2017/12/15

尾状突起を破損したウラナミシジミの飛び立ち【HD動画&ハイスピード動画】



2017年8月中旬

川沿いの堤防を歩いていると、横の草むらでイネ科の雑草の茎に見慣れないシジミチョウが止まって休んでいました。
羽を閉じて止まり、後翅を互いに擦り合わせる動きをしています。
帰ってから図鑑と見比べてみると、ウラナミシジミLampides boeticus)と知りました。

後翅の肛角部に橙色と黒の小さな目玉模様および尾状突起があるはずですけど、この個体では欠損しています。
破損部が左右対称ですから、きっと翅を閉じていたときに野鳥に襲われて嘴で突かれたビークマーク(捕食痕)なのでしょう。
天敵から逃れるための眼状紋の有効性が証明されたことになります。

(ウラナミシジミの)後翅の後端には黒い斑点が2つあり、2つの斑点の間には細い尾状突起が突き出ている。この黒い斑点と尾状突起は複眼と触角に似ていて、頭部に似た模様をもつことで身体の方向や頭部の位置について敵の目をあざむいていると考えられている。(wikipediaより引用)

しかし、もし次回、野鳥に襲われた場合は確実に頭部を狙われてしまうでしょう。



どうしても翅表を撮りたくて、飛び立つ瞬間を狙って240-fpsのハイスピード動画に切り替えました。(@1:00〜)
しかし1/8倍速のスローモーションでも羽ばたきが速過ぎて翅表をしっかり見れませんでした。
なんとなく♂かな?と思うものの、定かではありません。
後翅の一部が欠損していても、飛翔能力に影響はありません。


※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。

この後、同じ農道を更に進むと別個体がクズの群落に来ていたのですが、残念ながら撮り損ねました。
本種のホスト(幼虫の食草)はマメ科らしいので、もしかすると産卵していたのかもしれません。



【追記】
福田晴夫、高橋真弓『蝶の生態と観察』によると、
ウラナミシジミ類などの後翅には、糸のような尾状突起がある。このつけ根には赤斑や黒点などがあり、翅を閉じてとまると、ある種の昆虫の頭部に見えるのかもしれない。後翅をすり合わせるようにして動かすと、1対の尾状突起は、ちょうど昆虫の触角のように動くので、捕食者が偽の「頭部」を攻撃すると、蝶はそれを与えて反対側に飛び、難をのがれることになる。この場合、尾状突起の先端が白色となりめだちやすいことは注目される。 (p104より引用)





2017/12/14

イチョウ並木に塒入りするハクセキレイの群れ(野鳥)



2017年7月下旬・午後19:03〜19:12 (日の入り時刻は18:57)

最近新たにハクセキレイMotacilla alba lugens)の集団塒を見つけました。
市街地の大通りに沿って植栽されたイチョウの街路樹です。
この大通りはすぐ近く(〜150m)で川を横切るので、昼間はその川沿いや市街地で暮らしているハクセキレイが夕方になるとこのねぐらに集まって来るのでしょう。
塒入りの様子を見に行くと、一番ピークであるはずの日没直前には間に合いませんでした。

青々と生い茂ったイチョウの枝葉に飛び込む前に、その手前でホバリング(停空飛翔)する個体がいます。
画質が荒いのは薄暗いせいです。
左手にある高い建物の屋上とイチョウ並木を興奮したように行ったり来たり飛んでいます。
近くで見ている私の存在を警戒しているのかな?
イチョウの真上の電線にも1羽止まっていますし、就塒前集合の名残りなのでしょう。
塒入りした後もしばらくの間は、イチョウの枝から枝へ元気に飛び回ります。

注目すべき点は、集団塒には♂(背中が黒色)も♀(背中が灰色)も居ることです。
おそらく繁殖期を終えた♀が塒に合流しているのでしょう。
これまで私が観察してきた別の集団塒では、繁殖期の間はハクセキレイの♂しか居ませんでした。

大通りを流れる車のテールランプやヘッドライトが光り、商店街のネオンサインが輝いています。
こんなに人工的な都市環境でもハクセキレイは平気で夜を過ごすようです。
むしろ天敵が少なくて安心するのかもしれません。
忙しい現代人は野鳥の動向に無関心です。
ちなみに月齢は28.0で、月は既に沈んだ後でした。

『まるごと発見!校庭の木・野山の木〈2〉イチョウの絵本』によれば、

国土交通省の調査(道路緑化樹木の統計)では、全国に街路樹などとしてもっとも多いおよそ60万本が植えられている。(p39より引用)



※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。(実際はもっと薄暗い)
ハクセキレイのプライバシーを守るために、一部の背景にモザイク処理をしました。



つづく→1ヶ月後



車道の反対側からストロボを焚いたらハクセキレイは警戒し、群れの一部は塒から(隣のイチョウの木へ?)移動した。

跳べ!コバネササキリ♀



2016年9月下旬

平地の草むらで長い産卵管を有するコバネササキリ♀(Conocephalus japonicus)がヨモギを食べていました。
葉ではなく実をムシャムシャ食べていたような気もするのですが、摂食シーンをじっくり撮らせてもらえず、すぐに跳んで逃げられました。

跳ぶと分かっていればハイスピード動画に切り替えたのに、残念!


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