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2018/07/24

ウワミズザクラの花で吸蜜ホバリングするビロウドツリアブ【HD動画&ハイスピード動画】



2018年5月中旬

里山の山腹で満開に咲いたウワミズザクラの大木でビロウドツリアブ(=ビロードツリアブ;Bombylius major)が何匹も訪花していました。
この組み合わせも初見です。
長い口吻を花に差し入れて吸蜜している間、高速で絶え間なく羽ばたきホバリング(低空飛翔)しています。
(ただし吸蜜中は花穂に足を掛けていることがあるので、厳密にはホバリングとは呼べないかもしれません。)

吸蜜中の羽ばたきを240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@0:50〜)
実際は超高速で羽ばたいているのに、スローモーションにすると翅を開いたまま静止して見えて、ちょっと面白いです。
打ち下ろしと打ち上げで翅の角度を変えていることがよく分かります。
別個体の羽ばたきは、実際よりもかなりゆっくり羽ばたいているように見えました。
羽ばたきの周波数に個体差があるのかな?
こうしたビデオの残像現象はストロボ効果(ワゴンホイール効果)と呼ばれます。

複数個体を撮影。


ビロウドツリアブ@ウワミズザクラ訪花+吸蜜ホバリング

2018/07/13

カキドオシの花粉を舐めるヒゲナガハナアブ♂



2018年5月上旬

川の堤防(土手)に咲いたカキドオシの群落で見慣れないハナアブが訪花していました。
蜂にベーツ擬態しているようです。
左右の複眼が中央で接しているので♂ですね。
帰ってから調べててみると、どうやらヒゲナガハナアブ♂(Chrysotoxum shirakii)らしい。
私は特に触角が長いとは思わないのですが、ハナアブにしたら長いのでしょうか?

飛来した甲虫(コメツキムシの一種?)に驚いてカキドオシの花から飛び立つと、すぐ近くの花に着陸。
口吻を伸ばして、カキドオシ唇形花の下唇にこぼれた花粉を舐めています。
やがて、上唇に隠された雄しべの葯を直接舐めるようになりました。

しかし明らかに吸蜜はしていません。
花蜜を舐めるには花筒の奥底まで潜り込む必要があります。
舌が短いので蜜腺まではとても届かないでしょう。

訪花中にヒゲナガハナアブ♂は腹端から小さな白い糞をポトリと排泄しました。(@1:21)
食事の合間に身繕いして、体に付いた花粉を落とします。


ヒゲナガハナアブ♂?@カキドオシ訪花
ヒゲナガハナアブ♂?@カキドオシ訪花
ヒゲナガハナアブ♂?@カキドオシ訪花

2018/06/22

ヤツデの雌花に集まるハナアブ、クロバエ、カメムシの仲間



2017年11月上旬

民家の庭に植栽されたヤツデが地味な花を咲かせていました。
雌しべだけが見えるので、雌性期の花です。
色々なハナアブ科やクロバエ科の仲間が訪花して吸蜜していました。

その間、1匹のカメムシが枝を伝い歩いて下りてきました。
残念ながら背面がしっかり見えないのですが、ミヤマツノカメムシかもしれません。
カメムシがヤツデのどこから吸汁するのか、観察したかったです。



2018/06/15

カキの落果に群がり吸汁するハエ



2017年11月上旬

道端でカキノキの下に熟した果実が落ちていました。

その落果に様々なハエが計8匹も群がり、果皮の破れ目に頭を突っ込んで果肉を舐めていました。
内訳はミドリキンバエ1、赤金色のキンバエ1、ニクバエ?6匹。
(ハエの種名を見分けるのは自信がなくて、ほぼ適当です。)

最後はカキノキを見上げると、枝には未だたくさんの実がなっています。



2018/05/23

ヤツデの雄花で吸蜜するオオハナアブ♀



2017年11月上旬

民家の玄関脇に植栽されたヤツデに咲いた雄性期の花にオオハナアブ♀(Phytomia zonata)も訪花していました。
左右の複眼が離れているので♀ですね。

♀だけでなく♂も来ていたのに、交尾行動を始めませんでした(見たことがありません)。

▼関連記事
ヤツデの雄花を舐めるオオハナアブ♂


オオハナアブ♀@ヤツデ訪花(雄花)吸蜜
オオハナアブ♀@ヤツデ訪花(雄花)吸蜜

2018/05/18

ヤツデの雄花を舐めるハナアブ類(ナミハナアブとシマハナアブ?)



