2015/06/22

オジロアシナガゾウムシの交尾後ガード



2015年6月上旬

堤防に咲いたウツギの群落に絡み付いて伸びるクズの蔓にオジロアシナガゾウムシMesalcidodes trifidus)の♀♂ペアを見つけました。
♂をおんぶした♀が葛の蔓を右往左往しています。
体長は♀>♂。

「交尾中」と言いたいところですが、マクロレンズで接写してみると、マウントした♂の交尾器は結合していません。
おそらく♀が産卵するまでライバル♂から♀を守る交尾後ガードなのでしょう。
♀は口吻を茎に突き刺してはいません。
もう少し粘ったら産卵まで観察できたかもしれません。

クズの茎に螺旋状に穴を開けて卵を産む。幼虫はその中で育ち、その部分はふくらんで虫こぶになる。(wikipedia:オジロアシナガゾウムシより)


本種の生活史については『カラー自然シリーズ47:ゾウムシ』に詳しい。

♂をおぶった♀が、クズの茎に、らせん形の長いきずをほりあげました。♀が産卵のためのきずをほりはじめると、どこからか♂が飛んできます。茎のきずからでるにおいが、交尾相手の♂をひきよせるのかもしれません。(p12より)



2015/06/21

チョコレートを食害するノシメマダラメイガ(蛾)初齢幼虫




ノシメマダラメイガの飼育記録#9


▼前回の記事ノシメマダラメイガ(蛾)夜の活動【暗視映像】

2015年5月下旬・室温25℃

ノシメマダラメイガPlodia interpunctella)を飼育してみようと思ったきっかけの一つは、幼虫がチョコレート製品を食べて育つと知ったからです。
水も飲まずにそんな偏食でも立派に成虫になるとは驚きです。
チョコを食害するシーンをぜひ観察したくなりました。


宮ノ下明大, and 今村太郎. "チョコレート製品でのノシメマダラメイガ Plodia interpunctella 幼虫の発育." ペストロジー 26.2 (2011): 53-57. (PDFへのリンク

食品害虫サイトのコラムも参考になりました。

チョコを何日で食べきりますか?
ノシメマダラメイガを飼育してみよう!

今回、チョコレートの他には押し麦と黒胡麻を少量入れてみました。(たまたま台所に貯蔵してあった穀類を選んだだけで、特に理由はありません。)

ノシメマダラメイガPlodia interpunctella)幼虫の餌として入れておいたミルクチョコレートの表面に、遂に若齢幼虫2頭を発見しました。
未だ小さ過ぎて、マクロレンズで強拡大しても口元の動きがよく見えませんでした。
一緒に写っている黒いゴマ粒と比べれば幼虫の小ささが実感できるはずです。
チョコレートを齧っている犯行現場の証拠映像は、幼虫がもっと大きく育つまでお預けです。

ノシメマダラメイガの卵はどうしても見つけられませんでした。
成虫を大量飼育した結果、容器内に鱗粉が散乱していて、たまに見つかる白い粒が卵かどうか私には見分けられないのです。
したがって、幼虫が孵化するシーンも観察できていません。
卵殻は孵化直後に幼虫が自分で食べたのでしょうか?
交尾後の♀が産卵するシーンも未見です。

※ 容器の蓋として張ったサランラップ越しに撮った前半の映像には、動画編集時に自動色調補正を施しています。

【断り書き】 
有名な某チョコレート製品に刻印されたロゴが写ってしまっているので、菓子メーカーの名誉のために申し添えます。
(映像だけ見て早とちりしたり風評被害や営業妨害になるといけないので、具体的な商品名やメーカーを明記するのは差し控えます。)
決して購入した商品にノシメマダラメイガ幼虫が混入していたのではなく、密封パッケージ等の品質管理に落ち度は全くありません。
また、チョコレートに防虫剤などは添加されていない安全な食品であることも分かります。
今回、飼育用の餌にこの銘柄のチョコレートを選んだのもたまたま近所の店で一番安かったからで、他意はありません。
チョコ表面のロゴを削るか裏返して置くか、映像にモザイクを掛けるべきですかね?
当然ながら今後も飼育で増やした害虫を外に放つこともしません。
別に飼っているハエトリグモの生き餌としてノシメマダラメイガを養殖してみるのが私の目的で、そのついでに色々と観察を楽しんでいます。


つづく→#10:チョコレートに群がるノシメマダラメイガ(蛾)若齢幼虫【微速度撮影】





コアシナガバチ創設女王の吸水



2015年6月上旬

湿地帯の泥でコアシナガバチ♀(Polistes snelleni)が水を飲んでいました。
泥を啜るのではなく、もっとちゃんとした水溜りから飲めば良いと思うのですが、蜂にしてみれば何か理由があるのでしょう。(ミネラル補給?)
昨年、山道の轍でキアシナガバチ創設女王が水を飲んでいたのも湿った泥からでした。

▼関連記事
キアシナガバチ創設女王の吸水
時期的に恐らく単独営巣期の創設女王でしょう。
森林生物情報サイトによると、コアシナガバチの

営巣開始は5月頃。最初の働きバチは7月ころ出現
すぐに飛び立ってしまったので、最後は1/4倍速のスローモーションでリプレイして水増し。

実はキボシアシナガバチと迷いました。

キボシアシナガバチはコアシナガバチに似るが、第1腹節の黄色紋のほかに腹節には黄色班がないことで容易に区別できる(『ハチハンドブック』p66より)。




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