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2023/07/23

フクロウ襲撃前後の野ネズミのオニグルミ堅果運搬作業【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2022年12月上旬

シーン0:12/3・午後・気温15℃・(@0:00〜) 
オニグルミ堅果の給餌は6回目になります。 
今回はカラマツ大木の根元の右側に、予め果皮を剥いたクルミ40個を山盛りに並べて置きました。 
餌場を左から右に移動したのは、少しでも監視カメラに近づけて、野ネズミがクルミを選ぶ様子を詳細に観察するのが目的です。 
右側の餌場Rは三角のポケットのような窪みになっているのですが狭いので、なるべく小さなクルミを選んで山積みにしました。

シーン1:12/3・午後22:18・気温10℃・(@0:05〜) 
給餌した当日の晩から夜行性の野ネズミ(ノネズミ)が早速現れて、いつものようにせっせと餌場通いを始めました。

給餌場Rで選んだオニグルミ堅果を口に咥え、右斜面を右上に持ち去りました。 
途中で羊歯の葉にぶつかるのは前回と同じルートです。 
お気に入りの決まった運搬ルートがあるということは、おそらく同一個体が通っているのでしょう。 


シーン2:12/3・午後22:23・(@0:34〜) 
(これ以降の気温データは異常に高く、信頼できません。) 
右斜面に立ち止まっていた野ネズミが突然弾かれたように垂直に跳び上がりました。 
何かに驚いたのでしょうか? 
警戒を解くと、慎重に餌場Rへ戻りました。 

クルミを1個選ぶと、今度も右上に運び去りました。 


シーン3:12/3・午後22:27・(@1:20〜) 
餌場Rからクルミを持ち去ると、カラマツの根元を右から回り込み、背後を通って左斜面へ運んで行きました。 
クルミを貯食する場所を変えたようです。 


シーン4:12/3・午後22:30・(@1:47〜) 
野ネズミが珍しく左の餌場Lに来ていました。 空っぽであることを確かめてから、右の餌場Rへ。 
選んだクルミを咥えて右斜面を駆け上がります。 


シーン5:12/4・午前5:43・気温5℃(@2:12〜) 
天敵への恐怖で野ネズミはもう餌場には来ないだろうと思いきや、ほとぼりが冷めてから運搬作業を再開しました。 
6時間50分も隠れ家で大休止していたようです。 
その間に気温は5℃まで下がりました。 

餌場Rで選んだクルミを横向きで咥え、正面を向いたところでフリーズしました。 
トレイルカメラの存在に気づいて警戒しているのかな? 
警戒を解くと、慎重に左に少し移動してから斜面を下り、クルミを運びます。 
フクロウに襲われ怖い思いをした右上斜面の運搬ルートは二度と行かなくなりました。
強い恐怖体験によるマウス(ハツカネズミ)の学習はたった1回で成立して、長期記憶が長く持続する、という教科書通りの行動でした。


シーン6:12/4・午前5:47・(@2:52〜) 
今度もクルミを下に持ち去りました。 


シーン7:12/4・午前5:56・(@3:09〜) 
少し間隔が開きました。 
カメラの起動が少し遅れたようで、クルミを咥えて運搬中の野ネズミが餌場Lに居ました。 
大きくて持ちにくそうなクルミを、そのまま左に運んで行きます。 

しばらくすると、シシガシラに覆われた左斜面の隠れ家から戻って来ました。 
餌場Lに飛び込んだところで録画終了。 


シーン8:12/4・午前5:59・(@3:41〜) 
またもやカメラの起動が間に合わず、クルミ運搬中の野ネズミが餌場Lを経由して左に持ち去りました。 


シーン9:12/4・午前6:02・(@3:49〜) 
断続的に朝霧が発生したり風に流されて晴れたりしているようです。 
野ネズミが餌場Rからクルミを右下に搬出。 
クルミを隠す場所を変えたようです。 


シーン10:12/4・午前6:09・(@4:09〜) 
少し間隔が開いてから作業再開。 
今回も餌場Rからクルミを持って右下へ。 


シーン11:12/4・午前6:12・(@4:20〜) 
今回も餌場Rからクルミを持って右下へ。 
決まった運搬ルートを繰り返し使うとまた捕食者に待ち伏せされて襲われるのではないかと傍目には心配です。
あまり学習しないというか、恐れ知らずの個体なのでしょうか? 


シーン12:12/4・午前6:14・(@4:29〜) 
今回も餌場Rからクルミを持って右下へ。 


シーン13:12/4・午前6:17・(@4:40〜) 
朝霧の中を、餌場Rからクルミを咥えて斜面を駆け下りました。 


シーン14:12/4・午前6:19・(@4:54〜) 
朝霧で見えにくいのですが、餌場Rで選んだクルミ1個を右下に持ち去りました。 
しばらくすると、緩斜面の下から餌場Rに帰って来ました。 
全く無駄のない動きで次のクルミを選ぶと、休むまもなく下へ搬出。 
2分間の録画時間内で最大2回の運搬作業が観察できます。 
クルミを貯食する場所は給餌場の近くにあるのでしょう。 


シーン15:12/4・午前6:25・(@5:22〜) 
今回も餌場Rからクルミを持って下へ。 
しばらくすると、斜面の下から餌場Rに戻ってきました。 
次のクルミをまたもや下に運び去ったところで、ちょうど2分間の録画が終了。 


シーン16:12/4・午前6:30・(@5:48〜) 
今回も餌場Rからクルミを持って下へ。 


シーン17:12/4・午前6:34・(@6:07〜) 
日の出(午前6:35)直前で充分に明るくなり、自然光のフルカラーで動画が撮れていました。
映像から野ネズミの同定ができる方がいらっしゃいましたら、教えて頂けると助かります。 
野ネズミは臆病で夜行性のはずなのに、明るい朝になっても餌場Rに通っていました。 
昼行性の捕食者が怖くないのでしょうか? 
オニグルミ堅果への執着がよほど強いのでしょう。
このまま餌場Rにクルミを残しておくと、昼間の間に貯食ライバルのリスが持ち去ってしまうと判断したのかもしれません。
 
関連記事(3週間前の撮影)▶ 珍しく明るい早朝にオニグルミの堅果を持ち去る野ネズミ
残り少なくなったクルミを1個選ぶと、右下に走って持ち去りました。 


シーン18:12/4・午前6:39・(@6:38〜) 
このトレイルカメラは新機種なのに奇妙な癖があり、明るい時間帯でも1つおきにモノクロの暗視映像に戻ってしまいます。 
周囲の明るさに応じて暗視映像で撮るかどうか切り替わるはずですが、薄明薄暮の明度がちょうどその閾値なのでしょうか? 

