ラベル カマキリ(蟷螂目) の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
ラベル カマキリ(蟷螂目) の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示

2023/08/20

跳んで逃げるオオカマキリの幼虫

 

2022年7月下旬・午後12:45頃・晴れ 

低山の細い山道を登っていると、ススキの葉の上にオオカマキリTenodera sinensis)の幼虫が乗っていました。 
左右の鎌を揃えて前に構え、獲物を待ち伏せしているようです。 
武器となる鎌をときどき口で舐め、手入れを怠りません。

横を向いたオオカマキリ幼虫の目線の先を追うと、左隣のススキの葉にいつの間にかトンボが止まっていました。 
アキアカネSympetrum frequens)の未熟♀のようです。 
急に飛び立つと、すぐにまた同じススキの葉に舞い戻りました。 
1/5倍速のスローモーションでリプレイしてみると、アキアカネ♀は急に上空を見上げてから飛び立っていました。 
上空を飛来した昆虫を狩ろうと緊急発進したようです。 
しかし、着陸したアキアカネ♀は口に獲物を咥えておらず、狩りは失敗だったようです。 
オオカマキリの幼虫はトンボが離着陸する動きに無反応でした。 
獲物としては大き過ぎますし、遠くて鎌が届く射程距離ではありません。 

私がカメラをマクロモードに切り替えてレンズを近づけると、オオカマキリ幼虫は慌ててススキの葉を伝って逃げ、隣の葉へピョンと跳び移りました。 
ススキの葉身をどんどん登り、逃げる場所がなくなりました。 
指でそっと腹端に触れると、驚いたオオカマキリ幼虫は躊躇なく地面に跳び下りました。 
1/5倍速のスローモーションでリプレイ。 
カマキリの成虫ならジャンプしながら羽ばたいて、遠くまで飛び去ることが可能です。 
不完全変態のカマキリ幼虫は成虫に体型がそっくりでも翅が未だありません(無翅)。 
カマキリの幼虫は体重が軽いので、高所から落ちても平気です(体にダメージが無い)。 
地上で見失ってしまい、カマキリ幼虫の逃避行動は成功です。 

関連記事(13年前の撮影)▶ オオカマキリ幼虫

2021/05/11

民家の外壁にオオカマキリ♂

 

2020年9月下旬・午後14:45頃・晴れ 

山間部の集落で民家の庭を羽ばたいて高く飛んでいるカマキリがいました。 
慌ててカメラを向けたものの、貴重な飛翔シーンを撮るには間に合いませんでした。 
白い外壁に止まった後でズームインすると、褐色型のオオカマキリ♂(Tenodera sinensis)ですかね? 
身軽に飛んだ(=体重が軽い)ことと、触角がやや長いことから、♂だろうと思います。 
(チョウセンカマキリ♂の可能性は?) 
外壁は垂直で滑りやすく、カマキリは体重を支えきれず今にも滑落しそうです。 
再び飛ぶかと期待してしばらく長撮りしても、休んだままでした。(退屈なのでカット) 
♀なら日当たりのよい西向きの外壁の高いところに産卵してもおかしくありませんが、♂は一体何をしに来たのでしょう? 
高いところから♀を探しているのでしょうか?(探雌飛翔に疲れた?) 
それとも、毎晩暗くなると外灯が点いて獲物となる虫がよく集まるのかもしれません。

 

2021/03/11

♀1♂2で交尾するコカマキリを見つけたが…

 

2020年10月下旬・午後15:25頃・くもり 

農村部の舗装路で3匹のコカマキリ♀♂(Statilia maculata)を発見。 
交尾中の♀♂ペアにあぶれ♂が干渉しているようです。 
交尾ペアをよく見ると、マウントしてるだけで交尾器は結合していません。 
コカマキリは体色が多型です。 今回の♀は緑色型、♂は薄い黄土色と焦げ茶色の2匹でした。 飼育下ならともかく、野外で交尾干渉を観察できる機会は滅多にないのに、ここで無念にもカメラのバッテリーが切れてしまいました。 
私が急いでバッテリー交換している間に、コカマキリのあぶれ♂は交尾ペアから離れてしまいました。 
♂同士の争い(♀の争奪戦)がどのように決着が付いたのか、見届けられずに残念でした。 

