樹洞を深夜に観察【暗視映像】

クリの樹洞に営巣したニホンミツバチApis cerana japonica)のコロニーを3週間ぶりに定点観察。
すると、2匹のキイロスズメバチVespa simillima xanthoptera)がニホンミツバチを襲撃しているところでした。
巣口がある樹洞の手前で外を向いてホバリング(停空飛翔)し、帰巣するミツバチのワーカー♀を狩ろうと待ち構えています。
天敵のスズメバチに襲撃を受けたニホンミツバチ側は、門衛がクリの幹で振身威嚇しているはずです。
しかし、巣がある樹洞は手前の藪で覆われていて、振身威嚇の様子が見えませんでした。

ホバリング中のキイロスズメバチ♀が獲物と誤認したのか仲間に襲いかかり、空中で同士討ちになりました。
1/5倍速のスローモーションでリプレイ(@0:45〜0:52)。
2匹共にもんどりうって墜落したものの、すぐ間違いに気づいて待ち伏せホバリング(戦闘空域)に復帰しました。
もしかするとキイロスズメバチ同士で狩場における縄張り争いがあるのでしょうか?
同じコロニー出身ではない可能性も考えられます。

240-fpsのハイスピード動画に切り替えて撮ってみました。(@1:23〜)
木陰は昼間も薄暗く、画質が粗いです。
鬼のいぬ間にミツバチの外役ワーカー♀が次々に飛び交っています。
命がけで帰巣するニホンミツバチ♀が栗の木を覆う草の葉に衝突すると、葉が揺れました。
ようやくキイロスズメバチ♀が茂みの陰から現れ、待ち伏せホバリングを始めました。
しかし今回の観察で、狩りの成功シーンは見れませんでした。


ニホンミツバチの対スズメバチ防衛法として、蜂球による蒸し焼き作戦が有名です。
あれはオオスズメバチの斥候をミツバチの巣内に誘き寄せてから一斉に覆い被さり胸部飛翔筋による発熱で高温に弱いオオスズメバチを殺して退治するのです。
しかしキイロスズメバチはその手には乗らず、ニホンミツバチの巣内には入りません。
いつもミツバチの巣の近くの空中でホバリングしながら一匹ずつミツバチを狩るので、ミツバチ側の損害もあまり大したことないのかもしれません。(全滅はしない?)

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。


キイロスズメバチ♀@ホバリング+待ち伏せ@ニホンミツバチ巣:クリ樹洞前
キイロスズメバチ♀2@ホバリング+待ち伏せ@ニホンミツバチ巣:クリ樹洞前



2018/11/30

スジグロシロチョウ♀♂の求愛飛翔【HD動画&ハイスピード動画】



2018年7月中旬・午後16:21

里山の麓の林縁で2頭の白い蝶が猛烈な勢いで絡み合うように飛び回っていました。
スジグロシロチョウPieris melete)またはヤマトスジグロシロチョウPieris nesis)の♀♂ペアによる求愛飛翔のようです。
ゼフィルスの卍巴飛翔を思わせる激しい乱舞が繰り広げられています。

すぐに240-fpsのハイスピード動画に切り替えて撮ってみました。(@0:15〜)
なかなか見応えのあるスローモーションが撮れたのに、残念ながら私には性別を見分けられないので行動を解釈できません。(※ 追記参照)
2頭は暗いスギ植林の林縁の方へ飛んで行きます。
♀♂ペアの乱舞は結構長く続いたものの、交尾には至らず別れました。

桑原保正『性フェロモン―オスを誘惑する物質の秘密 (講談社選書メチエ)』によると、

 (蛾とは異なり、:しぐま註)蝶には♀が分泌し、♂を誘引する性フェロモンがない。蝶の性フェロモンは♂が分泌するのである。♀に結婚を承諾させる媚薬的な働きをするフェロモンと考えられている。人間の鼻にも強烈に香る化合物である場合が多い。
 たとえば、モンシロチョウに似ているが、黒いスジが目立つスジグロシロチョウの♂はシトラール(ゲラニアールとネラールの65対35の混合物)を分泌する鱗粉をもっており、レモンのような強烈な香りがある。(p191より引用)


しかし今回の撮影中に柑橘系の芳香は嗅ぎ取れませんでした。
性フェロモンはごく微量しか放出されないのでしょう。
機会があればスジグロシロチョウ♂を採集して、発香鱗の匂いを実際に嗅いでみたいものです。



※【追記】
小原嘉明『進化を飛躍させる新しい主役:モンシロチョウの世界から』(岩波ジュニア新書)によると、
(スジグロシロチョウの)♂の翅には、強いにおいを発する発香鱗という鱗粉があります。このにおいは人間がかいでもはっきりわかります。(中略)配偶行動にも(モンシロチョウと:しぐま註)大きなちがいがあります。その一つは♀が未交尾の段階から、モンシロチョウの既交尾♀と同じ交尾拒否姿勢をとって♂を拒否することです。その♀もいずれは交尾するのですが、なぜ♀が未交尾の段階で♂を拒否するのか、またその後なぜ♂を受け入れるようになるかについては、まだわかっていません。
 もう一つ、強いにおいを発散する♂は、あたかもそのにおいを翅をはばたいて♀に浴びせかけるかのように、♀の近くで滞空飛翔をして求愛します。このにおいが、交尾を拒否する未交尾♀を交尾に誘導する性フェロモンとして機能している可能性がありますが、それについてはまだたしかめられていません。(p166〜167より引用)
この本の記述と私が今回観察した行動はどうも合わない気がします。
もしかすると、今回の映像は♀♂ペアによる求愛飛翔ではなく、♂同士の縄張り争いなのでしょうか?
スジグロシロチョウの配偶行動があまり解明されていない理由は、ヒトの目にはフィールドで性別を見分けられないからでしょう。

