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2024/03/04

ニホンアナグマの家族群:6/15〜6/17の野外育児【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2023年6月中旬 

ニホンアナグマMeles anakuma)の家族が巣外で過ごす様子を3日分(6/15〜6/17)まとめました。 
この時期はトレイルカメラカメラの電池が消耗していて、撮り漏らしが多いです。 


シーン1:6/15・午後19:02(@0:00〜)日の入り時刻は午後19:06。 
日の入り直前に巣口Rをうろついていた個体が右の巣穴Rに戻りました。 


シーン2:6/15・午後19:55(@0:13〜) 
すっかり暗くなった晩に♀が巣穴Rから外に出て来ました。
♀が巣口Rで幼獣の体を舐め始めました。(対他毛繕い) 
深夜に小雨が降り始めました。 
身震いしてから入巣R。(@0:23〜) 


シーン3:6/16・午前5:35(@0:26〜)日の出時刻は午前4:13。 
早朝に活動を再開したときには、雨は止んでいました。 
明るい昼間にはトレイルカメラの赤外線LEDを点灯する必要がないので電力消費が少なく、通常通り1分間録画してくれます。 

巣外で辺りを警戒していたヘルパー♂がぐるっと回り込んで巣口Rに行くと、中から顔を出した♀と相互毛繕いしました。 
朝の挨拶が済むと♀は巣穴Rへ、ヘルパー♂は巣穴Lにそれぞれ戻りました。 


シーン4:6/16・午後18:07(@0:47〜)日の入り時刻は午後19:07。 
夕方に活動を再開した♀が巣穴Rの奥から後ろ向きで1頭の幼獣を外に引きずり出しました。
しばらくすると、更に2頭の幼獣も巣口Rに出て来ました。 
♀が計3頭の幼獣の毛皮をそれぞれ舐めてやります。 
その合間に、♀自身も体の痒い部位を掻いたり、毛繕いしたりしています。 
親子の群れは林縁の広場に移動しました。 
巣穴Rに残っていた最後の幼獣個体(4頭目)が遅れて外に出てきました。(@1:29〜) 
自力でアクセストレンチを上り、家族に合流しました。 
♀が幼獣全員(計4頭)をまとめて育児するのを見るのは珍しいです。 
これまでは3+1頭の2組に分けて育児していました。 

♀は林縁で採食してるようですが、後ろ姿でよく見えません。 
林縁を歩き回り、幼獣にミミズなどの採食法を教えているのでしょうか。 

親子水入らずの時間が続きます。 
林内からセットに戻ってきた♀は、仰向けでのんびり毛繕いしながら、幼獣たちを自由に遊ばせています。 

幼獣2頭が自力で巣口Rの中に戻りました。 
残る幼獣2頭は巣口Lに戻りました…と思いきや、再び巣口Lの外に出てきてウロウロしています。 
右から来た♀が巣口Lの幼獣2頭に対他毛繕いすると、引率して獣道を左へ向かいました。 
食餌に出かけたようです。
しばらくするとセットに戻ってきた♀は、幼獣2頭を連れて巣口Rへ向かいました。 
午後18:40、ようやく計4頭の幼獣全員をまとめて巣穴Rに連れ戻したことになります。
日によって状況は変わりますが、この日6/16はヘルパー♂が巣穴Lに、残りの母子が巣穴Rにそれぞれ住み分けていました。 


シーン5:6/17・午前4:27(@3:04〜)日の出時刻は午前4:13。 
日の出直後の早朝に活動を始めた成獣が入巣R。 


シーン6:6/17・午後18:11(@3:11〜) 
♀が巣口Rから2頭の幼獣を外に連れ出し、汚れた毛皮を舐めてやります。 
♀は広場に移動して仰向けになり、自ら毛繕いを始めました。 




【アフィリエイト】 『アナグマはクマではありません

2024/02/28

夕方に巣穴をせっせと掘り進めるニホンアナグマのヘルパー♂【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2023年6月中旬
6/14・午後18:28〜18:51・(日の入り時刻は午後19:06) 

日没前の夕方に、ヘルパー♂と思われるニホンアナグマMeles anakuma)が右の巣口Rを拡張する工事を始めました。 
巣口Rは更に左右2つの穴に別れているのですが、そのうちの右側Rrを巣外から掘り広げています。 
尻尾に隠れて分かりにくいのですが、巣穴Rrに頭を突っ込んでいる間、股間に睾丸がちらっと見えたので、♀ではなくヘルパー♂と判明。 

穴掘り作業を途中から5倍速の早回し映像に加工しました。 
頭を巣穴Rrに突っ込んだままグルグル回るように穴を掘り広げています。 
土に埋まっている木の根っこや岩などの障害物を除けながら素手で巣坑を掘り進めるのは大変そうです。 
梅雨の時期を選んで穴掘り作業しているとしたら、しみ込んだ雨で土壌が少し軟化して作業が楽になっているのかもしれません。 
掘った土は巣外に掻き出します。 

ようやく穴掘りを中断したヘルパー♂が、外に出て来ました。(@1:23〜) 
上半身が黒い土で汚れています。 
アクセストレンチを後退しながら、掘った土砂を前脚で後方へ掻き出しています。 
やはり股間に睾丸がぶら下がっています。 
画面右へアクセストレンチを形成すると、巣口Rrの拡張工事に戻りました。 


その後は休みなく一心不乱に穴を掘り続けています。 
たまに後ろ向きで巣外に出て来ると、ヘルパー♂の毛皮はお尻以外は真っ黒に汚れていました。(@2:15〜) 
掘った土を巣穴Rrから掻き出しながら後退すると、アクセストレンチが右に形成されます。 
毛繕いだけできれいになるとは思えないのですけど、この後で水浴して汚れを落とすのでしょうか? 
作業の途中で身震いしました。(@2:30〜) 

