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2023/08/20

跳んで逃げるオオカマキリの幼虫

 

2022年7月下旬・午後12:45頃・晴れ 

低山の細い山道を登っていると、ススキの葉の上にオオカマキリTenodera sinensis)の幼虫が乗っていました。 
左右の鎌を揃えて前に構え、獲物を待ち伏せしているようです。 
武器となる鎌をときどき口で舐め、手入れを怠りません。

横を向いたオオカマキリ幼虫の目線の先を追うと、左隣のススキの葉にいつの間にかトンボが止まっていました。 
アキアカネSympetrum frequens)の未熟♀のようです。 
急に飛び立つと、すぐにまた同じススキの葉に舞い戻りました。 
1/5倍速のスローモーションでリプレイしてみると、アキアカネ♀は急に上空を見上げてから飛び立っていました。 
上空を飛来した昆虫を狩ろうと緊急発進したようです。 
しかし、着陸したアキアカネ♀は口に獲物を咥えておらず、狩りは失敗だったようです。 
オオカマキリの幼虫はトンボが離着陸する動きに無反応でした。 
獲物としては大き過ぎますし、遠くて鎌が届く射程距離ではありません。 

私がカメラをマクロモードに切り替えてレンズを近づけると、オオカマキリ幼虫は慌ててススキの葉を伝って逃げ、隣の葉へピョンと跳び移りました。 
ススキの葉身をどんどん登り、逃げる場所がなくなりました。 
指でそっと腹端に触れると、驚いたオオカマキリ幼虫は躊躇なく地面に跳び下りました。 
1/5倍速のスローモーションでリプレイ。 
カマキリの成虫ならジャンプしながら羽ばたいて、遠くまで飛び去ることが可能です。 
不完全変態のカマキリ幼虫は成虫に体型がそっくりでも翅が未だありません(無翅)。 
カマキリの幼虫は体重が軽いので、高所から落ちても平気です(体にダメージが無い)。 
地上で見失ってしまい、カマキリ幼虫の逃避行動は成功です。 

関連記事(13年前の撮影)▶ オオカマキリ幼虫

2023/08/06

山中の池でトレイルカメラが捉えたオニヤンマ♀の産卵(その2)

 


2022年8月上旬・午後13:40頃・晴れ 

里山で湧水が溜まった泉を自動センサーカメラで見張っていると、オニヤンマ♀(Anotogaster sieboldii)が単独で飛来しました。 
日陰になっている左岸でホバリング(停空飛翔)しながら、岸辺の浅瀬に腹端をチョンチョンと付けて産卵しています。 
池の浅瀬に沿って移動しながらあちこちで産卵を繰り返し、飛び去りました。 
オニヤンマ♀の産卵行動を1/3倍速のスローモーションでリプレイ。(@0:22~) 

この時期はずっとオニヤンマ♂がこの水場で縄張りを張って交尾相手の♀を待ち伏せしていたのに、♂の留守中を狙ったかのように♀が産卵に来たことになります。 
これは前回も同じでした。 


交尾済みのオニヤンマ♀は♂のしつこいセクハラで産卵行動が邪魔されるのが嫌で、意図的に♂を避けているのかもしれません。 
それとも監視カメラに写っていないだけで、実は首尾よく交尾できた♂が近くで♀の産卵を見守っているのでしょうか? 

水場に飛来したオニヤンマ♀を♂が捕捉して交尾に至る瞬間をトレイルカメラで記録するのは、よほどの幸運に恵まれないと難しそうです。 


※ 癖のある旧機種のトレイルカメラを騙し騙し使い続けています。 
明るい昼間の動画撮影に難があり、なぜか画面全体がピンク色に点滅するのです。 
あまりにも不自然で見づらいので、動画編集時に自動色調補正を施してモノクロに加工しました。


2023/06/27

山中の水路に沿って縄張りを張りパトロールするオニヤンマ♂

 

2022年8月上旬・午後15:00頃・晴れ 

湧き水が流れ出る山中の泉が、渓流の源流となっています。 
山道を横切る細い水路の上をオニヤンマ♂(Anotogaster sieboldii)が低くホバリング(停空飛行)しながらゆっくりパトロールしていました。 
この水路に沿って縄張りを張り、産卵に来る♀を待ち伏せしているのでしょう。 
水場(池)へ行くかと思いきや、逆に細い沢が流れ下る斜面の方へ飛び去ってしまい、見失いました。 



2023/06/22

溜池で単独打水産卵するシオカラトンボ♀?

