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2023/12/13

寝そべって砂浴びするニホンアナグマのヘルパー♂【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2023年5月上旬 

ニホンアナグマ♀(Meles anakuma)の営巣地を新旧2台のトレイルカメラで見張っています。 
謎の砂浴び行動についてまとめました。 


シーン1:5/5・午後21:19・気温18℃(@0:00〜) 
広場をうろついていたアナグマがゆっくりと入巣Rしかけたものの、気が変わって広場に寝そべりました。 
前脚で地面を掻いて土を自分の体に掛けるという謎の行動を始めました。 
素人目には♂の外性器が見えましたし、左右の瞳が同じ大きさなので、♀ではなくヘルパー♂だと思います。 
仰向け状態で毛繕いし、股間を舐めました。 
また寝転がって砂浴びを再開。 
最後に録画が切れる寸前に、右前の巣穴Rから♀が顔を出しました。 


シーン2:5/5・午後21:18(@1:39〜) 
ほぼ同時に別アングルで撮れた映像を見てみましょう。 
林縁の広場に腹這いになって、謎の砂浴び行動を始めました。 

今回ヘルパー♂が前脚の爪で地面を掘っているのは、採餌のためでも巣穴拡張のためでもないことが、はっきり見て取れます。 
寝返りを打って右手と左手を交互に使って掘った土を自身の体に掛けています。 
仰向け毛繕いと砂浴びを交互に繰り返しています。 
開脚した股間に睾丸が見えたので、性別は♂(若い息子のヘルパー♂)で間違いなさそうです。 

やがて、右手前の巣穴Rから♀(右目<左目)が外に出てきました。 (@3:01〜) 
広場で息子のヘルパー♂合流するとすぐに相互毛繕いを始めました。 


シーン3:5/5・午後21:27(@3:09〜) 
別アングルのカメラに切り替わりました。 
広場で親子2頭が少しじゃれ合い、相互毛繕いを始めました。 
ヘルパーに関する予備知識がない状態でこの様子を見ると、アナグマは一夫一妻制なのかと誤解してしまうはずです。 
余所者の♂が求愛に来たとき、♀は自身の短い発情期以外では♂を激しく撃退するのに、若い息子のヘルパー♂に対しては寛容です。 
母親と若い息子の仲が良いのは結構ですが、近親交配をどうやって防いでいるのか、気になります。 
発情する前の若い♂をヘルパーとして同居させているのでしょう。 

面白いのはここからです。(@3:20〜) 
手前のヘルパー♂が横臥し、奥には♀が並んでいます。 
♀が自分の体を掻いたり毛繕いしている間に、隣のヘルパー♂がまた砂浴びを始めました。 
とばっちりで砂を掛けられた母親♀が怒って唸り声を上げ、少し右に離れました。 
♀の右目が失明しかけているのは、もしかすると土や砂が目に入ったせいかもしれない、と思いつきました。 (感染症の眼病?)
しばらくすると♀がヘルパー♂に歩み寄って、仲直りの相互毛繕い。 


シーン4:5/5・午後21:26(@4:09〜) 
別アングルのトレイルカメラでも同じシーンが撮れていました。 
相互毛繕いに飽きたヘルパー♂が林縁に寝そべって、地面を左前脚で掻き始めました。 
土を自分の腹にかけているようです。 
ただの暇つぶしなのか、それとも猫がやるように爪が伸び過ぎないよう研いでいるのかな?

若い息子に土を掛けられた背後の♀が怒って抗議し、少し移動しました。 
ヘルパー♂は構わずに砂浴びを続けます。 
やがて親子は相互毛繕いを始めました。 


シーン5:5/5・午後21:28(@5:02〜) 
同じことの繰り返しなので、5倍速の早回し映像でお届けします。 


シーン6:5/5・午後21:33(@5:31〜) 
親子水入らずのひとときを夜の広場で過ごした後、♀が先に右手前の巣穴Rに入りました。 
巣内で赤ちゃんに授乳したり面倒を見たりする必要があるのです。

広場に残ったヘルパー♂は、独りで仰向け毛繕いを続けています。 
巣口Rを覗き込んでも中には入らず、広場に戻って寝そべると、砂浴びを再開。 

必ず横に寝そべって(横臥)片手で地面の土を掻きます。 
採餌や造巣の際に見られる本気の穴掘り行動とは異なり、本格的に両手で地面を掻くことはありません。 


シーン7:5/5・午後21:34(@6:30〜) 
ヘルパー♂が独りで退屈しのぎ(?)の砂浴びを続けています。 
浅く掘った地面に腹這いになりました。 
掘ったばかりの土がひんやりして気持ち良いのかもしれません。 


シーン8:5/5・午後21:37(@7:32〜) 
ヘルパー♂が横臥のまま動きを止めたので、うたた寝しているのかもしれません。 
寝返りを打って腹這いになりました。 
砂浴びを再開しても、すぐに手を止めて横臥で目を閉じました。 


砂浴び行動と言えば、私はスズメで見たことがあるだけです。 
関連記事(4、10年前の撮影)▶  (例123) 

ニホンアナグマの砂浴びも、毛皮に付いた体外寄生虫(ノミやダニなど)を駆除するための行動なのでしょうか? 
私は未見ですが、イノシシは体外寄生虫対策として泥濘の中で転げ回り、泥浴びをすることが知られています。(ヌタ打ち行動) 
それに対して、アナグマのヘルパー♂が浴びていた土砂はさらさらに乾いていて、決して泥ではありません。 
そもそも私はアナグマの水浴行動を未だ一度も見たことがないのですが、水浴びしないのかな? 
アナグマ営巣地(セット)の近くには、小川や池、水田があります。
いかにも野生動物が水を飲んだり浴びたりしそうなのですけど、足跡などを頼りにもっとポイントを絞り込まないと監視カメラを設置できません。