午後18:44 (@3:48〜)
ようやく充分に暗くなり、赤外線の暗視映像に切り替わりました。 

ヘルパー♂が巣穴Rrに奥深く潜って掘り進めている間に、左の巣口Lから♀がひょっこり顔を出して周囲を警戒しました。(@3:57〜) 
その後の顛末が面白いのですが、次回にまとめました。
♀はすぐに巣内Lに引っ込んだようです。 
前日6/13とは逆で、♀と幼獣4頭が暮らす子供部屋は巣穴Lにあるようです。

やがてヘルパー♂は、今まで掘っていたRrの隣にある巣口Rlも掘り始めました。(@4:25〜) 
2本のトンネルは掘る方向が少し違うようですが、共通のアクセストレンチに掘った土を捨てています。 

午後18:51 
映像終了。 


アナグマの体格に性的二型がある(♀<♂)のは、穴掘りの肉体労働を♂に任せるからだと思ったのですが、若いヘルパー♂(1歳仔)の体格は♀と変わらず、筋骨隆々というほどでもありません。
繁殖期に♀との交尾権をめぐる♂同士の激しい闘争行動は見られなかったので、♂の体格が立派になる理由がよく分かりません。 

※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 




福田幸広、田中浩『アナグマはクマではありません』によると、
・頭胴長は♂63〜70cm、♀は56〜61cm。(裏表紙より引用)

・♀は生後1歳で成長が止まり、全長は74cmになり、♂は生後2歳まで成長するので♀よりも体が大きく、研究によると平均値は全長79cmになります。(p19より引用)


・アナグマは一妻多夫制の乱婚型で、♂は子育てには関わらず♀だけが行ないます。(p18より)

・お母さんは穴掘りには消極的。息子にまかせっきりです。掘削作業は♂がすることがほとんどです。 (p24より)





 

↑【おまけの動画】 
早回し加工する前の等倍速動画をご覧になりたい方のために、ブログ限定で公開しておきます。


【追記】
アクセストレンチの作り方について。

熊谷さとし、安田守『哺乳類のフィールドサイン観察ガイド』(2011年)によれば、
アナグマは、前脚でトンネルを掘り進むと、中でUターンして土を外に押し出す。そのため、巣穴の入口に土を押し出した跡が溝状(トレンチ)に残る。これは「アクセストレンチ」と呼ばれ、アナグマの巣穴か判断するポイントになる。 (p69より引用)

下線部について、私の観察結果と明らかに異なります。

増補改訂版で書き換えられているかどうか、気になります。

熊谷さとし氏は他の著作でも繰り返し書いています。

例えば、熊谷さとし『動物の足跡学入門』(2008年)によると、

アナグマは中に入り込んで方向転換をし、両手で土を外に押し出すのだ。この時の両手の跡がミゾになる。

アナグマは、掘った土を前足で押し出すためにアクセストレンチ(溝)ができる。(p161より引用)

地域個体群によってアナグマの穴掘り行動が違うのかもしれないので、古い本をわざわざ持ち出して熊谷さとし氏を攻撃したり糾弾したりする意図はもちろん私にはありません。
アナグマ関連の書籍がほとんど無かった時代には、(たとえ不完全でも)観察の指針を示してくれる本は非常にありがたかったです。
若輩者があえて苦言を述べさせてもらうならば、穴掘り行動を直接観察してないのに痕跡から推理しただけなら、断定しないで、そのように明記して欲しいです。
アナグマが土を巣内から押し出している様子を示すイラストがもっともらしく添えられているのは、問題がある(誤解を招く)と私は思います。(想像図なら、そのように明記するべき)
ある著作物に刺激・影響を受けた次世代による調査研究によって古い情報が新しく修正されていくのは、自然科学のあるべき姿です。
私のブログもおそらく間違いがいくつも含まれているでしょうし、誰かに指摘されて修正・訂正されていくはずです。


【アフィリエイト】

2024/01/27

昼間に巣外で相互毛繕いするニホンアナグマ♀とヘルパー♂【トレイルカメラ】

 



2023年6月上旬

ニホンアナグマMeles anakuma)の営巣地(セット)で巣穴の主である♀とヘルパー♂が明るい日中に相互毛繕いするシーンをまとめました。 


シーン1:6/1・午前8:43・気温17℃・(@0:00〜) 
よく晴れた午前中に、互いに相手の毛皮を甘噛みするように舐めています。 
手前の巣口Rから上半身を乗り出した左の個体が、首筋に白斑があるので、♀だと思います。 
その後は自分の体で痒い部分を掻き始めました。 


シーン2:6/5・午前6:11・気温13℃・(@1:00〜)日の出時刻は午前4:14。 
4日後の早朝にも2頭(親子)が朝日を浴びながら、巣口R付近で念入りに相互毛繕いしていました。 


シーン3:6/5・午前6:14・気温14℃・(@2:00〜) 
そのまま巣口Rから林縁の広場に移動して相互毛繕いを続けていました。 
延々と続く毛繕いを見ていても退屈なので、5倍速の早回し映像でお届けします。 


シーン4:6/5・午前6:22・気温14℃・(@2:24〜) 
林縁で2頭が並んで仰向けになり、各自の体を掻いています。 
その後は相互毛繕いに戻りました。 


シーン5:6/5・午前8:43・気温23℃・(@2:49〜) 
ヘルパー♂が単独で右の林縁に座り込み、手前の巣口Rを見つめています。 
やがて巣口Rから♀が顔を出し、互いに見つめ合いました。 
互いに歩み寄ると、巣口Rで相互毛繕いが始まりました。 
相互毛繕いを始める瞬間を初めて観察することができました。 

巣口Rから右の広場に少し移動して、相互毛繕いを続けます。 


シーン6:6/5・午前10:14・気温23℃・(@3:13〜) 
ヘルパー♂が単独で右の林縁で仰向けに座って、毛繕いと体掻きを始めました 
股間に陰茎が見えるので、♀ではなく若い♂(1年仔)のヘルパーですね。 
 やがて巣穴Rから♀(首筋に白斑)が出て来ました。 
ヘルパー♂は広場で出迎えて、♀と相互毛繕いを始めました。 


