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2024/03/19

山道を横切り道端の草に登るタケカレハ(蛾)の幼虫

 

2023年7月上旬・午後15:35頃・くもり 

里山の林道でタケカレハEuthrix albomaculata directa)の幼虫を見つけました。 
砂利道を横断すると、道端に生えたイネ科の草(種名不詳)に辿り着くや否や、葉先から伝ってよじ登り始めました。 
イネ科の草がタケカレハ幼虫の食草ですから、食草に向かって移動していたのは、ごく自然な行動です。 

私が草むらをかき分けて接写しようとすると、タケカレハ幼虫は警戒して動きを止めました。(擬死?) 
大きさの比較対象として、私の左手の指を横に並べてみました。 
このときうっかり指が幼虫の毛先にちょっと触れてしまいましたが、その後タケカレハの毒毛にかぶれた記憶はありません。
(タケカレハの)幼虫は長い毒針毛の束を頭部付近と尾部付近に1束ずつ持っている。カレハガ、マツカレハなどの幼虫とは違い、刺激を受けても、この束は膨らまない。 (wikipediaより引用)
黄色に黒い斑点が並ぶ配色は目立ちますから、おそらく天敵(捕食者)に対して毒毛の存在を誇示する警告色なのでしょう。 
素手で直接触れませんから、近くの葉をちぎりとって、その葉先で毛虫をツンツン突いてみました。 
すると慌てて活動を再開しました。(逃避行動) 
頭部をときどき左右に振って探索しながら、全身の蠕動運動で草の葉身を登って行きます。 
足場の葉が細いため、綱渡り中にときどき体重のバランスを崩して左右に転がり落ちそうになりますが、腹脚および胸脚で葉をしっかり掴んでいるため落ちません。 

「冒頭でタケカレハ幼虫の近くにヤドリバエ(寄生ハエ)が来てたかも?」と野帳に記してあるのですが、映像を見直してもハエは写っていません。 
クロアリをハエと誤認したのかな?

関連記事(11年前の撮影)▶ タケカレハ幼虫に寄生したヤドリバエ科の一種 


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2024/03/16

セイヨウタンポポの花蜜を吸うウラギンヒョウモン♂と謎の寄生蜂

 

2023年6月中旬・午前9:10頃・晴れ 

水田の畦道に咲いたセイヨウタンポポウラギンヒョウモン♂(Fabriciana adippe)が訪花していました。 
この組み合わせは初見です。
タンポポの頭花に乗ってゆっくり回り、翅を軽く開閉しながら長々と吸蜜しています。 
前翅の表側に性斑(性標)の黒条が見えたので♂と分かります。 

撮影中には気づかなかったのですが、長い産卵管を持つ黒くて小さな寄生蜂♀(コマユバチ科?)が同じセイヨウタンポポ頭花に何度も飛来、訪花していました。 
小さい寄生蜂の存在をウラギンヒョウモン♂は全く気にせず(眼中になく)、花蜜に夢中です。 
蝶の成虫に産卵するタイプの寄生蜂♀を私は見聞きしたことがありません。 
訪花中のウラギンヒョウモン♂に謎の寄生蜂♀は積極的に近づいたり触れたりしませんでした。 
チョウの♀が食草に産みつけた直後の卵に産卵するために、寄生蜂♀がチョウ♀を尾行しているとしたら非常に面白いのですが、今回のウラギンヒョウモンは♂です。 
卵に産卵するタイプの寄生蜂の産卵管は、これほど長くない気がします。 
なんとなく、鱗翅目(チョウ・ガ)の幼虫や蛹に産卵するタイプの寄生蜂のような気がします。 
したがって、今回撮れた2種のニアミスは偶然(たまたま)だと思います。 

最後にようやく飛び立ったウラギンヒョウモン♂は、すぐに同じセイヨウタンポポ頭花に舞い戻りました。 
よほど花蜜の量が多いのでしょう。 
周囲の湿地帯からオオヨシキリ♂(野鳥)やヒヨドリの鳴く声♪が聞こえます。 