ネット検索しても、砂浴びをするアナグマの事例はヒットしませんでした。 
まさか新発見?!
私が(良かれと思って)巣材の藁をアナグマに与えたせいで、藁に付着していた吸血性の寄生虫(ノミやダニなど)が巣内に蔓延したのかも?と自責の念に駆られます。 


しかし同じ穴のむじなのうち、砂浴びするのはなぜかヘルパー♂だけで、♀は一度もやりませんでした。 
私が与えた巣材を搬入したのは♀なので、藁に吸血性の寄生虫が付着していたとしたら、真っ先に体外寄生するのは♀のはずです。

ひんやりした土に腹這いで寝そべると気持ち良いのかもしれません。 
思わせぶりな砂浴び行動は、単なる「暇つぶしの遊び」という可能性もあり得ます。
しかし行動の進化を考えると、その区別はあまり意味がないかもしれません。
鳥や動物は体外寄生虫への対策を理知的に考えて砂浴びや泥浴びの行動をするわけではありません。
たまたま砂浴びや泥浴びを始めた個体が居て、結果的に体外寄生虫が駆除された場合には適応度が少しだけ高まり、世代を経るにつれてその行動が集団内に広がっていったのでしょう。
この後、長期間の定点観察を続けても、アナグマの砂浴び行動がほとんど記録されていないのは不思議です。(再現性に乏しい)




※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 

つづく→

2023/09/19

川の岸辺で寝ているカモに2頭のイエネコが深夜に相次いで忍び寄る【トレイルカメラ:暗視映像】

 

2023年3月中旬

中州横の川辺に残されたタヌキの溜め糞場wnを監視する自動撮影カメラに、イエネコFelis silvestris catus)が一晩になんと2頭も写っていました。 


シーン1:3/14・午前1:08・(@0:00〜) 
早春の川岸は残雪が溶けてどんどん薄くなり、地面がパッチ状に露出しています。 
深夜にネコが右から登場しました。(赤丸に注目) 
なんとなく三毛猫のように見えますが、モノクロの暗視映像では体色が分かりません。 

倒木を跨ぎ、奥の川辺へ慎重に忍び寄ろうとしています。 
どうやら川の左岸に塒入りしたカモ類(カルガモやマガモなど)を狩ろうとしているようです。 
これまで夜も川の方からときどきカモが鳴き騒ぐ声がするので、それを聞きつけてネコがやって来たのでしょう。 
しかし、ネコが川面を覗き込んでも、寝ているカモ類は居なかったようです。 (逃げられた?)

三毛猫?が振り返ると、両目のタペータムが爛々と光っています。 
赤外線カメラに頼らなくても、暗闇でもよく見えるネコの目が羨ましいです。 

凍結した残雪の上を歩いて戻り始めました。 
雪面の匂いを嗅ぎながら、ゆっくりカメラの方に近づいて来ます。 
左右の肩(首の後ろ)に黒点が目立ちます。 
タヌキの溜め糞場wnの匂いに気づいたようで、頻りに嗅ぎ回っています。(@1:14〜) 
最後は左に(川下へ)立ち去りました。 



雪深い厳冬期にはイエネコはこの河畔林に現れませんでした。
春はネコの発情期ですから、おそらく♀を探し求めて♂が出歩くようになったと考えたくなります。 
しかし三毛猫の♂は極稀なので、空腹の三毛猫♀が狩りモードで探餌徘徊していたのでしょう。 
河畔林の林床には獲物となる野ネズミも出没しているはずです。 


シーン2:3/14・午前5:00・(@1:40〜) 
3時間50分後の未明に、左から別個体のネコbが現れました。 
体の斑紋から明らかに先程の三毛猫とは異なる個体と分かります。 
タヌキの溜め糞場wnを迂回しながら右へ歩いて行きます。 

6分30秒後に、奥の川辺りを右から戻って来ました。(赤丸@1:56〜) 
忍び足で水際に近寄ると、少し背伸びして下の川面を覗き込みました。
川面や中州の様子を窺っています。 
左岸に集まって寝ているカモ類の集団塒を襲う気満々です。 

夜行性のイエネコが野外で狩りをする瞬間がトレイルカメラで撮れたら最高です。 
しかし、獲物の近くまで首尾よく忍び寄ったところで、冷たい雪解け水の川に飛び込んでカモを狩る気が本当にあるのでしょうか? 
野生のイリオモテヤマネコやツシマヤマネコとは異なり、日本の飼い猫は水を嫌いますから、まさか本気でカモを狩るつもりはないでしょう。 
家から抜け出した飼い猫がただ好奇心に駆られて水鳥に忍び寄り、狩猟本能を満足させるのかな?

このとき画面の左で、カモと思しき水鳥が暗い川面をスーッと下流に流されて行く様子がかすかに写っていました。(@2:02〜)
カルガモは警戒心がおそろしく強いので、忍び寄るネコの気配を感じて静かに離れて行ったのでしょう。
逃げる際にけたたましい警戒声を発しなかったのが意外でした。
あるいは暗闇で忍び寄る猫にカモが全く気づいてなかった可能性もあり、夜も寝ないで川面を気ままに遊泳している個体がいるのかもしれません。
カモ類の集団塒にトレイルカメラを設置して夜の様子を撮影するのも面白そうです。
夜は安全な中州に集結して寝るのかな?