もう一度再現してくれないかと、強制的にあぶれ♂を交尾ペアにしつこく近づけても、互いに怖がって逃げ回るばかりで二度と♀に交尾を挑もうとしませんでした。 
今思えば、カマキリ♂は下手に正面から♀に近づくと共食いされる恐れがあるので、♀の背後から慎重に近づかないと安全に交尾できません。 
そのため、♀の傍で♂同士の争いは淡白なのかもしれません。 
遂には、♀は♂を背負ったまま自発的に私の手から路上に飛び降りました。 

交尾ペアに対して一番の「お邪魔虫」は私でしたね。 
道に車が来るのではないかと気が気でなくて、雑で散漫な撮影になってしまいました…。 
カメラのバッテリーをもっと早く交換しておくべきだったと、つくづく悔やまれます。 




 

2021/02/21

チョウセンカマキリ♀緑色型の一時捕獲

 

2020年10月中旬・午後13:10頃・くもり
▼前回の記事 
オカワカメの花で獲物を待ち伏せするチョウセンカマキリ♀緑色型
アカザカズラ(別名オカワカメ)の花に居たチョウセンカマキリ♀(Tenodera angustipennis)を手掴みで生け捕りにして、識別点を確認しました。 
胸部の前脚のつけ根の間に橙色斑があるのがチョウセンカマキリの特徴です。 
ここが赤いチョウセンカマキリを長年探し続けているのですけど、どうやら私のフィールドには生息していないようです。(絶滅した?) 
この辺りで出会うのはオオカマキリとコカマキリばかりです。
後翅の色で見分ける方法もあるのですが、片手でカメラを持って動画撮影しながらだとカマキリの後翅を広げられないので今回はやれませんでした。 
 元居たオカワカメの花に戻してやると、すぐに登って行きました。



 
長年この見分け方をしていたのですが、うろ覚えだったのでネット情報を見直すと、自信が無くなってきました。
胸がオレンジ色の個体はチョウセンカマキリと書いてあるサイトも多く、だとするとこの個体はオオカマキリ♀ではなくチョウセンカマキリ♀になります。
やはり横着せずに後翅も確認すべきでしたね…。
後で訂正するかもしれません。
過去の記事でも誤同定してたかも…?

【追記】
「生きペディア」というサイトの解説記事「チョウセンカマキリとオオカマキリ、見分けや違いは何?!」を読んで初めて知ったのですが、顔に走る緑色の縦条でも見分けられるのだそうです。
オカマキリもチョウセンカマキリも前頂部に3本の緑の帯があり、頭楯部から上唇部にかけて2本の線になって繋がっています。

この前頂部から頭楯部への左右の2本の帯はチョウセンカマキリの方が上唇部から先端に行くにつれ、狭くなってゆきます。

そして頭頂部の3本の濃い緑の帯もオオカマキリは細く、チョウセンカマキリは太い帯です。そして上唇部の濃い緑の帯の色の薄い部分はチョウセンカマキリが狭まって見えます。

今回私が出会った個体の顔写真を見ると、緑の縦帯が3本あったことから、やはりチョウセンカマキリと判明しました。


平凡社『日本動物大百科8昆虫I』を紐解くと、
 両者(オオカマキリとチョウセンカマキリ:しぐま註)は形態や行動が似ているにもかかわらず、オオカマキリが、山ぎわや林縁のクズ、ススキ、セイタカアワダチソウ、ササ類などが混生する草地に多いのに対して、チョウセンカマキリは、水田やその休耕地および開けた草原に多く、両種はある程度すみわけている。ただし、林縁などのオオカマキリの優占地でも、チョウセンカマキリが少しは生息していることが多いのに対して、水田周辺の環境では、オオカマキリがまったく見られないことがある。(p95〜96より引用)
今回の撮影現場は平地の新興住宅地で、すぐ裏には水田や休耕田が広がっていました。
したがって、いかにもチョウセンカマキリの生息地に相応しい環境です。
恥ずかしながらこの年齢になってようやく近縁2種の見分け方をマスターしたので、馴染みのなかったチョウセンカマキリを改めて飼育してみるつもりです。





 

2021/02/05

オカワカメの花で獲物を待ち伏せするチョウセンカマキリ♀緑色型

 