 



2022年8月上旬・午前10:30頃・晴れ  

大雨が降った後で満水になった溜池でカワウPhalacrocorax carbo hanedae)を撮影していると、右から白っぽいトンボが飛来しました。 
水面スレスレの低空飛行でやって来たトンボが水面に浮く草に腹端をチョンと付けて飛び去りました。 
産卵行動のようです。 
すぐにまた戻って来て、同様の産卵をあちこちで繰り返します。 
水面そのものではなく、水面に浮く植物に狙いをつけて卵を産み付けていることから、正確には単独打水産卵とは呼べなさそうです。  

このトンボ♀の名前は何でしょう?
やや遠くてしっかり見えなかったのですが、腹部が白いトンボと言えばシオカラトンボOrthetrum albistylum speciosum)ですかね? 
しかし、シオカラトンボ♀の腹部は茶色い麦わら模様のはずです。 
 図鑑『日本のトンボ』でシオカラトンボの産卵様式について調べると、一応合致します。

・♀は単独で、腹端で水をかき、卵とともに前方に飛ばす。♂はその間、付近を飛んで警護することが多い。 
・時おり♂型の♀が出現する。通常の♀も老熟すると薄く白粉を吹くが、それとはまったく異質のもの。 (p471より引用)

我田引水ですが、今回の産卵個体は♂型の腹部全体が白いシオカラトンボ♀だとすれば説明できそうです。 
ただし、産卵する♀の周囲で警護する♂の姿は見当たりませんでした。

池の水面をのんびり遊泳するカワウは、単独打水産卵するトンボには目もくれませんでした。 
魚食性のカワウがトンボを獲物として認識しないのは、当然でしょう。 

2022/11/14

山中の池でトレイルカメラが捉えたオニヤンマ♀の産卵

 

2022年7月下旬・午後14:35頃・晴れ
前回の記事:▶ 山中の池でトレイルカメラが捉えたオニヤンマ♂の縄張り巡回飛翔

山中の泉をトレイルカメラ(無人センサーカメラ)で監視していると、オニヤンマAnotogaster sieboldii)が飛来しました。 
池の上空を低く飛んでから、池の奥の端でホバリングしながら腹端を水面にチョンチョンと2回ひたしました。 
てっきりいつもの♂による縄張り占有飛翔かと思いきや、今回は♀の単独打泥産卵でした。
その後は奥に見える林道を左へ飛び去りました。 

オニヤンマ♀が産卵した地点は、湧き水が溜まった池から流れ出る水路になっています(沢の源流)。 
その浅い水底に卵を産み付けたようです。
▼関連記事(11、13年前の撮影) 
オニヤンマ♀の挿泥飛翔産卵 
オニヤンマ♀の連続打水産卵
せっかくオニヤンマ♀が珍しく水場に飛来したのに、いつもは縄張りをパトロールしている♂が肝心なときに不在でした。 
オニヤンマ♂が♀に飛びかかって交尾を始める決定的瞬間が撮れるチャンスだったのに、残念です。 
オニヤンマ♀♂は交尾後に尾繋がりにならない(連結飛翔しない)ので、♀は単独で産卵しないといけません。 
そのとき♂に見つかると再び交尾を迫られて、貴重な産卵時間を無駄にしてしまいます。 
しつこい♂のハラスメントを回避するために、オニヤンマ♀は♂が居ない隙を狙って素早く産卵するようになったのでしょう。



2022/11/05

山中の池でトレイルカメラが捉えたオニヤンマ♂の縄張り巡回飛翔

 

2022年7月下旬 

山中の泉をトレイルカメラ(自動撮影カメラ)で監視していると、日中に飛び回る大型のトンボが頻繁に写るようになりました。 
トレイルカメラの映像だけではトンボの種類を見分けられませんが、後日現場入りしたときに改めて自分でも動画を撮り、オニヤンマ♂(Anotogaster sieboldii)と判明しました。(映像公開予定) 
昆虫は変温動物なので、トンボが横切ってもトレイルカメラのセンサーは反応しないはずなのに、不思議です。 
野鳥など昼行性の恒温動物が飛来したついでに、たまたまオニヤンマ♂が写った訳ではありません。 
もしかすると、巡回飛翔を長時間続けるオニヤンマの飛翔筋は激しい運動で発熱しているのでしょうか? 
サーモグラフィカメラで撮影してみたいのですが、高嶺の花です。 
一方、水場の水面を遊泳するアメンボにはトレイルカメラのセンサーが反応することはありません。 
アメンボは小さいですし、代謝も低くて体温が気温以上に上がらないからでしょう。 


シーン1:7/26 
トレイルカメラが癖のある古い機種なので、昼間の映像は設置直後しか総天然色で記録されません。 
オニヤンマ♂は池から流れ出る水路の上空でホバリング(停空飛翔)してから林道の方へ飛び去りました。 
しばらくすると戻って来て、池の上空を往復します。 
オニヤンマ♂は朝から夕方までひたすら縄張り巡回を繰り返しています。 
産卵のために水場に飛来する♀を待ち伏せして、交尾するのが♂の目的です。 

池から流れ出た湧き水は、奥にある林道を横切って斜面を下り、沢になります。 
オニヤンマ♂はその水路を辿って往復巡回飛翔しているようです。 
そのコースだけでなく、水場の奥を通る林道に沿って左右に往復することもあります。 

