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2023/08/01

ハリギリ倒木の縦溝に卵を産み付けるミカドフキバッタ♀

 

2022年8月下旬・午後12:45頃・くもり 

里山の斜面に倒伏したまま放置されたハリギリ(別名センノキ)巨木の幹に2匹のミカドフキバッタ♀♂(別名ミヤマフキバッタ;Parapodisma mikado)が乗っています。 
よく見ると、ハリギリの樹皮に特有の縦に裂けたような深い溝に腹端の産卵管を挿し込んでいました。
1匹目♀aは、左の触角が途中から欠損している個体でした。 

 
ハリギリの大木は樹皮が苔むしているために、溝の中は適度に湿り気がありそうです。 
孵化したミカドフキバッタの幼虫は倒木の材を食べるはずがないので、すぐに自力で分散して周囲の草を適当に食べるのでしょう。 
通常フキバッタ類の♀は地中に穴を掘って産卵するぐらいですから、 母親♀は幼虫の食草・食樹に直接産卵するのではなく、とりあえず安全に孵化できそうな場所に卵を産み付けているだけなのでしょう。 


関連記事(同所で約2週間前の撮影) ▶:ハリギリ倒木の幹の縦溝に産卵するミカドフキバッタ♀の群れ


2023/02/21

草を両手で挟み込んで食べるヒロバネヒナバッタ

 

2022年9月中旬・午後13:45頃・晴れ 

里山の尾根道に残されたタヌキの溜め糞cを観察していると、ヒロバネヒナバッタStenobothrus fumatus)が来ているのを見つけました。
マクロレンズで接写してみました。 


バッタも獣糞に含まれている種子を食べるのかと思いきや、溜め糞の横に疎らに生えたイネ科の草の葉(種名不詳)を食べ始めました。 
左右の前脚の先(跗節)で草をしっかり挟み込んで食べる様子がなんとも可愛らしいですね。
腹端が見えなかったので、性別不明です。 
後膝が黒いことから、ヒナバッタは除外できます。(参考:保育社『検索入門セミ・バッタ』p120) 


関連記事(11年前の撮影)▶ ヒロバネヒナバッタ♂の鳴き声♪
 

2022/12/27

ハリギリ倒木の幹の縦溝に産卵するミカドフキバッタ♀の群れ

 

2022年8月中旬・午前9:30頃・くもり 

里山でハリギリ(別名センノキ)の巨木が冬の大雪のため山腹に倒伏しました。 
その倒木にミカドフキバッタ♀(別名ミヤマフキバッタ;Parapodisma mikado)が集まって産卵していました。 
ハリギリの樹皮に特有の深い縦溝にミカドフキバッタ♀は腹端を突き刺した状態で静止しています。 

巨大な倒木のあちこちで(見える範囲で)計3匹も産卵していたので、産卵基質としてよほど気に入ったようです。 
フキバッタ類がハリギリの葉を食べるという話は見聞きしたことがありません(幼虫の食樹ではない)。 
樹皮の縦溝の中は適度な湿り気がありますし、冬に深い雪に埋もれても卵が無事に越冬できる安全な場所なのでしょう。 
土中に産卵するよりも卵が捕食される可能性が低そうです。 
倒木ではなく生きた状態のハリギリにもフキバッタ♀が木登りして樹皮の縦溝に産卵することはあるのでしょうか? 
ネット検索すると、「枯れ木や朽ち木に産卵します」と書いてあるサイトがヒットしました。
別のサイトでは「ミカドフキバッタは隙間に産卵することが好きみたいだ。木道の隙間、タイルの隙間の土、樹木の隙間で産卵するのを見たことがある」との記述がありました。
初めて見た私はちょっと驚いたのですが、ミカドフキバッタ♀では別に珍しい産卵行動ではないようです。

関連記事(13年前の撮影@砂利道)▶ フキバッタの産卵(未遂)

後半は通常マクロモードに切り替えて接写してみました。 
産卵中の♀にレンズをそっと近づけただけで2匹は警戒し、跳んで逃げました。 
フキバッタの仲間は翅が退化していますから、成虫でも飛ぶことが出来ません。
残る1匹は産卵に没頭しており、私が指で後脚に触れても逃げませんでした。 
産卵行動にも段階がありそうです。 