今回も野ネズミは餌場Rからクルミを持って下へ。 
これが最後の1個だったようです。 


シーン18:12/4・午後17:29・気温0℃(@6:54〜) 
日の入り時刻は午後16:23。
遂に晩の早い時間でも気温が零度になり、この地点での最低気温を更新しました。 
みぞれが横殴りに降っていますが、林床に積雪は未だありません。 
昼間にぐっすり寝て元気になった野ネズミが餌場Rに現れました。 
クルミがもう全く残っていない(新たに追加されていない)ことを確かめると、餌場Lを経由して左に走り去りました。 

常緑の羊歯シシガシラに覆われた左斜面を右往左往する野ネズミの白い目が光って見えます。 
カラマツの背後を通って右斜面でも餌を探し歩きます。 
餌場通いを止めて、通常の探餌徘徊モードに戻ったようです。 
野ネズミは寒さに強く、冬ごもり(冬眠)しません。
雪国での活動限界は零下何度なのでしょう?

※ 暗視映像が暗い場合は、動画編集時に自動色調補正を施して明るく加工しています。 



2023/07/21

オニグルミを運ぶ野ネズミがフクロウに襲われ危機一髪【野鳥:トレイルカメラ:暗視映像】

 



2022年12月上旬 

オニグルミ堅果の給餌は6回目になります。 
今回はカラマツ大木の根元の右側に、果皮を剥いたクルミ40個を山盛りに並べて置きました。 
餌場を左から右に移動したのは、少しでも監視カメラに近づけて、野ネズミがクルミを選ぶ行動の詳細を観察するのが目的です。 
右側の餌場Rは狭いので、なるべく小さなクルミを選んで山積みにしました。 

その日の晩に夜行性の野ネズミ(ノネズミ)が早速現れて、いつものようにせっせと餌場通いを始めました。 
貯食のためにクルミを1個ずつ持ち去っていると、大事件が勃発しました。 


シーン1:午後22:43・気温11℃ 
野ネズミが給餌場Rでオニグルミ堅果を選んでいると、どこからともなくキョヨヨヨ♪と奇妙な鳴き声がしました。 
木の枝が風に揺れて軋む音なのでしょうか? 
途端に野ネズミはパッと画面右を向いて警戒しました。 
そのまま物音を立てないようにフリーズしています。 
やがて野ネズミは警戒を解くと、1個のクルミを咥えて右斜面を駆け上がりました。 
それと同時に再び謎の音声が録音されていました。 
(カメラを固定したシナノキの幹を樹液が流れる音?? 風に揺れる枝と枝が擦れる音?) 


シーン2:午後22:54・気温10℃(@0:50〜) 
少し間隔が開きましたが、10分後に野ネズミが餌場Rに戻って来ていました。 
選んだクルミを持ち去ろうと、カラマツの根元を右に回り込んでから右斜面を駆け上がる途中で立ち止まると…。 
左上からフクロウStrix uralensis)が音もなく急降下し、野ネズミに奇襲しました。 
斜面の下草にバサッと舞い降りたフクロウは、辺りをキョロキョロ見回してから左上に飛び上がりました。 
飛び去った後もキョヨヨヨ♪と謎の鳴き声が聞こえました。 
どうやらフクロウの鳴き声だったようです。 
フクロウがこんな鳴き声を発するとは知りませんでした。 
調べてみると、この鳴き声はフクロウ雛の餌乞い♪(参考サイト:さえずりナビ)と似ています。 
今回聞こえたのは、親鳥に給餌をねだる鳴き声の名残りなのかな? 
狩りの未熟な若鳥なのかもしれません。(素人の勝手な想像です) 
それにしても、シーン1でフクロウが鳴いた理由が全く分かりません。
鳴き声で獲物に気づかれたら、警戒されたり逃げられたりしてしまい、狩りは台無しになるはずです。
このカラマツや周囲の樹木にフクロウが営巣できそうな樹洞はありません。

襲撃の瞬間を1/5倍速のスローモーションでリプレイし、狩りの成否を確かめてみましょう。(@2:02〜) 
優れた聴覚を持つフクロウは暗闇で獲物が立てる微かな物音だけを頼りに定位して襲いかかります。 

映像でフクロウが意外に小さく見えるのは、遠近感の問題ですかね? 
夏鳥のアオバズクは除外できます。 
耳がないので、トラフズクでもありません。 
今回調べて初めて知ったのですが、フクロウは留鳥で冬季も見られるのだそうです。 

スロー再生すると、野ネズミは紙一重でフクロウの攻撃を交わし、カラマツの背後を通り左斜面の草むらに素早く逃げ込んでいました。 
私が給餌を続けたおかげで野ネズミの栄養状態が良くなり、反射神経や注意力に優れていたのかもしれません。 
フクロウによる狩りは狙いがわずかに外れて失敗に終わりました。
したがって、襲撃後の謎の鳴き声は野ネズミの断末魔ではありません。 
襲撃後にカラマツの背後に生えた羊歯(ゼンマイ?)が右に大きく揺れ動いたのは(@1:45〜)、逃げた野ネズミに再び襲いかかったのでしょうか? 
しかしフクロウはもっと急角度で飛び上がったので、無関係の風揺れと考えられます。 

この野ネズミ個体は、オニグルミ堅果を貯食する場所を毎回ランダムに変えるのではなく、毎回ほぼ同じルートでクルミを運んでいました。 
明らかに油断していたことになります。
捕食者による襲撃リスクを減らすためにも、運搬ルートを頻繁に変えないといけません。


