2017/07/15

群飛を繰り返しビルの屋上に塒入りするハシボソガラスの群れ(野鳥)



2016年10月上旬・午後16:55~17:22(日の入り時刻は17:13)

秋から冬にかけて、夕方に塒入りするカラスの群れが大きくなります。
空高く飛んで行くカラスの大群を追いかけると、某施設のビルの上を旋回してから続々と屋上に舞い降りていました。
異様な光景に興奮しました。
数年前から秋の夕方になるとカラスがこの施設の周囲に群れて騒いでいたのを遠くから通りすがりに眺めていたのですけど、当時はその意味が分かりませんでした。
積年の謎がようやく解けて嬉しくなりました。

屋上の縁に沿ってカラスが一列に並んでいます。
屋上のあちこちに立てられた各種アンテナ(計4本)に止まっている個体もいます。
遠くて鳴き声はほとんど聞き取れませんし、映像からはカラスの種類を形態的に見分けられません。
しかし、この辺りではハシブトガラスは少なくハシボソガラスが圧倒的に優占種となっています。
また、後日この施設に更に近づいて塒入りを観察した結果、ハシボソガラスCorvus corone)がメインの集団塒と判明しました。

しばらくすると屋上からカラスの大群が一羽残らず一斉に飛び立ちました。
夕暮れ時の空を黒いカラスが大群で旋回する様は壮観です。
遠くて鳴き声は聞き取れません。
おそらく塒入りする前の集団誇示行動(就塒前群飛)なのでしょう。
ムクドリも似たような群飛を行います。
塒の周囲の安全を確認したり、天敵を威嚇して追い払ったりする意味があると考えられています。

もしカラスの塒がこのビルとは別な場所にあるのであれば、私が観察したのはカラスの就塒前集合ということになります。
ところが、群飛を終えたカラスがまた同じ屋上に戻って来ました。
鳴き交わしながら続々と屋上に着陸します。
そのまま屋上で落ち着くのかと思いきや、再び一斉に飛び立ち就塒前群飛しては屋上に戻るという行動を何度も繰り返しています。

施設の職員が屋上に出てきてカラスを追い払おうとしている可能性もありますが、こちらからはヒトの姿は見えません。
私としては、カラスが逃げたのではなく就塒前群飛のために何度も自発的に飛び立ったのだろうと推測しています。

屋上に舞い戻って来る際に2羽で飛びながら置いかけっこしている個体もいました。
素人目にはふざけて遊んでいるようにも見えますが、止まり場を巡る小競り合いで空中戦になったのかもしれません。

ようやく屋上に落ち着き、カラスはやはりここを塒として夜を過ごすようです。
この事例では、就塒前集合と集団塒が同じ場所でした。


※ カラスのプライバシーを保護するために、壁面の施設名にモザイクをかけています。
世間が野鳥の営みに対して無関心で放っておいてくれるならまだ良いのです。
私はただカラスが好きで動画を撮っているだけなのに、私の動画のせいでカラスが駆除されたりこの集団塒から追い出されてしまったのでは藪蛇というか本末転倒です。
誰かが急に「毎晩カラスの大群が集結するのは不気味で不吉だ!」と非科学的な言いがかりをつけて施設に通報したり、仕事熱心なカラスの駆除業者がこの施設に営業をかけるかもしれません。

施設側から「こんな動画は営業妨害だ!」と抗議されたりしたら堪りません。
昨今は全く予想もつかない方向からクレームが付けられる世知辛い社会ですから、こんな用心をしないといけないのです。
もちろん鳴き声がうるさかったり(騒音公害)、集団塒の糞害が酷いだろう、ということは容易に想像できるので、悩ましいところです。


つづく→早朝に集団離の屋上から飛び立つハシボソガラスの群れ(野鳥)


チョウゲンボウの飛翔(野鳥)



2017年5月上旬

農耕地と住宅地が混在する郊外の上空をひらひらと飛んでいる小型の猛禽類を見つけました。
空にくるりと輪を描きながら滑翔し、その合間にひらひらと羽ばたきます。
この独特の飛び方はチョウゲンボウFalco tinnunculus)です。
飛ぶ姿がトンボみたいだと評されることもあります。
私のほぼ真上を飛んでくれたおかげで、翼の下面の特徴でも確認できました。
初めは比較的低いところを飛んでいましたし、サービス満点の鳥でした。

『ワシタカ類飛翔ハンドブック』によると、チョウゲンボウは

非常に長い尾先の黒い黒帯が目立つ(p46-47より引用)



2017/07/14

シロバナジンチョウゲの開花【3600倍速映像】



2017年4月中旬

沈丁花
の白い蕾がほころび始めたので、常緑樹の灌木から小枝を採取してきました。
水を入れたペットボトルに生けて、室内で開花する様子を微速度撮影しました。
30秒間隔で約41時間インターバル撮影しました。
花が小さいのでマクロレンズで接写します。
得られた連続写真から30fpsの設定で動画を作成してから、更に4倍速に加工しました。
計算するとリアルタイムに対して、30*30*4=3600倍速の早回し映像になります。

花が咲いてみると、シロバナジンチョウゲと判明。
室内に私の大好きな沈丁花の上品な芳香が強く漂います。
撮影のために照明を一日中当て続けること(長日条件)が植物の開花に影響を及ぼすのかどうか気になるので、本を読んで勉強中です。
幻とされていたフロリゲン(花成ホルモン≠開花ホルモン)を探し求める熾烈な研究の歴史など、植物生理学も勉強してみるとなかなか面白いですね。



ジンチョウゲは小さな花が集まって手毬状になるはずなのに、この枝につく花芽(つぼみ)の数が少ないのは、日当たりの悪い所に植栽されたためでしょう。(日照不足)
沈丁花は陰樹らしいのですけど、それにしても植えた場所の日当たりが悪くて貧弱な枝ぶりでした。


室内での微速度撮影が終了した日に採集地でも元株が少し開花していた。

この機会に沈丁花について調べてみると、知らないことばかりでした。

日本にある木は雄株が多く、雌株はほとんど見られない。(wikipediaより引用)
確かに小花の奥には黄色い雄しべだけで、雌しべが見当たりませんでした。

『樹木見分けのポイント図鑑』で沈丁花を調べると、

花弁に見えるのは萼片で、筒状の萼の先が4裂したもの(p40より引用)。



【おまけの動画】
同じ素材で早回し速度を変えたバージョンをブログ限定で公開します。



↑5400倍速映像



↑900倍速映像


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