シーン2:7/28 (@0:31〜) 

シーン3:7/29 (@0:47〜) 
オニヤンマ♂が疲れて休む際には、水面の落枝には止まらず、必ず池畔の灌木から水面に張り出した枝にぶら下がります。 
どうやらお気に入りの止まり木が何箇所かあるようです。 
止まり木にぶら下がって長時間休んでいるシーンは退屈なので、10倍速の早回し映像に加工しました。 

小雨が降り始めると、池の上を飛んで奥の林道の右奥に姿を消し、しばらく戻って来ませんでした。 どこかで雨宿りしているのでしょうか。 
戻って来たオニヤンマ♂が池をパトロールしてから、いつもの右岸の止まり木にぶら下がりました。 
小雨が降り続いています。 


シーン4:7/30 (@2:57〜) 
前日と同じ縄張り占有行動を繰り返しています。 

空腹になると池の上を飛び、空中で獲物を狩って捕食してるのかもしれませんが、狩りのシーンは一度も撮れていません。 
止まり木で休憩中に落ち葉がヒラヒラと舞い落ちると、反応して飛び立ちました。 
右岸の灌木に一瞬だけ着陸してすぐにまた離陸したのは、枯葉を獲物と誤認して狩ろうとしたのかな? 


同一個体の♂が水場を中心とした縄張りを占有していると思われます。 
しかし♂同士の縄張り争いは一度も撮れていません。 


雨が本降りになるとパトロール飛翔を止めて雨宿りしているようです。 
雨上がりにオニヤンマ♂は活動を再開するのですが、カメラのレンズに水滴が付着してまともな動画が撮れなくなるので、割愛しました。 
レンズの水滴が自然乾燥するまで待たないといけません。 
ワイパー機能があると便利なのになー。 

昼間はオニヤンマ、夜はコウモリが頻繁に飛来するため、この水場に設置したトレイルカメラの電池があっという間に消耗してしまいます。 
無駄撮りとは言いませんが、他の野生動物や野鳥が記録できなくなるのは困ります。 
(まるで迎撃システムに対するドローンの飽和攻撃みたいです。 )
乾電池ではなくソーラーパネルをトレイルカメラの電源とするオプションもあるのですけど、鬱蒼とした雑木林の山中では十分な日照を確保できない気がします。 
高い木に登って樹冠に太陽電池を設置しないといけないでしょう。
沢に小さな水車を設置して水力発電できるかな?



2022/06/21

イオウイロハシリグモ(蜘蛛)は雪面のアキアカネ♀を捕食するか?

 

2021年12月上旬・午後12:35頃・晴れ
前回の記事:▶  
ガガンボを捕食する雪国のイオウイロハシリグモ(蜘蛛) 
食後に雪面を走り回るイオウイロハシリグモ(蜘蛛) 
初冬に雪面から飛んでも着陸に失敗して暴れるアキアカネ♀♂【HD動画&ハイスピード動画】

雪面で日光浴したり飛んだりしているアキアカネSympetrum frequens)を同定するために1匹を捕獲しました。 
赤トンボの撮影の合間に同じ場所(残雪に覆われた草地の土手)で、イオウイロハシリグモDolomedes sulfureus)の狩りと雪上徘徊シーンも撮影しました。 
せっかく捕まえたアキアカネ♀を利用して、フィールドでクモへの給餌実験を試してみました。 
ついさっきガガンボを捕食した時には、いきなり噛みついただけで糸で獲物を梱包しませんでした。
トンボというもっと大きな獲物を捕食する際には、イオウイロハシリグモは糸で梱包するでしょうか?
飛んで逃げないように、トンボの翅を半分毟り取りました。 
雪原を元気に徘徊するイオウイロハシリグモの前に生き餌を置いて、成り行きを見守りました。 
しかしクモはトンボの存在に気づかなかったようで、手前に開いた穴(草の根際)に隠れてしまいました。 
雪が溶けて顔を出したパッチ状の草から草へとイオウイロハシリグモは好んで渡り歩いているのです。 
草の根際の穴は隠れ家にもなりますし、冷たい雪面よりも少し気温が高いのでしょう。 
一方、身の危険を感じて擬死(死んだふり)しているのか、雪上のトンボは全く動きません。 
トンボが身動きしないことにはクモに気づいてもらえないので、私は拾った草の葉の先でトンボをしつこくつついてみました。 
ようやくイオウイロハシリグモが雪の穴から外に出て来ました。 
慎重に前進したクモがトンボの腹部に足を掛けて触れたのに、獲物に噛みつこうとはしませんでした。 
クモに背後から触れられたトンボが羽ばたいて暴れたら、クモはびっくりして逃げてしまいました。 
獲物として狩るには大型で手強いと判断したのでしょうか? 
つい先程ガガンボを丸ごと1匹捕食したばかりなので、おそらく食欲が無くなり狩りの衝動も失われたのでしょう。 
一方、飛べないアキアカネ♀は雪面を歩いてクモから離れました。 