2017年11月上旬

民家の玄関脇に植栽されたヤツデが雄性期の花を咲かせていました。
様々な種類のハナアブ類が訪花し、玉状の散形花序を歩き回りながら花蜜を舐めています。

普通種だと思うものの、ハナアブ類はとにかく種数が多くて難しいので私は苦手意識が強く、どうしても名前を調べるのが億劫になってしまいます。
どなたか教えて下さい。
なんとなく、シマハナアブEristalis cerealis)とナミハナアブEristalis tenax)ですかね?
きちんと同定できれば一種類ずつ動画を切り分けるのですが、面倒なので一緒くたにしました。



田中肇『花と昆虫、不思議なだましあい発見記』によると、
・(ハナアブ類は)花にもぐりこんだり、下向きの花に止まったり複雑な花を操作したりするのは得意ではない。彼らが得意とするのは、比較的低温でも飛べることである。 (p99より引用)
・ハナアブ類が活動できる下限の温度は15℃。 p100より)
撮影後に気温を測るべきでしたね。
また、この名著のハナアブ類に関する章を読んで一番驚いたのは、「ハナアブ類のあいだには、種類により花を利用するさいの優劣関係がある。優位の昆虫が来たら席をゆずる。」という記述でした。(p113-114より)
樹液酒場に集まる昆虫類に序列があるのは有名ですが、訪花するハナアブ類に序列があるとは初耳でした。
研究データに基づいた具体的な序列が書かれてあり、ハナアブは1位、シマハナアブは3位とのことでした。




2018/05/15

ヤツデの雄花を舐めるオオハナアブ♂



2017年11月上旬

民家の玄関脇に植栽されたヤツデで様々なハナアブ類に混じってオオハナアブ♂(Phytomia zonata)も訪花していました。
雄しべがある雄性期の花で花蜜や花粉を舐めていました。
オオハナアブは私にも唯一、見分けられるハナアブです。
この個体は複眼が接しているので♂です。
なぜか腹部の橙色の縞模様が色褪せていました。

四季折々の訪花昆虫を観察してきましたが、シーズン最後の初冬を代表する花はヤツデです。
ずっと撮りたいテーマだったので、夏の頃から出歩く度にヤツデが植えられた庭を地図に記して花が咲くのを待っていました。



オオハナアブ♂@ヤツデ訪花(雄性期)吸蜜
オオハナアブ♂@ヤツデ訪花(雄性期)吸蜜
ヤツデ花・全景

2018/05/08

アキノノゲシの花蜜を舐めるオオハナアブ♀



2017年10月下旬

稲刈りが済んだ刈田の畦道に咲いたアキノノゲシの群落でオオハナアブ♀(Phytomia zonata)が訪花していました。
左右の複眼がやや離れているので♀ですね。
伸ばした口吻で花蜜や花粉を舐めています。
少し飛んで隣の株へ移動すると、食事の合間に身繕いして体に付着した花粉を落として(食べて)います。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。


オオハナアブ♀@アキノノゲシ訪花吸蜜
オオハナアブ♀@アキノノゲシ訪花吸蜜

2018/04/29

熟したイチジクの果実を食害するエントツドロバチ♀とニホンミツバチ♀



2017年10月上旬

民家の庭に植栽されたイチジク(無花果)の果樹でエントツドロバチ♀(別名オオカバフスジドロバチ;Orancistrocerus drewseni)も熟した果実を食べに訪れていました。
イチジクの果実の上をぐるぐると歩き回り、熟した(食害)部分を探り当てると吸汁を開始。