※ ネコが遠い川岸に行ったシーンだけ動画編集時に自動色調補正を施して明るく加工しています。 


シーン3:3/14・午前6:14・(@2:50〜)
夜が明けて明るくなりました。
この日の日の出時刻は午前5:50です。 
早朝の川ではカルガモAnas zonorhyncha)の群れが遊泳しています。 
右に(川上に向かって)少し遡上した個体が、朝の水浴びを始めました。(@3:04〜) 
川面をスーッと横に移動して中州の方へ行く個体もいます。 
足の水かきで遡上しながら水流に対して体を少し斜めに向けるだけで、水流の力を利用して対岸へ楽に渡ることができるのです。(ベクトルの合成)
カヌーの経験者にはお馴染みの基本スキルです。 

2023/08/23

雪国の川で寒中水浴するヒヨドリの群れ【冬の野鳥:FHD動画&ハイスピード動画】

 

2023年1月下旬・午前11:40頃・くもり 

スノーシューを履いて川沿いの雪原を散策していると、対岸でヒヨドリHypsipetes amaurotis)の群れがやかましく鳴き交わしています。 
雪をかぶった岸辺の落葉灌木に集まり、私を警戒しながらも徐々に下へ下へ降りていきます。 
きっとこれから川面で水浴びを始めるだろうと予感があったので、動画を撮り続けます。 
近くで除雪作業しているブルドーザーが後退(バック)する度に発する警報ブザーがピーピー♪うるさくて興醒めです…。
 
1羽の個体が細い止まり木から川の中へポトリと脱糞しました(@0:35〜)。 
まずは1/5倍速のスローモーションでご覧ください。 
直後に等倍速でリプレイ。 
普段見慣れた尿酸混じりの白っぽい液状便ではなく、黒っぽい固形の糞でした。 

やがて私の予想通り、ヒヨドリたちは冷たい川で寒中水浴を始めました。 
川岸の浅瀬に飛び込んで素早く行水すると、すぐに止まり木へ戻り、水気を切ります。 
ヒヨドリに特有の一連の短い水浴行動を何度も繰り返します。 
冬は水温が冷たいから1回の水浴時間が短い訳ではなくて、どの季節でもヒヨドリはこうなのです。 


関連記事(1、2、5、9年前の撮影)▶  


冬の川で激しく水飛沫を立てるヒヨドリの水浴シーンを240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@2:03〜2:42) 
しかし残念ながら水浴は下火となり、ヒヨドリの群れは次々に飛び去ってしまいました。 
もっと早くからハイスピード動画モードに切り替えるべきでしたね。 
水浴の合間に止まり木から脱糞する様子もスーパースローで撮れていました。(@2:25〜) 
脱糞の際に尾羽根を持ち上げてなかったものの、この個体も黒っぽい固形糞を排泄し、川面から水飛沫が上がりました。

雪解け水が流れる川の水温を測りたくても、この日は温度計を持ってきていませんでした。
対岸の河畔林に設置されたトレイルカメラがほぼ同時間帯に記録した気温は5℃でした。  

2023/04/04

川に飛来したカワウ若鳥が着水に失敗して転倒(野鳥)

 

2022年10月上旬・午後15:40頃・晴れ 

川の右岸にニセアカシア(別名ハリエンジュ)の倒木が連続している場所があり、カワウPhalacrocorax carbo hanedae)やカルガモAnas zonorhyncha)などの水鳥にとって格好の止まり木になっています。 
巣が並んでいる訳ではないので「カワウのコロニー」とは呼べませんが、大体いつもカワウが集まって休んでいます。
のんびり羽繕いしたり、カワウが濡れた翼を広げて乾かしたりしています。 

定点観察を終えた私がカメラをズームアウトしかけたら、上流から新たに1羽のカワウが低空で飛来しました。 
突風が吹いた訳でもないのに、着水に失敗しました。
右に旋回しながら着水しようとしたら、右に傾け過ぎた右翼の先をうっかり水面に引っ掛けてしまったのです。
片側から水の抵抗を急に受けたカワウは当然ながらバランスを崩し、もんどり打って転倒しました。 
カワウのこんな無様な(下手糞な)着水シーンは今まで見たことがありません。 
すぐに立ち直って川面を遊泳し始めたので、どうやら無事だったようです。 
もっとスピードが出ていたら、翼が骨折して致命的な大事故になっていたかもしれません。 
カワウ若鳥の着水失敗シーンを1/5倍速のスローモーションでリプレイ。(@0:51〜)
潜水に特化した体型に進化したカワウは川から離陸するのも手間取りますし(助走が必要)、飛ぶのがそもそもあまり上手くないのでしょう。

水を飲みながら川面を泳いで渡り、仲間が集まる倒木に近づきます。 
すると先客のカルガモが遠慮して倒木から離れ、止まり場所をカワウに明け渡しました。 
体格では圧倒的にカワウ>カルガモなので、力関係もそうなっているようです。 
カルガモを追い払った新参のカワウは、倒木のすぐ手前でザブンと水浴してから飛び乗りました。 
新参のカワウが止まり木でこちら(上流側)を向いてくれたので、胸の羽毛が白い若鳥と判明。 
飛行経験が未熟なのも若さゆえ、ということで納得しました。 
着水直前に急旋回すると事故る、と学習したはずです。
もしかすると、着水直前に水中に岩や怪魚の姿を認めたカワウ若鳥が慌てて緊急回避した結果だったのかもしれません。

止まり木上で隣の個体と小競り合いのように牽制し合い、適切な距離を取って並びます。(ソーシャル・ディスタンス!) 
止まり木に合流した若鳥は早速、羽繕いを始めました。 

2022/12/03

山中の池で水浴するアカゲラ♂【野鳥:トレイルカメラ】

 