※ 動画編集時に自動色調補正を施して明るく加工しています。 

今年は里山でフクロウが野ネズミを狩る成功例と失敗例がトレイルカメラで撮れて、非常に興奮しました。
自動センサーカメラ(トレイルカメラ)という文明の利器に感謝。



それにしても、野生動物に給餌することの是非について、改めて考えさせられました。
人工的な給餌は特定の種類の野生動物に対する依怙贔屓となり、生態系のバランスを崩すことになりますが、自然界は一人勝ちを許しません。
遅かれ早かれライバル種が必ず現れて、豊富な餌をめぐる競争や縄張り争いになります。
その上、餌場に誘引された獲物を狙って、今回のように捕食者が登場します。
そうした自然界の連鎖反応や弱肉強食の真剣勝負を観察できるのもトレイルカメラの醍醐味です。


餌場に繰り返し現れる常連客に愛着が湧いて名前(愛称)を付けたりするタイプのヒトは、天敵に捕殺されるシーンがトレイルカメラに記録されていたら、精神的に強いショックを受けたり罪悪感に苛まれるかもしれません。
そうなったとしても給餌が招いた結果なので、予め覚悟しないといけません。


2023/07/19

給餌場からクリの堅果を持ち去り貯食する野ネズミ【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2022年11月下旬

野ネズミ(ノネズミ)クリ(栗) の実を給餌してみました。


シーン0:11/28 
明るい昼間に撮った現場の状況です。 
山林の斜面に立つカラマツの根元に、果皮なしのオニグルミ堅果40個を左に、クリ堅果11個を右に分けて、置いてみました。 
野ネズミ(ノネズミ)はクルミとクリのどちらが好みなのでしょう? 
用意したクリは大小様々で、しかも虫食い穴だらけでした。 
クリシギゾウムシ幼虫の仕業?) 
逆に、クルミ堅果を食害する昆虫を私は知りません。
クルミはひたすら殻を頑丈にするよう進化して、種子食性昆虫との熾烈な軍拡競争に打ち勝ったのでしょうか?


シーン1:11/29・午後23:16・雨(@0:04〜) 
(画面に表示される気温のデータは全て異常な高温で、信頼できません。) 
左の給餌場からオニグルミ堅果を全て持ち去った後、今度は右側の餌場でクリの堅果を選ぶようになりました。
クリ1個を口に咥えると、左に持ち去りました。 
左の斜面に生えた常緑のシシガシラの茂みの下に隠れた野ネズミの白く光る眼が同じ場所で微妙に動いています。(赤丸@0:15〜) 
雨宿りしながらクリの実を食べているのか、それとも地面に埋めて隠しているのでしょうか(貯食)? 
その位置に野ネズミの巣穴または隠れ家があるのかもしれません。 


シーン2:11/29・午後23:43・雨(@2:05〜) 
なぜか右下から餌場(右)に戻ってきました。 
カラマツの根際に埋もれかけていたクリの堅果を掘り出すと、口に咥えて右斜面を駆け上がりました。 
貯食する場所を変えるようです。 


シーン3:11/29・午後23:51・雨(@2:27〜) 
右側の餌場に来ていた野ネズミがクリを選ぶと、今度は左に持ち去りました。 


シーン4:11/30・午前0:00・雨(@2:36〜) 
日付が変わった深夜、右側の給餌場で選んだクリを持って斜面を下に駆け下りました。 
オニグルミ堅果の場合は、表面にこびりついた果皮を齧り取ってから餌場から持ち去りました。 
一方クリ堅果の場合は、その場で果皮を剥かずにそのまま持ち去るようです。 


シーン5:11/30・午前0:38(@2:43〜) 
雨が止みました。 右側の餌場Rからクリを下に持ち去りました。 
しばらくすると(1分40秒後)、同一個体の野ネズミが右下から餌場Rにピョンピョン跳ぶように戻って来ました。 
そこで録画が終わってしまい、残念ながら尻切れトンボ。


シーン6:11/30・午前2:59(@2:36〜) 
餌場Rに戻ってきた野ネズミが暗闇で未練がましくクリを探しています。 
カラマツの根っこの隙間に埋もれていた最後のクリを苦労して(後述)ようやく掘り出しました。 
飛び跳ねて喜んでいます。 
動物の行動を記述する際に安易な擬人化は避けたいところですが、どう見ても喜んでいるようです。 
最後のクリを持って、斜面の下に運んで行きます。 


シーン7:11/30・午前0:40(@3:12〜) 
時間を少し遡ります。 
説明しやすいように(演出の都合上)、動画の順番を入れ替えました。 
野ネズミが右斜面やカラマツ幹の背後をウロチョロしています。 
餌場Rを素通りして探餌徘徊しているということは、もう餌場Rのクリは全て無くなったのかな? 
餌場に通っている野ネズミとは別個体なのかもしれませんが、私には見分けられません。  


シーン8:11/30・午前2:19(@4:04〜) 
久しぶりに右の給餌場Rに戻ってきた野ネズミがクリを探すものの、暗闇で見つけられなかったようです。 
次は左の餌場Lに移動してクルミを探索。 
オニグルミの果皮を齧り捨てた窪地を丹念に探索して、お宝がもう残っていないかどうか調べています。 


シーン9:11/30・午前2:34(@4:33〜) 
カラマツの右を回り込んで餌場Rに到着した野ネズミは、残りのクリを見つけられません。 
餌場Lもくまなくチェックしてから、探索の範囲を周囲に広げます。 
右斜面に転がっていた落枝を伝って右へ移動しました。 


シーン10:11/30・午前2:55(@5:05〜) 
未練がましく餌場Rで残り物を探しています。 
急に大跳躍して斜面を飛び降りました。(@5:33〜) 
地中に埋もれた(根っこに挟まれた)クリが取り出せない苛立ちの現れなのでしょうか? 
諦めて餌場Lを経由してから斜面の下に消えました。 

この数分後にシーン6を再掲。 

※ 暗視映像が暗い場合は、動画編集時に自動色調補正を施して明るく加工しています。 


3日後の12月上旬に現場検証すると、給餌場のすぐ下の斜面に食べかけのクリ堅果が1個だけ転がっていました。

食べ残し(食痕)