2018/11/26

オビガ♂(蛾)に触れて飛び立たせてみる【ハイスピード動画】



2018年9月上旬

オビガ(蛾)の飼育記録2018年#8



▼前回の記事
準備運動後に飛び立つオビガ(蛾)成虫a【HD動画&ハイスピード動画】

昼間に窓際のレースカーテンに止まっているオビガApha aequalis)の成虫♂aが飛び立つ様子を240-fpsのハイスピード動画で撮ろうと悪戦苦闘しています。
割箸でそっと翅をつついて飛び立たせても、飛翔力が弱くて、弱々しく羽ばたきながらただ落下することが多いのです。
しつこく何度もやり直すと、ようやく準備運動なしに少しだけ飛んでくれました。(冒頭の映像)

※ 逆光の条件下でもオビガの翅の斑紋(帯状の模様)が見えるように、動画編集時に彩度を少し上げています。


つづく→#9:オビガ(蛾)終齢幼虫♀eの繭作り【100倍速映像】


2018/11/19

準備運動後に飛び立つオビガ(蛾)成虫a【HD動画&ハイスピード動画】



2018年9月上旬・室温26.5℃、湿度59%

オビガ(蛾)の飼育記録2018年#7

▼前回の記事
暗くすると元気に飛ぶ夜行性のオビガ♂(蛾)

羽化から6日後。
室内で行方不明だったオビガApha aequalis)成虫♂aが、窓際のレースカーテンに止まっていました。
軽く触れると、初めは驚いて擬死落下しました。(映像公開予定)
やがてレースカーテンにしがみついたまま、準備運動の羽ばたきを始めました。
緊急時でもすぐには飛び立てないようです。
しばらく羽ばたいて体温が充分に上がると、自発的に飛び立ちました。
ところが、ほんの短い距離を飛んだだけですぐにまた明るい窓際に引き寄せられ、レースカーテンに止まり直してしまいます。(走光性)
そもそも羽ばたく力が弱々しく、ほとんど落ちるように飛ぶことが多いです。
オビガ成虫の口吻は退化していて、羽化後は飲まず食わずなので、疲れやすいのかもしれません。
(実は撮影のために繰り返し触れて刺激し、何度も飛び立たせています。)

オビガ♂aの飛び立ちと飛翔シーンを240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@0:18〜)

配偶行動なども観察するつもりでオビガ成虫♂aを飼い続けてきたのですが、待てど暮らせど♀が羽化しません。
諦めて、この動画を撮影後に♂aを窓の外へ逃してやりました。

※ 逆光で撮ったので、翅の斑紋が見えるように動画編集時に彩度を上げています。

つづく→#8:オビガ♂(蛾)に触れて飛び立たせてみる【ハイスピード動画】


オビガ(蛾)成虫a@レースカーテン

2018/11/16

夜明けの山中を群れで飛ぶ謎のヤンマ【暗視動画&HD動画&ハイスピード動画】



2018年8月中旬・午前4:49〜5:18(日の出時刻は4:51)

里山で定点観察しているコナラの樹液酒場を夜明け直前に観察していたら、耳元で聞こえる昆虫の羽音が気になりました。
樹液目当てに飛来したスズメガ類がホバリング(停空飛翔)しているのかと初めは想像したのですが、振り返ってみるとその正体は意外にもトンボでした。
丑三つ時の里山に登ってきた今回の定点観察で一番興奮した収穫はこれでした。
通い慣れたフィールドも、時間帯を変えてみると新たな発見がありますね。

暗がりで目を凝らすと大型のトンボなので、おそらくヤンマの仲間でしょう。
まずは赤外線の暗視カメラで撮ってみました。
「群飛」と呼べるほどではありませんが、複数個体が代わる代わる飛来し、林縁のコナラ樹液酒場のすぐ横をひたすら往復しています。
撮影地点は林道の横の崖を少し登ったところです。
斜面の山側は雑木林で少し藪になっているのですが、トンボは林の奥には行かずに、開けた谷側(林道沿い)を好んで飛んでいるようです。

コナラの樹液酒場に群がる小さなショウジョウバエなどを捕食しに来たのでしょうか?
それとも樹液とは無関係で、明け方に林縁を飛んで往復する習性があるのかもしれません。
現場の近くに沢や水場はありませんでした。

東の空に太陽が昇り少し明るくなったので、通常のHD動画に切り替えました。(@1:32〜)
実際は未だ暗いのですけど、動画編集時に自動色調補正を施して、無理やり明るく加工しています。

明け方の雑木林の林縁を飛んで往復するヤンマ類を240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@1:59〜)
どこに置きピンするか難しいのですが、適当です。
光量不足でかなり粗い画質です。
スローモーションで見れば、暗くて羽ばたきは分からなくともトンボであることは確実です。


井上清、谷幸三『トンボのすべて 第2版改訂版』によると、

これらの種はおもに日中は藪陰などで眠っていて、夕方薄暗くなりかけ、気温が下がり始めると飛び出します。これを黄昏飛翔(たそがれひしょう)と言います。この時間帯に飛ぶ小昆虫を摂食するためですが、交尾する種もあります。黄昏飛翔は夜明け前の薄暗い時間帯にも見られます。
 黄昏飛翔は大空を駆けめぐる種ばかりでなく、低いところを忙しく飛び回る種にも見られます。カトリヤンマは昼間は藪陰で眠っていて、夕方になると木立に囲まれた農家の庭先や軒先などに出てきて忙しく低く飛び回って蚊を食べます。ミルンヤンマは丘陵地の道路の上を低く飛ぶのが見られます。アメイロトンボやオオメトンボ、コフキオオメトンボなどは暗い池の上を低く飛び、産卵に訪れる♀を待ちます。(p91より引用)