3匹ともハリギリ幹の縦溝に腹端を突っ込んでいたので、その行動から♀だろうと勝手に判断しました。 
逃げた2匹はもしかすると、交尾相手の♀を待ち伏せしていた♂という可能性もありますかね? 
私には外見で性別を見分けられませんでした。 


2022/11/04

鳴きながら脱糞するヒガシキリギリス♂

 

2022年7月下旬・午前11:40頃・晴れ
前回の記事:▶ ヒガシキリギリス♂の鳴き声♪を声紋解析してみる

ヤブカンゾウの蕾に乗ってギー、チョン♪と繰り返し鳴いている ヒガシキリギリス♂(Gampsocleis mikado)の撮影を続けると、腹端の肛門がヒクヒクと動き、黒くて細長い乾いた固形糞をポロリと排泄しました。 
糞に植物の丸い種子が含まれているように見えるのですけど、どうでしょうか? 
排便中も休まずに鳴き続けています。 

せっかくなので、最後に跳んで逃げるシーンも撮影すればよかったですね。

2022/10/20

ヒガシキリギリス♂の鳴き声♪を声紋解析してみる

 

2022年7月下旬・午前11:35頃・晴れ 

線路沿いの草むらからキリギリスの鳴く声がします。 
鳴き声の主を探すと、 ススキの生い茂る草むらの中にヤブカンゾウの群落があり、天辺のつぼみヒガシキリギリス♂(Gampsocleis mikado)が乗っていました。 
鳴いているキリギリス♂を見つけたのは初めてです。 
地上からの高さは目測で110cmぐらいでした。 

翅の動きに注目すると鳴き声と一致するので、この個体の鳴き声で間違いありません。 
ときどきチョン♪と鋭く鳴くときの翅の動きが顕著です。 
近くにいるらしい別個体♂と交互に鳴き交わしているようです。 
鳴き続けるのも激しい運動なのか、腹部を伸縮させて腹式呼吸しています。
近くの車道をひっきり無しに通る車の走行音がうるさいのに、キリギリス♂は周囲の雑音に負けじと平気で鳴いています。 
気温を測り忘れました。
・オスは前翅に発音器をもち、 
・成虫は夏に現れ、草むらなどに生息して他の昆虫などを捕えて食べる。鳴き声は「ギー!」と「チョン!」の組み合わせで、普通は「ギー!」の連続の合間に「チョン!」が入る。(wikipedia:キリギリスより引用)

自然の観察事典40『鳴く虫観察事典』によると、  
♂のキリギリスの前羽を調べてみると、羽のつけ根の部分だけが、背なかの上で重なりあうようになっています。この部分の左前羽の裏側には、太い翅脈に小さな歯がならんだヤスリがあります。そして右前羽の表側には、羽のふちの近くにまさつ片とよばれるかたい突起があります。キリギリスが羽をふるわせるたびに、重なりあった羽の部分で、まさつ片がヤスリをこすり、音を発生させます。発生したこの音を、膜状の発音鏡でさらに大きくして、キリギリスは、野原に大きな声を響かせるのです。(中略) 超音波をふくむ高い音波は、葉や枝に反射して遠くまでとどきません。そのため、キリギリスの♂たちは、繁った葉がじゃまにならないように、高い茎や枝にのぼって鳴きます。(p5より引用)


ヒガシキリギリス♂の鳴き声を声紋解析してみる 

いつものようにオリジナルの動画ファイルから音声をWAVファイルとして抽出し、なるべくノイズの少ない部分※を適当に切り出してからスペクトログラムを描いてみました。 
「チョン、ギー♪」から始まり、後半はなぜかチョン♪が省略されています。 
鳥の囀りさえずりとはまるで異なり、声紋にきれいな倍音構造は認められません。 
(※ 車の往来が途切れたときでも、風切り音が混じったり、歩行者の足音が聞こえたり、近くの町工場から出るノイズが混入したりしています。) 
音質にこだわるのなら、採集して飼育下で静かな深夜に録音するしかなさそうです。
つづく→ 鳴きながら脱糞するヒガシキリギリス♂