クリ堅果を給餌する実験は1回しか試せていません。 
ドングリ、クルミに続いてクリでもやってみようと思い立ったときには時期的に遅かったです。
給餌するためのクリを拾い集めるのが大変でした。
(ライバルが多くて、落果をすぐ誰かに拾われてしまいます。) 
ヒトの食用に品種改良されたクリは堅果の粒が立派(大き)過ぎて、野ネズミは運べないのではないかと予想しています。

野ネズミはクリよりもオニグルミ堅果を優先して貯食のために運んでいました。 
虫食いだらけのクリだったことが影響したでしょうか? 
おそらくクルミの方が冬に長期間の貯蔵ができるので、野ネズミにとって価値が高いのでしょう。 
それとも栄養価を比べると、クリよりもクルミの方が脂肪が多くて高評価なのかもしれません。 
野ネズミの堅果選好性を厳密に調べるのなら、クルミとクリをごちゃ混ぜにして同じ餌場に山盛りに置くという追試が必要ですね。 
野ネズミが選んだ堅果の種類を暗視映像で見分けられるのか?という技術的な困難がありそうです。
(タンニンにまみれたオニグルミ堅果は真っ黒に写るので見分けられそう?) 



2023/07/16

給餌場からクリよりもオニグルミを優先して持ち去る野ネズミ【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2022年11月下旬

オニグルミの給餌は5回目になります。
今回は果皮なしの堅果40個を左に、クリ堅果11個を右に分けて、カラマツの根元に置いてみました。 
野ネズミ(ノネズミ)はクルミとクリのどちらが好みなのでしょう? 
翌日の晩遅くになってようやく野ネズミが給餌場に通い始めました。 





シーン1:11/29・午後20:22・雨・気温12℃ 
山林に冷たい雨が降っています。 
トレイルカメラの起動が遅れ、野ネズミが右斜面を斜めに駆け上がる後ろ姿が写っているだけでした。 
ときどき休むので、おそらく重いクルミを運んでるようです。 


シーン2:11/29・午後20:25・雨・(@0:15〜) 
(これ以降の気温データは異常値で信用できません。) 
左の餌場に来て、オニグルミ堅果を物色していました。 
口元でクルミをクルクルと回しながら表面にこびり付いた果皮の残りを歯で剥がしています。 
選んだクルミを持ってカラマツ右の斜面を元気に駆け上がりました。 


シーン3:11/29・午後20:31・雨・(@0:41〜) 
前回と同じく左の給餌場からクルミを持ち去り、右斜面を上に。 


シーン4:11/29・午後20:36・雨・(@1:07〜) 
監視カメラの起動が遅れ、野ネズミが休み休み右斜面を駆け上がる後ろ姿しか撮れていません。 


シーン5:11/29・午後20:41・雨・(@1:18〜)
またもや、カメラの起動が間に合いませんでした。 
野ネズミが右斜面を同じルートで走って登ります。 

低温のために乾電池の電圧が低下しているのでしょうか? 
冷たい雨に打たれた野ネズミの体が冷え切ってしまい、トレイルカメラのセンサーが感知しにくくなった可能性もありそうです。 ※
もしかすると野ネズミが、トレイルカメラの癖(録画時間2分間、5秒間の休止後に監視再開)を完全に学習したのかもしれません。 
つまり、天才ネズミの「アルジャーノン」が盗みの証拠映像がカメラに写らないように完璧な間隔を見計らって給餌場に通っているのではないか?と邪推したくなります。 

※ 設置直後に動作を確認するために私もトレイルカメラの前を横切るのですが、断熱性の高い冬用防寒着を着込んでいると素肌の露出が減り、起動しにくくなります。


シーン6:11/29・午後20:44・雨・(@1:25〜)
前回と同じ。 


シーン7:11/29・午後20:50・雨・(@1:34〜)
前回と同じ。 


シーン8:11/29・午後20:52・雨・(@1:43〜)
前回と同じ。 


シーン9:11/29・午後20:55・雨・(@1:51〜)
前回と同じ。 

赤外線LEDが点灯する暗視モードで連続して動画撮影をすると、トレイルカメラ自体が発熱します。 
それにしても、今回の温度上昇は異常です。 
まさか寒い冬季はトレイルカメラに内蔵されたヒーターが作動する仕様になっているなんて、聞いてません。 
なぜか今回は放熱の仕組みが上手く行ってないのかもしれません。 
カメラの内部に少し浸水して、ショートしているのではないかと心配になります。


シーン10:11/29・午後21:00・雨・(@1:58〜)
前回と同じ。 


シーン11:11/29・午後21:07・雨・(@2:07〜)
前回と同じ。 


シーン12:11/29・午後21:10・雨・(@2:15〜)
前回と同じ。 


シーン13:11/29・午後21:13・雨・(@2:23〜)
前回と同じ。 
と思いきや、今回は貯食を手短に済ませたようです。 
野ネズミが右上から斜面を駆け下りるシーンが続けて撮れていました。 
左の給餌場に戻ると次のクルミを咥えて、今度は左下に運び去りました。 
クルミを隠す場所を変更するようです。 


シーン14:11/29・午後21:20・雨・(@2:54〜)
せっかく野ネズミが餌場に通うタイミングがずれたのに、またもやカメラの起動が遅れました。 
右斜面を同じルートで駆け上がります。 


シーン15:11/29・午後21:25・雨・(@3:02〜)
前回と同じかと思いきや、右斜面の途中で立ち止まりました。 
穴を掘って貯食しているのか、ただの休息なのか、やや遠くて見分けられません。 
うっかり落としたクルミを暗闇で探しているのかもしれません。

しばらくすると、カラマツの背後を通って左へ。 
野ネズミの白く光る眼が左斜面に移動してから1箇所に留まり、激しく点滅するようになりました。(赤丸内@3:36〜) 
隠れ家でオニグルミ堅果を食べているのかな? 