2022年8月上旬〜中旬・午前

山中の湧き水が溜まった泉をトレイルカメラで監視していると、アカゲラ♂(Dendrocopos major)が水浴びしに来ました。 
後頭部の羽毛が赤いので、♂と分かります。 
アカゲラの水浴シーンは初見です。

シーン1:8/13・午前8:40・晴れ 
冒頭からアカゲラ♂が池の中央の浅瀬に身を沈めて行水していました。 
すぐに右上へ飛び上がり、見失いました。 

珍しく総天然色(フルカラー)で撮れたのに、レンズに付着した雨粒が完全に乾いていません。 
奥の森が写った画面の上半分は曇ったままで、おかげで何やら幻想的な雰囲気になりました。 


シーン2:8/6・午前11:19・晴れ (@0:25〜) 
7日前にもおそらく同一個体のアカゲラ♂が来ていました。 
(旧機種の癖で、いつもの色褪せた映像に戻ってしまいました。) 
ただし、池で水浴する地点が異なります。 
対岸の浅瀬で時間をかけて繰り返し水浴していました。 
バシャバシャと水を激しく跳ね上げる度に、池の水面に波紋が広がります。 
水浴の合間に対岸の苔むした石に戻るものの、羽根の水気を切ったり羽繕いしたりすることはありませんでした。 
また行水を再開。 

里山の上空を飛び続ける飛行機の騒音がうるさいのですが、途中でアカゲラ♂がキョッ♪と一声鳴きました。 
最後に水浴後のアカゲラ♂が左岸から張り出しているカエデ灌木の枝に飛び乗ったところで、録画が打ち切られてしまいました。 
羽繕いまで撮れずに残念。

2022/12/01

池に落ちて溺れそうなセンチコガネをアメンボは襲うか?

 

2022年8月上旬・午後14:15頃・晴れ 

山中の泉に落ちたセンチコガネPhelotrupes laevistriatus)が水面でもがいていました。 
(泳ぐ能力を調べるようと池に放り込んで実験した訳ではなく、偶然の観察記録です。) 
 陸生のセンチコガネの足には水掻き用の毛が密生していないので、泳ぎは下手糞です。 
水面でいくら手足を動かしても前に進みません。 
水中に沈まないのは、浮力があるというよりも、表面張力が強く働いている印象です。
関連記事(同日の撮影)▶ オオセンチコガネ♂の水難事故
2.5時間前に別の場所で観察したオオセンチコガネが水溜りで水没していたのと対象的です。
センチコガネの体表はオオセンチコガネよりも撥水性が高いのでしょうか? 

里山の湧き水(地下水)が溜まっている浅い泉で日当たりの良い場所の水中には緑の藻が少し繁茂しています。 
池に落ちたセンチコガネの足に緑藻が絡まっているのかと思ったのですが、私の勘違いでした。 

水面に広がる波紋を感知したアメンボ(種名不詳)が数匹近寄って来ました。
センチコガネに触れたものの、獲物として襲うことはなくアメンボは離れて行きました。 
体格差があるので獲物として手強いとアメンボが判断したのか、それとも体表が鎧のような硬いクチクラで覆われている甲虫にはアメンボの口吻が突き刺さらないのでしょう。 

このままでは岸に辿り着けないまま溺れそうなので、センチコガネを救出してやりました。
池にアメンボ以外の捕食者(カエルなど)がいれば、そのまま成り行きを見守ったかもしれません。
夕方に水浴しに来る野鳥が水面のセンチコガネを見つけて捕食するシーンがトレイルカメラに撮れたかな? 

「お魚観察ケース」で池の水ごとセンチコガネをすくってやると、水温が低いので透明プラスチック容器の表面がすぐに結露してしまいます。 
水滴を拭いても拭いてもすぐに曇ってしまい、容器越しの撮影は諦めました。 
容器側面に定規の目盛が刻んであったのに、ピントが合わずセンチコガネを採寸できませんでした。
後で落ち着いて考えれば、水を捨ててからじっくり撮影するべきでしたね。 
水に洗剤(界面活性剤)を垂らしてセンチコガネが水没すれば、表面張力で浮いている説が実証されたことになるでしょう。

この日は山中で溜め糞が見つからなかったので、センチコガネも家に持ち帰って飼育してみます。 
(溜め糞があれば、拾った糞虫を放って行動を観察するつもりでした。)
この個体の性別は?


さて、同じ日に糞虫(オオセンチコガネおよびセンチコガネ)の水難事故を2件も目撃したのは果たして偶然でしょうか? 
現場付近を探しても、糞虫を誘引する獣糞は落ちていませんでした。 
水に落ちる瞬間を見ていないのですが、岸辺を歩いていてうっかり池に落ちてしまったのか、それとも飛来したセンチコガネが池の眩しい水面を地面と見間違えて無謀な着陸をしたのでしょうか? 
昆虫採集の特殊なテクニックのひとつに、イエローパントラップ(黄色水盤)という方法があります。 
水を入れた皿を野外に放置しておくと、飛来した昆虫の中にはなぜか勝手に水に飛び込んでしまう者がいて、抜け出せなくなるのだそうです。 
黄色の皿を使うのが最も効果的らしい。(黄色に誘引される) 
今回の池には緑藻が少し繁茂しており、飛んできた虫には水面が黄色っぽく見えそうです。
しかしネット検索してみても、黄色水盤で糞虫がよく採れるという情報は得られませんでした。 
虫好きの教養として知っているだけで、自分で実際に試したことはありません。 
もしかすると糞虫の新たな採集法としてパン・トラップが有効かもしれず、調べてみる価値がありそうです。