以下の写真では、発音器の前翅を激しく動かしている写真をあえて選んで掲載します。

2022/01/18

タヌキの溜め糞に含まれる未消化の種子を食べるモリオカメコオロギ♂

 

2021年10月下旬・午後12:30頃・くもり
関連記事(52日前の撮影)▶ 山道の溜め糞を匂っただけで通り過ぎるホンドタヌキ【トレイルカメラ:暗視映像】

里山の尾根道に残されたホンドタヌキNyctereutes viverrinus)の溜め糞cで久しぶりに新鮮な糞が追加されていました(標高約520m地点)。 
未消化の種子が多数含まれています。 
個々の溜め糞を長期間定点観察してみると、季節消長というか栄枯盛衰があり、使われなくなる時期があったり復活したりすると分かりました。 
おそらく当地のタヌキは生息密度が低く、利用できる餌資源の季節消長に応じてタヌキの活動域が変化するのだろう、と推測しています。 

この日は常連客のベッコウバエの他に、意外な珍客も溜め糞に来ていました。 
糞食性のコオロギがいるとは知らなかったので、驚きました。 
まず、産卵管が無いので♂と分かります。 
胸背や前翅が白っぽく、左右の複眼を結ぶ頭頂部の白線が目立ちます。 
図鑑で調べてみるとモリオカメコオロギ♂(Loxoblemmus sylvestris)と判明。 
左の触角が根元から欠損した個体でした。 

糞の中にゴロゴロと含まれる未消化の種子よりもコオロギの頭部は小さいので、種子をかじってもツルツル滑って歯が立ちません。 
種子食と呼ぶのは不正確かもしれません。 
種子の表面に付着した糞を舐めていると言うべき? 
あるいは小さな種子を食べているのでしょうか? 
近縁種ハラオカメコオロギで食性を調べると、
昼間、草の根際に潜み、夜になると出歩いて餌を探す。雑食性で、植物の実や葉、小動物の死骸などを食べる。wikipedia:ハラオカメコオロギより引用)

飼育下でモリオカメコオロギ♂の鳴き声を聞いたり糞食性を調べるために、採集して持ち帰りたかったのですが、この日はあいにく採集容器や袋を何も持ち合わせていませんでした。
▼関連記事(9年前の撮影:飼育個体) 
ハラオカメコオロギ♂:鳴き声♪の声紋解析
コオロギの他には白いウジ虫(ハエの幼虫)や小型のハネカクシ類、アカアリ(種名不詳)が溜め糞の上を徘徊していました。 

雑食性のタヌキは果物(液果)を食べた後に移動し、縄張り内の溜め糞に排泄することによって植物の種子散布に協力しています。 
そんな教科書的な話には続きがあって、未消化の種子を食べようと様々な生き物がタヌキの溜め糞にやって来るというのは面白いですね。 
この場合、モリオカメコオロギ♂は植物にとって種子捕食者になります。
溜め糞をめぐる生態系の奥深さをまた1つ実感しました。

タヌキの糞には色とりどりの種子が消化されないまま含まれているので、これを本格的に調べてみるのも楽しそうです。(溜め糞調査の王道) 
この尾根道沿いにはあちこちでコブシが赤い実をつけていて、落果も見つけました。 
タヌキが通りすがりにコブシの果実(落果)を食べていても不思議ではありませんが、独特の形状をしたコブシの種子は糞に含まれていないようです。(パッと見の印象) 
あるいはホオノキの種子かも? 
黒くて小さい種子はアケビかな?と想像するものの、ちゃんと調べていません。 
タヌキが現場の尾根道(標高520m地点)から里の畑まで降りて採食するとすれば、スイカや柿の種が糞に含まれているかもしれません。

2021/12/10

虫カビ(ボーベリア)に感染して死んだフキバッタ

 

2021年9月上旬・午前11:45頃・くもり 

里山の尾根道で丈の低い笹の茎にフキバッタの一種がしがみついたまま斃死していました。
黒変した体の節々(関節)から昆虫病原糸状菌の白い菌糸が吹き出していました。 
おそらくボーベリアBeauveria bassiana)の仲間が感染して死んだと思われます。 