寄生蜂の思わせぶりな行動をじっくり見るために、1/5倍速のスローモーションでリプレイしてみましょう(@3:00〜)。 
複数(2、3匹)の寄生蜂が繰り返し飛来していました。 
隣のタンポポの葉に一旦止まって様子を窺っている個体もいます。 
田んぼの畦道には他にも花が点々と咲いているのに、なぜ寄生蜂は特定のセイヨウタンポポの頭花に複数個体が集まり、しかも執着しているのでしょうか? 
そう考えると、やはり吸蜜中のウラギンヒョウモン♂に寄生蜂♀は興味があるのだろうと思いたくなります。 
タンポポの花に潜り込んで吸蜜していた寄生蜂が飛び上がり、ウラギンヒョウモン♂の前翅に一瞬だけ着地していました。(@3:53〜) 
果たしてこの接触事故は偶然でしょうか? 
蝶にぶつかったのは一度だけですから、蜜源植物を巡って占有行動をしている、つまり寄生蜂♀が自分よりもはるかに大きな蝶に体当りしてタンポポの花から追い払おうとしている、とは考えられません。
もしも、蝶の翅にぶつかった瞬間に寄生蜂♀が素早く産卵していたら、大発見です。 
しかし蝶の成虫に体内寄生しても、寄主の寿命が短ければ寄生蜂の幼虫が無事に育つのは難しいでしょう。 
私が気づかなかっただけで、実はこのセイヨウタンポポの花には寄生蜂♀の本来の寄主である何か幼虫(イモムシ、毛虫)が潜んでいたとか、その食痕があったのかもしれません。


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2024/03/14

ムシトリナデシコの花蜜を吸い飛び回るキタテハ夏型♀【FHD動画&ハイスピード動画】

 

2023年6月下旬・午後14:30頃・曇のち晴れ 

山麓の家庭菜園の花壇に咲いたムシトリナデシコの群落でキタテハPolygonia c-aureum)が訪花していました。 
翅を開閉しながら吸蜜しています。 
この組み合わせは初見です。 
夏型の場合、翅表の色彩が淡いのは♀の特徴なのだそうです。(参考:『フィールドガイド日本のチョウ』p223) 

ムシトリナデシコの花序を歩き回っていたキタテハ♀がバランスを崩しました。 
体勢を立て直そうと羽ばたいたついでに、少しだけ飛んで移動します。 

花から飛び立つ瞬間を狙って、240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@1:37〜) 
少し飛んで隣の花序に移動します。 

伸ばした口吻の先端で花筒の入口を探り当てると、深く差し込んで吸蜜していることがスローモーションでよく分かります。 
蜜標を目印にして訪花しているはずですが、花筒の開口部を探り当てるのに苦労しています。(視覚ではなく口吻の触覚に頼っているように見えます) 
園芸品種のムシトリナデシコでは品種改良の結果、花弁の根元にあるはずの蜜標が目立たなくなってしまったのでしょうか? 
紫外線写真を撮って確認してみたいものです。 

ムシトリナデシコ(虫取撫子)がムシトリと呼ばれる理由は、茎に強い粘着性を有する区間があり、地上から登ってくるアリなどを吸着(捕虫)するからです。 
関連記事(11年前の撮影)▶ ムシトリナデシコに来る虫の話 

捕らえた獲物を体外消化する食虫植物ではなく、送粉に寄与しないアリなどの盗蜜者が訪花するのを排除するための進化的適応と考えられています。 
今季は「虫撮り撫子」に訪花する様々な蝶を動画に撮ることが出来ました。

2024/03/12

キリンソウの花蜜を吸い飛び回るメスグロヒョウモン♂【FHD動画&ハイスピード動画】

 

