2018/02/12

キンケハラナガツチバチ♀が交尾拒否する解発刺激とは?



2017年8月下旬

スペアミントの花蜜を吸うキンケハラナガツチバチ♀



民家の庭に咲いたスペアミントの群落でキンケハラナガツチバチ♀(Megacampsomeris prismatica)が訪花していました。
吸蜜している白い花穂で黄緑色の徘徊性クモ(ハナグモの仲間?)が待ち伏せしていたのですが、ツチバチは獲物として巨大過ぎる(手強い)ようで、クモは逃げ出しました。

ラストシーンでとても興味深い行動が偶然に録画されていました。
横の車道を一台のスクーターがブィーンと騒々しく通り過ぎる瞬間に、このキンケハラナガツチバチ♀が後脚を左右同時に高々と挙げたのです。(@2:13〜2:17)
この万歳姿勢は、以前に観察した交尾拒否行動と同じです。

♂に背後からマウントされないようにしているのでしょう。
▼関連記事
キンケハラナガツチバチ♀が吸蜜中に交尾拒否
スクーターのエンジン音(排気音)が交尾を挑んでくる雄蜂♂の羽音の周波数とたまたま似ていたので、面倒な♂が飛来したと誤認して交尾拒否姿勢が解発されてしまったのでしょう。
バイクが遠くから走って来て通り過ぎるとエンジン音がドップラー効果によって音程がやや低くなり、より迫真の解発刺激(リリーサー)になったと思われます。
それまでにも何台かの車やバイクが横の車道を通り過ぎたのですけど、この♀個体が最も明瞭に反応したのは最後のバイクに対してでした。
予め録音しておいた雄蜂♂の羽音やバイクの排気音を♀に聞かせて、再現性を確かめてみたら面白そうです。(プレイバック実験)

特にベスパ(Vespa:イタリア語でスズメバチの意味)という名前のイタリア製スクーターのエンジン音に対する反応を調べたら、ネタになりそうです。
ドローン(drone:英語で雄蜂の意味)のプロペラ音を♀の蜂に聞かせてみたら、どんな反応になるでしょう?
その一方で、雄蜂にこの音を聞かせても無反応と予想されますが、ライバル♂や天敵が飛来したと思って警戒したり迎撃を試みたりするのでしょうか?
その前に、音がどのぐらい似ているのか、声紋解析してみる必要がありますね。

ツチバチの♀は羽化後に一度交尾すると、その後は♂を拒むようになるのかな? (色気より食い気)


※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。


キンケハラナガツチバチ♀@スペアミント訪花吸蜜
キンケハラナガツチバチ♀@交尾拒否@スクーター音♪

2018/02/11

ハルジオンの花蜜を吸うベニシジミ夏型



2016年11月上旬

堤防に咲いたハルジオンの群落で夏型のベニシジミLycaena phlaeas daimio)が訪花していました。
晩秋の日差しを浴びて、翅を半開きにしたまま吸蜜しています。

風揺れに悩まされた撮影になりました。



オオマルハナバチ♀とクロマルハナバチ♀が同じハスの花で採餌



2017年7月下旬・午前6:16〜6:21

平地の蓮池で早朝に咲いたハス(蓮)オオマルハナバチBombus hypocrita)およびクロマルハナバチBombus ignitus)のワーカー♀が訪花していました。

この近縁2種は標高によって棲み分けているはずなのに、同所的に採餌しているのは珍しいかもしれません。
丁度この辺りが棲み分けの境界なのかな?
蓮池の裏手はちょっとした小山になっているので、植生としては山地に近いようです。(小山の標高差は大したことありません。)
この蓮池でオオマルハナバチとクロマルハナバチの2種それぞれを別個に撮ったことはあるのですが、ワンショットで撮れたのは初めてです。(同所性の証拠映像)

ある一つのハスの花に注目していると、先客の
クロマルハナバチ♀の後脚の花粉籠は空荷でした。
一方、すぐ後から登場したオオマルハナバチ♀は後脚の花粉籠に橙色の花粉団子を付けていました。
同じ蜜源植物で競合するはずなのに、同一の花に乱入しても特に激しい喧嘩や縄張り争いは勃発しませんでした。
おまけにセイヨウミツバチ♀も同時に訪花していました。
ハナバチにとって蓮の花は巨大で数も多いので餌資源が豊富にあり、わざわざライバルと争う必要がないのでしょう。(金持ち喧嘩せず)


※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。




▼関連記事
クロマルハナバチ♀とオオマルハナバチ♀が同じラムズイヤーの花壇で採餌


ランダムに記事を読む