2022/11/23

オオセンチコガネ♂の水難事故

 

2022年8月上旬・午前11:30頃・晴れ 

里山の林道にできたわだちの水溜まりでオオセンチコガネ♂(Phelotrupes (Chromogeotrupes) auratus auratus)が立ち往生していました。 
地上を歩いていて水溜りにうっかり落ちてしまったのか、それとも飛来したオオセンチコガネ♂が水溜りの眩しい水面を地面と見間違えて無謀な着陸をしたのでしょうか? 
現場は里山の中腹にある平坦になったスギ植林地(カラマツが点在)を通る林道です。 
周囲でやかましく鳴いているのはエゾゼミ♂♪です。 

水溜まりに突き刺さった細い落枝にオオセンチコガネ♂がしがみついていました。 
止まり木の天辺から飛び立てば脱出できるはずなのに、困ったように何度も昇降を繰り返しています。 
離陸用の足場としては細過ぎるのか、飛び立つ前にバランスを崩してしまいます。 
背面は美しい赤紫のメタリックカラーに輝き、腹面にも美しい金属光沢があります。 
前脚の跗節に棘状の突起があるので♂と判明。 

飛ぶのを諦めたオオセンチコガネ♂は、小枝を下に伝って自発的に水中へ潜ってしまいました。
陸生甲虫のオオセンチコガネは足に水かき用の毛が密生していないので泳げません。 (水中で前に推進できない)
水底を歩いて岸に辿り着こうとしても、浮力のせいで爪先のグリップが効かず、うまく歩けません。 
泳げないのならむしろ「金づち」のように沈んでしまう方が水底を歩けて良いのです。 
遂に水中でひっくり返ってしまいました。 
不格好に水面を浮いて、目の前にある極細の落枝を必死で掴もうとしています。 (文字通り「溺れる者は藁をも掴む」) 
元の極細落枝には戻れず、なんとかスギ落葉によじ登って水面から顔を出しました。 

水中で呼吸がどれだけ続くのか、溺死の危機です。 
見かねて最後は救出しました。 
もし水溜りに捕食性の水生昆虫がいれば、そのまま成り行きを見守ったかもしれません。 
轍に溜まった濁った水中にはボウフラ(蚊の幼虫)しか居ませんでした。 

甲虫の中には水中に進出したグループもいますが(水生昆虫)、足に水かきがあったり、鞘翅と後翅の隙間に空気の泡を貯めておいて呼吸したり、様々な適応進化の結果です。 
オオセンチコガネは純粋な陸生のようで、泳ぎも潜りも下手糞と分かりました。 
(泳ぐ能力を調べるために水溜りに放り込んで実験した訳ではなく、偶然の観察記録です。)

タヌキとアナグマの溜め糞場sに向かう道中だったので、もし新鮮な溜め糞があれば放虫して行動を観察するつもりでした。 
しかし、この日は新鮮な糞が残っていなかった(糞虫に運び去られた後だった)ので、オオセンチコガネ♂をそのまま家に持ち帰って飼育することにしました。 
糞虫の専門家は野外で排便(野糞)して自分の人糞を糞虫トラップの誘引材にすることもあるそうです。 
このとき私に便意があれば「セルフィー」に挑戦したかもしれませんが、朝フィールドに出る前にしっかり済ませてきていました。 

興味深いことに、同じ日に別の場所で同様の水難事故に再び遭遇しました。 


 

↑【おまけの動画】 
もう少し長い完全版をブログ限定で公開しておきます。 
小枝の天辺からじきに翅を広げて飛び立つだろうと予想した私は、実はハイスピード動画に切り替えて撮影していました。(@0:19〜0:35) 
ところが細い小枝は足場が安定しないのか、いつまで経っても飛び立とうとしません。 
スローモーションにする意味がないので、早回し加工して等倍速に戻してお見せします。 (手ブレが酷いです。) 
飛べないと分かった私は、通常のFHD動画モードに戻して撮影を続けました。

2022/11/22

山中の池で水浴するカケスの幼鳥【野鳥:トレイルカメラ】

 

2022年8月上旬・午後17:45頃・晴れ 

旧機種のトレイルカメラ(自動撮影カメラ)で監視している山中の泉で、夕方にカケスGarrulus glandarius)が水浴していました。 
頭頂部の白黒縦斑点が薄いので、幼鳥ではないかと思います。 
此岸付近の浅瀬で元気に行水しています。 
さっぱりしたカケス幼鳥は真上に飛び上がり、画角の外へ消えました。 
奥の森から夕日が射しています(逆光)。
関連記事(1、10ヶ月前の撮影)▶  
山中の池で水浴するカケス【野鳥:トレイルカメラ】 
山中の水場で水浴するカケス(野鳥)【トレイルカメラ】
過去の記録でも撮影した時間帯はいずれも夕方でした。 
どうやらカケスは夕方に好んで水浴するようです。 

※ 動画編集時に自動色調補正を施し、音声を正規化して音量を強制的に上げています。 


 

↑【おまけの動画】 「Eurasian jays pass marshmallow test, linking self-control with intelligence in birds」 by New Scientist

2022/10/19

夜の池で浅瀬を泳ぐ野ネズミ【トレイルカメラ:暗視映像】

 

2022年7月下旬・午後21:55頃 

山中の泉をトレイルカメラ(自動撮影カメラ)で監視していると、夜行性の野ネズミ(ノネズミ)が左岸に現れました。 
普段なら岸をぐるっと回り込むのに、近道するためか浅瀬を泳いで此岸に渡ったので驚きました。 
野ネズミの水泳シーンは初見です。 
水を怖がらないのですね。