シーン16:11/29・午後21:28・雨・(@4:33〜)
またもやカメラの起動が遅れ、野ネズミが右下に走り去りました。 
一瞬なので、ここだけ1/3倍速のスローモーションに加工しました。 


シーン17:11/29・午後21:31・雨・(@4:40〜)
野ネズミが珍しく右の給餌場に来ていました。 
クリを物色中というよりも、クルミを運ぶ途中でたまたま立ち止まっただけのようです。 
左の餌場にクルミは未だ残っています。 
クルミを運んで右斜面を駆け上がりました。 


シーン18:11/29・午後21:50・雨・(@4:49〜)
ようやく野ネズミが左の餌場でクルミを物色するシーンが撮れていました。 
右斜面を駆け上がる途中でうっかり胡桃を落としてしまったようです。 
立ち止まって毛繕いしてからクルミを拾い上げ、右上に運び去りました。 


シーン19:11/29・午後21:58・雨・(@5:31〜) 
左の餌場でクルミを選んでいました。 
今度はクルミを持って左下へ。 


シーン20:11/29・午後22:30・雨・(@5:51〜) 
カメラの起動が遅れ、野ネズミが右斜面を駆け上がる後ろ姿しか写っていません。 


シーン21:11/29・午後22:36・雨・(@6:00〜) 
前回と同じ。 


シーン22:11/29・午後22:42・雨・(@6:07〜) 
雨がやや激しくなっています。 
前回と同じかと思いきや、しばらくすると左下から左の餌場に戻って来ました。 
同一個体がぐるっと大回りして戻ってきたのか、ひょっとすると別個体なのかもしれません。 
今度はクルミを右下に持ち去りました。 

これで左の給餌場からオニグルミ堅果を全て持ち去ったようです。 
40個のクルミを給餌したはずなのに、トレイルカメラが起動して野ネズミが写っていたのは40回ではなくほぼ半分の22回だけでした。
野ネズミはオニグルミ堅果を2個同時には運べません(1個ずつしか運べない)から、撮り漏らしがかなり多いことになります。
トレイルカメラが対応できないほど高頻度に素早く持ち去ったのでしょうか?(複数個体による飽和攻撃?)


この後、同一個体と思われる野ネズミが今度は右の給餌場からクリ堅果を持ち去るようになります。(映像公開予定) 
どうやらこの野ネズミ個体はクリよりもクルミの方が好きなようで、オニグルミを優先して貯食していました。
クルミ運搬経路の途中にクリの給餌場があったので、 野ネズミはクリの存在には気づいていたはずです。
私の予想ではおそらくクルミの方が冬に長期間の貯蔵ができるので、野ネズミにとって価値が高いのでしょう。 
それとも過去に味見して栄養価を比べた結果、クリよりもクルミの方が高評価なのかもしれません。

野ネズミの堅果選好性を厳密に調べるのなら、クルミとクリをごちゃ混ぜにして同じ餌場に山盛りに置くという追試が必要ですね。
野ネズミが選んだ堅果を映像で見分けられるのか?という技術的な問題がありそうです。 

※ 動画編集時に自動色調補正を施して明るく加工しています。 


2023/07/13

河畔林に給餌したオニグルミ堅果を夜な夜な持ち去る野ネズミ【トレイルカメラ:暗視映像】

 

2022年11月下旬 

河畔林でタヌキの溜め糞場rvを自動撮影カメラで見張っていると、ときどき野ネズミ(ノネズミ)も登場します。 
この地点でもオニグルミ堅果を給餌して、野生動物の貯食行動を観察することにしました。 
現場近くには実際オニグルミの木も自生しているので、それほど不自然な状況ではありません。 
本当はタヌキの溜め糞場から離れた場所で給餌するべきなのですが、所有するトレイルカメラの数が限られているので、2つのプロジェクトを同時進行でやることにしました。 
画面を時計盤に見立てたときに、12時と2時の位置にある林床の黒々とした場所がタヌキの溜め糞です。 
排便に来たタヌキがオニグルミの堅果を見つけたらどんな反応をするのかも、興味があります。 

トレイルカメラで林床の給餌場/溜め糞場を終日監視すると昼間は風揺れなどで誤作動が頻発するので、夜間のみ(午後17:00〜午前6:30)暗視動画で1分間撮影するように設定しました。 
したがって、もし昼間にリスが来てクルミを持ち去っても、記録されないことになります。 
予め果皮を剥いたオニグルミの堅果40個を山盛りにして、ニセアカシアの根際に置きました。 
夜行性の野ネズミがいつも通り道としている落枝のすぐ横なので、すぐに見つけてくれるはずです。 
これまで山林で同様のオニグルミ給餌実験をしてきましたが、そこではローアングルで撮影していました。 
ここ河畔林ではハイアングルで撮影するようにしたら、また新鮮な映像になりました。 


シーン1:11/25・午後20:59・(@0:00〜) 
給餌した当日の晩に野ネズミが早速登場しました。 
早速クルミを1個選ぶと、口に咥えて右上(南西)に持ち去りました。 

真上から見下ろすように設置したトレイルカメラが毎回起動する度にノイズを発しているのか、初めのうち野ネズミは警戒しているようです。 
やがて慣れてくれて、繰り返し給餌場に通って来るようになりました。 
林床での探餌徘徊行動は無くなり、餌場にまっしぐらに戻ってきます。 
溜め糞場で採食する行動もしなくなり、クルミを持って溜め糞場を横切ります。 

オニグルミ堅果は、大きさも重さも野ネズミが運べる荷物の限界サイズなのでしょう。
運搬途中にときどき落としてしまいますが、拾い直して持ち去ります。 
欲張って大きなクルミを運ぼうとすると、途中ですぐに落としてしまいます。 
餌場でクルミを2、3個吟味してから持ちやすい小さな堅果を選ぶようになりました。 
餌場では選り取り見取りなので、野ネズミが迷って選んでいる間にクルミの山が崩れてしまいます。 

野ネズミは持ち去ったオニグルミ堅果を河畔林のあちこちに埋めて貯食し、長い冬を乗り切るための食料とするのです。 
1個ずつ違う場所に貯食するはずなのに、初めのうちはクルミを持ち去る方向がいつも同じでした。 