この日は途中の山道でもあちこちで同様の斃死体を目撃しています。 
いつか微速度撮影でバッタの感染個体が植物をよじ登って死んでボーベリアの白い菌糸が湧き出る様子を記録してみたいものです。

2021/11/28

スギの樹皮の裏側に群生するマダラカマドウマ

 

2021年8月下旬・午後13:40頃・晴れ 

山道沿いに聳え立つスギ(杉)大木の樹皮が下から剥がれかけて隙間ができていました。 
その樹皮を私が何気なく下からベリベリと剥がしてみると、裏側に大量のマダラカマドウマDiestrammena japanica)が潜んでいました。 
(樹皮を剥がすシーンから動画を撮り直すべきでしたね。) 
マダラカマドウマは日光を嫌って樹皮の下に潜り込もうとするものの、パニックになって走り回る個体は意外と少なく、ほとんどの個体はその場で呆然と(?)じっとしていました。 
大小いろいろの群れで、幼虫から成虫まで様々なステージが勢揃いしているようです。 
大型で腹端に産卵管をもつ個体が♀成虫、無ければ♂成虫です。 

樹皮を剥いだ後の幹には茶色の樹脂が点々と滲んでいたり、垂れたりしていました。 
マダラカマドウマは雑木林の樹液酒場に来ることもあります。
しかし、まさか針葉樹スギの樹液を舐めていたとは考えにくいです。 
夜行性のマダラカマドウマが昼間、樹皮の裏側に隠れていただけだと思います。
(マダラカマドウマは)林床にすみ、昼間は樹洞や洞穴などに入って集団になることが多い。(中略)夏〜秋に成虫。(『バッタ・コオロギ・キリギリス生態図鑑』p52より引用)
跳んで逃げる瞬間を1/5倍速のスローモーションでリプレイ。 
最後は剥がれかけの樹皮を戻してやりました。(私が手を離すと樹皮自体の弾性で自然に元の状態に戻りました。)

カマドウマがどうして世間で不快害虫として嫌われているのか、私には全く理解できません。
虫好きの強がりでも何でもなく、無害でひたすら美しい造形だとおもうのですけど…。
いつかカマドウマを飼育してみたいものです。
跳躍力が強いので、かなり大きな容器が必要になりそうです。


【追記】
インターネット上で本種の学名の種小名に表記の揺れがあるようです。
『バッタ・コオロギ・キリギリス生態図鑑』を信用する限り、Diestrammena japonicaではなくD. japanicaだと思います。
日本大百科事典ではjaponicaとなっていて困ります。
wikipedia英語版でもjapanica表記になっています。


♀成虫
♂成虫

2021/11/23

モリズミウマ♂?の跳躍【HD動画&ハイスピード動画】

 

2021年8月下旬・午後15:50頃・晴れ 

里山で砂利が敷かれた山道を下山中にカマドウマの仲間を見つけました(標高約540m地点)。
草が疎らに生えた砂利道を徘徊しています。 
産卵管が無いので♂ですね。 
カマドウマ類は成虫になっても翅が無く、移動手段は専らジャンプするだけです。 
(モリズミウマは)前胸には強い光沢がある点で一見コノシタウマに似ているが、後肢脛節の背面に並ぶ刺はすべてほぼ同じ大きさであることが区別点。(中略)山地の林床に普通。(p56より引用)
(コノシタウマは)胸部には強い光沢があり、一見モリズミウマに似ている。後脛節の背面の棘列は、4〜5本の短い棘列と1本の長い刺の繰り返しのパターンとなるのが特徴。(中略)冷涼な落葉広葉樹林の林床にすむ。(同書p61より引用)
しっかり同定するために採集すべきでしたが、疲れていた私は追いかけて捕獲する余力がありませんでした。  
関連記事(10年前の撮影)▶ コノシタウマ♂の雪面徘徊
スナップショットの後脚部分を拡大してみると、どうやら今回の個体はモリズミウマDiestrammena tsushimensis)のようです。 