シーン7:6/9・午後12:30・気温18℃・(@3:38〜) 
昼過ぎに2頭が広場に出てきました。 
身震いしてから、互いに向かい合って相互毛繕いを開始。 


いつもヘルパー♂が先に巣外に出ており、後から出巣してくる♀を待ち受けて、相互毛繕いが始まるようです。 


つづく→

スギ防風林でタヌキの溜め糞場に群がるクロボシヒラタシデムシの幼虫と成虫【10倍速映像】

 

2023年5月下旬・午前11:00頃・くもり 

平地でスギ防風林でホンドタヌキNyctereutes viverrinus)が残したと思われる溜め糞場phを新たに見つけたので、ときどき定点観察に通っています。 
スギの根元と倒木に挟まれた地面に新鮮な糞が追加されていました。 

横に三脚を立てて、糞食性昆虫の活動を8分間微速度撮影してみました。 
スギ植林地の林床はかなり薄暗いので、カメラの設定で明るさを上げました。 
10倍速の早回し映像をご覧ください。 
一番多いのはクロボシヒラタシデムシOiceoptoma nigropunctatum)の幼虫で、成虫も少し来ていました。 
他にはキンバエ類や微小なハエ(種名不詳)も集まっています。 

後にこの地点にもトレイルカメラを設置して、タヌキが排便に通っていることを確かめました。(映像公開予定)
手前にスギ倒木。(右下隅にちらり)

2024/01/22

赤い首輪で標識されたコハクチョウが雪解け田んぼで採食【冬の野鳥:10倍速映像】

 



2023年3月下旬・午後15:45頃・くもり 

早春の雪解け田んぼに集結して落ち穂拾いしているコハクチョウCygnus columbianus bewickii)の大群を撮影した動画を見直すと、赤い首輪を装着した個体が混じっていました。
コハクチョウは、北極圏の繁殖地と日本の越冬地を毎年行き来する渡り鳥です。 
渡り行動を研究するために、一時捕獲した個体に首輪や足輪を付けて放鳥するプロジェクトが続けられています。 
標識された鳥を見つけたら、世界中のバードウォッチャーが報告することになっています。 
撮影中に気づいていれば、この標識個体を重点的に観察したのに、残念です。 
微速度撮影中の私は三脚を立てて画角を決め録画を始めた後はひたすら寒風に耐えるだけで、何が撮れているかチェックしてませんでした。
長撮りする際はカメラの電池を節約するために、液晶画面(バックモニター)の表示をオフにしていたのです。


動画を拡大してみると、プラスチックの赤い首輪に白い文字で「C48」または「C4B」と書いてあります。 
 「標識コハクチョウ名簿」サイトで調べると、「首輪-赤C46」および「首輪-赤C48」が登録されていました。 
目撃情報から、おそらく「首輪-赤C48」だろうと判明しました。 
この個体は2年前の2021年8月1日にロシアの北極海に面するチャウン湾で標識されていました。
標識時には若鳥だったのに、2年後にはすっかり成鳥になっています。 
渡りの途中でも日本各地で何度か目撃されています。 
どうやら新潟県で越冬しているらしく、ここ山形県や北海道を経由してロシアに渡去していました。 
近くの最上川を集団塒として山形県内で越冬する個体群が餌場に通っていた訳ではありませんでした。

地道な個体標識プロジェクトの強み・凄みをまざまざと実感しました。
白鳥の大群を漠然と眺めているよりも解像度が格段に上がり、特定の個体の暮らしぶり(生活史)が浮かび上がってきます。 
個人的には、どうしても白鳥にGPSやアクションカメラ(GoProなど)を装着して移動ルートの詳細なデータを取りたくなります(バイオロギング)。

2024/01/04

送電塔天辺の巣で4羽の雛を育てるハシブトガラスの親鳥【10倍速映像】給餌行動など

 



2023年5月中旬・午後14:15〜17:00・晴れ 

三脚を立ててカメラを固定し、ハシブトガラスCorvus macrorhynchos)の巣を微速度撮影してみました。 
10倍速の早回し映像をご覧ください。 

送電塔の天辺にある巣の中には4羽の雛が順調に育っています。 
風が吹くと雛の羽毛がなびいて逆立ちます。 
好奇心旺盛な雛鳥は暇潰しで巣材の小枝を嘴でつついています。 
鉄骨のボルトを締めるナットが気になり、嘴で何度も悪戯している個体がいました。 
ボルトが外れると大惨事なので、外れないように電力会社は対策すべきでしょう。 

親鳥が帰巣したのが計5回。 
そのうち♀♂つがいがほぼ同時に帰巣したのが1回でした。 
横から飛来して直接入巣するのではなく、鉄塔の下段に一旦止まってから、鉄骨を梯子のようにピョンピョン登って入巣することが多いようです。 

親鳥が帰巣すると、雛たちは一斉に嘴を大きく開けて空腹をアピールします。(餌乞い) 
嘴を開いたときに口内が赤いのがカラスの幼鳥の特徴です。 
成長すると口の中が黒くなります。 
親鳥は喉袋に詰め込んできた餌を口移しで雛に与えます。 
複数の雛に口移しで次々と給餌しますが、 最も空腹そうな(強くアピールする)雛鳥から優先的に給餌しているようです。 
親鳥による給餌シーンは、等倍速でリプレイしました。 

食後に雛は排泄します。 
巣の縁から外に上手く排泄できれば良いのですけど、巣内に排泄してしまった場合は、親鳥が摘み上げて外に捨てに行きます。(排糞行動) 
雛の糞はゼラチン質の袋に包まれていて、汚さずとも簡単に持ち運びができるようになっています。 
給餌後の親鳥は雛が便意を催すまで、しばらく巣内で見張っています。 
雛の肛門(総排泄孔)を覗き込んで、白い糞が出て来るやいなや咥えて飛び去りました。 
排糞行動は4回撮れてました。 