手前に茂った枝葉が邪魔で撮影に苦労しましたが、なんとかぎりぎり撮れるのアングルを見つけました。
後からニホンミツバチApis cerana japonica)のワーカー♀が飛来。
エントツドロバチ♀はミツバチに向き直ったものの、追い払ったりせず非干渉でした。(金持ち喧嘩せず)

よく見ると微小なショウジョウバエの仲間(種名不詳)も数匹、イチジクの熟果に集まっていました。
(ショウジョウバエは果物が好きなので納得)

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。



2018/04/24

オオハンゴンソウの花蜜を吸うハナアブの一種【名前を教えて】



2016年10月上旬

道端に咲いたオオハンゴンソウの群落で、あまり見慣れない感じのハナアブの一種が訪花していました。
口吻を伸ばして吸蜜しています。
花粉も舐めているようです。
左右の複眼が離れているので、性別は♀ですかね?

ハナアブの世界は種数が膨大で奥が深く、苦手意識の強い私はもう名前を調べるのを諦めています。
もしお分かりの方がいらっしゃいましたら、ご教示願います。


【追記】

この花はハチミツソウではなくてオオハンゴンソウでした。
遅まきながら訂正します。

YouTubeのコメント欄でsatoko kurodaさんからご指摘頂きました。



2018/04/23

キヅタの花蜜を吸うハナアブの一種♀【名前を教えて】



2017年9月中旬

駐車場の隅のブロック塀を覆い尽くしたキヅタ(別名フユヅタ)のマント群落でハナアブの仲間♀も訪花していました。
地味な体色(模様)なので、一瞬ニホンミツバチかと間違えそうになりました。

雄性期の花で口吻を伸ばし花蜜を舐めています。
雄しべの葯を舐めて花粉を食べるのではなく、蜜腺を舐めていました。
最後に一瞬だけ顔を正面から拝むことができました。
左右の複眼が離れていたので♀だと思います。
ハナアブの世界は奥が深くて、私はもう見分けるのは諦めています。
もし名前が分かる方がいらっしゃいましたら、ご教示願います。

キヅタの花には他にも様々ハエ類が多数来ていました。
キンバエやニクバエの仲間だと思うのですが、これまた私の苦手な分類群で、はなから見分けるのは諦めています。



2018/04/18

ユビナガコウモリの体表に寄生するケブカクモバエ?

2017年9月中旬・午後16:55頃(日の入り時刻は午後17:43)


▼前回の記事
昼塒で休むコウモリの群塊と鳴き声♪【暗視映像】(名前を教えて)

野生コウモリが昼塒として利用しているトンネルの天井で、コウモリ(種名不詳)が群塊を形成して休んでいました。
ストロボを焚いて撮った写真をチェックしてみると、何枚かに奇妙な物が写っていました。


コウモリ2頭が寄生されている
写真の中央部に注目

気になる写真を拡大してみると、3頭のコウモリの体表(毛皮)にオレンジ色(茶褐色)の昆虫が1匹ずつ(計3匹)がっしりと取り付いています。
無翅なのでクモと間違いそうになりますが、脚が6本しか無いので、れっきとした昆虫です。
クモバエ科という特殊な寄生バエの一種でしょう。
コウモリ専門に外部寄生して吸血するらしく、そのために翅は退化したのだそうです。
(コウモリバエ科という有翅の外部寄生虫も別に知られているらしい。)
本で読んで存在は知っていましたが寄生率は低いらしく、私のフィールドで実際に出会えてとても感動しました。
平凡社『日本動物大百科9昆虫II』によれば、