最後にクモの体長を採寸しようと白いプラスチック定規を横に置いたら、警戒して穴の中に逃げられ見失いました。 
この個体は右の第2および第3歩脚が根元から欠損した亜成体なので、採集して飼育すれば脱皮後に再生肢を見れたかもしれません。

2022/06/16

雪上で身繕いするアキアカネ【HD動画&ハイスピード動画】

 

2022年12月上旬・午後12:10頃・晴れ
前回の記事:▶ 初冬に雪面から飛んでも着陸に失敗して暴れるアキアカネ♀♂【HD動画&ハイスピード動画】
山麓の残雪の上に点々と止まって日光浴しているアキアカネ♀♂(Sympetrum frequens)をよく見ると、ときどき左右の前足で頭部を擦っていました。 
もしかすると雪上で冷えた複眼の表面が結露し、その水滴を拭っているのかな? 
変温動物でも眼鏡が曇るのか、実験してみないと私にはちょっと分かりません。
あるいは、ザラメ雪に太陽が乱反射してトンボの複眼が眩み、文字通り目を擦っていたのかもしれません。
 240-fpsのハイスピード動画でも撮れています。(@0:30〜) 

2022/06/14

初冬に雪面から飛んでも着陸に失敗して暴れるアキアカネ♀♂【HD動画&ハイスピード動画】

 

2021年12月上旬・午後12:15頃・晴れ 

山麓に少し積もった雪の上で赤トンボの群れが点々と休んでいました。 
初冬に雪が降ってもしばらくは生き残っているのです。 
よく晴れているので、ザラメ雪の上で日光浴しているのでしょう。 
根雪になる前の残雪から草がパッチ状に露出しているのに、赤トンボがわざわざ冷たい雪の上で休むのはなぜでしょう? 
雪面からの反射も利用して体温を効率的に温めているのかな?(雪焼け) 
雪上で翅を深く下げて休んでいる際も頭部をグリグリと動かして上空を油断なく見張っています。 

雪面からときどき自発的に飛び立つものの、低空で短い距離を弱々しく飛ぶだけで、日向の雪面に止まり直します。 
着陸直後の顔を正面から見ると口をモグモグさせているので、空中で何か小さな虫を捕食したのかもしれません。 
アキアカネSympetrum frequens)の♂が多く集まっているようなので、交尾相手の♀が飛来するのを待ち伏せしているのでしょうか? 

なぜか雪面への着地に失敗して、仰向けにひっくり返ったまま暴れている個体をよく見かけました。 
トンボは仰向けにひっくり返ると足が地面に届かないので、羽ばたく反動で起き上がるしかありません。 
手助けしてやらなくても、やがて自力で起き上がりました。 

雪面から飛び立つ瞬間を狙って、240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@2:25〜) 
低温でも飛翔筋はなんとか正常に羽ばたいて飛べるのに、足がかじかんで上手く着地できないのかな? 
飛び立ちよりもむしろ雪面への着陸シーンをハイスピード動画に撮りたいところですが、どこに着地するか予想できないのでは無理です。 

寿命が近い老化とか低温障害の症状(低体温症)と考えられますが、実際にどれぐらい寒いのでしょう?
撮影後に気温や雪面の温度を測って記録したフィールドノートを紛失してしまいました。 

晴れた日にザラメ雪の表面はトンボの複眼にはどう見えているのでしょうか? 
光を乱反射して、雪面までの遠近感が分からなくなって着地に失敗するのかもしれません。 
ある種のシャコやトンボにいたっては、数十種類のオプシンを持っているものがいます。彼らにはいったいどんな色が見えているのでしょうか。われわれには想像もつかないような極彩色の世界を見ているかもしれません。(松尾亮太『考えるナメクジ ―人間をしのぐ驚異の脳機能』p57より引用)

きちんと数えた訳ではありませんが、ここで生き残っているアキアカネは♂ばかりで♀が少ない印象です。(圧倒的な嫁不足) 
着地に失敗した♀が雪面で暴れていても、周囲の♂が飛びかかって交尾を挑まないのは不思議です。 

雪面に止まった1匹の♀個体を手掴みで易々と捕獲することができました。 
胸部側面の黒条の先端が尖っているので、アキアカネ♀としっかり同定することが出来ました。 
以下の写真は全てアキアカネ♀。

2022/01/26

トンボを捕食するキセキレイ(野鳥)

 

2021年10月下旬・午前9:20頃・晴れ 

田んぼで稲作シーズンが終わると農業用水路に水が流れてこなくなります。 
山麓を流れるコンクリート三面張りの水路でキセキレイMotacilla cinerea)を見つけました。 
コンクリート護岸の上縁に乗って尾羽を上下しながら餌を探し歩いています。 
カメラを向ける私を警戒したのか、涸れ水路に飛び降りて姿をくらましました。 
水たまり程度に残った水面(止水)付近で何か虫を見つけたのかもしれません。 

