2016/04/24

マダラスジハエトリ幼体(蜘蛛)同士の対決



2015年11月中旬

雪国では庭や神社の石灯籠が積雪で倒壊しないように、晩秋になると木材を組み合わせ荒縄で縛った「雪囲い」で石灯籠を一つずつ保護します。(庭木や生け垣なども同じく丹念に雪囲いします。)
雪囲いの陽の当たる南面でマダラスジハエトリPlexippoides annulipedis)を3匹、見つけました。
同種のハエトリグモばかり雪囲いに集まっていたのは偶然でしょうか?
図鑑『日本のクモ』p301によると、本種は「冬季はスギ、ヒノキなどの樹皮下に袋状住居を作って越冬する」とのこと。
越冬場所を探索していたのかもしれませんが、冬籠りするには未だ少し気が早い気がします。

しかも3匹とも♀タイプでした。
マダラスジハエトリ成体の斑紋は性的二型を示すので、未熟な幼体はすべて♀タイプの体色なのかもしれません。(要確認)

一匹の♀cに注目して撮り始めると、こちらに向き直ってビデオカメラのレンズを見つめました。
カメラへの距離を測ると、マダラスジハエトリ♀cは板からカメラに跳び移りました。
そのまま私がビデオカメラを雪囲いの横木にそっと近づけると、♀cは自ら飛び移ってくれました。(映像なし)
すると右上の支柱に居た別個体の♀bが、♀cを目ざとく見つけました。
2匹の幼体は発育状態が異なり、体長の目測では♀b>♀c。
大型の♀bが♀cをめがけて横木に跳び下りました!
縄張り争いのような闘争(小競り合い)なのか、捕食行動(狩り)なのか、どちらでしょう?
跳びかかって来られた瞬間に、狙われた小型の♀cはしおり糸を引きつつ横木から緊急離脱しました。
相手を見失った♀bは、横棒を左に歩き去りました。
難を逃れた♀cはいつの間にか宙吊り状態から雪囲いに戻り、荒縄の上に居ました。


※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。



つづく→雪囲いを登るマダラスジハエトリ♀(蜘蛛)

2016/04/23

岩山を遊動するニホンザル



2015年11月中旬

▼前回の記事
野生ニホンザルの交尾

交尾していた野生ニホンザルMacaca fuscata fuscata)の♀♂ペアが居なくなってすぐ、別の猿が岩山の下から登って来ました。
股間に睾丸が見えますが、赤くないので若い♂(発情していない)のようです。
もう1頭は♀かな?(自信なし)
2頭が連れ立って斜めに登り、群れの後を追うように遊動して行きました。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。



2016/03/20

野生ニホンザルの交尾



2015年11月中旬


▼前回の記事
ニホンザル♂を毛繕いする発情♀(求愛・誘惑・前戯)

野生ニホンザルMacaca fuscata fuscata)の♀♂ペアが岩山(採掘場跡?)で群れから離れて毛繕いを続けています。
小柄な♀は♂の毛皮から蚤取りしつつ、♂に体を密着させています。

突然♂が♀の背後に回って馬乗りになりました。(マウンティング@1:27)
その後♂は四足になり、岩山の麓を見下ろしています。
その脇腹を♀が甲斐甲斐しく毛繕いしています。
再び♂が♀に短いマウントを行うと(@2:25)、カップルは仲睦まじく並んで座りました。
もう一度♂が♀に短いマウントを行いました。(@3:00)
胡座をかいて座った♂が自分の右腿および脛を掻いて毛繕い。(@3:13)
その間、♀は手持ち無沙汰になりました。
また♂が♀に短いマウントを行いました。(@4:00)
これを最後に♂が♀から離れ、独りで右へ歩き去りました。
おそらく群れの本隊と合流するのでしょう。
♀は少し追いすがるも、居残りました。
岩山を右へトラバースした♂は灌木の茂みに姿を消しました。
♂の後ろ姿を見つめていた♀も別ルートで同じ方角へ移動を開始。
斜面を斜めに登り、ススキの茂みに姿を消しました。
♀の臀部(お尻)も赤くなっていて、これが発情の印です。

※ 動画編集時に自動色調補正を施してあります。

野生ニホンザルの配偶行動らしきものを初めて観察できて非常に嬉しく思いました。
♂から♀へ毛繕いのお返しが一度もありませんでした。
このカップルの場合は、♀が♂にすっかり惚れていて、好意が♀から♂へ一方的なのだろうと解釈しました。

♂が交尾を挑む寸前に♀が♂にプレゼンティングしたのかどうか、私にはその辺りの機微がよく分かりませんでした。
今回のペアは♀の毛繕いを受けて高まった♂が短時間のマウントを計4回繰り返しましたが、本当に交尾したのでしょうか?
挿入や射精の有無は確信がもてませんでした。
マウントの際に♂は腰をスラスト(ペルヴィック・スラスト)しておらず、素人目にはペニスを挿入したようには思えません。
交尾を迫る発情♀の機嫌を損ねないように(♀に恥をかかせないように)形式的な(お座なりな)マウントではないか?という気もします。(擬人化し過ぎ?)
ニホンザルの交尾の挿入時間は通常この程度の短さなのですかね?
別れた後、♀の尻に精液が付着しているようにも見えません。(遠過ぎる?)
別れ方も淡白で、♂は♀に何の未練もなく離れて行きました。

♂を追いかけなかったということは、交尾・射精が無事に終わり♀が満足したと判断して良いのかな?
ニホンザルは妊娠可能な発情♀をライバル♂から守る交尾後ガードをやらないのでしょうか?

『ニホンザル観察事典』p34-35によると、

・発情した♀は、おしりを赤くはれあがらせ、「ウニャー、イヨウー」と切なげに鳴きつづけます。そして、♂が♀にさそわれると、体にふれてみたり、目をのぞきこんだりして、相手を確かめます。
♀の申し出を♂が受け入れると、やがて交尾が始まります。よつんばいになった♀の腰に、♂が後ろから馬乗りをするようにして、交尾が行われます。そう、力の順位をしめすマウンティングとおなじ姿勢です。
・♂と♀は、その日一日はいっしょにいて、何度か交尾をおこないます。

今回は発情した♀の鳴き声を聞きそびれたのが残念です。

つづく→岩山を遊動するニホンザル




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