2020年10月中旬・午後13:05頃・晴れ

民家のお洒落な庭に咲いたアカザカズラ(別名オカワカメ)の花穂に緑色型のチョウセンカマキリ♀(Tenodera angustipennis)が乗って辛抱強く獲物を待ち伏せしていました。 
ちらっとこちらを見てから、ゆっくり歩いて少し前進。 
カメラ目線になると偽瞳孔が目立ちます。 
緑色型のチョウセンカマキリはオカワカメの白い花や緑の葉に対してあまり目立ちません。 
ハナカマキリの攻撃的擬態(※追記2参照)ほど巧妙ではありませんが、一応、カモフラージュになっています。 

目の前のアカザカズラに訪花したハエ(種名不詳)を狩ろうと前脚の鎌を素早く伸ばしたものの、敏捷なハエは飛んで逃げてしまいました。 
狩り失敗の瞬間をまずは1/10倍速のスローモーションでご覧ください。(@0:56) 
続けて等倍速でリプレイ。 


狩りに成功する瞬間をハイスピード動画で記録したかったのですが、この日は時間的な余裕がなくて諦めました。
野外でカマキリの狩りの成功率はどのぐらいなのでしょう?
 
▼関連記事(1ヶ月前の撮影) 
チョウセンカマキリ♀がアレチウリの花で獲物を待ち伏せハナアブを捕食する一部始終


【追記】

この個体を初めはオオカマキリと思い込んでいたのですが、チョウセンカマキリと訂正します。 



【追記2】

小松貴『昆虫学者はやめられない: 裏山の奇人、徘徊の記』という本を読んで私が一番驚いたことがハナカマキリに関する「不都合な真実」です。

東南アジアに、ハナカマキリという有名なカマキリがいる。外見がランの花そっくりな姿をしており、(中略)このカマキリがランの花の上に止まって獲物を待つ写真が高頻度で掲載されている。(中略)実は、これらの写真は全部ヤラセと思っていい。(中略)

実際にハナカマキリが自然下でどう過ごしているかというと、花も何もない緑の葉上に、ただ無造作にいるらしいことが近年わかってきた。(p112〜113より引用)

写真家がヤラセに手を染める理由も詳しく書いてあって、さもありなん、と私は思いました。 


2020/12/31

チョウセンカマキリ♀がアレチウリの花で獲物を待ち伏せハナアブを捕食する一部始終

 

2020年9月中旬・午後15:55頃・くもり  

川沿いの土手に蔓延るアレチウリの群落で、褐色型のチョウセンカマキリ♀(Tenodera angustipennis)が葉に乗ってじっとしていました。 
アレチウリに訪花する昆虫を待ち伏せているようです。 

しばらくすると右下のクズの葉に黒いハエ(種名不詳)が飛来して葉の上を徘徊したのに、カマキリは眼中にないのか無反応でした。 
おそらく鎌の射程距離ではないことを自覚しているのでしょう。 

その次には、ハナアブの一種がアレチウリの花に飛来しました。 
撮影中はハナバチ(蜂)の仲間かと思ったのですが、1/5倍速のスローモーションでリプレイしてみると、ハナアブと分かりました。 
残念ながら、ハナアブの吸蜜シーンは手前の花の陰に隠れて見えませんでした。 
チョウセンカマキリ♀は鎌状の前脚を構えると、前後に揺れながら慎重ににじり寄ります。 
鎌を一閃すると俊敏なハナアブを見事に捕らえました。 
その場で捕食開始。 
獲物の頭部から胸部、腹部と平らげ、翅は食べ残しました。 
獲物の腹背がオレンジ色と黒の横縞模様で、ヒラタアブの仲間のようです。 
ハナアブの蜂に似せるベーツ型擬態はカマキリに通用しなかったことになります。 
(そもそもオオカマキリは毒針を持つミツバチやハナバチ類も難なく捕食すると思われます。) 

完食するとチョウセンカマキリ♀はこちらに顔を向けて舌舐めずり。 
獲物を捕らえるために閉じていた右鎌を開くと、獲物の体液の雫が鎌に付着していました。
カメラ目線で凝視している複眼には偽瞳孔が見えます。 
「見たなー!」と言わんばかりの、凄みのある殺し屋の目つきにぞっとしました。
食後のカマキリは汚れた鎌の掃除・身繕いをするはずですけど、先を急ぐ用事があった私は待ち切れずに現場を離れました。 