巣から飛び去った親鳥は次の餌を探しに出かけますが、ときどき巣の横の高圧線に止まって、周囲を警戒したり鳴いたりすることがあります。 

 次の食事まで待っている間、雛は各々が羽繕いしています。 
巣立ちに備えて羽ばたきの練習をする個体がいたものの、すぐに止めてしまいました。 
後半(夕方)になると、巣内の雛は頭をこっくりこっくり下げて居眠りするようになりました。

※ 水を入れたペットボトルを重りとして三脚に吊るせば、風が吹いても振動が抑えられます。 
私の三脚は安物なので、剛性が足りないのです。(軽いのが取り柄です) 

2023/12/26

ニホンアナグマの単独毛繕いと相互毛繕い【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2023年5月上旬〜中旬 

ニホンアナグマ♀(Meles anakuma)とヘルパー♂が夜に巣穴の外で互いに毛繕いしたり、単独で毛繕いする様子をまとめました。 
長くなるので、5倍速の早回し映像に加工しました。 


今回は相互毛繕いの最中に軽い小競り合いにシーンは記録されていませんでした。 

シーン1:5/6・午前1:36・(@0:00〜) 
広場の林縁で2頭が相互毛繕いしています。 


シーン2:5/6・午前1:37〜・気温15℃(@0:10〜) 
別アングルのトレイルカメラ(新機種)でも撮れていたので、5倍速の早回し映像でお届けします。 


シーン3:5/6・午前1:38〜・(@0:34〜) 
旧機種のカメラの電池が消耗してきたので、細切れ映像を続けてお届けします。 


シーン4:5/6・午前1:45〜・(@1:48〜) 
別アングルの監視映像(5倍速)に戻ります。 


シーン5:5/6・午前1:46〜・(@2:12〜) 
旧機種の細切れ映像(等倍速)。 
後半から2頭が少し離れました。 


シーン6:5/6・午前1:47〜・(@2:29〜) 
別アングルの監視映像(5倍速)に戻ります。 
後半から2頭が少し離れました。 
♀が入巣Rし、ヘルパー♂は左へ移動。 


シーン7:5/6・午前1:48〜・(@2:51〜) 
旧機種の細切れ映像(等倍速)。 
♀が入巣Rした後も、ヘルパー♂は巣口Lの近くで寝そべっています。 
やがて立ち上がると、セット内をうろつき始めました。 


シーン8:5/6・午前2:04〜・(@3:33〜) 
別アングルの監視映像(5倍速)に戻ります。 
広場で仰向けになって毛繕いしていたヘルパー♂が腹這いになってから立ち上がり、左へゆっくり歩き始めました。 


シーン9:5/6・午前3:37〜・(@3:49〜) 
旧機種の細切れ映像(等倍速)。 
広場でヘルパー♂が独りで毛繕いしています。 
途中から♀が巣穴から外に出てきたようで、ヘルパー♂と合流しました。 
仲良く相互毛繕いしています。(@4:42〜)

♀の後頭部(首の後ろ)には白斑があります。 
どうやら一時的な毛並みの乱れではなく、個体識別に使える特徴のようです。 
円形脱毛症のように丸く白髪化したのでしょうか? 
♂と交尾した際に、♂に背後から首筋の毛皮を強く噛まれて脱毛・変色したのかな? 

金子弥生『里山に暮らすアナグマたち: フィールドワーカーと野生動物』p74によると、交尾中に♂が♀の背部を強く噛むことによってできる傷は交尾痕と呼ばれるらしい。

この♀は正面からカメラ目線をくれたときに左右の目の大きさが不均等(右目<左目)という特徴がありますが、後ろ姿でも見分けられるようになれば非常に助かります。


シーン10:5/6・午前3:47〜・(@5:06〜) 
別アングルの監視映像(5倍速)に戻ります。 
♀とヘルパー♂が仲睦まじく相互毛繕いしています。 
各自でやる毛繕いと相互毛繕いを交互に繰り返しています。


シーン11:5/6・午前3:47〜・(@5:30〜) 
旧機種の細切れ映像(等倍速)。 


シーン12:5/8・午後19:49・(@5:40〜) 
2日後の晩に撮れた旧機種の細切れ映像(等倍速)。 
広場で体の手入れをしていた♀が入巣Rしました。 


シーン13:5/8・午後20:30・(@5:49〜) 
ヘルパー♂と思われる個体が、奥の獣道を左から右へやって来ました。 


シーン14:5/9・午後20:34・気温14℃(@5:56〜) 
翌日の晩も2頭がいつもの場所で相互毛繕いしています。 


シーン15:5/9・午後20:35・気温14℃(@6:04〜) 
別アングルの監視映像(5倍速)に戻ります。 


シーン16:5/9・午後20:35・(@6:28〜) 
旧機種の細切れ映像(等倍速)。 
♀が入巣Rすると同時に、ヘルパー♂が獣道を通って手前に立ち去りました。 


シーン17:5/10・午前0:13・(@6:34〜) 
旧機種の細切れ映像(等倍速)。 
日付が変わって深夜に自動センサーカメラが起動しました。 
♀が広場に立って右をじっと見て警戒しています。 
そのまま広場に座り込み、毛繕いをしたり体を掻いたりしてのんびり過ごしています。 


シーン18:5/11・午後19:20・(@6:54〜) 
翌日の晩も♀が単独で広場に座り、独りで毛繕いしています。 


シーン19:5/11・午後20:24・気温15℃(@7:40〜) 
別アングルの監視映像(5倍速)に切り替えました。 
独りで毛繕いしていた♀が入巣R。 



※ 一部の動画には、編集時に自動色調補正を施しています。 


同じことの繰り返しで退屈でしたが、次回からいよいよ新展開が起こります。



2023/12/23

一晩で単独毛繕いと相互毛繕いを繰り返すニホンアナグマ♀【トレイルカメラ:5倍速の暗視映像】

 