水路沿いを私が更に進むと、今度はペアのキセキレイを発見。 
性別をじっくり見分けられませんでしたが、♀♂つがいなのかな? 
私が急いでズームインしている間に、片方のキセキレイが何か昆虫を捕食しました。 
手前の灌木が邪魔でピントを合わせられませんでしたが、せっかく撮れたので1/5倍速のスローモーションでリプレイしてみましょう。 
右に居た個体Rが護岸の上縁に止まって休んでいたトンボを見つけ、素早く駆け寄って嘴で捕獲しました。 
獲物を咥えたままコンクリート護岸に数回叩きつけてとどめを刺したようです。 
後続の個体Lが近寄ったのは、給餌してもらえるかと期待したのでしょうか? 
しかし、Rは獲物を奪われまいと水路内に飛び降りて避難しました。

コンクリート三面張りの殺風景な水路なのに、渓流好きのキセキレイはここを渓流を見なしているのか、夏にときどき見かけます。
キセキレイを晩秋に見かけるのは珍しいかもしれません。
冬季には未だ一度もキセキレイを見たことがありません。
(キセキレイは)渓流を好み、主に夏鳥として飛来する。近年、越冬例が多いのは温暖化のせいかもしれない。 (『やまがた野鳥図鑑』p92より引用)

2022/01/13

ノシメトンボ♀♂交尾ペアの連結飛翔【HD動画&ハイスピード動画】

 

2021年10月中旬・午前11:50頃・晴れ

郊外の道端で交尾中のノシメトンボSympetrum infuscatum)♀♂ペアがコンクリート塀の天辺に止まっていました。 
♂は翅を深く下げて休んでいます。 
コンクリートに映る翅の縁紋や翅脈の影も美しいですね。 
 
飛び立つ瞬間を狙って240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@0:17〜) 
私がノシメトンボ♀♂の目の前で脚を動かして蹴る素振りをして飛び立たせました。
更に再生速度を落とした1/40倍速のスローモーションを見ると、 ♂が先に反応して飛び立ち、続けて♀も羽ばたき始めていることが分かりました。 
交尾姿勢のまま、♂が主導権を握って飛び去りました。 
コンクリートの塀だと私が思っていたのは、ソバ畑と車道の境界となる土留めでした。

直前までノシメトンボ♂は翅を深く下げていたので、飛び立つには一度翅を上げてから打ち下ろす必要があります。 
本当の捕食者が襲ってきたときなど危機に瀕した際には明らかにタイムロスになるはずです。 
どうして翅を深く下げて休む行動が淘汰されずに生き残っているのでしょうか? 
予備動作無しでいきなりフルパワーで翅を打ち下ろすことができない理由が何かあるのかな? 

飛んで逃げたノシメトンボ♀♂は隣のソバ 畑に逃げ込みました。 
今度はソバの実に止まって交尾を続けています。 
おかげで、側面のアングルで交尾姿勢がしっかり見えるようになりました。 
♂の副性器に♀の尾端を接触して移精しているようです。 
ときどき♂の副性器の辺りが動いているのは、連結角度を調節しているのか、精包を♀に送り込んでいるのでしょう。 
今度も♂は翅を深く下げて休んでいました。 

先を急ぐ用事があった私は、ノシメトンボ♀♂の交尾終了(連結解除)まで見届ける余裕がありませんでした。

(ノシメトンボの)交尾はおもに午前中。植物などに止まって行われる。(図鑑『日本のトンボ』p383より引用)

確かに今回の撮影時刻は正午前でした。 

2021/11/03

渓流で激しく縄張り争いするオニヤンマ♂の謎【HD動画&ハイスピード動画】

 

2021年7月下旬・午前7:30頃・晴れ 

立派なオニヤンマ♂(Anotogaster sieboldii)が渓流でスギの落枝に翅を広げて止まっていました。 
どうやら渓流の一区間に縄張りを張っているようです。 
隣の縄張りの個体(♂?)が侵入すると、止まり木から直ちに飛び立って激しい空中戦を繰り広げ、侵入者を追い払いました。 
縄張り争いの後は渓流の上を低空で往復パトロールしました。 
このとき日陰の区画まで行っても、すぐに日向の区画に戻って来て、先程とほぼ同じ止まり木に着地しました。 

見応えのある激しい空中戦が2回撮れたので、1/5倍速のスローモーションでリプレイをご覧ください。 (@1:06、4:24)
求愛行動ではなさそうです。 
渓流の真上を2匹が互いにグルグル回っています。 
戦闘機の空中戦と同じく、相手の背後をとろうとしているのかな? 
喧嘩の決着がどうやってつくのか、不明です。 
空中で相手にぶつかったり噛み付いたりすることはありませんでした。
あまりにも動きが激しいので、喧嘩の相手がオニヤンマ♂かどうか、映像からは確認できません。 (ハイスピード動画で記録できなかったのは残念。) 

