2014/03/01

ウルシ?の実を食すアオゲラ♂(野鳥)



2013年11月上旬

秋の雑木林でアオゲラ♂(Picus awokera)が何か木の実を採食しています。
頭頂部全体が赤いので♂ですね。
樹種は何でしょう?
遠くて見難いのですけど、ヤマウルシの実ですかね?
ヌルデにしては紅葉した葉の形が違います。
ハゼノキは関東地方以南にしか分布しないので除外。

食後は隣の木(イタヤカエデ)に飛び移り、幹を登り始めました。
幹に止まってあたりをキョロキョロ見回しています。
この後は姿を見失ってしまいましたが、啄木鳥がドラミングする音が盛んに聞こえました。

『野鳥と木の実ハンドブック』p64、66によると、

ウルシは10月頃から熟し始めるが、鳥が採食し始めるのは、早くても12月頃からである。鳥はとにかく、ウルシ属の木の実をよく食べる。



【追記】
直江将司『わたしの森林研究―鳥のタネまき​に注目して』によると、
キツツキ類はふだんは木をつついて中にいる昆虫を食べているが、果実がたくさんある秋冬になると食べ物を果実に切り替える。(p52より引用)


野間直彦『種子散布にみる植物との共生』によれば、
キツツキ類もウルシ属の果実をよく食べるところが観察される。これらは一見餌にはならないようにみえるが、ウルシ属のハゼノキやヤマハゼの果皮には蝋状の(中略)物質がついている。栄養分析の結果、これらは鳥にとって利用可能な脂肪分を多量に含んでいることがわかった。 (『鳥類生態学入門―観察と研究のしかた』第9章p139より引用)



上田惠介『意外な鳥の意外な好み:目立たない“乾果”を誰が食べる?』によると、
アオゲラ属のキツツキはアカゲラ属やクマゲラよりも果実に依存した食性を持っていることが知られている。 (『種子散布 助けあいの進化論〈1〉鳥が運ぶ種子』 p69より引用)




赤トンボ♂♀の連結打水産卵【ハイスピード動画】



2013年9月下旬

農道の水溜まりでアカトンボの仲間(種名不詳)が何組も一緒に産卵していました。
連結打水産卵の様子を240-fpsのハイスピード動画で撮ってみました。
タンデムの停空飛翔が見事で、影の動きもフォトジェニック♪
前で飛ぶ♂とのタイミングが合わず、ときどき♀が空振りすることもあります。

♀の腹面は白い。アキアカネ? ナツアカネ?
同定用の写真を撮ろうと思ったときには皆どこかへ行ってしまいました…。


2014/02/28

産卵中のクルマバッタモドキ♀



2013年10月下旬

河川敷の遊歩道で砂の多い地面に穴を掘って産卵しているバッタを見つけました。
胸背にX紋を確認したのでクルマバッタモドキ♀(Oedaleus infernalis)と判明。
この辺りは分布の北限(東北地方南部)らしい。
腹端を伸ばして地面に差し込んでいます。

産卵行動を最後まで見届けたかったのですけど、このジョギングコースを向こうから走って来る人が居ます。
このままではバッタが踏み潰されてしまうか、跳んで逃げられてしまう…と焦り、慌てて採集に切り替えました。
産卵中の♀は意外におとなしく(動きが鈍く)、ありあわせの紙袋を被せるだけで簡単に捕獲出来ました。

クルマバッタモドキ♀が産卵していた穴を覗いてみると、卵は無く未だ穴を掘っている段階だったようです。

交尾が済んで卵が成熟したメスは地面を掘り進みながら腹部を普段の2倍以上のばし、産卵する。卵は非常に細かい泡でくるまれており生まれたばかりは白いが固まると薄い赤褐色となる。メスは力つきるまでの3ヶ月間の間、3-6回ほど産卵する。(wikipediaより)

1円玉を並べた産卵坑

忙しくて数日間、死骸を放置していたら胸背にあったX紋が消えていました(非常に見えにくい)。
標本の翅を広げて、後翅の黒紋を確認しました。
♀にしては小柄な個体のようです。
飼育下での産卵観察にもいつか挑戦してみたいです。
腹部を解剖したら卵を見れたかもしれませんね。


標本:側面@方眼紙
標本:腹面@方眼紙
左翅
前翅
後翅に黒紋

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