2013/08/19

水溜まりで遊ぶハシボソガラス(野鳥)



2013年7月上旬

住宅展示場の裏庭に前夜の雨で大きな水溜まりが出来ました。
そこへハシボソガラスCorvus corone)の群れ(3羽)がやって来ました。
小石や枝を拾い上げたり仲間と奪い合ったりして長時間遊んでいます。
水深はカラスの足首ぐらいあります。
嘴をつっこんで、水を飲んでいるかと思いきや小枝を拾い上げました。
(ハト以外の鳥は嘴で水をすくってから上を向かないと飲み込めないはず。参考サイト→「ハトの水飲み」)

水溜まりで草を毟っているのは餌となる虫を探してるのかな?
水中から拾い上げたゴムの切れ端を、2羽で引っ張り合い喧嘩を始めました。
岸の小石を拾い上げて遊んでいると、これも取り合いになりました。
とにかく一羽が何かを見つけて拾い上げると、仲間は気になってすぐに近寄ってきて取り合いになります。
そのくせ奪った物にすぐ興味を失います。
ヒトの子供が遊ぶ様子と大差なく、とても微笑ましい光景でした。

この日「カラスの行水」は見られませんでした。





2013/08/18

獣糞を吸汁するハラビロヘリカメムシ



2013年7月上旬

林道の真ん中にタヌキの溜め糞と思われる獣糞が落ちていて、そこにハエとカメムシが集まっていました。
ハラビロヘリカメムシHomoeocerus dilatatus)だと思うのですがどうでしょう?※
真っ黒の糞は未だ新鮮で、やや臭気がありました。
消化されずに排泄された植物の種子がゴロゴロと混じっています。
カメムシ類が汚物や獣糞で吸汁する光景は今まで見たことがなく、衝撃的でした。※※
このカメムシは糞の中に混ざった未消化の植物の種子が目当てではなく、明らかに糞そのものから吸汁しています。
側面から口吻を接写して確認しました。

それとも小さな(草の)種子を摂食吸汁しているのでしょうか?
どうやったら実証できるか考えてみました。
タヌキの食性の調査法の一つとして、採取した溜め糞をザルで水洗いし未消化の種子を得る方法があります。
得られた種子をついでにカメムシに与えてみて、糞汁と比べどちらを好んで口を付けるかどうか調べてみれば…?
まー、「言うは易し」で究極の3K調査ですけど。

ハラビロヘリカメムシは獣糞の上を歩いて移動すると、ここぞという所で口吻を差し込んでいます。
映像では動きのあるシーンを中心にまとめましたが、実際は静止している時間が長いです。
よく見ると赤い触角が印象的。
複眼の間に単眼が2個しか見えません。
昆虫の単眼は3つあるのが普通だと思っていたので、気になりました。

カメムシに何か細長いゴミが付いているのかと思ったら、小さな蓑虫のような物がカメムシの体表を移動しています。
寄生性、吸血性の虫なら面白いのですけど、正体不明です。

ちなみに途中で聞こえる「キンミー、キンミー♪」という甲高い鳴き声の主はサシバという猛禽類の野鳥だと思います。(@0:55〜1:05)
すぐ近くの樹上に止まって鳴いていました。
そちらも気になったのですが、カメムシの撮影を優先しました。

※ 【追記】
いつもお世話になっているカメムシBBSに投稿したところ、kameotakuさんより以下のコメントを頂きました。

動画拝見しました。確かに口吻立てて、吸汁してますね。 初めて見ました、驚きです! アップ画像で触角2,3節が扁平なのが良くわかります。ホシハラビロではなく)ハラビロヘリの方ですね。 頭から胸背辺りを這い回っているミノムシ?も微笑ましいです。

※※ 南十字星さんよりカメムシBBSにて次のコメントを頂きました。
タイで犬糞から吸汁しているキンカメムシの一種を見たことがあります。めちゃ暑い日でした。またやはりタイで、人糞を入れたPITにカメムシ科の一種が多数集まっていたこともありました。注意して見ればけっこうあるのかもしれません。



胸背に蓑虫?



【追記2】

『カメムシ:おもしろ生態と上手なつきあい方』p31によると、野生動物の糞を吸う変わった食性をもつカメムシとして、ヘリカメムシ科のホシハラビロヘリカメムシが紹介されていました。
普段は、マメ科植物のフジ、クズ、ヌスビトハギなどをはじめ、畑のダイズにもよく見かける種である。(中略)唾液と混ぜながら吸収しやすい状態にして多少乾いた糞でも口吻を差し込むのである。



関連記事(10年後に撮影)▶ ホンドタヌキの溜め糞に集まり吸汁するハラビロヘリカメムシ 



泥巣に出入りするヒメクモバチ♀の飛翔【ハイスピード動画】



2013年6月中旬

前回の記事はこちら→「タニウツギの葉裏に泥巣を作るヒメクモバチ♀

ヒメクモバチ(旧名ヒメベッコウ;Auplopus carbonarius)の造巣行動は数年前から定点観察で散々動画に記録してきたので、今回は目先の変わったことを試します。
巣材の泥玉を集めて泥巣に出入りする母蜂の飛翔シーン(離着陸)を240-fpsのハイスピード動画に撮ってみました。
撮影時間は16:22 pm - 17:00 pmの約38分間。

ヒメクモバチは巣材の泥玉を大体決まった場所から集めて来ることが分かっています。
しかし飛び去った蜂の姿をすぐに見失ってしまい、どこの採土場や水場に通っているのか突き止められませんでした。
左手に飛び去った後に右へ飛んで行く姿(右往左往)がハイスピード動画に捉えられていたので(@9:30)、水場は左側に採土場は右側にあるのかもしれません。
泥巣、水場、採土場が三角形の位置関係にあるようです。
地面から削り取った土と吐き戻した水を大顎で捏ねて泥玉を作るのです。
採土の前に水を毎回飲みに行く訳ではありません。

関連記事→「ヒメベッコウの採土と泥玉作り1」、「ヒメベッコウの採土と泥玉作り2
※ 飲水シーンの映像はパート2の方がよく撮れています。

この母蜂の帰巣シーンは葉表に着陸してから葉裏に回り込んで泥巣を見つける例がほとんどでした。
葉裏に回り込む向きも決まっているようです。
稀に葉裏にいきなり着地することもあります。
効率の良い帰巣ルートを学習しつつあるのかと思ったのですが、水場と採土場の位置関係でこうなったのでしょう。
時には空荷で帰巣することもあり、泥巣を点検してからすぐに外出します。

ヒメクモバチ♀は腹部を強く曲げて腹端背面を左官屋のコテのように使って泥玉を伸ばしていきます。
その素早い動きも1/8倍速のスローモーションで見るとよく分かります。
興味のある方は映像の冒頭部をご覧下さい



せっかくなので、ブログ限定でノーカット版も掲載しておきます。
巣作りの過程もスローモーションになっています。

後日、泥巣を採集して飼育を始めました。
つづく




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