2023年5月上旬 

二次林にあるニホンアナグマ♀(Meles anakuma)営巣地に2台のトレイルカメラを設置して見張っています。 
とある1日の毛繕い行動をまとめてみました。 
自分独りで毛繕いする場合と、2頭が相互毛繕いする場合があります。 
これほど頻繁に毛繕いするということは、♀が授乳の合間に自分の乳首をきれいにしているのではないか?と推測しています。
それにしては、仰向けになったときに腹面に乳首が見えません。
赤ちゃんの排泄した糞尿が♀の毛皮に付着してしまうのかもしれません。
長いので5倍速の早回しでお届けします。 


シーン1:5/5・午前2:29・(@0:00〜) 
未明にアナグマ♀が左手前の巣口Rに座り込み、毛繕いしています。 
右の林縁広場に移動して、体の手入れを続けます。 


シーン2:5/5・午前2:32・気温12℃(@0:18〜) 
別アングルの映像に切り替えます。 
巣口Rに座っている♀が、カメラの方を頻りに気にしています。 
カメラ目線になると、右目の小さな♀であることが分かります。 
後足で体を掻いたり、仰向けになって毛繕いしたりしています。 
最後はようやく入巣R。 


シーン3:5/5・午前2:31(@0:33〜) 
同じシーンが別アングルの監視カメラにも写っていました。 
ここまでが深夜未明の行動です。 


シーン4:5/5・午後19:14(@0:47〜) 
基本的にアナグマは夜行性で、明るい昼間は巣内で寝ています。
晩になってからも、♀が同様の行動を繰り返しています。 
巣口Rで身震いしてから中に入りました。 


シーン5:5/5・午後20:03(@0:58〜) 
約50分後、♀が出巣Rした直後のようです。 
広場から巣口Rに近寄って座り込み、体の手入れを始めました。 
♀の後頭部(首の後ろ)に見える白斑は、たまたま毛並みが乱れているだけかもしれませんが、もしかすると個体識別に使えるかもしれません。 


シーン6:5/5・午後21:20(@1:16〜) 
♀とヘルパー♂(若い息子)と思われる2頭が巣外の林縁広場で互いに毛繕いし合ってます。 
仲睦まじく相互毛繕いを長々と続けています。 


シーン7:5/5・午後21:41(@2:28〜) 
♀が独りで広場に座り、いつものように仰向け毛繕いしています。 
仰向けに寝転がって目をつぶりました。 
すぐにまた目を開けましたが、育児の疲れで眠そうです。 


シーン8:5/5・午後21:47(@2:46〜) 
巣口Rから♀が飛び出して、広場に居た別個体と対峙しました。 
追い払わずに広場で仲良く相互毛繕いを始めたので、相手は余所者の夜這い♂ではなくヘルパー♂だったようです。 

やがて2頭は各自で仰向け毛繕いを始めました。 


シーン9:5/5・午後21:49(@3:04〜) 
相互毛繕いの最中に軽い小競り合いになることがあります。 
軽い唸り声が聞こえました。 
相手の毛皮を甘噛みしていたのに、噛み所が悪かったのでしょうか? 


シーン10:5/5・午後21:51(@3:22〜) 
相互毛繕いの合間に再び軽い小競り合いが勃発♪。 
♀?が入巣Rし、残った個体(ヘルパー♂?)が巣穴RLの間に移動しました。 


シーン11:5/5・午後21:53・気温22℃(@3:40〜) 
別アングルの監視カメラにも撮れていました。 
2頭が広場に寝そべり、相互毛繕いしています。 
互いに相手の毛皮を舐めたり口で甘噛みしたりしています。 
急に離れると、1頭が入巣Rし、もう一頭は左へ移動。 

どうやらヘルパー♂が採餌に出かけたようですが、その後巣穴に戻ってくるシーンが撮れていない点が気になります。 
トレイルカメラの技術的な問題で撮り損ねているだけなのか、それとも私の知らない別の巣穴があるのでしょうか? 

※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 

2023/11/29

雪解け田んぼで採食するコハクチョウ大群の離合集散【野鳥:10倍速映像】

 

2023年3月下旬・午後15:22〜16:02・くもり後晴れ 

雪解けしつつある早春の刈田でコハクチョウCygnus columbianus bewickii)の大群が採食しています。 
ハクチョウの大群が移動しながら採食(落ち穂拾い)するシーンを微速度撮影してみました。 
10倍速の早回し映像で大群の離合集散をご覧ください。 
混み合ったエリアでは、コハクチョウ同士で小競り合いも頻発します。
長撮りしている間にも新たにコハクチョウが次々と飛来し、旋回してから採食群に合流します。 



2023/10/14

雪解け田んぼで採食しながら夜を迎えるコハクチョウの大群【冬の野鳥:10倍速映像】塒入り

 



2023年3月下旬・午後17:22〜17:53・晴れ(日の入り時刻は午後17:55) 

早春の雪解け田んぼに集結して落ち穂拾いを続けるコハクチョウCygnus columbianus bewickii)の群れを微速度撮影してみることにしました。 
白鳥が密集している区画を狙います。 
10倍速の早回し映像をご覧ください。 

夕方になると、コハクチョウは小さな群れ単位で次々に飛来・着陸し、雪解け田んぼの群れに合流します。 
この映像では伝わりにくいのですが、周囲の白鳥が歩いて移動し、広大な田園地帯の中央部に大群が密集しつつあります。 
どうやら、コハクチョウはこのままねぐら入りするようです。 
周囲の農道から一番遠い田んぼが最も安全です。 
就塒前集合の挙動を記録するのなら、もう少し引きの絵で微速度撮影すべきでしたね。 