長い触角で辺りを探っています。 
私が指で軽く触れようとすると、右に跳んで逃げました。 
跳躍シーンをまずは1/5倍速のスローモーションでご覧ください。 
直後に等倍速でリプレイ。 
私が手前の草をうっかり弾いてしまい、それに驚いて逃げたことが分かりました。 
モリズミウマ♂をしつこく追いかけると、今度は近づいただけで前方へ跳んで逃げました。 
最後にモリズミウマ♂のジャンプを240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@1:41〜) 
フェイントをかけるようにビクッと横に身をすくめてから横っ跳びに逃げました。

2021/09/07

路上でコオロギ?を捕食するスズメ(野鳥)

 

2021年6月下旬・午後17:20頃・くもり 

夕方の路上にスズメPasser montanus)が舞い降りた時にたまたま私が通りかかると、慌てて横の電柱支線に避難しました。 
路上に戻りたそうな素振りをしているので、私は一旦通り過ぎて少し離れたところから見守ることにしました。 
すると予想通り、スズメは路上で何か虫を捕食しました。 
忙しない早食いを1/5倍速のスローモーションでリプレイしてみると、獲物は道端の草むらから跳び出してきたコオロギかヒメギスの仲間ではないかと思います。 
スズメは獲物をその場でガツガツと全て食べてしまったので、雛や幼鳥への給餌用ではありません。

2021/03/06

歩道・車道でバッタなどの虫を捕食し脱糞するハシボソガラス(野鳥)

 

2020年10月下旬・午後13:25頃・晴れ 

大通りの歩道を1羽のハシボソガラスCorvus corone)がトコトコ歩いて餌を探し回っていました。 
車道の路肩に何か落とし物を見つけたカラスが、それを調べに行きました。(@0:56) 
クルミの割れた殻が半分だけ転がっていたのです。 
それをハシボソガラスは嘴でひっくり返して調べたものの、殻の中には食べられる実が入っていなかったようで、拾わずに立ち去りました。 

車が来ない時を見計らい、車道にも出て行って餌を探しています。 
再び歩道に戻ると、何か小さな虫(甲虫?)をつまみ上げて捕食しました。(@1:33) 

歩道を歩いていたカラスが急に空を見上げ、横っ飛びに車道へ飛び出しました。(@1:51) 飛んで逃げる昆虫を追いかけて、細長い虫(おそらくバッタ?)をその場で捕食しました。
画面の左側は空き地や家庭菜園になっているので、そこに生息するバッタが歩道に出てきていたのでしょう。 

カラスは小走りで歩道に戻ると縁石に乗り、黒い固形糞をポタリと排泄しました。(@2:58) 
よく見かける白い尿酸混じりの糞(実は尿)ではなく固形糞の排泄シーンをカラスで見たのは初めてかもしれません。

最後に飛び立つと、奥の空き店舗の駐車場に着陸しました。 

捕食および排泄シーンを1/5倍速のスローモーションでリプレイ。

 

2020/09/26

カワラスズ♀の身繕い



2020年7月中旬・午後15:35頃・くもり

河川敷の舗装路で小さなコオロギのような見慣れない虫を見つけました。
マクロレンズを装着して接写してみると、カワラスズ♀(Dianemobius furumagiensis)という初物でした。
短翅なのは未だ幼虫だから?と思ったりしたのですが、腹端に赤褐色の産卵管が真っ直ぐに伸びているので♀成虫ですね。

水たまりの横の濡れた路面で立ち止まり、身繕いを始めました。
左の触角を口で掃除したり、右前脚で顔を拭ったりしています。
跳躍シーンを撮りたかったのに、私がちょっと目を離した隙にカワラスズ♀は草むらに逃げ込んでしまいました。


『バッタ・コオロギ・キリギリス生態図鑑』でカワラスズを調べると

マダラスズに似るが、やや大きく、翅の基部が白い。(中略)礫の積み重なったところにすみ、河川の中流の河原や鉄道の線路敷石の間にいる。チリチリチリ…と鳴く。秋に成虫。本州、四国、九州に分布する。(p293より引用)

この時期に成虫が見られるのは早いのでしょうか?
中流域に生息するとのことですが、撮影現場は確かに上流が中流に移行する場所です。
これまで川沿いで出会った様々な昆虫や水鳥の生息状況を総合的に思い返してみても、確かに上流域を好む種類と中流域を好む種類の両方が見られます。