2023年6月下旬・午後14:15頃・晴れ 

山麓の神社の参道沿いに咲いていたキリンソウの群落でメスグロヒョウモン♂(Damora sagana)が訪花していました。 
この組み合わせは初見です。 
日向では暑いのか、閉じた翅をときどき半開きで開閉しながら吸蜜しています。 
日陰の花に来ると、翅をほぼ全開にして緩やかに開閉しながら吸蜜します。 
『フィールドガイド日本のチョウ』p196によると、 翅表・前翅中室内の斑紋が前縁に対して斜めとなるのでメスグロ♂と判明。 
私は今まで翅裏の斑紋でしか見分けられなかったのですが、この識別点を初めて知り、今後も役立ちそうです。 
前翅の翅表に性標(性斑)の黒条が3本あるので、♂と分かります。 

メスグロヒョウモン♂がキリンソウの花から飛び立つ瞬間を狙って240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@3:49〜) 

撮れた映像素材の順番を入れ替えて編集しています。 
現場では翅裏をなかなか見せてくれなくて、同定できるまでしつこく同一個体を追い回して長撮りしました。 
翅を閉じた状態で翅裏を正対して見せてくれないと、晴れた日は翅表の斑紋が翅裏にまで透けて見えてしまい、同定に難儀することになります。 

他にシロチョウ類もキリンソウに訪花していたのに、カメラを向けたら逃げられてしまいました。

関連記事(7年前の撮影)▶ キリンソウの花蜜を吸うモンシロチョウ
 

2024/03/10

枯草に産卵するヒメウラナミジャノメ♀

 

2023年6月下旬・午後14:35頃・くもり 

農村部の畑の横でヒメウラナミジャノメ♀(Ypthima argus)を見つけました。 
道端に咲いたドクダミの群落で訪花吸蜜しているかと初めは思ったのですが、よくよく観察すると、地表の枯草に潜り込んで腹端を擦りつけています。 
地面を歩き回りながら、あちこちの枯草に腹端をチョンチョンと付けています。 
産卵中の腹端の動きをようやく側面からしっかり撮れました! 
1/5倍速のスローモーションでリプレイ。(@1:17〜1:46) 
ヒメウラナミジャノメ♀の産卵行動は初見です。 

本種幼虫の食草はイネ科やカヤツリグサ科の生葉なのだそうです。 (『フィールドガイド日本のチョウ』p271より) 
それなのに、食草ではなくわざわざ枯葉や枯草に産卵する行動が進化してきたのは不思議です。 
寄生蜂への対策なのでしょうか? 
しかし、ヒメウラナミジャノメの卵は薄い緑色なので、本来は緑の生葉に産卵する方が目立ちません(保護色)。 
茶色の枯草に産み付けると逆に目立ってしまうはずです。 
卵から孵化した幼虫は、近くに生えた食草を自力で探し出す必要があります。 
鈴木知之『虫の卵ハンドブック』でヒメウラナミジャノメの産卵習性について調べると、
産卵場所は、枯葉・葉(イネ科のチヂミザサなど) 。♀は食草の葉裏や周辺の枯れ葉などに、1卵ずつ産卵する。(p109より引用)

産卵の合間に休息(日光浴)する際には、翅を開きました。 
この♀個体には、後翅の外縁に切れ込み状の損傷があります。 
左右対称の損傷なので、鳥に襲われかけたビークマークかもしれません。
(多数の眼状紋で威嚇していても、飛翔中は鳥に襲われることがあるのかもしれません。)
少し休むと、次の産卵を始めます。 


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2024/03/09

ニホンアナグマの溜め糞場に飛来した夜蛾を捕食する野ネズミ【トレイルカメラ:暗視映像】

 

2023年6月下旬・午後22:00頃 

平地のスギ防風林に残されたニホンアナグマMeles anakuma)の溜め糞場stmpをカメラトラップで監視すると、野ネズミ(ノネズミ)がよく写ります。 
明るい昼間に撮った現場の様子はこちらです。 

一方、夜になると暗闇のスギ林の中を夜行性の蛾が複数飛び回っています。 
ある晩アナグマの溜め糞場stmpに来ていた野ネズミが、溜め糞から飛び立った(あるいはたまたま低空で飛来した?)夜蛾に襲いかかりました。 
蛾は素早く飛んで逃げ、狩りに失敗した野ネズミは手前の切株へ立ち去りました。 
1/3倍速のスローモーションでリプレイ。 