画面の左下隅にしばらく居座り、何かしています。
鼻面を何度も水につけて手で顔を洗っているように見えるのですけど、どうでしょう?(水浴行動?)
まさか、左岸付近に集結して蠢いているオタマジャクシを捕食しようとしているのでしょうか? 
後半はカメラの死角に入り、見えません。 

2022/10/14

溜池で水浴するカルガモの親子群(野鳥)

 

2022年7月下旬・午後17:00頃・晴れ 

夕方の溜池でカルガモAnas zonorhyncha)の家族群を見つけました。 
幼鳥8羽の群れを1羽の親鳥が引率して、水面を遊泳しています。 
水面の水を嘴ですくって飲む個体がいます。 
元気な幼鳥同士が水面で追いかけっこのように水面を勢い良くダッシュしています。 

やがてカルガモの幼鳥が次々と水浴びを始めました。 
幼鳥の水浴シーンは初見です。 
頭から水中に何度も潜ってから、水面で背伸びをして短い翼を羽ばたき水気を切ります。 
最後に尾羽を左右に振るのも、成鳥と同じ一連の水浴行動でした。 
親鳥がまず水浴の手本を幼鳥に見せている訳ではありませんでした。 

手前の土手に繁茂するススキやクズの草むらが撮影の邪魔で、苦労しました。 
しびれを切らした私が池を見通せる場所に移動すると、カルガモの家族群は完全に警戒してしまい、池から水路の方へ泳ぎ去ってしまいました。 
じっくり撮影するには、予めブラインドを張って隠し撮りする必要がありそうです。

2022/09/30

春の川で水浴するハシボソガラス(野鳥)

 

2022年4月下旬・午後13:30頃・晴れ 

春の河原でハシボソガラスCorvus corone)が水浴びを繰り返していました。 
動画の冒頭では濡れたカラスが中州で身震いし、羽の水気を切っています。 
足で顔を掻きました。 
頭部の羽毛が逆立っていて、ハシブトガラスと迷うのですが、嘴があまり太くないのでハシボソガラスと判断しました。
(もし間違っていたら、ご指摘願います。) 

川の浅瀬に入水すると、水飛沫を上げて行水しました。 
雪解け水で冷たいはずですが、よく晴れているので気持ち良さそうです。
再び中州に上陸すると身震いし、飛び立ちました。 
飛び去ったカラスを流し撮りしたら、近くの橋の橋脚に止まりました。
しかし、途中で別個体と入れ替わった疑惑があるので、その映像は割愛しました。
今回、水浴の合間に羽繕いをしませんでした。 

2022/09/25

夜の池で頭だけ水で洗うツキノワグマ【トレイルカメラ:暗視映像】

 

2022年7月上旬・午後23:00頃・気温20℃

前回の記事:▶ 山中の水場をじゃぶじゃぶ横断するツキノワグマ【トレイルカメラ】

自動撮影カメラ(トレイルカメラ)で監視している山中の泉に深夜ツキノワグマUrsus thibetanus)がまた現れました。 
対岸の林道を右から左へ歩き去ると思いきや、水場に立ち寄りました。 
2時間前に来た同一個体が戻って来たのでしょうか? 
私は未だ個体識別できないので、別個体かどうか不明です。
関連記事 ▶ 夜に水場を調べに来たツキノワグマ【トレイルカメラ:暗視映像】
赤外線の暗視カメラで熊の両目が白く爛々と光っています。 
カメラの存在に気づいて警戒しているのか、対岸の草むらの匂いを慎重に嗅いでいます。
左岸から池の上に張り出したイロハカエデの枝の匂いを嗅いだ際に、胸に月の輪がちらっと見えました。 
個体識別の鍵となりますが、この水場に登場するツキノワグマは滅多に見せてくれません。
ツキノワグマは全身黒色の体毛で覆われていて、胸部に三日月型の白毛の斑紋を持つものが多い。斑紋には個体差があり、現在生息調査などに使用されているカメラトラップ(自動撮影装置)などでは、この斑紋の違いから個体識別が行われているほどである。なかには「ミナグロ」と猟師たちに呼ばれる斑紋のない全身黒色の個体もいる。そうかと思えば、(中略)全身白色の個体(アルビノ)も、まれにではあるが現れることがある。 (田口洋美『ヤマケイ新書 クマ問題を考える 野生動物生息域拡大期のリテラシー』より引用)
途中で画面が一瞬だけ光ったのは、遠くの稲妻かもしれません。(@0:46) 
雷鳴は聞こえず、熊は全く気にする素振りを示しませんでした。 

用心深いツキノワグマはようやく右前足を池の水に漬け、水面の匂いを嗅ぎました。 
左前足も水に漬け、落枝などを爪で軽く掻き寄せています。 
鼻面を水面に付けた際に水を飲んだのでしょうか? 
左岸の岸辺に密集している黒いオタマジャクシを捕食したら面白いのですが、暗闇ではおそらく見えていないはずです。
この個体はなぜか岸辺に留まったままで、入水・水浴する様子がありません。 

次に見せた行動に私はびっくりしました。 
左前足で掬った水を頭にかけてゴシゴシ擦り始めたのです。 
再び左前足で水を掬い、頭の毛を濡らしました。 
この個体は左利きなのかと思いきや、次は右の前足で水を掬って洗髪しました。 
最後にもう一度、左の前足で掬った水で頭を濡らし、ゴシゴシ擦りました。 
ブルブルと身震いして濡れた毛皮の水気を切ると、後退りで左岸に戻り、林道を左に立ち去りました。 