2020/09/04

ノイバラの花粉を食べるヤブキリ?幼虫



2020年6月上旬・午前11:00頃・晴れ

農道の横に咲いたノイバラの群落でヤブキリTettigonia orientalis)らしき幼虫が訪花していました。
側面から見ると、胸部に短い翅芽が見えます。
雄しべの葯を夢中になって食べていました。

少し高い枝に居るので、背側の識別点をしっかり撮れませんでした。
こういうときこそ、カメラの液晶画面(バックモニター)がバリアングルだと腕を挙げて上から撮れるので便利です。
しかし、愛機LUMIXをFZ300からFZ85に買い替えたら、バリアングルモニターが廃止されてしまいました。(安直なコストカット)
この点は本当に改悪で使いにくくなったので、メーカーのパナソニックに強く抗議したいところです。




2020/02/10

クルマバッタモドキが♀1♂2で交尾【HD動画&ハイスピード動画】



2019年9月中旬・午後13:55頃

川沿いの堤防上の舗装路で3匹のクルマバッタモドキOedaleus infernalis)が身を寄せ合っていました。
すぐ横が河原の草むらになっています。

私が近寄っても3匹は全く動きません。
中央の大型の個体が♀で、その両側に♂が並んでいます。
腹端の交尾器が翅に隠れてよく見えないのですが、どうやら左側の♂Lと♀が交尾中でした。
クルマバッタモドキの交尾シーンは初見です。
それにしても、♀をめぐって2匹の♂同士が争わないのが不思議です。
もしクルマバッタモドキ♀が複数回交尾するとしたら、♂Rは順番待ちしているのでしょうか?
隙を見て♀と交尾するスニーカー戦略なのかな?
バッタの交尾は♂が♀の背中にマウントして行なうと思ったのですが、どうしてこの♀♂Lペアは横に寄り添っているのでしょう?



▼関連記事
コバネイナゴの交尾
褐色型トノサマバッタ♂♀の交尾

お邪魔虫♂Rが登場したせいで変則的な体位になったのでしょうか?


(クルマバッタモドキの)オスはメスを見つけるとすぐには背に乗らず、まずメスの機嫌を伺うようにしながら前羽を後ろ足でこすり発音し、メスがそのまま逃げなければ背に飛び乗ることが出来る。交尾する気がないメスは飛んでオスから逃げてしまう。背に乗ってからもしばらくはメスの機嫌を伺い続け、メスに気に入ってもらえた時点でやっと交尾が成立する。オスは腹部をS字状に曲げてメスの腹の先を掴み、交尾が行われる。 (wikipediaより引用)

この3匹を後方から観察すると、ちょっと面白い行動が見られました。
♂が♀に近い側の後脚を動かして発音しているようなのですが、風切り音のせいで私には鳴き声が聞き取れませんでした。
♀への求愛なのか、それともライバル♂への牽制なのかな?
♂Lは左後脚を欠損しているので、解釈に注意が必要です。

私が右足の靴をそっと近づけると、右側の♂Rが真っ先に逃げ出しました。
触っていないのに警戒し、跳んで逃げました。
その瞬間を240-fpsのハイスピード動画で撮ってみました。(@1:23〜1:57)
一方、交尾中の♀♂Lカップルは靴で軽く触れても無反応でした。
更に指で♂Lに触れて♀♂逆向きにしても逃げませんでした。
しつこく触れると、ようやく跳んで逃げました。
1/5倍速のスローモーションでリプレイしてみると、触れられた♂Lが先に跳んで逃げ、続いて♀も跳びました。

時間に余裕があれば♀♂カップルの邪魔せずに交尾を最後まで見届けたかったのですが、先を急ぐ別の用事があったので、雑な撮影になってしまいました。
色々と手出しをしたのは、現場では日差しが強くて影になってしまう上に、長い翅に隠れて交尾器の結合の有無が最後までよく分からなかったからです。