野外でカマキリが獲物を狩る瞬間を観察したのはこれが初めてでした。 
次回はハイスピード動画で狩りの瞬間を記録してみたいものです。


【追記】
よく調べずにてっきりオオカマキリ♀だと思い込んでいたのですが、チョウセンカマキリ♀と訂正します。

 

2020/03/08

オオカマキリ♀がコンクリート護岸で獲物を待ち伏せ



2019年9月下旬・午後14:53

河原のコンクリート護岸でオオカマキリ♀(Tenodera aridifolia)が佇んでいました。
立ち上がって鎌を構え、獲物を待ち伏せているのでしょうか?
完全に静止してはおらず、まるで風に吹かれている植物のように、体を左右に揺らしています。

実は、(ツルガ?)ハキリバチ♀の巣穴のすぐ左上でこのオオカマキリ♀を見つけたのです。
もしかすると巣穴に出入りするハキリバチ♀を待ち伏せて狩ろうとしているのか?と少し期待しました。
カメラと三脚が2セットあればカマキリとハキリバチの動向を別々に監視・録画したいところです。
この日は1台しかカメラが無かったので、下手すると注意力が散漫になって「虻蜂取らず」になりそうです。
仕方なく、ハキリバチ♀の巣穴に全神経を集中することにしました。
気づくといつの間にかオオカマキリ♀は居なくなっていました。
どうやら、たまたま通りかかっただけのようです。


オオカマキリ♀:顔@コンクリート護岸
オオカマキリ♀:背側@コンクリート護岸

2019/04/18

珍しい色(中間型)のコカマキリ♀を見つけた!



2018年10月中旬

郊外の路上で見慣れない色のカマキリが居ました。
私が近づくと静止し、私を見上げています。
複眼の中央にある偽瞳孔が昼間なのに黒く、やや広がっています。
飼育経験からすると、寿命が近いのかもしれません。
元気なカマキリなら私の動きに合わせて顔を動かすはずなのに、私が回り込んでもこのカマキリは顔の向きが変わりませんでした。

私が指を近づけると体を左右に揺すりました。
そのまま指で触れると慌てて逃げ出しました。
慌てたせいか、路上に転んで擬死(死んだふり)しました。
(これも老化現象だったりして…?)

パッと見ただけではこのカマキリの種類が分からず、一時的に捕獲することにしました。
手掴みすると鎌を構え、翅を広げて威嚇します。
よくよく調べると、コカマキリ♀(Statilia maculata)でした。
通常のコカマキリは茶色ですが、珍しい緑色型が稀にいると聞いています。
しかし、今回の個体はその中間のような色をしています。

そっと離すと自分から地面に飛び降り逃げて行きました。
車に轢かれないように、撮影後に改めて道端の草むらへ放り投げてやりました。


保育社『検索入門:セミ・バッタ』という図鑑でコカマキリについて調べると、

褐色型は明るい黄土色から暗黒褐色までさまざまで、個体に寄る濃淡の差が大きい。淡色の個体では、紅色味をおびることがある。後翅は体色に準じた褐色で網目状の模様を現すが、その発達程度は個体差が大きい。褐色型の場合、前胸背にある黒色帯はふつう明瞭に発現する。緑色型の個体は少ない。緑色型の後翅は、ほぼ無紋で半透明。前胸腹板の黒色帯は発現しない。体全体が赤褐色味をおびた緑色で、後翅には褐色の網目状の模様が明瞭な、中間型と思われる個体がまれに見られる。(p156-157より引用)

どうやら、今回の個体は中間型の体色らしいです。

もう一つ、図鑑を読んで初めて知ったのは分布についでです。
「本州では山形県・宮城県以西」とのこと。
私のフィールドでコカマキリはありふれた普通種ですが、分布の北限に近いのだそうです。




※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。


コカマキリ♀緑色(中間)型@路上
コカマキリ♀緑色(中間)型@路上

2019/03/23

クルマバッタモドキを捕食するコカマキリ♀



2018年10月中旬

舗装された農道でコカマキリ♀(Statilia maculata)がクルマバッタモドキOedaleus infernalis)を捕食していました。

獲物を鎌で捕らえたコカマキリ♀は私が近づくと警戒し、こちらを見上げてじっとしています。
左の鎌で獲物の胸部(翅)を、右の鎌で獲物の頭部をガッチリ挟み込んでいます。
虫の息の獲物がヒクヒクと動きました。
餌食となったクルマバッタモドキは、後脚の脛節が赤く、膝(後腿節末端)は黒色でした。
胸背にトレードマークのX紋があります。
やがて警戒を解いたコカマキリ♀が獲物を生きたまま貪り食い始めました。
頭部の脳や胸部の飛翔筋が好きなようです。
コカマキリが獲物を食べながら顔を動かすと、偽瞳孔も動いて見えます。

