2016/02/06

山形県に泥を塗るヒメクモバチ♀【10倍速映像】



2015年10月上旬・午前10:22〜12:02

境界標に営巣したヒメクモバチの定点観察#10


ヒメクモバチ(旧名ヒメベッコウ;おそらくAuplopus carbonarius)♀bの採土および造巣活動を10倍速の微速度撮影で記録してみました。
前回は境界標の根元から採土している様子が写っていませんでした。

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泥巣を閉鎖するヒメクモバチ♀b【10倍速映像】
今回はもう少し引きの絵で撮影します。
母蜂は境界標に刻印された山形県の「形」の字の第7画目の書き始め部分(右上)の窪みに巣材の泥をせっせと詰めています。
境界標の直下での採土と側面での造巣の往復運動をひたすら繰り返しています。
採土ポイントは毎回決まっているようです。
境界標に侵入してきたアリをヒメクモバチ♀が追い払うシーンが写っていました(@0:45〜0:50)。

この日は水を飲みに出かける頻度が高い印象です。
採土前にほぼ毎回水を飲みに出かけることもあるようです。
すぐ喉が渇くほど気温が高くはありません。
水不足なのでしょうか?
前回と同じ水場(暗渠のドクダミ葉)に行ってみると、水を飲みに来たヒメクモバチ♀bを目撃しました。
人懐こく私のズボンの裾に乗ってきました。(動画撮り損ね)

水場から帰巣する前に寄り道して別な場所から採土するのではなく、いつもの場所(境界標の直下)から巣材集めする点も前回と違いました。

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巣材集めの合間に吸水するヒメクモバチ♀

ご覧の通り山形県に泥を塗る不届き者の蜂ですけど、洒落の分かる知事さん辺りが鶴の一声で「県の蜂」に指定してくれたら嬉しいなー!…なんてね。
ヒメクモバチは『ファーブル昆虫記』にも登場する由緒正しい蜂です。
ヒトを刺しに来ることはありませんし、大人しくて可愛らしい蜂ですので、成虫や泥巣を見つけても目の敵にしないで暖かく見守ってくださるようお願いします。


※ このジオラマモードで微速度撮影するのは便利なのですけど、チルトシフト効果で画面の上下部分をわざとぼかされてしまいます。
余計なエフェクト無しでも微速度撮影できるようメーカーさんには仕様の変更を強く要望します。
チルトシフト効果を入れずに録画したほうがバッテリーも長持ちするはずです。

つづく→#11:寄生蜂コクロオナガトガリヒメバチ♀と寄主ヒメクモバチの攻防:その2



クスサン♂(蛾)の悲劇:走光性と光害問題



2015年10月上旬・夜20:12

走光性で外灯の周りを飛び回っているクスサンCaligula japonica japonica)♂を撮っていたら急に落下しました。
力尽きたのか、外灯の鉄柱に激突して落ちたのか、分かりません。
慌てて墜落現場に駆け寄ると、路上で翅がボロボロになっていました。
その翅に触れても、もはや暴れたり飛び立つ元気はありません。
「光害」被害を雄弁に語っています。
触角の形状が羽毛状なので♂ですね。



ギリシア神話のイカロスの悲劇を思い出しました。

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クスサン(蛾)の走光性


2016/02/05

ヒメクモバチ♀bの採土と巣作り



2015年10月上旬・午前10:14〜10:20

境界標に営巣したヒメクモバチの定点観察#9


前夜は泥巣b上に姿が見当たらなかったので、母蜂♀bの身に何かあったのかと心配でした。
翌日の午前中に様子を見に行くと、無事な姿を見れて一安心。
夜間はどこか別の場所で寝ていたのでしょう。

4日前とは打って変わり、この日ヒメクモバチ(旧名ヒメベッコウ;おそらくAuplopus carbonarius)♀bは活発に造巣活動に励んでいました。
朝露が残っている午前中に集中して造巣活動するのでしょうか?
境界標に刻印された山形県の「形」の字の第7画目の書き始め部分(右上)の窪みに巣材の泥をせっせと詰めています。

蜂が働いている横で境界標の右側面にザトウムシの一種が居ました。
モエギザトウムシですかね?(当てずっぽうで自信なし)
蜂は気づいていないのか無害だと知って無視しているのか、ザトウムシを追い払わず吸水に出掛けました。

次に帰って来た蜂が泥巣を「形」作る行動レパートリーを1ラウンド全て動画に記録できました。
境界標の根元から採土し、吐き戻した水と混ぜて泥玉を作ると、腹端の背側を鏝のように使って巣材を伸ばして泥巣に追加します。

つづく→#10:山形県に泥を塗るヒメクモバチ♀【10倍速映像】



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