クルマバッタモドキ♀1♂2背側@路上+交尾
クルマバッタモドキ♀1♂2側面@路上+交尾
クルマバッタモドキ♀♂背側@路上+交尾


2020/01/18

跳んで羽ばたくショウリョウバッタ♀【ハイスピード動画】



2019年8月下旬・午後15:30頃


▼前回の記事
舗装路で産卵を試みるショウリョウバッタ♀

ショウリョウバッタ♀(Acrida cinerea)が舗装路で産卵していることに気づかなかった私は、跳んで逃げるシーンを240-fpsのハイスピード動画で撮ってみました。
三脚に固定したカメラで狙いを付けてから私が歩み寄ると、ショウリョウバッタ♀はまず後脚を引き寄せて跳躍の準備体勢になりました。(逃げる気満々)
更に私が近づくと、長い後脚で力強く地面を蹴ってから翅を広げて羽ばたきながら飛び去りました。
ちなみに♂のショウリョウバッタは飛びながら「チキチキチ……♪」と発音することが知られています。
♀は鳴かないのですが、どのみちハイスピード動画では残念ながら録音されません。
仮に鳴いたとしても、おそらく近くを流れる川の水音で掻き消されてしまったでしょう。

舗装路の横の芝生に着陸したので、もう一度撮影を繰り返します。
画面の中央に居るショウリョウバッタ♀が視聴者の皆さんには見えますか?
緑色型のショウリョウバッタ♀は周囲の芝生に完全に溶け込んでいます。(見事な保護色)
バッタの背後から右手を差し出すと、警戒して飛んで逃げました。

後半は逃避行動を更に1/5倍速のスローモーションでリプレイ。(実際の動きに対して1/40倍速のスローモーション)


▼関連記事(3年前の撮影:褐色型♀)
ショウリョウバッタ♀の跳躍と飛翔【ハイスピード動画】


【追記】
内田正吉『減るバッタ増えるバッタ―環境の変化とバッタ相の変遷』という本を読みました。
筆者は生物地理学(動物地理学)や生態地理学の観点から調査し、それをまとめた本なのですが、私の琴線に触れたのは、「ショウリョウバッタはなぜハの字型なのか?」という余談です。
日本産バッタの大部分の種は、静止している時には、後脚は腹部に密着するようにしている。ところが例外的に、静止しているときにも後脚を腹部から離しているバッタがいる。(中略)それは、ごく普通に見られるショウリョウバッタである。(p66より引用)
ショウリョウバッタモドキが静止している時は、常に後脚を腹部に接している。一方、ショウリョウバッタは後脚を腹部に接することはなく、「ハの字型」をしている。(p68より引用)
そして筆者は次のような仮説を提示しています。
ショウリョウバッタの成虫、特に♀の成虫は、高茎のイネ科植物の葉を食べる修正がある。(中略)ショウリョウバッタは、イナゴのように直立している茎につかまることはできない。また、ショウリョウバッタは、特に♀では体が大きいので植物上に乗るのは工夫が必要だ。そこで、脚を四方に広げることで、重たい体重を少しでも分散させ、下に落下する危険性を少なくしているのではないだろうか? (p71-72より引用) 


確かに言われてみれば、ショウリョウバッタの後脚はガニ股でハの字型に開いていました。
こういう素朴な疑問をエボデボで真面目に研究してみると面白いかもしれません。
発音行動や求愛、交尾の際に後脚がガニ股でないと困る、という別の可能性も考えられます。



2020/01/05

舗装路で産卵を試みるショウリョウバッタ♀



2019年8月下旬・午後15:30頃

河川敷の舗装路でショウリョウバッタ♀(Acrida cinerea)がじっと静止していました。
やがて警戒を解くと、手前に引き寄せていた後脚を戻しました。

ただの休息かと思いきや、腹端を路上に接地しています。
後脚も広げて6本脚でしっかり踏ん張ると、舗装されたアスファルトを腹端で掘ろうとしていました。
舗装路のすぐ横には芝生の地面が広がっているのに、なぜわざわざ硬いアスファルトで産卵を試みるのでしょう?
砂利道だと誤認しているのかもしれません。
路上を徘徊していた微小なアリ(種名不詳)が足先や産卵管に触れると、ショウリョウバッタ♀は慌てて体の向きを変えました。