てっきり今回のコハクチョウ大群は採餌群または就塒前しゅうじぜん集合であり、日没前後にはいずれ一斉に飛び立って集団塒の川へと向かうだろうと私は予想していました。 
ところが驚いたことに、日没後に暗くなっても餌場にそのまま居残り続けました。 
吹きさらしの田園地帯で長時間撮影していた私は、防寒具を着込んでいても体がすっかり冷え切ってしまいました。 
カメラの電池切れで微速度撮影が終了するまで、足踏みとシバリングしながら観察を続けます。 
寒さに耐え切れなくなった私が午後18:05に撤収するときにも、コハクチョウは暗い雪田にまだ残留していました。 
どうやらこのまま雪解け田んぼを集団塒とするようです。 
コハクチョウが昼間の採餌場に留まってそのまま塒入りするという行動は初耳でした。 
この時期、川の集団塒でカウントされるハクチョウの個体数が減るのは、必ずしも北帰したとは限らず、餌場で寝るようになったからだと分かりました。 
近年、鳥インフルエンザの蔓延を防ぐために川岸で白鳥に給餌するのを禁止したのも影響してそうです。
早朝の夜明け前からコハクチョウの群れが雪解け田んぼに居ることを確認すべきだったのですが、翌朝はうっかり寝坊してしまいました。 


関連記事(2、7年前の撮影)▶  


本田清『白鳥の湖』という本によると、
ハクチョウが河川の浅瀬や中洲などに降りたち、その場所をねぐらと定め、周辺一帯の水田などに採餌の場を求めるという生活は、ハクチョウの一般的な習性である。 (p73より引用) 
「ねぐら」と水田地帯を往復するという日周行動は、豪雪期で動きの少ない一定期間を除けばシーズン中を通じて一貫しており、この姿こそ彼らの最も普通の生活態様なのである。 (p92より引用)

初めての撮影だった今回は、白鳥をなるべく警戒させないように、車道を挟んで反対側の路肩に三脚を立てて長撮りしました。 
そのため、手前の車道を通行人や車が通りかかる度に写り込んで映像が乱れてしまいました(手ブレ補正の副作用)。
後半はカメラの設定で明るさを強制的に上げています。

2023/09/24

雪解け水の池に産卵するヤマアカガエル♀♂の群れを微速度撮影したい!【チャレンジ#2】

 



2023年3月中旬〜下旬 

里山の斜面にある池に雪解け水が貯まり、ヤマアカガエル♀♂(Rana ornativentris)が毎年早春に集まって繁殖活動しています。 

3/13  
前回の反省を生かして、同じ池でも少し別の地点の卵塊bをやや引きの絵で微速度撮影することにしました。 
わざわざ持参したスコップで池畔の深い残雪を地面まで掘ってから、三脚を立ててみました。 
試写してみるとアングルがいまいちなので、諦めて雪を埋め戻し、場所を変えます。 
水を入れた600mLペットボトルを三脚に吊り下げて、風で倒れないように重りとします。
夜に照射する赤外線LEDが水面で反射することを考え、水面に対して斜めから狙うようにしました。 

5分間隔のインターバル撮影を行います。 
本当は5分間隔よりも短く設定したいのですが、残念ながらカメラの仕様で撮影頻度をこれ以上は上げられません。 
池の周りに複数台のトレイルカメラを設置して微速度撮影したいところですけど、他のプロジェクトも同時並行でやっているので、1台しか使えません。

3/22 
カメラを回収しようと池に近づくと、ヤマアカガエルの鳴き声が響き渡っていました。 
しかし少し離れたところから望遠で探しても、鳴いているカエルの姿を見つけられません。
私が岸まで行くと、警戒したカエルは鳴き止んで水中に潜ってしまいます。 
今季は岸辺だけでなく、水中にも大量の卵塊が残されていました。 
池畔に黒い三脚カメラを設置したせいでヤマアカガエル♀が警戒し、浮上しなくなったのかな? 
水中で♂にしがみつかれた♀は溺死するリスクがあります。 

最初に産み付けられた卵塊aから黒いオタマジャクシ(ヤマアカガエルの幼生)が孵化していました。 
ゼラチン質の中で、まだほとんど動きません。 
日当たりの良い岸辺に産み付けられたヤマアカガエルの卵塊には緑藻が繁茂していました。 
素人の勝手な想像ですけど、卵塊が緑藻に隠れて捕食を免れるかもしれませんし、光合成により卵塊に酸素が供給されて好都合かもしれません。 

トレイルカメラのレンズおよび液晶モニターが内側から結露していて焦りました。 
防水パッキンの蓋を開けてみると、電池ボックス内にも水滴がありました。 
実は3/13にトレイルカメラを現場に持参する際にザックに入れて運んだのですが、濡れた長靴や着替えも同じザックに入れていました。 
別々の防水袋で互いに隔離していたつもりが、ザック内の湿度が上がってトレイルカメラの内部が結露してしまったようです。 
前回はカメラを池に水没してしまいましたし、踏んだり蹴ったりです。 
今回の失敗も完全に自分の落ち度なので、自分の迂闊さを呪うしかありません。 
カメラを持ち帰って蓋を全開にしたまま室内で放置したら結露が完全に蒸発してくれ、復活しました。 

気落ちしつつも、撮れた連続写真を確認すると、設置後しばらくは結露したレンズのせいでぼやけた写真しか撮れていませんでした。 
晴れた日にカメラが日差しを浴びれば自然に蒸発してくれるかな? 
ようやくレンズの曇りがなんとか晴れたのが4日後の3/17からでした。 

しかし寒の戻りで3/18の朝から雪が降り始め、池畔の枯れ草に白い雪が積もりました。 
翌日3/19は朝から晴れて、岸辺の雪がみるみる溶けていきます。 
その日の晩から蛙が繁殖行動を再開したようで、水中に少数ながらも姿を表すようになりました。 
夜になると水面に浮かぶ蛙の目が白く光って見えます。 