 クモバエ科は世界各地に分布し、コウモリバエと同様にコウモリの体表にのみ寄生し、吸血する。体は扁平で、翅はなく、頭部は胸背にある溝のなかに後ろ向きにたたみ込まれている。あしは非常に長く、爪は強大である。複眼は退化している。(中略)日本では10種が記録されているが、これも調査が進めばさらに多くの種が見いだされると思われる。 (p150より引用)


ちなみに、日本に吸血性コウモリは生息していません。
日本のコウモリは寄生虫から一方的に吸血される(可哀想な)宿主なのです。

また、写真でトンネル天井を注意深く見直すと、コウモリの群塊がぶら下がっている塒の周囲だけに黒くて丸い小さな物体が多数写っていました。


現場では照明の使用を極力控えたので、全く見過ごしていました。(気づいたとしても、コウモリの糞が天井に付着したのかも?と思ったことでしょう。)
おそらく、これはクモバエの蛹でしょう。

【参考1】 船越公威. "ユビナガコウモリに外部寄生するケブカクモバエの生態学的研究: 特に生活史からみた宿主への連合性に関して." 日本生態学会誌 27.2 (1977): 125-140. (ありがたいことにPDFファイルが無料で公開されています。ケブカクモバエ成虫および蛹の細密画が掲載されています。)

【参考2】 動物行動学エッセイ本のシリーズで有名な小林朋道先生の公式ブログ『ほっと行動学』より「山奥の洞窟であったほんとうの話」 (クモバエの蛹の写真あり)

次に入洞する機会があれば、改めてトンネル天井の写真を撮り直し、この蛹を採集して飼育してみるつもりです。

【追記】1年後に写真を撮りました。
野生コウモリを無許可で採集したり飼育するのは法律で禁じられていますが、寄生バエなら誰からも怒られないでしょう。
クモバエは天然記念物に指定されていませんし、レッドデータに登録された絶滅危惧種でもありません。
クモバエ類は宿主特異性が高いそうなので※、飼育下で成虫を羽化させることでクモバエをしっかり同定できれば、宿主であるコウモリの名前も分かりそうです。

※ 【参考】:小林朋道「ユビナガコウモリに外部寄生する ケブカクモバエの宿主識別行動」(PDFファイルが無料で公開されています)
Natural Environmental Science Research Vol.28, 1- 4 (2015)
洞窟の塒では複数種のコウモリが混群(混棲群塊)を形成している場合もあるのだそうです。
コウモリ観察歴の浅い私には未だコウモリの種類を外見から自信を持って識別できないのですが、もし写真同定できる専門家がご覧になりましたら、ぜひ教えて下さい。
今のところ、ユビナガコウモリMiniopterus fuliginosus)とそれに外部寄生するケブカクモバエPenicillidia jenynsii)のセットではないかと素人ながら勝手に予想しています。
ネット上には真っ白なケブカクモバエの写真も見つかりますが()、これは蛹から羽化した直後と思われます。
羽化後に宿主のコウモリから吸血すると黄褐色に変化するらしい。(参考:上記の船越公威によるPDF文献)

コウモリはねぐらで多数の個体が集まって群塊を形成する種類もいれば、単独あるいは散在した粗群で寝るのが好きな種類もいるらしい。
それぞれの習性(寝方)に一長一短があり、群塊を形成するコウモリには寄生虫にとりつかれ易いというデメリット(コスト)があります。

天井からぶら下がりながら痒そうに毛繕いしていたコウモリは、吸血性寄生虫を取り除こうとしていたのかもしれません。
クモバエの死亡率は毛繕い中の宿主による捕食によって高くなるらしい。

余談ですが、洞窟内に生息するコウモリの糞・体毛、洞窟内の生物の死骸が大量に堆積して固まったものをバット・グアノと呼びます。
このトンネルには水が流れているので、塒の下は天然の水洗トイレになっています。
グアノにおける生態系(食物連鎖)も興味深いのですが、残念ながらここでは観察できません。