▼関連記事(8年前の撮影)
舗装路で産卵を試みるヒガシキリギリス♀

つづく→跳んで羽ばたくショウリョウバッタ♀【ハイスピード動画】


ショウリョウバッタ♀@舗装路+産卵前試掘

2019/12/18

網にかかったショウリョウバッタ♂を捕帯で絡め取るナガコガネグモ♀(蜘蛛)



2019年8月中旬・午後13:18〜13:24

河川敷に植栽されたマサキの生垣にナガコガネグモ♀(Argiope bruennichi)が垂直円網を張って獲物を待ち伏せしていました。
下向きに占座したこしきまでの高さは地上から約70cm。
縦一直線の隠れ帯が目立ちます。

まずは、ちょっとした実験をしてみました。
キカラスウリの未熟な青い実をクモの円網に投げつけてみたのですが、異物を網から取り外して捨てる行動は見られませんでした。
意外にもクモは全く無反応で、カラスウリの実は網から自然に落ちました。
円網の左側が少し破損したのは、このためです。
(映像はここから。)

たまたま近くの草むらを跳びはねていたショウリョウバッタ♂(Acrida cinerea)を捕獲できたので、生き餌としてクモに与えてみることにします。
生きたショウリョウバッタ♂を網に投げつけると、こしきの右上に付着しました。
今度は直ちに反応して、ナガコガネグモ♀は獲物に駆け付けました。
強力な後脚で跳ねる動きで網から逃げようと暴れる獲物をクモは捕帯と呼ばれる粘着力の強い帯状の糸で簀巻にしました。
捕帯の消費量をなるべく最小限に留めたいのか(節約志向)、獲物がおとなしくなるとラッピング行動も中断しました。
脚に次の捕帯を構えた状態で獲物の様子を窺っています。
ラッピング中に獲物に噛み付いて毒液を注入したかどうか、よく分かりませんでした。
ショウリョウバッタ♂がおとなしくなったのは、ただの擬死(死んだふり)かもしれません。
クモはラッピングした獲物を網に放置したまま甑に戻り、下向きに占座しました。
すぐ食べないということは、満腹状態なのでしょう。

動かなくなった獲物を草の茎でつついて振動を与えてみましょう。
獲物が息を吹き返して暴れ始めたと勘違いしたクモが直ちに反応し、捕帯ラッピングを追加し始めました。
するとショウリョウバッタ♂が本当に息を吹き返し(擬死が解けた?)、後脚で力強く跳ねる動きを繰り返して網から逃がれようと必死に暴れます。
ナガコガネグモ♀は獲物の包みをくるくると回しながら大量の捕帯で念入りにラッピングし、簀巻にしてしまいました。
これでもうショウリョウバッタ♂は逃げられません。
獲物の首元に噛み付いて毒液を注入したようです。
ラッピングが完了した獲物を今度も網に張り付けたままクモは甑に戻りました。
ラッピング行動によって、垂直円網の右側も大きく破損してしまいました。

捕帯で包まれ毒液を注入されてもショウリョウバッタ♂は未だ生きていて、後脚で力強く跳ねる動きを繰り返しています。
クモは後でお腹が空いたらゆっくり捕食するつもりなのでしょう。


ナガコガネグモ♀(蜘蛛)@垂直円網
ナガコガネグモ♀(蜘蛛)@垂直円網
ナガコガネグモ♀(蜘蛛)@垂直円網・全景
ナガコガネグモ♀(蜘蛛)@垂直円網・全景

ナガコガネグモ♀(蜘蛛)@垂直円網+ショウリョウバッタ♂:捕帯ラッピング後
ショウリョウバッタ♂@ナガコガネグモ♀(蜘蛛)垂直円網+捕帯ラッピング後
ナガコガネグモ♀(蜘蛛)@垂直円網+ショウリョウバッタ♂給餌+再捕帯ラッピング後
ナガコガネグモ♀(蜘蛛)@垂直円網+ショウリョウバッタ♂給餌+再捕帯ラッピング後・全景
ショウリョウバッタ♂@ナガコガネグモ♀(蜘蛛)垂直円網+再捕帯ラッピング後

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