インターバル撮影なんて初めに設置すればカメラにお任せなのに、実際にやってみると色々と失敗続きです。
集団産卵によって岸辺の卵塊がみるみる大きくなるかと期待したのに、満足の行くタイムラプス映像を撮れませんでした。 
今季はもうヤマアカガエルの配偶行動が下火になったので、また来年まで持ち越しです。 
次にいつ再チャレンジできるか分かりませんから、失敗や改善点を忘れないように記録しておきます。
この繁殖池が開発で埋め立てられるのではないかという懸念があるのです。


2023/09/13

雪解け水の池に産卵するヤマアカガエル♀♂の群れを微速度撮影したい!【チャレンジ#1】

 

2023年3月上旬〜中旬 

早春になると、未だ雪深い里山の池でヤマアカガエル♀♂(Rana ornativentris)の群れが配偶行動および産卵のために集まります。 
毎年通って観察しているのですが、ヤマアカガエルは警戒心が強くて肝心の産卵行動が観察できません。 
そこで今季は、無人カメラを設置して撮影する作戦に切り替えました。 
両生類は変温動物ですから、いくら動き回ってもトレイルカメラのセンサーは反応してくれません。 
そこで次善の策として、インターバル撮影でヤマアカガエルの離合集散を記録することにしました。 

3/8に現場入りすると、雪や氷に閉ざされていた池aの水面が現れ、早くも岸にヤマアカガエルの卵塊が産み付けられていました。 
前回2/27に来たときは卵塊が無かったので、9日間の間(2月下旬〜3月上旬)に今季初の産卵が行われたことになります。 
2023年度 アカガエル産卵前線を参照すると、山形県の記録は登録されていませんでしたが、隣県の新潟県および宮城県とほぼ同じ時期でした。 
てっきり毎年同じ場所に産卵するかと思いきや、2021年とは少し違う地点(下の池bへ水が流れ出る地点)に卵塊が産み付けられていたのが興味深く思いました。 

既に産み付けられた第1陣の卵塊に再び♀♂が集まって追加で産卵するだろうと予想し、三脚に固定したトレイルカメラを池畔に据えました。 
真っ黒な三脚の存在を警戒してヤマアカガエルは岸辺に近寄らなくなるかな?という心配もありますが、やってみないことには分かりません。 

雨が降る日の夜に産卵が活発になると予想して、天気予報を元にして3/8にカメラを設置しました。 
5分間隔のインターバル撮影が順調にいったものの、704枚目の写真を最後に、カメラが水没してしまいました。 
3/11の深夜に突風が吹いて三脚が倒れたようです。 
フクロウなど夜行性の野鳥が三脚の上に止まったのか、あるいは池に来た夜行性の野生動物が三脚に興味を示して触れて倒れたのだとしたら面白いのですが、真相は不明です。 
転倒防止のために、水入りのペットボトルを重しとして三脚に吊るしておくべきでした。 

3/11の早朝に現場入りした私が慌ててトレイルカメラを水中から引き上げました。
トレイルカメラは防水性能が驚くほど優れていて、カメラ本体もmicroSDカードも無事でした。 
カメラの防水パッキンがとても優秀で、6時間も水没していたのに全くダメージが無くて感心しました。 
水没しても律儀に水中写真を5分間隔で撮り続けていました。

3600倍速の早回し映像を確認してみると、なかなか思ったようにはいかず、反省することばかりです。
良かった点として、旧機種でも写真の場合は、気温および月齢のデータを写真に焼き込んでくれます。 
昼間は晴れると枯れ草の影が日時計のように刻々と動きます。 
夜になって暗視モードになると、赤外線LEDの光量が強過ぎて白飛びしていました。
真上から水面を見下ろすアングルでカメラを設置したので、赤外線の反射光をレンズが直視してしまいました。 
少し斜めに見下ろすアングルに設置するべきでした。 
それから、この機種は被写体から1.5m以上離す必要があるらしい。 

5分間隔のタイムラプスではカエルの離合集散がよく分からないので、もっと間隔を縮めた方が良さそうです。 
意外にもヤマアカガエルは夜にあまり集まって来ないようです。 
やはり♀はカメラ(三脚)の存在を警戒した結果、少し別の場所で産卵したのでしょうか? 
産卵地点が予測不能だとすれば、池全体を俯瞰で見張るように、カメラを池から少し離した方が良いかもしれません。 

3/11に現場入りして調べると、池aの別な地点(例年通り)に新たな卵塊が追加で産み付けられていました。 
これで岸辺の卵塊は2ヶ所になりました。 
下の池bにもヤマアカガエルの卵塊が1個産み付けられていました。 

もう一度インターバル撮影にチャレンジしてみましょう。 
色々と試行錯誤してみるしかありません。 


2023/08/19

交通事故で死んだホンドテンの割れた頭骨をミールワームに除肉クリーニングしてもらう【50倍速映像】

 



2023年1月上旬・午後14:00頃 

ロードキル死骸のホンドテンMartes melampus melampus)を解剖したついでに頭骨標本も作りたかったのですが、走行車と正面から激しく衝突して頭蓋骨の頭頂部が骨折していたので使い物になりません。 
それでも冬の暇潰し(ブログのネタ)として、やれるところまでやってみました。 
頭骨の表面に少しへばりついている脳や筋肉組織などをきれいに取り除く必要があります。 
今回は残った組織を入れ歯洗浄剤(タンパク質分解酵素)で溶かしたりバクテリアに分解してもらうのではなく、ミールワームに食べさせることにしました。 