帰宅後に、黄昏飛行するトンボを図鑑『日本のトンボ』で検討してみました。


カトリヤンマは、東北地方ではほぼ絶滅している。
マルタンヤンマは山形県には分布しない。
今のところ有望な候補としては、ミルンヤンマとコシボソヤンマが考えられます。
特に、ミルンヤンマは過去にこの里山の麓で撮影しています。

▼関連記事
ミルンヤンマ♂

生態学の基本的な用語に「ニッチ」という考え方があります。
生き物は環境を空間的に細分化して住み分けているだけでなく、時間的にも住み分けて共存しているのです。
里山の全く同じ場所を昼行性の昆虫、夜行性の昆虫、薄明薄暮性の昆虫が住み分けています。

薄暗がりを飛び回るトンボをストロボ写真に撮って同定する芸当は私には無理そうです。(飛び回る被写体にピントを素早く合わせられない)
捕虫網を持参して採集し、謎のトンボの正体を突き止めるのが、来季の宿題です。
もし樹液酒場に集まるハエなどを目当てにトンボが飛来したのであれば、捕食の瞬間を動画に撮りたいところです。
しかし私は、トンボの嗅覚が優れているという話を聞いたことがありません。
トンボは、樹液の発酵臭と獲物の多さを関連付けて学習、記憶することが可能なのでしょうか?



午前5:16に測った現地の気温は21℃でした。

ちなみに月齢は1.7とほぼ新月の状態で月の出は午前6:37でした。
したがって、撮影時刻に月明かりはありません。


【追記】
渡辺守『トンボの生態学 (ナチュラルヒストリーシリーズ) 』という分厚い専門書を拾い読みしてみたところ、残念ながら「黄昏飛行」を特別に扱った章はありませんでした。
むしろ筆者は少し否定的なニュアンスで書いていたのが印象的でした。
前に読んだ井上清、谷幸三『トンボのすべて』と見解の違いがあるようです。

成虫が夜間に活動する種も存在し、ときどき灯火採集の光に引き寄せられている例があったという。確かに、海や大きな湖で、夜間に航行中の船舶の明かりに飛び込んできた個体は長距離を飛翔中といえ、実際に夜に「渡りをする種」も存在する。しかし、偏光に対する感受性が強く、黎明薄暮時にも採餌活動ができるからといって、月光を利用した採餌活動を主たる栄養源にしている種が存在すると結論づけるには無理があろう。夜間の活動は特殊例といわざるをえない。大多数の種は昼行性であり、それぞれの種で、独自の日周活動パターンをもっていると考えるべきである。 (p77〜78より引用)


2018/11/08

セイヨウニンジンボクの花で盗蜜するクマバチ♂【ハイスピード動画】



2018年7月下旬

庭に植栽されたセイヨウニンジンボクの灌木でキムネクマバチ♂(Xylocopa appendiculata circumvolans)が訪花していました。
吸蜜後に次の花へ飛び立つ瞬間を狙って240-fpsのハイスピード動画で撮ってみました。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。


▼関連記事
訪花中のクマバチ♂を襲うトモンハナバチ♂【ハイスピード動画】



【追記】
翌年の撮影で、クマバチ♀もセイヨウニンジンボクで穿孔盗蜜していることが判明しました。

▼関連記事 
セイヨウニンジンボクの花で穿孔盗蜜するクマバチ♀【HD動画&ハイスピード動画】

過去の記事を遡ってこの映像を見直したところ、雄蜂♂もやはり盗蜜していました。
当時はてっきり普通の正当訪花による吸蜜だと思い込んでいたのですが、盗蜜と訂正しておきます。
唇形花の根元を外側から噛み、その穴に舌を差し込んで吸蜜しています。

2018/10/28

ノウゼンカズラを訪花するキイロスズメバチ♀の羽ばたき【HD動画&ハイスピード動画】



2018年7月下旬


▼前回の記事
ノウゼンカズラを訪花するモンスズメバチ♀の羽ばたき【HD動画&ハイスピード動画】

駐車場の隅に立つヒノキの高木に蔓植物ノウゼンカズラが巻き付き、満開の花が咲いていました。
そこへキイロスズメバチVespa simillima xanthoptera)のワーカー♀も吸蜜しに来ていました。
花筒の入口から潜り込む正当訪花を繰り返すので、体の背面が黄色い花粉で汚れています。
花から花へ飛び立つ瞬間を狙って240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@1:21〜)

吸蜜後は花筒から頭を抜いた後に身繕いをすることがありました。
触角や顔を前脚で拭って化粧しています。
花から飛び去りながらホバリング中に後脚同士を擦り合わせ、花粉を落としています。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。


キイロスズメバチ♀+胸背花粉@ノウゼンカズラ訪花吸蜜
キイロスズメバチ♀+胸背花粉@ノウゼンカズラ訪花吸蜜
キイロスズメバチ♀+胸背花粉@ノウゼンカズラ訪花吸蜜
キイロスズメバチ♀@ノウゼンカズラ訪花+身繕い
キイロスズメバチ♀@ノウゼンカズラ訪花+身繕い