獲物の胸背(後頭部?)に噛み付くと、クルマバッタモドキが急に力強く跳んで逃げようとしました。
一緒に宙を飛ばされたコカマキリ♀は鎌で獲物を離しませんでした。
その後も何度かバッタが必死に跳んで脱走を試みました。
頭部の脳を食われても胸部の末梢神経節が残っていれば、なんとか脚を動かせるようです。

数時間後に現場を再訪すると、コカマキリ♀は居なくなっていたものの、路上に食べ残しを見つけました。
現場検証のようにクルマバッタモドキの死骸を採寸しましたが、後翅を広げて黒紋の有無を確認すべきでしたね。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。


コカマキリ♀@クルマバッタモドキ捕食
コカマキリ♀@クルマバッタモドキ捕食
コカマキリ♀@クルマバッタモドキ捕食
コカマキリ♀@クルマバッタモドキ捕食
コカマキリ♀@クルマバッタモドキ捕食
コカマキリ♀@クルマバッタモドキ捕食
コカマキリ♀@クルマバッタモドキ捕食

クルマバッタモドキ死骸:側面(コカマキリ♀食痕)+scale
クルマバッタモドキ死骸:側面(コカマキリ♀食痕)+scale
クルマバッタモドキ死骸:側面(コカマキリ♀食痕)+scale
クルマバッタモドキ死骸:背面(コカマキリ♀食痕)

2019/01/22

桑の葉で獲物を待ち伏せるコカマキリ



2018年9月上旬

細い農業用水路沿いの草むらでコカマキリStatilia maculata)が桑の葉に乗ってじっとしていました。

鎌を体の前に構え、ときどき顔だけキョロキョロと動かしています。
獲物を待ち伏せしているようですが、緑のヤマグワの葉の上で褐色のコカマキリは保護色になっていません。
したがって、ハナカマキリのような攻撃的擬態とは言えないでしょう。
せめて近くで咲いている花に潜んで訪花昆虫を待ち伏せた方が良い気がするのですけど、何か別の思惑があるのでしょうか?
(ただの日光浴?)

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。


コカマキリ:側面@クワ葉+獲物待ち伏せ
コカマキリ:背面@クワ葉+獲物待ち伏せ

2018/12/31

農道を横断するコカマキリ♀



2018年9月下旬

舗装された農道で昼下がりにコカマキリ♀(Statilia maculata)と出会いました。
初めは私を見上げて警戒し、路上で静止していました。
卵が詰まっている腹部が重そうです。

やがて警戒を解くと農道をゆっくり横切り始めました。
胸の前に鎌を構え、一歩ずつ体を前後に揺すりながら優雅に移動します。(4本脚歩行)
急ぐ時は前脚(鎌)の先も地面に付いて歩きます。(6本脚歩行)
ときどき一時停止し、辺りを警戒しています。
ツユクサの花などが咲いている道端の草むらを目指しているようですが、途中で動かなくなりました。
先を急ぐ用事があった私は、コカマキリ♀が農道を渡り切るまで待ち切れませんでした。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。


コカマキリ♀@舗装農道横断

2017/01/02

マリーゴールドの花壇で飛ぶコカマキリ♀



2016年9月中旬

平地で車道の端を歩いていたら目の前でコカマキリ♀(Statilia maculata)が少し飛んで逃げたので存在に気づきました。
(映像はここから。)
もうこの時期は幼虫ではなく、有翅の成虫になっています。

マリーゴールドの咲き乱れる道端の花壇でこちらを警戒しながらゆっくり歩き回ります。
訪花する昆虫を待ち伏せして狩らないかな?と期待していると急に飛び立ち、見失ってしまいました。
引きの絵にすれば飛翔シーンがしっかり撮れたのに残念でした…。



2016/12/20

オオカマキリ♀とハリガネムシの死骸に群がるアリ



2016年9月上旬

郊外の住宅地の路上で車に轢かれてぺしゃんこになったオオカマキリ♀(Tenodera aridifolia)の死骸を見つけました。
そのロードキルに、かなり小さなクロアリ(種名不詳)の大群が集まっていました。