結局、この個体は頭を水で濡らしただけで、入水・水浴しませんでした。 
ツキノワグマの水浴行動に個体差(バリエーション)があるとは知りませんでした。 
水が嫌いな(怖い)個体なのかな? 
この浅い池の底には腐った落ち葉や泥が堆積しています。 
そのため、熊が入水して歩き回り水底のヘドロをかき混ぜると、メタンガスが湧き上がってドブ臭いのです。 
その悪臭を嫌う個体がいても不思議ではありません。 
熊も「今夜はお風呂に浸かる気になれないし、頭を洗うだけにしよう」などと日によって気紛れなのかもしれません。 
「頭を水で冷やしたい」だけだったのかもしれません。

※ 動画編集時に自動色調補正を施して明るく加工しています。 
水の音が聞き取れるように音声も正規化して音量を上げています。 

画面の下に表示される気温のデータがわずか2分半で20℃から29℃へと急上昇しています。 
山火事でも無い限り、深夜の外気温がこれほど急上昇するはずがありません。 
暗視動画を連続で撮影すると、トレイルカメラ自体がかなり発熱してしまうのです。 
信頼できるデータとして、撮影開始時の測定値を採用しました。


↓【おまけの動画】 
ネットニュースで話題になった動物園のツキノワグマです。 
熊がホースを使い「自分で水浴び」しています。

2022/09/21

池に何度も飛び込んで水浴する2羽のヒヨドリ【野鳥:トレイルカメラ】

 

2022年7月上旬
前回の記事:▶ 古池やヒヨドリ飛び込む水の音♪【野鳥:トレイルカメラ】

トレイルカメラを設置した山中の泉に2日連続でヒヨドリHypsipetes amaurotis)が水を浴びにやって来ました。 

シーン1:7/9・午後14:34・晴れ・気温25℃ 
左岸から池の上に張り出したカエデの横枝にヒヨドリが止まっています。 
画角の外ですが、どうやら止まり木で羽繕いしているようです。 
しばらくすると止まり木から池に飛び込み、一瞬だけバシャバシャと水浴しただけですぐに元の止まり木に戻りました。 
「カラスの行水」よりも圧倒的に短い「ヒヨドリの行水」をもう一度繰り返しました。 

1/3倍速のスローモーションでリプレイ。 
水面で広げた翼を羽ばたかせて水飛沫を派手に上げています。 
ヒヨドリが池から飛び去るたびに、余韻のように水面には波紋が広がります。 


シーン2:7/10・午前10:02・晴れ・気温22℃ 
レンズに付着した水滴(雨または朝霧)が未だ乾いていませんが、よく晴れています。 
♀♂つがいと思われる2羽のヒヨドリがまるで競い合うように超時短の水浴を繰り返していました。 
水浴びの合間に休む止まり木は今回も画角の外です。 
止まり木から水場に飛び込みかけてもなぜか思いとどまり、池の上でホバリング(停空飛翔)しただけで止まり木に戻ってしまうことがあります。 
最後は2羽が同時に池の上で停飛したものの、水浴せずに飛び去りました。 
1/3倍速のスローモーションでリプレイ。 

※ 動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。 

この池で水浴する野鳥の中で、ヒヨドリだけ異常に警戒心が強い(ように見える)のが不思議です。 
もはやDNAに刻み込まれたヒヨドリ独特の水浴行動になっています。 
もしかして、水が怖いのに我慢しながら水浴しているのかな?
臆病な個体が水場に潜む捕食者に襲われずに生き残ってきた、という自然淘汰を繰り返して進化したのでしょうか? 
捕食圧が無くなっても水浴時間が短いままなのが謎です。

2022/09/16

山中の水場をじゃぶじゃぶ横断するツキノワグマ【トレイルカメラ】

 

2022年7月上旬・午前8:00頃・霧?・気温20℃ 

山中の泉を監視しているトレイルカメラ(無人センサーカメラ)に驚くほど至近距離でツキノワグマUrsus thibetanus)が写りました。 
朝から水場に入った熊がバシャバシャと右から左へ横切りました。 
直前に右岸の死角で水を飲んでいたのかもしれません。 
浅い池を渡渉しただけでは水浴とは呼べないかな? 
ちなみに、画面右下隅の更に奥からは、夏でも冷たい地下水の湧き水が流れ込んでいます。
左岸に上陸したシーンは画角の外で残念。 
1/3倍速のスローモーションでリプレイ。 

画面奥の山林を見ると、天気は晴れているようです。
しかし梅雨時の朝は湿度が特に高く、レンズに結露しています。 
(朝霧が立ち込めたのか、あるいは雨上がりかもしれません。)
曇ったレンズでも大迫力の映像が撮れて震撼しました。 

※ 動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。 

2022/09/14

山中の池で水を飲むニホンザル母子の群れ【トレイルカメラ】

 

2022年7月上旬・午後17:25頃・気温24℃ 

無人センサーカメラ(トレイルカメラ)で監視している山中の泉に野生ニホンザルMacaca fuscata fuscata)の群れがやって来ました。 
この水場でニホンザルを見かけるのは初めてです。 
母子を基本単位として、何組も次々に水場を訪れます。 
ニホンザルはトレイルカメラの存在を全く意識していません。 


シーン1: 
母猿♀が対岸から身を乗り出し、水面に口を付けて吸うように水を飲んでいます。 
犬のように舌を使ってピチャピチャと音を立てる飲み方ではありません。 
子ザルは喉が渇いていないようで、母親から少し離れて待っています。 
母親は子ザルを岸に残したまま、さっさと奥の林道へ遊動を始めました。 
子ザルは慌てて母親の後を走って追います。 
母親におんぶしたり抱っこしてもらわなくても自力で移動できるぐらい、子ザルは順調に発育しています。 