わずか1分半後、次にトレイルカメラが再び起動すると、溜め糞の横で野ネズミが夜蛾を捕食していました。 
狩りに成功した瞬間を撮り損ねたのが残念無念。 
獲物の翅はちぎってその場に捨て、胴体だけを食べています。 
野ネズミの肉食行動は初見で、感動しました。 
野生動物のトイレでは食物連鎖の様々なドラマが静かに繰り広げられているのです。

映像からは餌食となった蛾の種類を見分けられません。
この時期(昼間)はトンボエダシャクがよく飛び回っているのを見かけますが、なんとなくシャクガ科ではなくヤガ科のように見えます。 
夜行性の蛾の中に獣糞で吸汁する種類がいるらしいということは、過去にも観察しています。 
昼行性の蝶と同じく、性成熟に必要なミネラル成分(ナトリウムイオンやアンモニウムイオンなど)を獣糞から摂取しているのでしょう。

2024/03/08

ムシトリナデシコの花蜜を吸うホシミスジ♀

 

2023年6月下旬・午前9:40頃・晴れ 

道端の花壇に咲いたムシトリナデシコの群落でホシミスジ♀(Neptis pryeri)が訪花していました。 
この組み合わせは初見です。 
翅を半開きで開閉しながら吸蜜しています。 
後翅裏の前縁から最初の翅脈までの間隔が細いことから♀と判断しました。 

ムシトリナデシコの花から飛び立つ瞬間を1/5倍速のスローモーションでリプレイ。 (@0:24〜)
ホシミスジを撮れたのはこれが9年ぶり2回目で、私にとっては珍しい蝶です。 

関連記事(9年前の撮影)▶ ヤエウツギの花蜜を吸うホシミスジ


2024/03/06

イトバハルシャギクの花蜜を吸い飛び回るモンキチョウ♀【FHD動画&ハイスピード動画】

 

2023年6月下旬・午前10:50頃・晴れ 

交差点の花壇に咲いたコスモスのような黄色い花にモンキチョウ♀(Colias erate poliographus)が訪花していました。 
いつものように、翅をしっかり閉じたまま口吻を伸ばして吸蜜しています。 
よほど蜜量が多いのか、何度飛び立っても同じ群落に舞い戻って来ます。 
隣に咲いたピンクのマツバギクの花には見向きもしません。 

関連記事(3年前の撮影)▶ マツバギクの花で吸蜜するモンシロチョウ♀


交通量の多い横の車道を車が往来しても、モンキチョウ♀はあまり気にしないで吸蜜を続けています。 

花から飛び立つ瞬間を狙って、240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@1:45〜) 
飛び立っても同じ花に舞い降りるときには、飛翔中も口吻を丸めずに伸ばしたままでした。 
なかなか見応えのある飛翔シーンが撮れました。 
よく晴れて太陽光が強く、ハイスピード動画撮影日和でした。 


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家に帰ってからこの園芸植物の名前を調べると、イトバハルシャギクと判明。 
葉の形状が確かに「糸葉」でした。

2024/03/04

ムシトリナデシコの花蜜を吸いながら羽ばたき続けるキアゲハ春型♂【FHD動画&ハイスピード動画】

 

2023年6月中旬・午後13:50頃・晴れ 

道端の花壇で満開に咲いたムシトリナデシコの群落に春型のキアゲハ♂(Papilio machaon hippocrates)が飛来し、訪花を始めました。 
羽化したてなのか、翅が無傷の個体です。 
腹端部の形状が尖っていることから♂と判りました。 

ムシトリナデシコの集散花序の上を歩いて移動しながら細長い花筒に口吻を次から次へと差し込んで吸蜜するので、なかなか飛び立ちません。 
訪花中も半開きの翅を忙しなく羽ばたかせながら吸蜜しています。 
ムシトリナデシコの花が風で揺れるので、羽ばたくことでバランスを取っているのかな? 
蜜源植物上であえて羽ばたき続けることで、異性に対して存在をアピールしているのかもしれません。 
(ただし、捕食者に対しても目立ってしまうという諸刃の剣です。) 
常に飛翔筋をアイドリングしてないと、天敵に襲われたときや♀が飛来したときなどに素早く飛び立てないのかもしれません。 
大型の蛾では翅を実際に大きく羽ばたかせなくても、胸部の飛翔筋だけを高速で伸縮させてアイドリングすることが可能です。
(静止時にブルブル震えているように見えます。) 
アゲハチョウ科は解剖学的にその仕組みが備わって無いのでしょうか? 