最後は同一個体の♂がお気に入りの止まり木(スギ落枝)から飛び立つ瞬間を狙って、240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@7:10〜) 
スローモーションにすると、朝日を浴びた清流の水面がキラキラと光って映えますね。 
画面左上から飛来した別個体の影がちらっと見えました。 
それに反応して、止まり木のオニヤンマ♂は即座に迎撃発進します。 
飛び立った直後に左急旋回し、侵入者を追い払いに飛んで行きました。 

てっきり私はオニヤンマ♂が縄張りを張って交尾相手の♀を待ち構えているのだと思い込みつつ観察していました。 
ところが手元にある資料を漁って復習してみると、オニヤンマ♂の探雌行動は縄張り型ではないと知りました。 
つまり、今回のオニヤンマ♂は獲物を捕食するために止まり木で待ち構えていた、ということになります。 
(オニヤンマの)成熟♂は夏の朝夕を中心に、木陰の多い細流に沿って長距離を往復飛翔しながら♀を探す。川沿いの林道上などもよくパトロールする。(『日本のトンボ』p291より引用)

この行動は私も観察済みです。 

関連記事(8年前の撮影@里山の林道)▶ 縄張りを巡回するオニヤンマ♂の飛翔【ハイスピード動画】


少し古い本ですが、『トンボの繁殖システムと社会構造 (動物 その適応戦略と社会)』によると、 

オニヤンマやムカシトンボなどでは、♂は縄ばりをもたないで広く♀を探し回る。トンボの♂が♀を獲得するために縄張りをもつか、それとも探索するかは、種によって固定されたものであるという考えが以前は根強かった。 (p63より引用) 


新井裕『トンボの不思議』によれば、
 さほど忍耐力を持ち合わせないトンボの場合には、♀が卵を産んでいそうな場所を探す積極戦法をとる。その代表がオニヤンマで、川に沿って行ったり来たりしながら♀を探す。産卵している♀を見つけると、そっと近づいて狙いを定め、次の瞬間♀に飛びついてゲットする。♂同士が出会うと追いかけるものの、あまり激しい争いはしない。 (p46より引用)

しかし、これらの本に書いてあることは果たして本当でしょうか? 
今回動画に撮れた行動は、縄張り行動でも説明できそうです。 
この地域の個体群だけ、あるいはこの時間帯だけ、に見られる特殊な行動なのでしょうか? 
オニヤンマ♀♂が出会ってから交尾を始めるまでの決定的瞬間を私は未だ見たことがないので、それが今後の宿題です。 
編集でカットしたのですが、実際は止まり木でオニヤンマ♂は長々と休息していました。 
その間に近くの岸辺の濡れた石の上をハエが徘徊しても、横に居るオニヤンマ♂は狩ろうとせず無反応でした。 
止まり木のオニヤンマは上しか見てないのかもしれません。
飛び立ってから止まり木に戻ってきたオニヤンマ♂が空中で狩った獲物を咥えていたことは一度もありませんでした。
やはり獲物ではなく交尾相手の♀を待ち伏せしていたような気がします。

それともまさか、私が撮ったのはオニヤンマ♂ではなく別種のヤンマなのですかね?


【追記】
灯台下暗しというか、wikipediaに詳しい解説が載っていたのを見落としていました。
(オニヤンマは)成熟すると流水域に移動して、オスは流れの一定の区域をメスを求めて往復飛翔する。従来、この往復飛翔は縄張り維持とされていたが、最近の研究で、オスは羽ばたくものはすべてメスと見なしてしまい、出会うオスをメスと見なして追いかけ、縄張り維持でないことがわかった。(中略)
オニヤンマのオスは流れの一定区域をパトロールし、侵入する同種個体に接触を図る。オスに出会うと激しく追いかけて排除し、メスに出会うと捕まえて交尾をおこなう。

この記述によれば、今回私が撮影した空中戦は2匹の♂が互いに♀だと誤認して追尾し合い、縄張り争いのように見えただけ、ということになります。

後半の下線部はまさに縄張り行動だと思うのですけど、前後半で筆者が違うのでしょうか?

次に機会があれば、♀が飛来するまで待って、どうなるか見届けたいものです。

♂同士が戦って♀を獲得する動物の中には、生まれつき体格に劣り喧嘩に弱い♂個体はスニーカー戦略(サテライト戦略)という裏技で子孫を残そうとする例が知られています。

つまり♂の繁殖戦略に個体差があっても不思議ではありません。

あえて個人的な仮説を立てるならば、オニヤンマでも強い♂は縄張りを張って♀を待ち伏せし、縄張りを獲得できなかった弱い♂個体が♀を積極的に探索する放浪の旅に出るのではないでしょうか?