この日は計5回写りました。 
個体識別ができないので、何匹の野ネズミが通っているのか分かりません。 
もしも複数個体の野ネズミが餌場で鉢合わせしたら大喧嘩になるはずですから、同一個体が通っている気もします。 


シーン2:11/26・午前1:19・(@1:27〜) 
日付が代わっても野ネズミは深夜の給餌場にせっせと通います。 

いつもと違う不思議な行動をする回がありました。(@2:53〜3:22)
画面右下から餌場に戻って来た野ネズミが「宝の山(クルミ)」の存在に気づいたはずなのに、なぜか右下の林床に戻って探餌徘徊を続けます。 
クルミの食べ方を知らない若い別個体なのかな? 
警戒心が強い個体で怪しい罠だと思ったのでしょうか?  
それとも、餌場に通っている先客が匂い付けで占有権を主張しているのでしょうか? 
色々と妄想が膨らみますが、野ネズミを一時捕獲して個体標識しない限り、結論は出そうにありません。 
残念ながら素人が許可なく野ネズミを捕獲してはいけないことになっているので、お手上げです。 
その次の回からは、従来の運搬ルートでクルミを持ち去るようになりました。 

林床に転がっている落枝を伝って右にクルミを運び去ることがありました。 
新しい運搬ルートに変わったので、別個体の野ネズミなのかな? 
心なしか体格も小柄な気がします。 (気のせいか?)
落枝を橋のように使うと持ち歩くクルミが地面の落ち葉に引っかかったりしないので、楽に運べるのかもしれません。 
その後はもっぱら落枝の新ルートでオニグルミ堅果を運ぶようになりました。 

クルミを咥えたまま貯食場所を探して落ち葉に覆われた林床をうろつくことがありましたが、監視カメラの画角内では貯食してくれませんでした。 

急に今までとは逆の方向へクルミを運ぶようになりました。(@8:34〜) 
落枝を伝って左へ(川岸へ)向かいます。 
どうやらクルミを隠すエリアを変更したようです。 

給餌場に来る間隔が開くときがあるのは、どこか安全な隠れ家(巣穴)で休憩・食餌していたのでしょう。 

しばらくすると、再び落枝を伝って餌場の右へクルミを持ち去るようになりました。 

後半になると餌場にはもう野ネズミが運びにくい大きなクルミしか残っていません。(@11:29〜) 
諦めて給餌場を離れ、他の餌を求めて林床をうろつき始めました。 
この行動も気になります。 
私は映像から自信を持って野ネズミの種類を同定できません。 
山の野ネズミは大きなクルミも運べたのでアカネズミ、川の野ネズミは小さなクルミしか運べないのでヒメネズミ?という乱暴な仮説を立ててみました。 
ヒメネズミはクルミの食べ方を知らない(歯が立たない)のだとしたら、この個体は若くて小柄なアカネズミなのかな? 

たった一晩の撮影でカメラの電池が消耗してしまいました。 
明け方の低温で電圧が低下したのかもしれません。 
録画が切れ切れになってしまいます。 

夜明け前に野ネズミが給餌場に来たのは午前5:48が最後でした。 
日の出時刻は6:27。 
お疲れ様でした。 
帰巣して寝たようです。 

同じ日の日没後に野ネズミが貯食活動を再開しました。
日の入り時刻は16:25ですが、給餌場に現れたのは午後18:35でした。 
寝る前の出来事をしっかり記憶していて、迷わず餌場に出勤しました。 
前夜と同じルートでクルミを運びます(落枝を伝って右へ)。 

夜が更けると小雨(みぞれ?)がぱらつくようになりました。 
それでも野ネズミは平気で給餌場に通い、クルミを運び続けます。 
トレイルカメラが古い機種なので気温データが取得できませんが、明け方はかなり冷え込むはずです。 


シーン3:11/27・午前0:24・(@16:16〜) 
日付が変わって3日目の夜になりました。 
午前0:31に最後のクルミを給餌場から持ち去りました。 




2023/07/10

冷たい雨が降る晩秋の夜にオニグルミ堅果を持ち去る野ネズミ【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2022年11月下旬・午後18:02・気温6℃ 

山林の斜面に立つカラマツ大木の根元にオニグルミの実を給餌して、野生動物が来るのを自動撮影カメラで監視しています。 
4回目の給餌となる今回は、シワシワに干からびた果皮が付いたままのオニグルミ果実15個と、予め果皮を剥いた堅果7個を分けて、左右2箇所に山盛りに置いてみました。 



野ネズミ(ノネズミ)が果皮を歯で剥いてから堅果を持ち去る様子を観察するのが目的です。 
より自然な採食・貯食行動が見れるはずです。
予めクルミの果皮を剥いてから給餌するのは過保護だと気づいたのです。
野ネズミが通い慣れている餌場は左なのですが、そこにはいつもと違う果皮付きの果実を並べています。 
右にはいつものように果皮を剥いてある堅果を少しだけ置きました。 
カラマツの幹が根元付近で強く湾曲しているため(山地の多雪地帯に特有の樹形)、落ち葉や雨が給餌場にあまりかからないようになっています。 

給餌した翌日、雨が降る晩に野ネズミが来たのは右の給餌場でした。 
オニグルミの果皮を剥くのは面倒臭い(手間がかかる)ので、果皮なしの堅果を優先して運ぶのでしょう。 
いつものようにクルクルと胡桃を回して咥えやすい向きを見つけると、斜面を駆け下りて姿を消しました。 
左の餌場に置いた果皮付きのオニグルミは手つかずのままでした。 
低温のため乾電池の電圧が低下したようで、2分間の録画時間を待たずに途中で切れてしまいました。 
これ以降、野ネズミの貯食活動がなぜか全く記録されていませんでした。 
冷たい雨で野ネズミの毛皮が濡れて冷えてしまい、トレイルカメラの熱源センサーが感知できなかった可能性も考えられます。 
秋が深まるとともに厳しい気象条件になり、撮影も難しくなります。
こんなことなら、果皮付きのクルミだけを給餌すれば良かったですね。 