訪花シーンを240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@0:54〜) 
吸蜜しながら、大きな翅がしなやかにしなりながら優雅に羽ばたいています。 
いつもなら、長撮りしても蝶が花から花へ飛び立つ瞬間だけを編集で切り取ることにしています。 
キアゲハは大型の蝶で訪花中にただ羽ばたいているだけでもスーパースローで見ると絵になるので、ノーカットでお届けすることにしました。 
風の強い日で被写体が激しく揺れる悪条件でも、スーパースローで見ると、風揺れが気にならなくなります。 
日差しが強くて充分に明るかったので、この日はむしろハイスピード動画の撮影日和でした。 

関連記事(7年前の撮影)▶ ムシトリナデシコの花蜜を吸うキアゲハ

2024/03/03

雨の日にオオキンケイギクの花蜜を吸いに飛び回るヒメウラナミジャノメ♀【FHD動画&ハイスピード動画】

 

2023年6月中旬・午後14:35頃および15:10頃・雨天 

民家の裏庭の花壇に咲いたオオキンケイギクの群落でヒメウラナミジャノメ♀(Ypthima argus)が小雨が降る中を訪花していました。 
翅を開閉しながら吸蜜しています。 
花蜜の量が豊富なのか、なかなか次の花に飛んでくれません。 

飛び立つ瞬間を狙って240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@2:06〜) 
帽子を投げつけて飛び立たせました。 
かなり薄暗かったので予めカメラの設定でゲインを上げたのですが、やり過ぎました。 

約35分後に現場を再訪すると、小雨が降り続いているのに、ヒメウラナミジャノメがまだオオキンケイギクの花の周囲を素早く飛び回っていました。

2024/03/01

池の畔で苔を舐めるウラギンヒョウモン♂

 

2023年6月中旬・午後12:00頃・晴れ 

里山にある池の畔で、ウラギンヒョウモン♂(Fabriciana adippe)が苔むした倒木に止まっていました。 
翅をゆるやかに開閉しながら口吻を伸ばして吸水しています。 
性成熟に必要なミネラル成分を摂取しているのでしょう。 
映像からコケの名前を見分けられる方がいらっしゃいましたら、教えてください。

この個体は左前翅の後角部が大きく破損しているものの、左右対称の損傷ではないので、鳥に襲われかけたビークマークではなさそうです。 
翅表に性標の有無がよく見えませんでしたが、翅裏の地色が濃色でないので♂と思われます。 

飛び立ってすぐ手前に着陸し直したのですけど、草むらの陰になって見えなくなりました。 
私が撮影アングルを求めて池をぐるっと回り込むと、ウラギンヒョウモン♂は岸辺の泥濘から吸水していました。 
残念ながらカメラを向ける前に逃げられてしまいました。 



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2024/02/27

オオキンケイギクの花蜜を吸うキタテハ夏型

 

2023年6月中旬・午後13:40頃・晴れ 

堤防路の花壇に咲いたオオキンケイギクの群落でキタテハPolygonia c-aureum)が訪花していました。 
この組み合わせは初見だったので私がいそいそと吸蜜シーンを撮り始めたら、キタテハはすぐに飛び去り、隣に咲いたムシトリナデシコの大群落に移動してしまいました。(映像公開予定) 
飛び立つ様子を1/5倍速のスローモーションでリプレイ。 


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葉の形状から、キバナコスモスではなくオオキンケイギクと分かります。 
特定外来生物や日本の侵略的外来種ワースト100に指定されています。 
本当は花壇に植えるのも良くなくて、徹底的に駆除しないといけません。

