2013/08/10

キアゲハ前蛹bが蛹になるまで【微速度撮影】



2013年6月下旬

キアゲハの飼育記録8

キアゲハPapilio machaon終齢幼虫bが前蛹になってから翌日、最後の脱皮を行い、ようやく蛹となりました。
クチクラの色の変化など蛹化の前兆は忙しくて気づかず、監視カメラに記録を任せました。

止まり木として割箸を与えています。
帯糸を掛けた部分の割箸2本分(一膳)の幅は丁度10mm。
実際は一膳の割箸の右側1本分だけの幅で帯糸を掛けていました。

前半は10秒間隔のインターバル撮影で3.5時間(16:22〜19:52)前蛹を監視した計1,264枚の連続写真を素材に早回し映像を制作しました。
この間の室温は28℃→26℃。

後半は60秒間隔のインターバル撮影で約14時間(19:53〜09:47)帯蛹の色の変化を監視した計835枚の連続写真を素材に早回し映像を制作しました。
当然、早回しの速度は前半と違います。
蛹になってもときどき自発的に蠕動していることが分かります。
USB-LEDリングライトで一晩中照らしながら撮影したのですが、残念ながら白飛び気味で肝心の蛹の色が分かり難くなってしまいました。
もっと距離を離して照らすか、ディフューザーで光を和らげるべきでした。

その後この蛹bに触れても反応しなくなり心配していたら、寄生蜂が羽化してきました。


つづく→「キアゲハに寄生したアゲハヒメバチの羽化



【追記】

モンシロチョウでは幼虫の段階で寄生蜂の幼虫が出てきますが、アゲハの寄生蜂では蛹の内部で卵が孵化し蛹化、羽化をしているようです。
アゲハチョウで寄生されていない幼虫※は尾部に弾力性がありますが、硬くなっているものは寄生されている可能性があります。(本田計一, 村上忠幸『ワンダフル・バタフライ―不思議にみちたその世界』p49より引用)
※本全体を通読した上で、文脈からここは幼虫ではなく蛹だと思うのですが、どうでしょう?
同書の後半にもアゲハチョウの蛹の生死の見分け方として同様の記述がありました。
蛹が生きていることを調べたいときは、尾部のじゃばら状の部分を指で曲げてみてください。くねくねと柔軟性があれば生きています。蛹で死んでしまった場合、硬くなっています。また、小枝に蛹がついている場合は、枝ごと振ってみてください。生きている蛹は、ぶらぶらしません。筋肉が働き振る動きに抵抗するような動きをします。


前蛹

帯蛹

帯糸


抜け殻(蛹化の脱皮殻)




ムラサキシキブの花で振動集粉するクロマルハナバチ♀



2013年6月下旬

庭木のムラサキシキブクロマルハナバチBombus ignitus)のワーカー♀が訪花していました。
後脚の花粉籠にオレンジ色の花粉団子を付けています。
ピンクの花の上を歩き回りながら甲高い音を立てていますが、このとき羽ばたいていないので羽音ではありません。
また、飛び回るときの羽音よりも力強く高音です。
これは振動
集粉と言ってマルハナバチの採餌行動です。

※『マルハナバチ・ハンドブック:野山の花とのパートナーシップを知るために』p40によると、

葯には振動に応じて少しずつ花粉をこぼす穴があります。マルハナバチは、葯を顎と脚で押さえ込んでぶら下がると、胸の筋肉を小刻みに振るわせて葯を揺すって花粉を落とし、体毛で受け止めるというやり方で花粉を集めます。そのような花粉集めの行動を「振動集粉行動」と呼びます。

関連記事→「クロマルハナバチの振動受粉@タケニグサ



クロマルハナバチの振動集粉を声紋解析してみる

オリジナルのMTS動画ファイルから音声をWAVファイルに抽出し、振動集粉の部分を切り出してスペクトログラムを描いてみました。



【追記】
秋になり、同じ潅木に紫色の実がなりました。



2013/08/09

オオハナウドの実で交尾するアカスジカメムシ♂♀



2013年6月下旬

オオハナウドの群落の実の部分でアカスジカメムシ♀♂Graphosoma rubrolineatum)が交尾していました。
もう一匹近くを徘徊しているのはあぶれ♂でしょうか?

交尾中にオオハナウドの実を吸汁しているかどうか口器を接写したかったのですが、用水路脇の急斜面で近づけませんでした。




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