トンボの古い図鑑ではどう説明されているかと言うと、

 未熟な(オニヤンマの:しぐま註)成虫は林冠の樹梢をしばしば数匹〜10数匹の小群をつくって高飛するが、夏日やぶのそばの路上の同じ場所を往復飛翔する性質のあることはよく知られている。また成熟した♂は流れの上を往復飛翔して縄張りをつくりパトロールする。(保育社『原色日本昆虫生態図鑑IIトンボ編』(1969年)p100より引用)

 


2021/06/24

ミヤマアカネ♀♂:連結打水産卵の競演【HD動画&ハイスピード動画】

 

2019年9月下旬・午前11:10頃・晴れ 

川の本流に注ぐ浅い水路でミヤマアカネSympetrum pedemontanum elatum)の♀♂ペアが尾繋がり状態で飛びながら産卵していました。 
ミヤマアカネの産卵様式は「連結打水産卵」です。 
2ペアが競演するように連結打水産卵していて、なかなか絵になります。 

産卵地点は抽水植物の根際の周辺だけでなく、コンクリート護岸の水際など、水中ならどこでも良いようです。 

ミヤマアカネ♀♂の産卵飛行を240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@0:35〜)
♀が腹端で水面を打つ度に波紋が水面に広がります。 
よく晴れているので、水面に反射するトンボの影の動きを見ているだけでも美しいですね。

2021/04/04

池で溺れるアキアカネ♂を捕食する鯉(コイ)

 

2020年12月上旬・午後12:15頃・くもり 

晩秋に生き残った赤トンボ♀が農村部の溜池(釣り堀?)で最後の力を振り絞って打水産卵していました。(映像なし) 
それより気になったのは力尽きた2匹の赤トンボで、池の水面で溺れています。 
沈まずに水面で浮いているので、すぐに溺れる心配は無さそうです。 
しかし水難トンボがいくら激しく羽ばたいても、水面に波紋が広がるだけで、表面張力を振り切って飛び立つことが出来ません。 
翅が濡れるとトンボは重くて飛び立てないのかもしれません。 
もしかして、岸を目指して必死で泳いでいるのかな? 
疲れると水面でしばらく休息。 

映像を見る限り、溺れているトンボの種類はおそらくアキアカネ♂(Sympetrum frequens)だと思います。
翅先に黒斑が無いので、ノシメトンボではありません。 

一方、この池には黒いコイ(鯉;Cyprinus carpio)が何匹も泳いでいました。 
小魚の群れも水中に見えます。 
水面で暴れるトンボが立てる波紋に気づいたようで、鯉が集まってきました。 
同一個体のコイが2匹の水難アキアカネ♂を続けざまに捕食しました。 
パクリと丸呑みです。 
トンボが水面で暴れずにじっとしていれば魚に察知されずに済んだかな? 

捕食シーンが撮れたので満足した私がズームアウトしかけると、事件が起こりました。 
撮影中は気づかなかったのですが、新たに別のトンボ♂が池に飛来し、水面で溺れている個体に体をぶつけてそのまま自分も溺れてしまったのです。 
1/5倍速のスローモーションでリプレイ。 
水難♂を♀と誤認し、交尾を試みて水面に囚われてしまったようです。 
「ミイラ取りがミイラになる」とはまさにこのことで、トンボの繁殖池が「死のトラップ」と化しています。 
池の鯉にしてみれば、餌となるトンボが勝手に連鎖反応で水面に落ちてくれるので食べ放題のお祭りでしょう。
私の推察が正しければ、実験で再現できるはずです。
つまり、囮となるトンボの標本(死骸)を水面に浮かべておけば、交尾しようと次々にトンボ♂が水に飛び込んでくる「死のダイブ」が再現できるはずです。
晩秋の静かな溜池で人知れずドラマチックなことが起きていて、私も結構感動しました。 

※ 動画編集時にコントラストではなく彩度を少し上げました。 
水面から照り返しが眩しくて、撮影中はあまりよく見えませんでした。 
こういうときこそ横着せずに偏光フィルターをレンズに装着すべきでしたね。


【追記】
新井裕『トンボ入門』p81によると、
トンボが水を飲もうとしておぼれ死ぬケースもよくある

トンボの飲水行動を私は未見なので、次からは注意して観察することにします。 


 

2021/03/27

キイトトンボ♂の身繕いと飛び立ち【HD動画&ハイスピード動画】

 

2020年7月下旬・午後15:20頃・くもり
▼関連記事(6年前の撮影): キイトトンボ♂
湿地帯の横に繁茂するクズの葉にキイトトンボCeriagrion melanurum)が止まっていました。 
本種は翅をしっかり閉じて休息します。 

マクロモードでカメラのレンズをそっと近づけると、右前脚で顔(複眼)を拭っていました。 
化粧が済むと少し飛んで、今度はヨモギの葉先に着陸しました。 
何か微小な昆虫を空中で捕食したようで、口をモグモグさせていました。 

クズの葉から飛び立つ瞬間を狙って240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@0:54〜)

2021/02/27

乾いた芝生に連結打草産卵するノシメトンボ♀♂【HD動画&ハイスピード動画】

 