右岸に別個体の成獣(♀?)が登場しました。 
後ろから子ザルが付いて歩いています。 
子ザルが水辺に降りかけたのに、母親が構わず遊動するので慌てて追いかけて行きました。 

別の母子が水場には立ち寄らず、奥の林道を左から右へ遊動しています。 
この母子は子ザルが母親の腰にしがみついていました(おんぶによる運搬)。 


シーン2: 
右岸と左岸に別れて2頭の猿が泉の水を飲んでいました。 
岸から身を乗り出し、水面に口を付けて喉の乾きを癒やします。 
この群れのニホンザルは夏でも基本的に池に入って水浴することはないようです。 
左岸に登場した子ザルが飲水中の母親に合流しました。 
子ザルも母親の真似をするように並んで水を飲む様子が可愛らしいですね。 
次に子ザルが左手を水中に突っ込みました。(@1:10) 
もしかすると、左岸の浅瀬に集結している黒いオタマジャクシ(または水生昆虫)を見つけて手掴みで捕食しようと試みたのかもしれません。 
成獣は食わず嫌いなのか、新しい挑戦や遊び(オタマジャクシの掴み取り)をやりませんでした。 
横で待っていた母親の背中を飛び越えて子ザルは奥の林道へ元気に走り去りました。 

池の水面に波紋が次々に広がっているので、小雨がポツポツ降ってるようです。 
(それともアメンボが水面を滑走する動きによる波紋ですかね?) 


シーン3: 
左岸で1頭が泉の水を飲んでいます。 
水を飲み終えたニホンザルはゆっくり歩いて奥の林道に向かいました。 
水場から流れ出た水溜まり(林道のわだち)で再び水を飲んだ気がしたのですが、林道に生い茂った雑草に隠れてよく見えません。 


シーン4: 
辺りが少し薄暗くなってきました。 
池の左岸で1頭の母猿が水を飲んでいます。 
左から登場した子ザルが母親に合流。 
急にカメラの上から土砂が落ちてきたのは、別個体の猿が此岸の崖を降りて来たのでしょう。 
子ザルも母親の真似して飲水を試みるものの、口がなかなか水面に届かないようで苦労しています。 
子ザルが左手を水に浸しました。 
夏でも冷たい湧き水(地下水)なので、暑い夏にはひんやりと気持ち良さそうです。
長いこと水を飲んでいた母猿が左岸を立ち去り、奥の林道へ移動開始。 
置いてきぼりにされそうになった子ザルは焦りながらも、どうしても水を飲みたいようです。
右手を伸ばして水に浸しました。(水中から何かを取ろうとした?) 
なんとか水面に口を付けて飲めたかな? 
母猿の後を慌てて追いかけようとした子ザルが池に落ちました。(@3:09) 
すぐに対岸に上陸しようとしたら、バランスを崩して対岸から再び池に転がり落ちてしまいました。 
浅い池なので落水しても子ザルは無事です。 
元気に走って母猿の後を追いかけて行きました。 
子ザルの行動は見ていて飽きません。

左岸に登場した若い個体(赤ん坊よりは年長)が右手で岸の水際から何かを拾い食いしました。(@2:58) 
左岸の浅瀬に大群で蠢いているオタマジャクシを捕食したのかと思ったのですが、植物質(水草?)のような気もします。 


ニホンザルの飲水行動をこれほど集中的に繰り返し観察できたのは初めてです。
関連記事(3年前の撮影)▶ 用水路内に降りて水を飲み苔を採食するニホンザルの群れ

 

※ 猿の鳴き交わす声(クーコール♪)や水音が聞き取れるように動画編集時に音声を正規化して音量を上げています。 

気温が24℃から28℃まで急上昇したように画面上では表示されますが、気温データの解釈には注意が必要です。
動画を連続で撮影するとカメラが発熱し内部温度が急上昇するのです。

2022/09/11

山中の池で水浴するカケス【野鳥:トレイルカメラ】

 

2022年7月上旬・午後17:54・晴れ・気温22℃ 

トレイルカメラ(無人センサーカメラ)で監視している山中の泉でカケスGarrulus glandarius)が夕方に水浴していました。 
羽ばたいてバシャバシャ♪と水飛沫を上げながら池の中央部から左岸へ移動すると、そのまま上陸し、左岸から池に張り出した止まり木(イロハモミジの灌木)に飛び乗りました。 
画角の外で羽繕いしているようです。 
やがて画角内に戻ってきてくれて、足元のモミジの枝で嘴を拭いました。 

カケスは止まり木から再び池の中央に飛び込み、二度目の水浴を始めました。 
池の中央部でも浅くてカケスの足がつくようです。 
ピョンピョン跳んで左岸に上陸すると、最後は画面奥の森へ飛び去りました。 

今回は新しいトレイルカメラを使い、高画質のフルカラーでカケスの行水を動画に記録することが出来ました。 

※ 動画編集時に音声を正規化して音量を上げています。

 
関連記事(1年前の撮影:モノクロ映像)▶ 山中の水場で水浴するカケス(野鳥)【トレイルカメラ】
ちなみに、このときも夕方でした。



2022/09/09

夏の川岸で水浴するスズメ(野鳥)

 

2022年7月上旬・午後14:10頃・晴れ 

河原の対岸の浅瀬にスズメPasser montanus)が入水すると、水を翼で繰り返し跳ね上げて浴びました。 
ピョンピョン跳んで岸の石の上に戻ると、身震いして水気を切ります。 
さっぱりしたスズメは羽繕いもせずにそのまま飛び去り、行方を見失いました。 
どれぐらい暑いか気温を測るべきでしたね。

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