まずは皮を剥いで首から切り落としたホンドテンの頭部を専用の小鍋に入れて水から軽く茹でます(水煮)。 
煮汁を捨てて粗熱を冷まします。

左側面

右側面

上面。頭頂部の骨折が激しく、煮ただけで左右に割れて脳が飛び出した。

下面


ピンセットや爪楊枝などを使って頭骨からチマチマと除肉しました。 
それでもきれいに取り切れません。 

左側面

右側面

上面

下面

除肉片



ホームセンターのペットショップ・コーナーからチャイロコメノゴミムシダマシ(ミールワーム;Tenebrio molitor)幼虫を2パック買ってきました。 
容器には「10gまたは約150匹」と記載されていましたが、2パック分のミールワームを実際に数えると、計255匹でした。 
ホンドテン頭骨が収まる大きな容器にミールワームを餌のフスマごと全て移し替えました。 
下半分をカットした2Lペットボトルを飼育容器として再利用します。 
それまで水に浸しておいたホンドテン頭骨を容器に投入しました。 
乾燥しないように、飼料のフスマを被せて頭骨を埋めるべきだったかもしれません。 
(しかし、頭骨の状態が逐一見えなければ微速度撮影できません。)

5日後に微速度撮影してみました。 
50倍速の早回し映像をご覧ください。 
ミールワームの大群が蠕動徘徊するせいで、飼料や頭骨が波打つように動いています。 
残った屍肉をミールワームが食べて頭骨をきれいにクリーニングする様子を記録したかったのですが、ここで問題発生。 
どうやら撮影用の眩しい照明を嫌って(負の走光性)ミールワームがフスマの中に潜り込んでしまうようです。 
好き好んでホンドテン頭骨に殺到している様子はありません。 
それなら赤外線の暗視カメラに切り替えて暗所で微速度撮影すれば良かったのですけど、「どうせ激しく砕けた頭蓋骨だしなぁ…」とモチベーションが上がらず、ここで諦めてしまいました。 
古生物学者は細かく折れた骨からでもパズルのように丹念に組み合わせて嬉々として復元するのですから、凄いですよね。

暗所に放置して5日後の状態
頭骨を裏返した下面

一方、解剖後のホンドテン死骸の残りは人気ひとけのない野外の雪原に放置して、カラスなどのスカベンジャーに給餌することにしました。 
どんな生き物が来るのかトレイルカメラを設置して観察したかったのですが、複数のプロジェクトを同時並行でやっているためにトレイルカメラの数が足りず、泣く泣く諦めました。 
数日後に現場を再訪すると、ホンドテンの死骸は毛皮や内臓も含めてきれいさっぱり無くなっていました。

2023/05/25

タヌキの溜め糞に群がるハクサンベッコウバエ♀♂の諸活動【10倍速映像】

 

2022年10月下旬・午後14:55頃・くもり 

山林の斜面をトラバースする小径にホンドタヌキNyctereutes viverrinus)が残した溜め糞場dの横に三脚を立てて微速度撮影してみました。 
10倍速の早回し映像をご覧ください。 
10分間長撮りしてみても、つい先程獣糞に潜り込んだヨツボシモンシデムシは二度と表に現れませんでした。 
糞塊がモコモコと上下に動かなかったということは、中に糞虫は潜んでいないようです。 

下痢便状のタヌキの糞にはハクサンベッコウバエNeuroctena analis)が群がっていました。 
獣糞上で待ち伏せしていた♂が飛来した♀に飛びつき、カップルが成立しました。 
交尾は早い者勝ちのようです。 
体格は♀<♂で♂同士の熾烈な♀獲得闘争があるはずなのに、交尾が始まると横恋慕したり強奪したりすることはありませんでした。 

左上にある枯れ葉の上でもハクサンベッコウバエ♀♂が交尾しています。 
他には獣糞を吸汁したり身繕いしたりしています。 

途中から(@0:30〜)画面の右下に居座っているハクサンベッコウバエ(♂?)に注目すると、溜め糞上を徘徊する微小なクロアリ(種名不詳)を追い回しました。 
さすがに誤認求愛ではないはずですが、占有行動なのかな?

現場はスギ植林地と雑木林の境界で、かなり薄暗い林床でした。 
動画編集時に自動色調補正したら、暗い映像が劇的に改善しました。 
副作用として、ハクサンベッコウの体色が少しどぎつく強調されてしまったかもしれません。 

次に機会があれば、ハクサンベッコウの配偶行動を微速度撮影ではなくリアルタイムで動画撮影するつもりです。

2023/05/06

秋のタヌキ溜め糞に集まる虫たちの活動【10倍速映像】ベッコウバエ、ハクサンベッコウバエ、オオセンチコガネ、センチコガネなど

 

2022年10月中旬・午後12:00頃・くもり・気温17℃ 

里山のスギ林道に残された溜め糞場sを定点観察しています。 
トレイルカメラを設置して通ってくる野生動物を記録しているのですが、撮れた映像を現場でチェックしたり電池を交換したりする間に、ホンドタヌキNyctereutes viverrinus)が残した溜め糞の横に三脚を立てて微速度撮影してみました。 
10倍速の早回し映像をご覧ください。 
この日、スギの落ち葉の上に残された獣糞の量は少なく、ほぼ泥状になっていました(少量の下痢便)。 
糞内容物には植物の種子が含まれています。 

秋になると獣糞に集まるハエ類はベッコウバエ♀♂(Dryomyza formosa)がメインになりました。 
私が近づくと一斉に飛んで逃げるものの、しばらくすると溜め糞に舞い戻って来ます。 
ベッコウバエより小型のハクサンベッコウバエNeuroctena analis)も集まっていました。
ベッコウバエ類の興味深い配偶行動については、後日改めてじっくり撮影したので、別の記事にします。
キバネクロバエらしき黒っぽいハエもたまに飛来しますが、もっとズームインしないと見分けられません。 
 

 獣糞の周囲のスギの落葉や落枝が上下に細かく動いているのは、直下で糞虫が活動している証です。 
案の定、赤紫の金属光沢に輝くオオセンチコガネPhelotrupes (Chromogeotrupes) auratus auratus)と鈍い金属光沢のセンチコガネ♀♂(Phelotrupes laevistriatus)がときどき獣糞の表面に出てきます。 
 他には微小なアリ(種名不詳)の群れが獣糞の上を徘徊していました。

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