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。 


後日現場入りすると、左の給餌場には野ネズミが剥いた黒い果皮だけが捨てられていて、オニグルミの実は全て持ち去られていました。 
当然もう一度やり直したかったのですけど、このプロジェクトのために個人的に拾い集めたオニグルミのうち果皮付きのストックが1回で全部無くなってしまいました。 
(果皮付きのままのストックは嵩張る上に、カビが生えやすいのです。) 
来季の宿題として持ち越しです。
果皮なしのオニグルミ堅果は未だ大量にストックが残っているので、それを使った給餌実験をしつこく続けます。 



2023/06/25

オニグルミ堅果の貯食場所を変更する野ネズミ【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2022年11月中旬 

私が3回目に給餌した40個のオニグルミ堅果をすべて持ち去ると、野ネズミ(ノネズミ)は通常の探餌モードに切り替わるはずですが、しばらくは諦めきれないようです。 


シーン1:11/18・午後22:38・気温9℃・(@0:00〜) 
最後の1個を運んでから、だいぶ間隔が開きました。 
どこかで休憩していたようです。 
下から戻って来た野ネズミが餌場の直下の斜面で、暗闇の中を念の為にクルミを探しています。 
給餌場の窪地にも飛び込んで探索します。 


シーン2:11/18・午後22:44・(@0:25〜) 
6分後に再登場した野ネズミは、給餌場の周囲を未練がましく探し回るものの、諦めて右下に立ち去りました。 


シーン3:11/18・午後23:12・気温8℃・(@0:40〜) 
約30分後に野ネズミが再登場したときには、小雨が降っていました。 
未練がましく餌場をチェックしてから、一旦下に消えました。 

約1分15秒後、右下から登場した野ネズミが口にクルミを咥えていました。 (@0:47〜)
カラマツの右斜面を駆け上がり、どこかに運んで行きました。 
現場付近にオニグルミの木は自生していませんから、落果を拾ってきたはずがありません。
どうやら野ネズミは以前にクルミを貯食した場所から別の場所へ改めて隠し直すようです。 
あるいは、他個体の野ネズミが隠したクルミをたまたま見つけて、盗んできたのかもしれません。 


シーン4:11/19・午前3:15・気温5℃・(@1:05〜) 
次にトレイルカメラが起動するまで、かなり間隔が開きました。 
日付が変わった未明に野ネズミが カラマツの根際を右から回り込むと、背後を通って左の斜面に出てきました。 
そのまま左に消えました。 
そちらの方向に野ネズミの巣穴があることが後日、判明します。 


※ 映像が暗い場合は、動画編集時に自動色調補正を施して明るく加工しています。 




2023/06/23

運搬中の喧嘩で落としたオニグルミ堅果を拾いに戻る野ネズミ【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2022年11月中旬

シーン1:11/18・午後21:15頃・雨 
自動センサーカメラの起動が遅れてしまい、冒頭はカラマツの右横を通って斜面を駆け上がる野ネズミ(ノネズミ)の後ろ姿です。 
おそらくオニグルミの堅果を運んでどこかに貯食しに行くのでしょう。 

しばらくすると(約1分30秒後)、野ネズミaが左からピョンピョン跳ねるように餌場に駆け込んで来ました。 
同時にカラマツの右の斜面を下りてくる別個体bの光る眼が見えます。 
個体aが次に運ぶクルミを餌場で選んでいる間に、個体bはカラマツの背後を通って左斜面の途中でなぜか立ち止まりました。 
この地点で2匹の野ネズミが同時に撮れたのは初めてです。 
今まではてっきり同一個体の野ネズミが繰り返し給餌場に通ってきているのだと思い込んでいましたが、検討し直す必要がありそうです。 
私は未だ野ネズミの種類(アカネズミ/ヒメネズミ)を見分けるのも覚束ないのに、個体識別するのは無理です。 
この後、給餌場で2匹が出会ったら喧嘩するかどうか興味深いところですが、ここでカメラの録画が終わってしまいました。(無念の尻切れトンボ。) 


シーン2:11/18・午後21:30頃 (@0:26〜)
次にカメラが起動したのは12分40秒も経ってからでした。 
雨は止んでいます。
1匹の野ネズミがカラマツの右下の根際で落ち葉の中からクルミを拾い上げると、それを持って斜面を駆け上がりました。 
給餌場ではない所でクルミを見つけたことになります。
この行動をどう解釈するか、悩みどころです。 
一見すると、クルミの貯食場所を変更したように見えます。 
しかし、給餌場からこんなに近い位置に野ネズミが貯食したはずがありません。 
貯食したのなら、もっと落ち葉の下に深く(穴を掘って)隠したはずです。 
私の想像になりますが、前回餌場で出会った2匹の野ネズミが餌場を巡って喧嘩になり(縄張り争い)、運搬途中のクルミをカラマツの根元に落としてしまったのでしょう。 
喧嘩のほとぼりが冷めてから、1匹が落とし物のクルミを取りに戻って来たのではないでしょうか? 
実は別の場所で、そのようなドラマチックな事件の一部始終が監視カメラに写っていました。
関連記事(16日前の撮影)▶ 夜の河畔林でオニグルミ堅果を運搬中に出会った野ネズミ同士が激しい喧嘩【トレイルカメラ:暗視映像】

2匹の♀♂つがいが交互に餌場へ通い、協力してオニグルミ堅果の貯食に励んでいる可能性も考えられます。
それなら給餌場で出会っても喧嘩にはならないはずです。
2匹の野ネズミが餌場でばったり出会ったときの様子が動画に撮れてなかったのが、つくづく残念です。

※ 映像が暗い場合は、動画編集時に自動色調補正を施して明るく加工しています。 
※ 画面に表示されている気温は異常値で信頼できません。暗視動画の連続撮影でカメラ自体が発熱してしまっているからです。 



2023/06/21

秋雨の降る夜にオニグルミ堅果を給餌場から持ち去る野ネズミ【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2022年11月中旬 

野ネズミ(ノネズミ)に3回目のクルミ給餌実験をした結果です。 


シーン0:11/17 里山の斜面に立つカラマツの根元にオニグルミの堅果を新たに40個まとめて置きました。 
その日のうちに悪戯好きなニホンザル♀が通りかかり、山盛りにしたオニグルミを崩してしまいした。 
しかし猿はクルミを食べたり持ち去ったりしなかったので、1個も減っていないはずです。
関連記事 ▶ 餌場に置いたオニグルミ堅果に悪戯するも食べずに去る若いニホンザル【トレイルカメラ】