2024/02/24

雨の日にオルレアの花蜜を吸うヒメウラナミジャノメ♀

 

2023年6月中旬・午後15:00頃・雨 

気象庁が東北地方南部で梅雨入りを宣言した日、道端の花壇に咲いた見知らぬ白い花にヒメウラナミジャノメ♀(Ypthima argus)が訪花していました。 
小雨が降る中、翅をしっかり閉じたまま吸蜜しています。

セリ科のオオハナウドという野草と似ているなと思いつつも、園芸植物に疎い私はこの花の名前を知りませんでした。 
検索ワード「園芸植物 6月の花壇に咲く白い花 装飾花」で画像検索したら、セリ科のオルレア(別名オルラヤ)らしいと判明しました。 
傘形の散形花序はセリ科の特徴です。 

ヒメウラナミジャノメ♀は途中から翅を半開きに開閉するようになりましたが、正面から撮っているため、翅表の斑紋がよく見えません。 
私の背後の濡れた車道を車が水飛沫を上げながら通る度に、ヒメウラナミジャノメ♀は飛んで逃げてしまいました。 
辺りをしばらく飛び回ってから、オルレアの別な散形花序に舞い降りました。 
吸蜜しながら翅を半開きで開閉しています。 
今度は見下ろすアングルになったので、翅表の斑紋が見えるようになり、♀と判明。
♀の前翅表の眼状紋の黄環は幅広く、その周囲の地色はより淡色になることが多い。は腹部は太く短い。(『フィールドガイド日本のチョウ』p271より引用)

ビニール傘をさして撮影しました。
小雨なので、蝶の雨宿りの行動は全く見られませんでした。 
翅の表面を覆う鱗粉で水滴を弾いてしまうのでしょう。 

最後に花から飛び立つ瞬間を狙って1/5倍速のスローモーションでリプレイ。(@0:57〜) 


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2024/02/21

ムシトリナデシコの花蜜を吸いに飛び回るモンシロチョウ♀【FHD動画&ハイスピード動画】

 

2023年6月中旬・午後12:05頃・晴れ 

平地の農道沿いに咲いたムシトリナデシコの群落でモンシロチョウ♀(Pieris rapae)が訪花していました。 
この組み合わせは初見です。 
翅をしっかり閉じたまま、口吻を花筒の奥にぐっと差し込んで吸蜜しています。 
隣の花筒へ歩いて移動する際は羽ばたいてバランスを取ります。 
花から花へ忙しなく飛び回りますが、飛び立っても同じ花序に舞い戻ってくることもあります。 

花から飛び立つ瞬間を狙って240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@0:39〜) 
最後の個体はもしかすると♂かもしれません。 
撮影アングルの加減で♂に見えるだけなのかな?
紫外線カメラで撮ればモンシロチョウの性別は一目瞭然のはずなので、カメラメーカーがお手頃な値段で発売して欲しいものです。


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2024/02/17

ムシトリナデシコの花蜜を吸うウラギンヒョウモン♂【FHD動画&ハイスピード動画】

 

2023年6月中旬・午後13:55頃・晴れ(梅雨の晴れ間) 

川沿いの花壇で満開に咲いたムシトリナデシコの群落でウラギンヒョウモン♂(Fabriciana adippe)が訪花していました。 
この組み合わせは初見です。 風で揺れるムシトリナデシコの花序で歩き回り、細長い花筒に口吻を深く差し込んで吸蜜しています。 
訪花中に初めは半開きの翅を開閉していたのに、途中から暑くなったのか、翅をしっかり閉じるようになりました。 
翅表に性標の黒条が見えたので、♂と判明。 

田中肇『昆虫の集まる花ハンドブック』によれば、
(ムシトリナデシコの)蜜は1.5cmもある細長い筒の中に隠されているので、口の長い昆虫にしか吸えない。(p42より引用)
この花壇で様々な虫が訪花していましたが、確かにいずれも口吻の長い種類でした。 (映像公開予定)