2018/10/25

訪花中のキアゲハを襲うトモンハナバチ♂【ハイスピード動画】



2018年7月下旬

農道沿いでムラサキツメクサに訪花するキアゲハを240-fpsのハイスピード動画で記録していたら、とても興味深いシーンがたまたま撮れていました。

キアゲハPapilio machaon hippocrates)が花から飛び立つまで長撮りしていると、途中から1匹のトモンハナバチ♂(Anthidium septemspinosum)が登場しました。
初めはニアミスしても互いに無関心でムラサキツメクサ(=アカツメクサ)から吸蜜し、トモンハナバチ♂は花から花へ飛び回っています。
トモンハナバチ♂がキアゲハの下をくぐって飛ぶこともありました。(@0:33〜)

やがて驚いたことに、トモンハナバチ♂がキアゲハの背後から狙いを定めてコツンと突撃しました。(@1:43)
不意に追突されたキアゲハは驚いて前方に飛び去りました。
それをトモンハナバチ♂は少し追尾してから戻って来ました。
トモンハナバチは狩蜂ではなくハナバチの仲間ですから、この攻撃性は意外でした。
これは探雌飛翔のパトロールをしていたトモンハナバチ♂が交尾相手の♀と間違えてキアゲハに誤認求愛したのでしょうか?

▼関連記事
訪花中のクマバチ♂を襲うトモンハナバチ♂【ハイスピード動画】

それなら初めにキアゲハを見つけた途端に飛びつこうとするはずです。
初めは見逃していた(無視していた)のに、しばらく経ってから急に交尾を挑むのは謎です。
確かにキアゲハの翅には黄色と黒の斑紋があり、トモンハナバチの配色と似ていなくもないですが、いくら何でもサイズや形が違い過ぎるでしょう。

同じ花に長時間居座って吸蜜していたキアゲハに対して、「いい加減、もうそろそろ縄張りから出ていけよ!」と攻撃的な占有行動をしたのではないか?という気がします。
トモンハナバチ♂には蜜源植物が咲いている一帯を縄張りとして、交尾相手の♀が飛来するのを待ち伏せする習性がありそうです。
だとすれば他種の昆虫と言えども、縄張り内の餌資源(花蜜や花粉)をあまり奪われないように追い払おうとしても不思議ではありません。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。

(登場したトモンハナバチが1匹ではなく複数個体だった可能性は?)

トモンハナバチは蜂類にしては珍しく、♂の体長が♀よりも大きい性的二型です。
これは♀を巡って♂同士で激しい闘争行動が繰り広げられることを示唆しているのですが、私は未だ見たことがありません。

2018/10/23

飛べ!アオカナブン【HD動画&ハイスピード動画】



2018年7月下旬

里山のコナラ樹液酒場に来ていた2匹のアオカナブンRhomborrhina unicolor)内の1匹(個体b)です。
下向きで幹に静止して樹液を舐めていました。
『樹液に集まる昆虫ハンドブック』p49によれば、腹面を見ればよく似たアオカナブンとカナブン(緑化個体)とを簡単に区別できるのだそうです。
試しにこの個体bを捕獲して裏返してみてみると、左右の後脚のつけ根が接していたのでアオカナブンでした。

手掴みで捕獲しても脱糞、排尿などの抗議行動はしませんでした。
次に、解放するついでに飛び立つ瞬間を狙って240-fpsのハイスピード動画で撮ってみました。(@0:32〜)
カナブンの仲間の飛翔は、鞘翅(前翅)をしっかり閉じたまま後翅だけを広げて羽ばたくことが特徴です。
鞘翅を閉じることで無駄な空気抵抗を減らしているのでしょう。

1回目は、畳んでいた後翅を広げて羽ばたいたものの、飛ぶと言うよりも、慌てふためいてほぼ落下しただけでした。
下草に落ちたアオカナブンbを再び拾い上げ、しつこくやり直します。
2回目(Take2)は、軽く握りしめた拳をそっと開くと私の指に少し登ってから見事に離陸しました。
飛翔中は後翅が羽ばたく際に、閉じた鞘翅がガタガタと振動していることが分かりました。
これは昔に観察した羽化不全個体でも同じでした。

▼関連記事(6年前の撮影)
アオカナブン羽化不全個体の羽ばたき【ハイスピード動画&HD動画】

正常な個体でも意外と翅の立て付けが悪いのですね。
こんなに摩擦が生じるのでは、無駄なエネルギーのロスも結構ありそうです。

平凡社『日本動物大百科10昆虫Ⅲ』p114によると、

ハナムグリ類は上翅を閉じたままの独特の飛び方をする。上翅をやや持ち上げぎみにして、側縁のえぐれた部分から後翅をくりだして飛ぶのである。このため、すばやく飛翔態勢をとることができ、上翅にかかる空気抵抗が少ないぶん、飛ぶスピードも速くなる。




※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。
最後に暗転シーンが無駄に続くのは動画編集のミスです。
不要パートを編集でカットしたつもりが、なぜか終わってくれませんでした。


アオカナブンb:背面@コナラ樹液酒場
アオカナブンb:背面@コナラ樹液酒場
アオカナブンb:側面@コナラ樹液酒場
アオカナブンa:腹面@捕獲


つづく→コナラの樹液を舐め幹を登り飛び立つアオカナブン
(同じ樹液酒場で別個体aを撮った動画です)


2018/10/21

訪花中のクマバチ♂を襲うトモンハナバチ♂【ハイスピード動画】



2018年7月下旬

民家の庭に咲いたセイヨウニンジンボクの灌木でキムネクマバチ♂(Xylocopa appendiculata circumvolans)が吸蜜に来てしていました。
前回撮り忘れた240-fpsのハイスピード動画で訪花シーンを撮ってみました。(前回とは撮影地点が違います。)