2020年10月下旬・午後13:50頃・晴れ 

芝生の河川敷でノシメトンボSympetrum infuscatum)のペア♀♂が尾繋がり状態で飛びながら産卵していました。
産卵は水のない池畔の草原や水田の稲穂の上などで、緩やかに飛びながら上下動を交えて卵を振り落とす連結打空産卵を行う。雌雄が連結したまま行うことが多いが、途中で連結を解いて雌の単独産卵に移行することもある。この場合は雄が上空でホバリングをしながら、または付近に静止して雌の産卵を警護をすることもあるが、長時間は持続しない。水のある場所には産卵しない。秋に産み落とされた卵はそのまま越冬し、翌春産卵場所が増水して水面が上昇し水没した環境下で孵化し幼虫となる。(wikipedia:ノシメトンボより引用)
以前、同じ河川敷の少し離れた別の場所でもノシメトンボ♀♂の産卵行動を観察しています。 
そのときは少し湿ったコケ(蘚類)の上に卵を散布していました。
▼関連記事(1年前の撮影) 
スギゴケ?の上で連結打空産卵するノシメトンボ♀♂【HD動画&ハイスピード動画】
今回は幾つかの点で産卵法が違っていました。 
まず、産卵地は辺り一面きれいに刈られた芝生で、秋晴れのためその表面は乾いていました。 

 240-fpsのハイスピード動画に切り替えて、ノシメトンボ♀♂の連結産卵を撮ってみました。(@0:46〜7:51) 
ノシメトンボ♀は「打空産卵」つまり勢い良く前方に振り出す勢いで空中から卵を射出するはずです。 
ところが今回の♀は異常に(?)低く飛び、腹端が芝生の地面に毎回コツンと接触していました。 
♀の腹端の産卵孔に1個の卵がニュルっと生み出され、用意した状態で腹端を接地していました。 
その直後の♀腹端を見ると、卵が無くなっていました。 
という訳で、「打草産卵」という造語を勝手にこしらえました。 
トンボの産卵法には「打水産卵」や「打泥産卵」という別な用語も正式にあるのですけど、今回の芝生は全く湿り気がなく周囲に水たまりもありませんから使えません。 

もしかすると♂が疲労や空腹で弱っていて、♀を高く持ち上げて飛ぶ力が無いのかもしれません。 
腹端を接地した状態の♀を少し引きずったまま飛ぶこともありました。 
連結飛翔の高度は♀♂どちらが主導権(イニシアチブ)をもって決めるのでしょうか?

それとも、ノシメトンボが乾いた芝生に産卵する時はいつも連結打草産卵するのでしょうか? 
一例だけの観察では何とも言えません。

最後に再び通常のHD動画撮影に戻しました。 (@7:52〜)
するとペアを自発的に解消する瞬間がたまたま撮れました。 
1/5倍速のスローモーションでリプレイ。 
うっかり連結が外れて逃げた♀を♂が少し追いかけたものの、諦めて♂は右の縄張りに戻りました。 
左に飛び去った♀は地上の枯れ草に着陸。 
連結飛翔が下手糞な弱い♂を見限って♀がペアを解消したとしたら面白いのですが、♂に首根っこを掴まれた♀が振り切って逃げることは解剖学的に可能なのかな?
私は未だノシメトンボ♀の単独産卵を見たことがありません。

【追記】
保育社『原色日本昆虫生態図鑑IIトンボ編』(1969年)という50年以上前の古い図鑑で調べると、ノシメトンボは
 一般的には開放的な水面に♂♀が連なって産卵するが、時として池畔の雑草の上などにも、水面ですると同じように尾端を打って産卵行動をすることが観察されている。(p185より引用)
と記載されていました。
ノシメトンボは「打空産卵」というのが最新のトンボ図鑑の定説になっていたので、古くて間違った記述だと私は思っていました。
ところが今回改めて読み直すと、後半の下線部は正しかったことが分かり、驚きました。


【追記2】
井上清、谷幸三『赤トンボのすべて』でノシメトンボを調べると、
♂♀連結してゆるやかに飛びながら腹端を振って卵をまき散らしますが、まったく水のない草原の上で産卵しているのも見られます。連結を解いて単独♀で産卵している場合もあります。(p58より引用)

2021/02/17

オオウバユリの実から飛び立つアキアカネ♀

 

2020年10月中旬・午後15:40頃・くもり 

休耕田の畦道にオオウバユリが1本だけ立ち枯れしていました。 
背高く伸びた茎の天辺で割れた実にアキアカネ♀(Sympetrum frequens)が止まっていました。 
翅を下げて休んでいます。 
ときどき頭部をグリグリ動かして周囲を油断なく警戒しています。 
「オオウバユリの天辺で縄張りを張って獲物を待ち伏せしている」と表現したかったのですが、自発的に飛び立った後に戻って来ませんでした。 
辺りでコオロギ♂が鳴いています♪

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