ウラギンヒョウモン♂がムシトリナデシコの花から飛び立つ瞬間を狙って240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@2:27〜) 
風揺れの激しい虫撮りには悪条件の日でも、スーパースローで見ると気にならなくなります。


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2024/02/16

ブラックベリーの花蜜を吸うキタテハ夏型

 

2023年6月上旬〜中旬 

民家の裏庭の生垣にブラックベリー(=セイヨウヤブイチゴ)の花が咲き、夏型のキタテハPolygonia c-aureum)が訪花していました。 
昨年は撮り損ねて悔しい思いをしたので、念願の吸蜜シーンをいそいそと撮影しました。 
同じ場所で2回撮れた映像をまとめました。


シーン1・6月中旬・午前9:00頃・晴れ(@0:00〜) 

日向で半開きの翅を開閉しながら口吻を伸ばして吸蜜しています。 
横の車道を車が通りかかったら、飛んで逃げました。 
 次はやや日陰の花に移動して、吸蜜を続けます。 

ハキリバチの一種が正面から飛来すると、キタテハは素早く翅を打ち下ろして追い払いました。(@0:45〜) 
その撃退シーンを1/5倍速のスローモーションでリプレイ。 

ブラックベリーの白い花は萎れかけ、受粉後の未熟果が早くも育ちつつあります。

シーン2・6月上旬・午前10:50頃・晴れ(@1:26〜) 

この日は日向で翅をしっかり閉じたままブラックベリーの花蜜を吸っていました。 
動画を撮り始めたらすぐに吸蜜を止めてしまい、少し飛んで近くのミツバアケビの葉に止まり直しました。 
木漏れ日の落ちる葉上は完全な日向ではなく、半開きで開閉していた翅を最後は閉じてしまいました。 
暑くて日光浴の必要がないのでしょう。 


※ 撮影した時系列順ではなく、入れ替えました。

2024/02/12

ムラサキツメクサの花蜜を吸うベニシジミ【FHD動画&ハイスピード動画】

 

2023年6月上旬・午前11:00頃・晴れ 

川沿いの堤防路に咲いたムラサキツメクサ(=アカツメクサ)ベニシジミLycaena phlaeas daimio)が訪花していました。 
共にありふれた普通種ですけど、意外にもこの組合せは初見です。 
翅を立てたまま(ほとんど閉じて)吸蜜しているということは、気温が暑いのでしょう。 
よほど花蜜の量が豊富なのか、なかなか飛んでくれません。 
よく見ると、クモの遊糸が吹き流しのように風にたなびいているのがキラキラと光って見えます。 

花から飛び立つ瞬間を狙って240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@2:14〜) 
すぐ横をヒゲナガハナバチ?が高速で飛来しても、ベニシジミは無反応でした。 
用事があって急いでいた私はベニシジミが自発的に飛び立つまで待ち切れず、帽子を投げつけたら前方に飛び去りました。 
緊急避難の羽ばたきが速過ぎて、翅表の斑紋をしっかり見極められず、春型か夏型か不明です。

2024/02/04

ブラックベリーの花蜜を吸うヒメシジミ♂

 

2023年6月上旬・午前10:50頃・晴れ 

民家の裏庭に咲いたブラックベリー(=セイヨウヤブイチゴ)の生垣でヒメシジミ♂(Plebejus argus micrargus)が訪花していました。 
この組み合わせは初見です。 
翅をしっかり閉じたまま口吻を伸ばして吸蜜しています。 
素早く飛び立つ瞬間を1/5倍速のスローモーションでリプレイすると、開いた翅表が淡青色だったので♂と判明。 

手前の花壇に咲いているイモカタバミのピンクの花に今回のヒメシジミ♂は見向きもしませんでした。 
関連記事(7年前の撮影)▶ イモカタバミの花蜜を吸うヒメシジミ♂

2024/01/15

ツツジの花蜜を吸うサカハチクロナミシャク(蛾)

 