2018/04/09

イチジクの未熟果を舐める謎の黒い蝿 【名前を教えて】



2017年9月上旬

平地の民家の庭に植栽されたイチジク(無花果)の木に未熟な果実がなっていて、そこから早くも甘い匂いが辺りに漂っていました。

このイチジクの匂いに誘われたのか、黒くて小さな見慣れないハエが1匹、イチジクの青い実の表面を頻りに舐めていました。
その合間に、手足を擦り合わせて身繕い。

最後は少し飛んでイチジクの葉に止まり直しました。

同定のため接写よりも採集を優先したら失敗し、残念ながら飛んで逃げられてしまいました。


※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。




イチジクと共生して授粉を助けるイチジクコバチの話は蜂好きの教養として知っていました。
しかし日本ではイチジクコバチは生息しておらず、

日本で栽培されているイチジクはほとんどが果実肥大に日本に分布しないイチジクコバチによる受粉を必要としない単為結果性品種である。(wikipediaより引用)



コバチ以外でイチジクの授粉に関与する微小のハエはいなかったっけかな?とうろ覚えの私は気になり、念の為に動画で記録してみたのでした。


私にはこのハエが所属する科も見分けられないので、邪道ですがとりあえず周辺情報からインターネット検索に頼ります。
大森直樹『一年中楽しめるコンテナ果樹の育て方』という栽培マニュアル本の内容がヒットしました。

ヨーロッパではドライフルーツに向く、大玉のスミルナ種といわれる系統の品種が主に栽培されています。この系統の品種はすべて、雄花の授粉がされないと結実しません。雄花の咲く品種群をカプリ系といいますが、この花粉をもったイチジクの受粉のために生きているといっても過言ではないのが、ブラストファーガという極小のハエ。ミルナ種のお尻の小さな穴から侵入し、受粉が行われます。ハエは、一度中に入ったら外には飛び立てず、すぐに死んでしまいます。
このハエはほとんど人の目には見えない大きさなので、食べてもわかりません。また、ドライにする過程で自然殺虫殺菌されているので、体への害はありません。
残念ながら日本国内にこのハエは存在せず、果実を実らせることは不可能です。(p92より引用)

ところが更に調べてみると呆れたことに、ブラストファーガなる昆虫はハエではなく、イチジクコバチ類Blastophaga spp.)の属名でした。
つまり、この書籍の記述は昆虫学的に不正確であることが分かりました。


「イチジク 黒いハエ」のキーワードで検索し直してみると、「イチジク属植物とイチジクコバチの共生関係を脅かすハエ類」と題した生物学者による興味深い読み物がヒットしました。
沖縄で野生のイヌビワ(イチジク属の植物)の実を調べた結果、

タマバエに寄生される花嚢は種子も作れなければコバチも育ちません。クロツヤバエに寄生される花嚢はコバチが食べられてしまいます。

同じ研究グループによって「イチジクコバチを専食するクロツヤバエがイチジクに与える影響」という研究成果も学会で報告されているようです。

日本生態学会大会講演要旨集 巻:58th ページ:457 発行年:2011年03月08日
残念ながらこの要旨の内容は一般に公開されておらず、未読です。


タマバエは明らかに動画の個体と形態が異なるので除外しました。

クロツヤバエに注目して、もう少し深堀りしてみます。
素人目にはクロツヤバエ類のずんぐりむっくりした体型は、私の動画に登場する個体と似ているような気がします。
しかし私が見た個体は体色が黒いものの、黒光りしているという印象はありませんでした。
曇っていたので光沢(つや)が無かったのですかね?
前述のように、私が出歩くフィールドにイチジクコバチは生息していないはずなので、それを専門に捕食寄生するクロツヤバエも居ないはずです。
ただし、クロツヤバエ科には何種類もいるそうなので、未だ望みはありそうです。


