2013/08/17

マダラアシゾウムシに昆虫ゼリーを与えてみる



2013年6月下旬

オニグルミの葉から採集したマダラアシゾウムシEctatorhinus adamsii)を持ち帰ったらいつの間にか室内で脱走していました。
夜に再発見したら体中が埃まみれになっていました。

試しに余っていた昆虫ゼリーを与えてみたら、さっそく吸汁を始めました。
吻の先にある大顎の動きに注目して接写してみたものの、よく分かりませんでした。
微動だにしないので、単にゼリーに乗せただけのヤラセ映像と思われるかもしれません。

背中に付いた綿埃を取り除いてやったら嫌がってなぜか右前脚を持ち上げました。
ちょっとした威嚇のつもりなのでしょうか?
ようやく動き出したら容器の縁から滑り落ちそうになり、跗節の爪でしがみ付いています。

その後数日間飼ってみたのですけど、他の動画ネタを思いつかなかったので元気なうちに解放してやりました。
ガラス容器の垂直な壁面を自在に登れる点が印象的でした(映像なし)。





右手を挙手!

ハクビシンの早朝散歩



2013年7月上旬

日の出前の早朝に、カラスが喧しく鳴き騒ぐ声に叩き起こされました。
一体何事かと窓から外の様子を覗いて見ると、路上を徘徊している小動物に対して電線に止まったハシボソガラスの群れが警戒声を上げている模様。
痩せ細ったタヌキにしては尻尾が長いです。
なんとハクビシン(白鼻芯、白鼻心;Paguma larvata)でした!
卵や雛を狙う天敵にカラスが直接的なモビング行動をやらないのは未だ暗いからでしょうか。
雛が巣立った後はリスクを犯してまで侵入者を攻撃しないのかな?

ハクビシンはとことこ歩いてすぐに民家の死角に隠れてしまったので、映像の後半は1/5倍速のスローモーションでリプレイしてみます。





2013/08/16

タニウツギの葉裏に泥巣を作るヒメクモバチ♀



2013年6月中旬

里山でぼうぼうに生い茂った草をかき分けつつ廃道を下っていると、タニウツギ幼木の葉裏にヒメクモバチ(旧名ヒメベッコウ;Auplopus carbonarius)の泥巣を発見。
泥巣の上部だけ泥が濡れているのは作りかけの育房です。
乾くと泥巣は白っぽくなります。
泥巣の位置は地上95cmの高さ。
しばらく待つと案の定、母蜂♀が帰巣して育房を増築し始めました。

巣材の泥玉を咥えて帰ってくると、近くの葉上にいったん止まり泥玉を噛み解すことがありました。
泥玉を口元で捏ねながら口から水を吐き戻して滑らかな泥玉を作っているようです。
カメラのレンズや鏡筒に止まったこともあるので、初めは巣の横に立つ私を警戒していたのかもしれません。

作りかけの育房に頭から入り、壁面を作っています。
泥玉を少しずつ塗りつけると曲げた腹部の端を激しく動かして左官作業に精を出しています。
育房の内側から腹端で叩くので泥壺の内面は滑らかになりますが、外側はごつごつしたままです。

帰巣した♀はタニウツギの葉表に着陸してから葉裏に回り込んで泥巣に辿り着くことが多いです。
葉裏にある泥巣が表側からも少し透けて見えるので、これが目印になっているのでしょう。
それでも葉裏に直接着陸して帰巣することも稀にありました。

撮影時刻を映像に付記しておきましたが、間隔の開いた時間帯はハイスピード動画に撮っていました。
母蜂がさぼっていた訳ではありません。


つづく→「泥巣に出入りするヒメクモバチ♀の飛翔【ハイスピード動画】

※ ヒメクモバチの仲間は♀の外見だけから同定するのは難しいのですけど、この泥巣を採集して後に羽化した♂の特徴および泥巣の形状からナミヒメクモバチAuplopus carbonariusと判明しました。

種小名のcarbonariusは炭のように黒いという意味のようです。(参考:『完訳ファーブル昆虫記 第4巻上 第2章ヒメベッコウ:クモの狩人』p45より)





葉の表から泥巣が透けて見えます。

作りかけの育房は泥が半乾き。

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