▼前回の記事
セイヨウニンジンボクの花蜜を吸うクマバチ♀の群れ

花から花へ飛び立つ瞬間を狙ってクマバチ♂の羽ばたきに集中していたら、小型のトモンハナバチ♂(Anthidium septemspinosum)も素早く飛び回っていたことに現場では気づきませんでした。
スーパースローで見直すと、とても興味深い瞬間的な行動が記録されていました。

セイヨウニンジンボクの花で吸蜜中のクマバチ♂の背後からトモンハナバチ♂が飛来しました。
トモンハナバチ♂はホバリング(停空飛翔)して狙いを定めると脚を前方に伸ばして相手に掴みかかりました。
一瞬早くクマバチ♂が花から飛び立ち、間一髪で攻撃?を交わしました。
空中でホバリングしながらクマバチ♂とトモンハナバチ♂は睨み合いました。
2匹はすぐに別れたのですが、迫力たっぷりの一瞬の空中戦でした。
似ても似つかないのに(大きさも色も明らかに別種)、そそっかしいトモンハナバチ♂がクマバチ♂を交尾相手(トモンハナバチ♀)と誤認したのかもしれません。
探雌飛翔中のトモンハナバチ♂は、とりあえず蜂らしい物なら何でも飛びついてみる作戦なのでしょう。

▼関連記事(5年前の撮影)
トラマルハナバチ♀とトモンハナバチ♂のニアミス【ハイスピード動画】

Take2の映像でも、奥の花に移動したクマバチ♂の背後から再びトモンハナバチ♂が急襲していました。
この出来事に全く気づかずに撮影を止めてしまったのが残念です。

おそらく誤認求愛だろうと考えていたら、特定の蜜源植物の周囲に縄張りを張って守ろうとする(クマバチ♂などのライバルを追い払う)占有行動の可能性も出てきました。
実は同じ日に別な場所で観察したのですが、訪花中のキアゲハに対してもトモンハナバチ♂が背後から飛びかかって追い払っていました。
▼関連記事
訪花中のキアゲハを襲うトモンハナバチ♂【ハイスピード動画】
さすがに大型の蝶に対してトモンハナバチ♂が誤認求愛するとは考えにくいので、占有行動の習性もありそうです。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。


【追記】
アメリカの公共放送局PBSが近縁種Wool Carder beeを扱った動物番組を公開しました。
見事なスーパースロー映像を駆使していて、見応えがあります。
雄蜂♂が蜜源植物の群落で縄張りを張り、同種の♂や他種のハナバチ(マルハナバチなど)を激しく追い払うと紹介されていました。
つまり、縄張り防衛の占有行動という解釈でした。
闘争の際には腹端の刺を使うそうです。
同種の♀が訪花に来ると交尾を挑むのです。

2018/10/19

ノウゼンカズラを訪花するモンスズメバチ♀の羽ばたき【HD動画&ハイスピード動画】



2018年7月下旬

駐車場の隅に立つヒノキの高木に巻き付いた蔓植物ノウゼンカズラの花が満開に咲いていました。
そこへ飛来したモンスズメバチVespa crabro)のワーカー♀が正当訪花を繰り返しています。
まずは花から飛び立つ瞬間を狙って240-fpsのハイスピード動画で撮ってみました。

飛来した蜂が風で揺れる花に着地するのに少し苦労しています。
花弁から歩いて花の中央に潜り込み(正当訪花)、吸蜜します。
胸背が黄色い花粉で汚れている個体でした。
ノウゼンカズラに正当訪花すると雄しべの葯が胸背に当たって花粉が擦り付けられる仕組みになっているのでしょう。
次の花に潜り込むとこの花粉が雌しべに擦り付けられ、他家受粉が成立するのです。
これで積年の謎が解けました。
以前観察したコガタスズメバチ♀の中に胸背が黄色く汚れている個体が居て、何の花粉か分からなかったのです。

▼関連記事
花粉で汚れたコガタスズメバチ♀の帰巣
葉で休息中のモンスズメバチ♀がノウゼンカズラの花から飛び立つキイロスズメバチ♀とニアミスしました(@1:37〜1:48)。
花から飛び立って上昇中にうっかり葉にぶつかり、バランスを崩して墜落する瞬間が捉えられていました。(@2:10〜2:20)

最後は通常のHD動画による撮影です(@2:20〜)。




▼関連記事(3年前の撮影)
ノウゼンカズラの花で獲物を探すコガタスズメバチ♀

モンスズメバチ♀@ノウゼンカズラ訪花吸蜜

ノウゼンカズラ花
ノウゼンカズラ花・全景@ヒノキ幹
ノウゼンカズラ花・全景@ヒノキ樹冠

2018/10/12

ムラサキツメクサに訪花するキアゲハの羽ばたき【HD動画&ハイスピード動画】



2018年7月下旬

用水路と田んぼに挟まれた農道に咲いたムラサキツメクサ(=アカツメクサ)の群落でキアゲハPapilio machaon hippocrates)が訪花していました。
意外にもこの組み合わせは初見です。
半開きの翅を小刻みに羽ばたかせながら吸蜜しています。
強い風に吹かれてムラサキツメクサの茎が大きくしなっても必死でしがみついています。

多数の個体が訪花していたのに、互いに出会っても求愛飛翔などは一度も見れませんでした。
たまに翅色の濃い個体が居たのは性差なのかな?と思い、帰宅後に保育社『標準原色図鑑全集1:蝶・蛾』でキアゲハを調べると、

春型では♂♀ほとんど差はないが、夏型では♀のはねの地色は汚黄色(♂は鮮黄色)で、強く黒いりん粉がひろがる。(p16より引用)