「知られざる双翅目のために」というサイトによると、

クロツヤバエ科(LONCHAEIDAE)は、世界に9属約520種を擁する比較的小さな分類群。幼虫が果実を食害するため、害虫としても扱われる。
日本では2013年時点で7種が記録されているが、まだ数種類の未記載種や未記録種が残っていると推定される。
wikipediaによれば、
(クロツヤバエ科の)幼虫の大部分は植食性で、葉に食害をもたらすことが知られているが、腐食性、捕食性などの種も知られている。
一方、英語版wikipediaを参照すると更に気になる記述がありました。
The black fig-fly Silba adipata McAlpine is a pest of figs.
しかし、イチジクの害虫として知られるこの学名(Silba adipata)のハエは(今のところ)日本に分布していないようです。

私が見た個体はクロツヤバエの一種ではないか?と思ったのは素人の勝手な妄想・願望でしかありません。
もし写真や動画からこのハエの名前が分かる方がいらっしゃいましたら(科だけでも)、ぜひご教示願います。
ここまで長々と書いてきても結局、私が見たハエはクロツヤバエ科ではなかったというオチかも知れません。
たとえ関係なくても、この機会に調べものしたら面白く勉強になったので、ブログに書き残しておきます。

もしこのハエが私の予想通りクロツヤバエ科でしかも♀なら、もう少し粘って観察すればイチジクの未熟果に産卵したかもしれませんね。

また、このイチジクの木がもし自分の庭に植えられたものなら、実を収穫してハエの幼虫(ウジ虫)が中に居ないかどうか調べてみたいところです。
市販されているイチジクの果実を口にする機会も滅多にありませんが、ハエの幼虫が潜んでいたという記憶はありません。

ウジ虫が中から食害したイチジクの果実は腐ったように変色するらしく、普通はヒトが食べる前に廃棄処分されてしまうのでしょう。


【追記】
調べ物でいつもお世話になっている「みんなで作る双翅目図鑑」サイトの画像一括閲覧ページ を眺めていたら、とてもよく似たハエの写真を見つけました。
Lauxanioideaシマバエ上科,Lauxaniidaeシマバエ科Minettia sp.  画像提供 Mbc様

シマバエ科という分類群は初耳です。
シマバエ科Lauxaniidaeは腐敗植物質、鳥の巣の汚物で繁殖する他、生きた植物に寄生するものも知られる。(wikipediaより引用)

『マグローヒル科学技術用語大辞典 第3版』によれば、
シマバエ科 Lauxaniidae無脊動 双翅目,環縫亜目,無弁亜区の昆虫の一科.幼虫は葉肉に穿孔する.
Minettia属については英語版wikipediaを参照。
謎のハエが今回イチジクに来ていたのは偶然なのか、それとも何か深い関係があるのか、興味深いところです。
幼虫はイチジクの葉で育つリーフマイナーなのでしょうか?




2018/03/26

オオハンゴンソウの花蜜を吸うクチナガガガンボ?



2016年10月上旬

農道沿いに咲いたオオハンゴンソウの群落でクチナガガガンボの仲間(種名不詳)が訪花していました。
細長い脚を激しく屈伸しながら口吻を差し込んで吸蜜しています。

この動きを擬人化すると、スクワット運動というよりも腕立て伏せと呼ぶべきかもしれません。
少し飛んで隣の花に移動しました。



秋になるとクチナガガガンボが集団で花に群がり屈伸運動しながら吸蜜する光景をよく見かけるのですが、今回は珍しく単独行動でした。


▼関連記事
クチナガガガンボの飲み会@タムラソウ?
クチナガガガンボの集団吸蜜@タムラソウ



【追記】
この植物はハチミツソウではなくてオオハンゴンソウですね。
遅ればせながら訂正しておきます。



2018/03/20

スペアミントの花蜜を吸うスズキハラボソツリアブ?