もし映像からアリの種類を見分けられる方がいらっしゃいましたら、ぜひ教えて下さい。
こんな小さなアリが時間をかけて巨大な獲物を少しずつ解体する様子を微速度撮影したら面白そうです。
このとき私はひどく疲労困憊していた上に夕暮れ時だったので、蟻を接写するのも採集するのも億劫で怠りました。


後になって写真を見直すと、オオカマキリ♀の体内に寄生してたハリガネムシの一種が脱出後に干からびて死んでいました。

現場ではハリガネムシに全く気づきませんでした。


2015/01/20

コカマキリ♂がジョロウグモ(蜘蛛)の網から脱出



2014年9月下旬

山裾のお寺の境内でジョロウグモNephila clavata)があちこちに網を張っていました。
どういう訳か、その一つにコカマキリ♂(Statilia maculata)が引っかかっていました。
地上からの高さは目測で約2m。
死んでいるのかと思いきや、動きました。
クモに悟られないよう擬死しているのかな?
枠糸に近い部分なので、糸に粘着性がないようです。

一体どうしてコカマキリはこんな窮地に陥ったのでしょう?
決して私がジョロウグモに給餌するためにコカマキリをクモの巣に投げつけた訳ではありません。
ジョロウグモの網にかかった獲物を横取りしようと自分の意志でやって来たとしたら非常に興味深いのですが、わざわざ屋根から枠糸を伝い歩きして辿り着いたとは思えません。
おそらく単に屋根から飛び降りようとして網に引っかかったのでしょう。

一方、網が振動しているのに左上に占座したジョロウグモ♀もなぜか反応しません。
獲物としては危険過ぎると察知しているのでしょうか?

しばらくするとコカマキリ♂は恐る恐る(?)網から脱出を始めました。
糸に粘着力はあまり無さそうですが、上手く歩けない様子。
なんとか苦心して方向転換すると不安定な足場で体勢を立て直しました。
羽ばたいて下の草むらに飛び降り、無事に生還。

※ 白飛び気味の前半だけYouTubeの動画編集時に自動色調補正を施してあります。

細いクモの糸も少し強調されました。



【追記】
初め私はこのコカマキリをなぜか♀だと思い込んでいたのですけど、YouTubeのコメント欄でバナナ王国の王バナナイズジャッチメントさんから♂だとご指摘を頂きました。
触角が長いとオスでメスはオスより短いです後は腹が細いほうがオスでメスはやや太ってますあとオスは遠くまで飛べてメスはそんなに飛べません
という訳で、性別を♀から♂に訂正しておきます。


2014/05/19

オオカマキリ♀の歩行【ハイスピード動画】



2013年9月中旬

河川敷の縁石を歩くオオカマキリ♀(Tenodera aridifolia)を240-fpsのハイスピード動画で撮ってみました。
初めはカメラを凝視していたカマキリが警戒を解くと、風に揺れるように体を揺らしながら独特のリズムでぎくしゃくと歩行開始。
実は前方にトンボが止まっていたのですけど、忍び寄って狩りを行う前に飛んで逃げられました。

スローモーションにしたら何気ない歩行もドラマチックになるかな?と期待したのですがいまいち。
無駄にドラマチックなBGMを付ければまた印象が変わりますかね?


2012/12/17

オオカマキリ♀の脱糞



2012年9月中旬

庭の下草を歩いていた褐色型のオオカマキリ♀(Tenodera aridifolia)を拾い上げ、ひとしきり遊んでもらってから資材置き場に置いてやりました。
しばらくすると、肛門からぽとりと脱糞しました。
体を揺らしながら丸太の上をゆっくり前進して退場。

オオカマキリの排便を自然条件下で初めて観察できました。
飼育下での映像はこちら


2012/12/16

オオカマキリを狩るチャイロスズメバチ♀



2012年8月下旬

林縁の草むらでチャイロスズメバチVespa dybowskii)のワーカー♀が狩りをしていました。
下草に隠れて様子がよく分からずもどかしいのですが、獲物はなんとオオカマキリのようです。
緑色型オオカマキリの死骸(後翅や脚の断片など)が林床に散乱しています。
チャイロスズメバチが獲物の腹部を噛み切って葉に止まり、肉団子を作り始めました。