花から飛び立つ瞬間を狙って240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。
飛び立つと強風に煽られながらも力強く羽ばたいています。

複数個体を撮影。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。


キアゲハ@ムラサキツメクサ訪花吸蜜
キアゲハ@ムラサキツメクサ訪花吸蜜
キアゲハ@ムラサキツメクサ訪花吸蜜
キアゲハ@ムラサキツメクサ訪花吸蜜

2018/10/08

ナミアゲハ♀♂の求愛飛翔【HD動画&ハイスピード動画】



2018年7月中旬・午後15:21〜15:28

快晴で猛暑の午後、アベリア(別名ハナツクバネウツギ、ハナゾノツクバネウツギ)の生垣でナミアゲハ♀(Papilio xuthus)を見つけました。
アベリアに訪花して吸蜜中なのかと思いきや、枝先の葉にしがみついて翅をゆるやかに開閉していました。
風が吹いて枝が激しく揺れても逃げません。

これ以降の展開で性別が重要になるので、先に説明しておきます。
wikipediaでは

ナミアゲハのオスメスは腹部先端の形で区別できるが、外見からはあまり判らない。
と書いてありますが、保育社『標準原色図鑑全集1:蝶・蛾』を紐解いてナミアゲハについて調べると、

雌雄の区別
春形では♂♀の差はほとんどないが、夏型では♂のはねの地色は白みが強く(♀は汚黄色)、後翅の前縁の黒色の丸い斑紋は強く鮮明(♀ではあっても不鮮明)、肛角部の赤い斑点がない(メスには春型の♂♀と同様にあらわれる)

変異
季節による大きさの差があり、夏型は春型に比べて大きく、はねの外縁に近い黒い帯は幅広くなる。
(p16より引用)
私のフィールドではキアゲハに比べてナミアゲハはレアなこともあり、未だ細かい点まで見分けられていません。
とりあえず、後翅肛角部の赤い斑点の有無で性別判定することにして話を進めます。

性別判定の説明はこのぐらいにして、動画の説明を続けます。
アベリアの枝先で翅を全開にして休んでいた♀の背後からナミアゲハ♂が飛来しました。
♀も枝先に止まったまま翅を羽ばたかせてから、飛び立ちました。
生け垣の奥でナミアゲハの♀♂ペアによる乱舞のような求愛飛翔が始まりました。
横の開けた空間(芝生の低空)で、もつれ合うように飛び続けます。
おそらく♂が♀に着陸を促しているのでしょう。

めくるめく乱舞をじっくり観察するために、私も慌てて240-fpsのハイスピード動画に切り替えてみました。(@1:41〜4:04)
♀♂は肛角部の赤い斑点の有無で見分けることにします。

スローモーションで見ると、逃げる♀を♂が必死で追いかけているのではありませんでした。
♂が♀の直前をしばらく飛び、急に羽ばたきを止めて地面に急降下する、という運動を繰り返しています。
やはり♂が♀を下へ下へ誘導しているようです。
♂は♀に翅の斑紋を見せつけ、性フェロモンを振りまいているのかな?
熱烈な求愛を受けてもなぜか♀はその誘いに乗らず、ホバリング(停空飛翔)したり上に飛んだりしています。
ホバリングの際は胴体をほぼ垂直に立て力強く羽ばたいています。
結局2頭は空高く舞い上がり、ペアを解消した模様です。
1頭は行方を見失ってしまいました。
芝生のエリアに残った個体(性別不明)は低空でアベリアの生け垣の方へ飛び去りました。

しばらくしてから私もアベリアの生垣に戻ると、先程と同じように2頭の♂が枝先に互いに離れて停まっていました。
ここは集団お見合いの待ち合わせ場所になっているのかもしれません。


資源とは特に関係の無い場所に集まった雄が、そこで小さな縄張りを作り、求愛のディスプレイを行う。このような行動をする雄たちを「レック」という。レックが求愛のディスプレイで自分をアピールし、雌を呼び寄せて交尾をするというのが「レック型一夫多妻」である。(wikipediaより引用)
♂が縄張りを構えてアベリアに訪花する♀を待ち構えているのだとすれば、♂同士の縄張り争いが起こらないのが不思議です。
アベリアの花で吸蜜するナミアゲハも見ていません。
私の知る限り、アベリアの白い花はアゲハチョウが好む色では無いように思います。
スイカズラ科のアベリアはナミアゲハ幼虫の食草(ミカン科)ではありませんから、ここで成虫が一斉に羽化したとは考えられません。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。

保育社『原色日本昆虫生態図鑑IIIチョウ編』によると、ナミアゲハの

交尾飛翔型は←♀+♂。(p138より)


交尾したまま飛翔する場合は、♂、♀のどちらか一方が飛び、他方はぶら下がっている。♂も♀も翅を使って同時に飛ぶことはない。このように交尾しながら飛ぶときに♂が飛ぶか、♀が飛ぶかは種によって一定していて、属や科についても通則がある。(中略)ここで←♀+♂の記号は、♀が飛翔し、♂は交尾したまま♀に連行され飛翔しないことを示す。 (p88より引用)



アゲハの追飛(交尾拒否)←♀+♂[1970年9月27日]
追飛の形式は種によっていくらか異なるが、空高く舞いあがるという共通した性質が認められる。それは突然にあらわれる動く物体に驚いた個体に急に負の走地性(正の走光性とする説もある)があらわれるためではないかとも思われる (p86より引用)