2023年5月下旬・午前12:55頃・くもり 

山麓の駐車場に咲いたツツジの植え込みで見慣れない白黒模様の蛾が訪花していました。 
一瞬ダイミョウセセリかと思いきや、よく見ると違います。 
後で調べると、サカハチクロナミシャク本州以南亜種Rheumaptera hecate hecate)という昼行性の蛾でした。 
和名はサカハチチョウと似たネーミングですが、漢字の八の字を上下逆さまにしたような白い斑紋が黒地の翅表に描かれていることにちなんでいるのでしょう。 

ツツジの赤紫色の花筒に正当訪花で頭部を突っ込んで、がっつくように吸蜜しています。 
正面に回り込んで撮影したいところですが、こういうとき私が無理して動くと虫は警戒して逃げてしまうので、じっと我慢して撮り続けます。 

ツツジの花から勢い良く飛び立つ瞬間を1/5倍速のスローモーションでリプレイ。(@0:33〜1:03) 
隣の花に歩いて移動するかと思いきや、予想が外れました。 

サカハチクロナミシャクは少し飛んでツツジの葉の表側に止まり直しました。 
初めは翅を半開きで開閉していましたが、全開した状態で落ち着きました。 
風が吹いたら再び翅を開閉するようになりました。 

次にツツジの葉から飛び立つシーンをハイスピード動画でも撮ろうとしたのですけど、なかなか飛んでくれません。 
仕方なく帽子を投げつけたら、狙いどころが悪くて失敗しました。 

調べてみると、サカハチクロナミシャクの幼虫はツツジ科が食樹とのことで、ツツジの生垣に来ていたことに納得しました。 
この種類の蛾は初見ですし、性別の見分け方を知りません。 
吸蜜後もツツジの葉に産卵しませんでした。 
交尾相手の♀を待ち伏せしている♂なのかな? 

「Digital Moths of Japan」サイトでサカハチクロナミシャクについて調べると、
昼飛性で, 晴天の目中によく花に飛来するし, 湿地に群をなして止まっていることがある. 
・幼虫はレンゲツツジ,ホツツジ,ウラジロヨウラクなどツツジ科やシラカンバの葉をつづって中にひそむ.
次は幼虫を探してみるのも面白そうです。


【追記】
サカハチクロナミシャクについてネット上で調べ物をしていたら、面白いブログを見つけました。
サカハチクロナミシャクを巡る3種の鱗翅目に関する考察」by かんきちのフィールドレポート
シラフシロオビナミシャク、サカハチクロナミシャク、ダイミョウセセリ間3種の間にベイツ型擬態系が形成されていることを提唱する。

ツツジ科は有毒植物が多いので、それを食べて育つサカハチクロナミシャクの幼虫および成虫は毒成分を体内に溜め込んでいると予想されます。 

したがって、成虫の白黒斑紋が似ている鱗翅目成虫はチョウ・ガによらずサカハチクロナミシャクにベーツ擬態しているのではないか?という仮説です。

こういう考察や予想は私も大好きです。

以下に私の見解を示しますが、この仮説には懐疑的です。

見た目の類似性だけで言うと、サカハチチョウ夏型も含まれませんかね?(ちょっと赤色の斑点がありますけど)

フィールドでの個人的な印象では、このグループで無毒のダイミョウセセリやサカハチチョウが一番多い普通種で、他の種類(シラフシロオビナミシャクや有毒のサカハチクロナミシャク)は少ないです。※

※ もちろん定量的にきっちり調査した訳ではありませんし、私の探し方が下手なだけかもしれません。

これでは鳥などの捕食者は味見して痛い目にあう学習の機会が確率的に(ほとんど)なくてベーツ擬態が成立しないのではないでしょうか?

つまり、鳥がミミック種(無毒)を忌避しているのであれば、個体数がミミック種(無毒)<<モデル種(有毒)という状態で均衡しているはずです。

とりあえず実際に鳥に飼育下で給餌してみて、有毒種のサカハチクロナミシャクを忌避するかどうか、確かめてみたくなります。

サカハチクロナミシャクが本当に有毒で不味いのであれば、もっと派手な警告色を身に纏うように進化しなかったのは不思議です。

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