2017年8月下旬

民家の庭先に咲いたスペアミントの群落でスズキハラボソツリアブSystropus suzukii)またはニトベハラボソツリアブSystropus nitobei)と思われる細長い体のツリアブが訪花していました。
吸蜜シーンをじっくり撮りたかったのですが、軽くホバリングを披露しただけですぐに飛び去ってしまいました。
あまりにも短い動画なので、1/4倍速のスローモーションでリプレイ。
飛翔時には極端に長い後脚をダラリと垂らしています。
これでは空気抵抗が大きくて、あまり速く飛び回れないでしょう。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。


2018/03/14

ハチミツソウの花蜜を吸うオオハナアブ♂



2017年8月下旬

道端に咲いたハチミツソウ(別名ハネミギク)の群落でオオハナアブ♂(Phytomia zonata)が訪花していました。
風で揺れる花に止まって花粉や花蜜を舐めています。
顔を正面からじっくり拝めなかったのですが、左右の複眼が接しているので♂だと思います。


▼関連記事
ハチミツソウの花を舐めるオオハナアブ♀



2018/02/22

花壇で獲物を吸汁するアオメアブ



2017年8月下旬

センニチコウ(千日紅)の花が咲き乱れる花壇でムシヒキアブの一種を発見。
他の虫を撮っていた私が知らずに近づいたせいで、ムシヒキアブが少し飛んで花壇の端に生えたイネ科の雑草の葉に避難したのです。
どうやら食事中を邪魔してしまったようです。
正面から顔を見ると、複眼がメタリックな緑色の構造色で美しいですね。

更に少し飛んで移動し、今度はセンニチコウの茎に止まり直しました。
今度は背側を向いて止まってくれました。

複眼の形状から♀と判明。
抱えている獲物には体が黒く透明な翅がありますが、正体不明です。
訪花昆虫を襲って狩り、体液を吸汁するのでしょう。

どうやらアオメアブCophinopoda chinensis)のようです。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。


▼関連記事(2年後の撮影)マメコガネを吸汁するアオメアブの飛び立ち【HD動画&ハイスピード動画】



2018/02/09

メマツヨイグサの粘る花粉を舐めるホソヒラタアブ♂



2016年10月下旬

峠道の道端に咲いたメマツヨイグサホソヒラタアブEpisyrphus balteatus)またはその仲間が訪花していました。
左右の複眼が頭頂部で接しているので♂ですね。
花蜜目当てに花の奥へ潜り込むのではなく、夢中で花粉を舐めていました。
食事中は翅を半開きにしています。

初め引きの絵で背面から撮っていた時は、前脚を擦り合わせる身繕いのように見えたのですが、横から撮り直すと、葯から花粉を前脚で掻き取りながら口吻を伸縮させて食べていました。

マクロレンズで接写してみると、花粉が粘り糸を引いていることがよく分かります。
まるで糸を引く納豆を食べているみたいですね。
マツヨイグサの仲間の花粉は、夜行性のスズメガなど鱗粉の多い送粉者の体に付着して運んでもらうために、粘着性が高いのが特徴です。
皆さんも指で葯に触れると簡単に確かめられます。

▼関連記事
メマツヨイグサの花粉は糸を引いて粘る

気温が低いせいか、私が近づいてもホソヒラタアブ♂はしばらく逃げずにいてくれたのは助かりました。
同定のため採集しようか迷っていたら、飛んで逃げられました。
この花の花粉を全て食べ尽くす前に満腹になったのでしょう。

道端のメマツヨイグサ群落から伸びた茎が一旦側溝(水は流れていない)に落ち込み、底からまた上に伸びた株に咲いたド根性の花でした。



2018/01/26

ハチミツソウの花を舐めるオオハナアブ♀



2017年8月下旬

農業用水路沿いに咲き乱れるハチミツソウ(別名ハネミギク)の群落でオオハナアブ♀(Phytomia zonata)が訪花していました。
口吻を伸縮させて花蜜や花粉を舐めています。
左右の複眼の間隔が開いているので♀ですね。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。


オオハナアブ♀@ハチミツソウ訪花食餌
オオハナアブ♀@ハチミツソウ訪花摂食

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