今回、求愛が成就して交尾成立するまで見届けられなかったのは残念でした。
しかし鈴木紀之『すごい進化 - 「一見すると不合理」の謎を解く (中公新書)』を読むと、しつこく求愛してくる♂をいちいち断ったり上手くあしらったりしなければいけない♀の暮らしも大変そうです。

♂はたくさんの♀と交尾したいがゆえに、♀にとってコストになるような行為さえも厭わないことが知られています。モンキチョウやアゲハチョウの仲間では、よく一匹の(もしくはそれ以上の数の)♂が♀の周りにくるくるとまとわりついて飛んでいるのが観察されます。これは陽光の下で起きている、♂と♀の微笑ましい求愛の光景ではありません。たいていの場合♀はすでに交尾をしており、愛情に必要な量の精子を体内に蓄えています。そのため、これ以上交尾する必要はなく、それよりはむしろ、捕食者から身を守りつつ、栄養をたくさん摂取して、産卵に備えるほうが重要です。ところが、♂は交尾できるかもしれないというわずかな望みにかけて、♀に「ちょっかい」を出し続けます。こうした♂の利己的な行動は♀にとってははっきり言って邪魔なだけです。♂が♀にもたらすこのような行動は、進化学の専門用語として「セクシャル・ハラスメント」と呼ばれており、♂は不要どころか、繁殖の邪魔をする存在にまでなってしまったのです。 (p179-180より引用)





【追記】
『蝶の自然史―行動と生態の進化学』という本の第2章に収録された山下恵子『オスはどうやってメスを探すのか――ナミアゲハのオスの配偶行動を解発する 視覚的信号の定量的解析』によると、
チョウの♂が♀を探しだす方法には、静止している♂が飛来してくる♀を待つ見張り型と、♂が飛翔し静止している♀を探す探索型が知られている。(p17より引用)
 (ナミ)アゲハの♂は、午前中、♀を探してカラタチやミカンといった食樹のまわりをたんねんに飛んでいる。(p21より引用)




ナミアゲハ♀@アベリア枝先
ナミアゲハ♀@アベリア枝先
ナミアゲハ♂@アベリア枝先(直後に飛び立つと、後翅表の肛角部に赤点無し)

2018/10/07

止まり木から飛び立つ未成熟オオシオカラトンボ♂の羽ばたき【HD動画&ハイスピード動画】



2018年7月中旬

山麓の用水路沿いでオオシオカラトンボOrthetrum triangulare melania)の未成熟♂が枯れた小枝の先に止まっていました。
翅を深く下げて休息中です。
頭部をグリグリ動かして、大きな複眼で辺りを油断なく見回しています。
体色は♀と同じですが、腹端が大きく膨らんでいないので未成熟♂ですね。

▼関連記事
飛べ!オオシオカラトンボ♂【HD動画&ハイスピード動画】


飛び立つ瞬間を狙って240-fpsのハイスピード動画で撮ってみました。
後半は更に1/5倍速のスローモーションでリプレイ。
物を投げつけて飛び立たせたら、同じ小枝には戻って来ませんでした。
離陸直後に脚を胴体に引き付けて畳み、空気抵抗を減らしています。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。





2018/10/05

ヒヨドリバナを訪花するカラスアゲハ♀の羽ばたき【HD動画&ハイスピード動画】



2018年7月中旬

里山を下山している夕方に、山道の横の斜面に咲いたヒヨドリバナの群落でカラスアゲハ♀(Papilio dehaanii dehaanii)が訪花していました。
半開きの翅を激しく羽ばたかせながら吸蜜しています。

訪花シーンからの飛び立ちを240-fpsのハイスピード動画で撮ってみました。(@0:41〜)
薄暗い夕方なので、画質が粗くなってしまいます。
吸蜜中は前翅だけでアイドリングのように羽ばたき、後翅は動かしていないことがよくわかります。。
翅表にビロード状の性斑が見えないので、おそらく♀ですね。(アングルがいまいちで自信がありません)

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。


カラスアゲハ♀@ヒヨドリバナ訪花吸蜜

2018/10/04

ヒメジョオンを訪花するオオチャバネセセリの羽ばたき【ハイスピード動画】



2018年7月中旬

畦道に咲いたヒメジョオンの群落でオオチャバネセセリZinaida pellucida)が訪花していました。
翅を半開きにして吸蜜しています。

次の花へ飛び立つ瞬間を狙って240-fpsのハイスピード動画で撮ってみました。
本種の飛翔は、数回羽ばたいてから翅を閉じて慣性で飛ぶ独特のリズムがあります。
飛行中はゼンマイ状の口吻を丸めて縮めています。
隣の花が近ければ飛ばずに歩いて渡ることもありました。

意外にもこの組み合わせは初見だったので、高画質ののHD動画でも撮ればよかったですね。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。


2018/10/02

吸蜜のためヤブガラシを訪花するクロアナバチの羽ばたき【HD動画&ハイスピード動画】



2018年7月上旬

民家の軒下に猫の額ほどの庭があり、ヤブガラシの群落が蔓延っていました。
そこでクロアナバチSphex argentatus fumosus)と思しき黒い狩蜂が訪花していました。
少なくとも2匹が飛び回っていました。
採集、採寸が出来ていないのですが、体長以外でコクロアナバチと見分けるポイントはあるのでしょうか?
微妙な差異ですが、顔面の毛がコクロアナバチは「銀黄色」でクロアナバチは「灰白色(銀白色)」らしいです。
今回の蜂の顔は白っぽいのでクロアナバチだと思います。