シーン1:11/18・午後20:29・気温6℃・(@0:07〜) 
野ネズミが給餌場に現れたのは、翌日の晩になってからでした。 
下の斜面にオニグルミの堅果が散乱したままになっています。 
昼行性のリスが拾いに来るかと期待したのですが、どうやら現れなかったようです。 

冷たい秋雨がぱらつく夜に、野ネズミは餌場で選んだクルミの殻の表面にこびりついていた果皮 を毟り取っていました。 
ようやく咥えやすくなったクルミを画面の下方に持ち去りました。 
しばらくすると(1分25秒後)、貯食を済ませた野ネズミが斜面の下から餌場に戻ってきました。 
今度は餌場の下の斜面に転がっていたクルミを選び、右下に運び去りました。 


シーン2:11/18・午後20:34・(@0:45〜) 
これ以降は、トレイルカメラの取得した気温データは信頼できません。 
赤外線の暗視動画を連続で撮影すると、カメラ自体が発熱して気温が異常値を示すからです。 
餌場でクルミを選ぶと、下の斜面に運び去りました。 
しばらくすると(約1分20秒後)、貯食を済ませた野ネズミが斜面の下からピョンピョン跳んで餌場に帰ってきました。 
次もクルミを1個、下に持ち去りました。 
画面の下端で立ち止まったのは、持ちにくいクルミをくるくる回して咥え直したのでしょう。


シーン3:11/18・午後20:43・(@1:34〜) 
カメラの起動が遅れたようで、野ネズミがカラマツの右横を通って斜面を駆け上がる後ろ姿しか撮れませんでした。 
持ち去ったクルミを隠す場所をときどき変えています。 
しばらくすると(約1分20秒後)、貯食を済ませた野ネズミが斜面の上から駆け下りて来ました。 
カラマツの左側を通って餌場に到着。 
クルミ堅果にこびりついていた果皮を齧り取ってはその場に吐き出しています。 
重労働のため少しでも荷物を軽量化したいのでしょう。
私がオニグルミ堅果を拾い集めた際に予め果皮も取り除いたつもりだったのですけど、 不十分だったようです。
逆に、果皮が付いたままのオニグルミ果実を丸ごとそのまま与えて、野ネズミの皮剥き行動をしっかり観察するのも面白そうです。
選んだクルミを持ってカラマツの左を通り斜面を駆け上がると、姿を消しました。 


シーン4:11/18・午後20:50・(@2:11〜) 
またもやカメラの起動が間に合いませんでした。 
2分間の動画撮影直後の5秒間の休止中に野ネズミが餌場に戻ってきたと推測されます。 
カラマツの右横を通って斜面をジグザグに駆け上がる野ネズミの後ろ姿が写っていました。 


シーン5:11/18・午後20:53・(@2:24〜) 
給餌場に来た野ネズミがクルミの表面を加工してから、下に運び去りました。 


シーン6:11/18・午後20:55・(@3:04〜) 
餌場で選んだオニグルミを咥えてカラマツの根元を右に回り込み、斜面を駆け上がりました。 


シーン7:11/18・午後21:00・(@3:31〜) 
餌場でクルミを選ぶと、前回と同ルートで斜面を駆け上がりクルミを持ち去りました。 
2分間の撮影時間内に野ネズミが戻って来ないということは、貯食場所が少し遠いのでしょう。 


シーン8:11/18・午後21:03・(@4:00〜) 
野ネズミが給餌場でクルミを選んでいる間に、夜行性の冬尺蛾♂が飛来し、左から右へ横切りました。 
雨が降っていても元気に飛び回るのですね。 

野ネズミはクルミを持って今度は左下へ。 
しばらくすると(約1分10秒後)、貯食を終えた野ネズミが左下から餌場に直帰しました。 
餌場の下の斜面に転がっていたクルミを見つけて表面を加工している間に録画終了(尻切れトンボ)。 


シーン9:11/18・午後21:10・(@4:58〜) 
餌場からクルミを咥えて右下へ。 


シーン10:11/18・午後21:33・(@5:22〜) 
右から餌場に戻って来た野ネズミが、クルミを持って今度は右の斜面を駆け上がりました。 


シーン11:11/18・午後21:58・気温10℃(@5:44〜) 
撮影間隔がだいぶ開いたので、野ネズミはどこか安全な場所で休憩(食餌?)していたようです。 
再び雨が降っています。 
カメラの起動が間に合わず、野ネズミがカラマツの右横を通って斜面を駆け上がる後ろ姿しか写っていませんでした。 


シーン12:11/18・午後22:08・(@5:54〜) 
餌場直下の斜面で野ネズミがクルミを探しています。 
見つけたクルミの表面を加工(果皮を除去)してから左に持ち去りました。 


シーン13:11/18・午後22:14(@6:22〜) 
野ネズミが餌場直下の斜面でクルミを探し回り、落ち葉の下からようやく最後の1個を発見しました。 
林床の落ち葉に隠れて肝心の口元が見えませんが、堅果を覆っていた果皮をその場で念入りに取り除いているようです。 
表面の加工にしてはあまりにも時間がかかり過ぎているので、もしかするとオニグルミの堅い殻に歯で穴を開けて食べ始めたのでしょうか? 
いくら餌場に慣れてきたとは言え、果たして危険な野外で食餌するかな?(油断大敵) 
最後は毛繕いをしています。 

野ネズミは冷たい雨に濡れても低体温症にならず、元気に活動を続けています。 
働き者の野ネズミは、たった一晩で餌場のクルミを全て持ち去りました。 

※ 映像が暗い場合は、動画編集時に自動色調補正を施しています。 




4日後に給餌場を現場検証すると、オニグルミの堅果を全て持ち去られた後の地面に黒い果皮が多数残されていました。
野ネズミが歯でオニグルミの果皮を細長い筋のように剥いて捨てた跡です。



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