この腹部は細いので、オオカマキリ♂かもしれません。
接写しようとレンズを近づけると、蜂が作業を切り上げて巣へ飛び去ってしまいました。
肉団子は未だ完全なミンチ状にはならず、獲物の細長い腹部の原型が残っていました。

しかも獲物の半分をうっかり落としています。

しばらくすると同一個体と思われる蜂が戻って来ました。
下草の同じ辺りを低空飛行で探索しています。
結局、先程と同じ場所に降り立ちました。
大顎で腐葉土を掘っています。
よく見ると、褐色の小さなアリ(種名不詳)が右往左往しています。
今度はなんと、蜂が地中から青虫を掘り出しました。
獲物は緑色型ヨトウムシの仲間でしょうか。

それとも先程の落し物(緑色型オオカマキリの腹部の残り半分)でしょうか。
アリに邪魔されない場所で肉団子を作るため、獲物を咥えてすぐに飛び立ちました。
近くの笹の葉などあちこちに移動するも、結局肉団子を作らずそのまま巣へ持ち帰りました。

しばらく待つと、同じ場所にまた蜂が舞い戻ってきました。
味を占めたというか、よほど成功体験が忘れられないのでしょう。
再び腐葉土を掘ったりしています。
探索の合間に身繕い。
草葉の陰で何かごそごそしているが、死角でほとんど様子が見えません。
その間にアリがオオカマキリの死骸の断片を運んでいます。

本当に同一個体が狩場に繰り返し飛来するのか確かめるには、一時捕獲して麻酔下で個体識別のマーキングを施す必要があります。
この日は捕虫網を持参しておらず、諦めました。

巣と狩場を何度も往復していたのに、残念ながら巣の位置も突き止められませんでした。


3年前にも、チャイロスズメバチ♀が地中から蛾の蛹を掘り出した後で同じ狩場に執着しているのを観察しています。
関連記事→「チャイロスズメバチの狩りと肉団子作り




餌食となったオオカマキリ

1円玉を並べる

2012/12/09

コカマキリ♀の飛び立ち【ハイスピード動画】



2012年9月中旬

今季初見のコカマキリStatilia maculata)成虫は未だ痩せている♀でした。
草むらから拾い上げて板に乗せ、飛び立つ瞬間をハイスピード動画(220 fps)に撮ってみました。
驚かせて飛び立たせることはせずに、自発的に飛ぶのを気長に待ちます。
カメラの準備が出来る前に飛ぼうとしたら、カマキリの目の前で手を振れば気を逸らせることができます。
軽く屈んでジャンプしながら翅を広げ、羽ばたいて飛び去りました。
なんとか粘って飛び立ちを2回撮れました。
映像後半は更に50%スローダウンしたリプレイです。

カメラを三脚に固定し、もう少し引きの絵でも撮りたかったです。
側面ではなく後ろ姿を撮るようにすれば、飛び去る行き先まで滞空時間が長く撮れたかもしれません。
画角が縦で短くなるので、一長一短かも。



2012/04/03

コカマキリ♀bの卵鞘作り



コカマキリの飼育記録

2011年11月中旬・室温20℃

夜にふと気づくと、コカマキリ♀bが産卵していました。
飼育容器はDVDスピンドル容器をリサイクルしたもので、止り木として割り箸を斜めに入れてあります。
今回で5個目の卵鞘は割り箸の下面に産みつけられていました。
前回の産卵から13日後になります。
ちなみに、この♀は飼っていたコカマキリの中で最後まで生き残った長寿かつ多産の個体です。
容器の蓋を開けてもコカマキリ♀bは無我の境地で泡立て作業を続けます。
インターバル撮影(微速度撮影)の準備が間に合わなかったので、今回は通常のマクロ動画で記録してみました。


産卵の♀は口髭が活発に動いています。
頭が容器の底に付いてしまい窮屈そう。
なぜもっと上の場所から産み始めなかったのか不思議。
体を横に「く」の字に曲げてなんとか凌いでいるものの、首を寝違えないか心配になります。
♀はこれより下に行きたくても移動できないので、今回の卵鞘は全体の造型が寸足らずになってしまいました。
一仕事終えた♀はようやく窮屈な姿勢から開放され、満足気に身繕い。
産卵後のコカマキリ♀は腹端に白い付着物があるので、野外でもすぐ見分けられます。



ランダムに記事を読む