2013/12/14

褐色型トノサマバッタ♂♀の交尾



2013年9月中旬

河川敷の堤防(舗装路)で褐色型のトノサマバッタLocusta migratoria)が交尾していました。
そっと近寄ってよく見ると、♂は♀の背にマウントしているだけで交尾器は連結していません。
交尾後ガードなのかな?

♂が右前脚で顔(右触角)を拭って身繕いする以外は目立った動きはありませんでした。
いつもはすぐに逃げられてしまうので、今回も警戒して飛ぶかな?と思い念の為に動画で撮ったのですけど、ペアは静止したままでした。

後で思えば、♂だけでも採集して「バッタ釣り」の実験をしてみればよかったですね…。

【追記】

バッタは産卵管が短いので♂が上になり、腹端を曲げて♀の腹の下側から交尾する。直翅目でも産卵管の長い種類では♀が上になる交尾が行われる。(『日本動物大百科8昆虫Ⅰ』p103-104より引用)


【追記2】
『カラー自然シリーズ44:バッタのくらし』によると、
トノサマバッタの♂は、飛んでくるバッタの羽音や着地の音を頼りに、交尾の相手をさがしはじめます。(中略)♀の背なかにのった♂は、他の♂が近よってくると、足で羽をこすり、シュルシュルと音をたてて追いはらいます。(p15より引用)
いつか私も配偶行動の一部始終を観察してみたいものです。 





アレチウリの花蜜を吸うクマバチ♀



2013年9月中旬

河原の堤防に生い茂ったアレチウリの群落でキムネクマバチ♀(Xylocopa appendiculata circumvolans)が飛び回り、花蜜を吸っていました。
後脚の花粉籠は空荷です。



オオスズメバチvsチャイロスズメバチ:樹液酒場での序列【HD動画&ハイスピード動画】



2013年9月中旬

ミズナラの樹液酒場は千客万来です。
最後に真打のオオスズメバチ♀(Vespa mandarinia japonica)が登場しました。
強力な大顎で樹皮を齧り樹液を舐めています。

やはりオオスズメバチが最大かつ最強です。
数で勝るチャイロスズメバチを易易と追い散らします。
オオが幹から飛び立ち、近くの樹液酒場に居たチャイロを追い払いました。(餌場の占有行動)
オオスズメバチの数が少ないことと、樹液酒場が幹のあちこちに分散しているため、平和がある程度保たれているようです。(追い払われたチャイロは別の樹液スポットに戻るだけで、イタチごっこになる。)

今回観察できたスズメバチ(Vespa属)3種の力関係はオオ>チャイロ>モンでした。
これは本の記述と合致しています。

『本能の進化:蜂の比較習性学的研究』 岩田久二雄・眞野書店 p318 によると、樹液の出る場所での席次争いで強いものから弱いものへの順列は、オオ>チャイロ>コガタ>モン>ヒメ(スズメバチ)らしい。




2種の空中戦を240-fpsのハイスピード動画で記録してみました。
通常は追い回すだけですが、稀に空中で激しい格闘となり、もつれ合うように落下しました。
オオスズメバチが幹を登ると、上の樹液ポイントに居たチャイロが慌てたように飛んで逃げます。



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