▼関連記事(5年前の撮影。実はクロアナバチかも)
コクロアナバチがヤブガラシに訪花吸蜜

それから性別も不明です。
多くの蜂では顔色が性的二型で、顔に白い毛が密生している方が雄蜂♂と相場が決まっています。

ところが、クロアナバチは♀の顔も白っぽいのです。
クロアナバチの性別判定法が図鑑を調べても載っていないので、知りたいところです。
「素人が図鑑を買って読んでも普通種さえ見分けられるようにならずフラストレーションが溜まる」のは「図鑑」として問題でしょう。
身近な普通種こそ、きちんと分かりやすい文章で記述しておいて欲しいものです。
もし雌雄の区別が困難なら、そのように書いておいてもらえると助かります。
この2種は♀の営巣習性が明らかに異なるので、そういう現場なら私にも見分けられます。

余談ですけど、蚊もヤブガラシに訪花していたのが意外でした。(@0:42〜1:02)
吸蜜シーンだとしたら嬉しいのですが、オレンジ色の花ではなく蕾で翅を休めていただけかもしれません。
蚊の背側がしっかり撮れる前に逃げられてしまい、私には種類が見分けられません。

後半は、クロアナバチがヤブガラシの花から飛び立つ瞬間を狙って240-fpsのハイスピード動画で撮ってみました。(@1:05〜)
飛び立つと空中でホバリング(停空飛翔)を行ない、方向転換を披露してくれました。

最後に興味深いニアミスがありました。(@1:47〜)
ヤブガラシの蔓にヤブキリ♂(Tettigonia orientalis)が止まっていました。
クロアナバチ♀はクサキリやツユムシなどを狩ることが知られています。
狩りの決定的瞬間が撮れるのではないかと期待して見守ったのですが、クロアナバチは獲物の存在に気づかずに飛び去りました。
映像に登場するクロアナバチは♂なのかな?(性別判定法を知りたいところです)
天敵である狩蜂の羽音を聞いたら慌てて逃げ出しても良さそうなのに、このヤブキリ♂は全く動じなかったことも不思議です。
襲われるまでは保護色でひたすら隠れる作戦なのかな?
このヤブキリは有翅なので成虫です。
産卵管が無いので♂でしょう。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。




【追記】
余談ですが、塚谷裕一『カラー版 - スキマの植物の世界』という中公新書を読んでいてたら、ヤブガラシについて驚愕の事実を知りました。
関東より東に生えているヤブガラシは三倍体で果実が付かない。中部地方以西には、黒い果実を付ける二倍体が混生している。 p2より引用)

関東以北で見かける個体はすべて三倍体。中部以西は二倍体が混ざる。意外なことにこの事実は、2003年に私たちが論文を発表して指摘するまで、全く気付かれていなかった。(中略)三倍体に比べ二倍体は葉の厚みが少なく、花序も華奢。三倍体は葉が必ず5枚の小葉を1セットとするが、二倍体はしばしば新芽の先などで3枚1セットの葉を付ける。 (p114-115より引用)

確かに言われてみれば、ここ東北地方でヤブガラシの実を見たことがありません。
クロアナバチ:背側面@ヤブガラシ訪花吸蜜
クロアナバチ:顔@ヤブガラシ訪花吸蜜

ヤブキリ♂:背面@ヤブガラシ蔓
ヤブキリ♂:側面@ヤブガラシ蔓

2018/10/01

羽化したキアゲハの初飛翔【HD動画&ハイスピード動画】



2018年7月中旬

▼前回の記事
キアゲハにスポーツドリンクを与えてみる

キアゲハの飼育記録(2018年)#9


羽化したばかりのキアゲハPapilio machaon hippocrates)新成虫bが翅を広げて止まっている割り箸をペン立てにそっと移すと初飛翔を披露してくれました。
240-fpsのハイスピード動画で撮ると、力強い羽ばたきで黄色い新鮮な鱗粉が飛び散る様子をスーパースローで観察できました。
このときの室温は31.4℃、湿度53%。

映像の後半はその前日に羽化した成虫aです。
夕方、割箸から飛び立った初飛行は撮り損ねました。
明るい窓際に向かって飛ぶと、レースカーテンにしがみつきました。
(映像はここから)
元気に羽ばたきながらレースカーテンを上へ上へ登って行きます。
翅を広げて静止したところを指で触れると、少しだけ飛んで逃げました。
このときの室温は32.0℃、湿度49%。

飼育下で終齢幼虫から成虫の羽化まで見届けて満足したので、撮影後は外に放蝶しました。

つづく→#10:


キアゲハa@レースカーテン
キアゲハa@レースカーテン

2018/09/22

シロツメクサを訪花するベニシジミ春型の羽ばたき【HD動画&ハイスピード動画】



2018年7月上旬

川沿いの農道に咲いたシロツメクサの群落でベニシジミLycaena phlaeas daimio)が訪花していました。
翅をしっかり閉じ、花の上で向きを変えながら吸蜜しています。
吸蜜の途中で翅が半開きになり、未だ春型の個体と判明しました。
夏型は未だ羽化していないのかな?

飛び立つ瞬間を狙って240-fpsのハイスピード動画で撮ってみました。(@〜)




ベニシジミ春型@シロツメクサ訪花吸蜜

2018/09/18

モナルダを訪花するクロマルハナバチ♀の羽ばたき【HD動画&ハイスピード動画】



2018年7月上旬・夕方

民家の花壇に咲いたモナルダ(別名ヤグルマハッカ、ベルガモット)にクロマルハナバチBombus ignitus)のワーカー♀が訪花していました。
胸背が禿げた個体で、後脚の花粉籠は空荷です。

吸蜜後に花から花へ飛び立つ瞬間を狙って240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@0:47〜)

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。


クロマルハナバチ♀@モナルダ訪花吸蜜

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