2017/06/11

川で縄張り争いするダイサギcd(冬の野鳥)



2017年1月上旬

▼前回の記事
川で足踏みしながら魚を探し回るダイサギc(冬の野鳥)

獲物を探しながら渡渉していた冬鳥ダイサギArdea alba)cが川の中央で脚を屈めると、その反動を利用して飛び立ちました。
上流へ少し飛ぶと、コンクリート護岸の縁に着陸。
鳥の目から丸見えの状態で私が撮り続けているので、しつこいパパラッチを嫌ったのかもしれません。



その場でしばらく羽繕いしてから尻を川に向けて少し脚を屈みながら脱糞(@2:03)。
白っぽい液状便が岸壁に付着しました。
同じ日にダイサギによる陸上での排泄シーンを続けて2回(別個体)、撮影することができました。

▼関連記事
屋根で脱糞するダイサギa(冬の野鳥)
いずれも飛んで逃げて着陸した直後に排便しました。
私のこれまでの経験ではダイサギ以外の野鳥では飛び立つ直前に体重を軽くするために脱糞することが多いので、違いが興味深く思いました。
ダイサギのような大型の鳥では飛ぶための軽量化をあまり追求しなくても良いのかもしれません。

川の安全を確認できたダイサギcは、下の川に飛び降りました。(@2:20)
岸壁に沿って下流に歩き、魚を探索しています。
急に空を見上げて身構え、三度(みたび)飛び立ったので何事かと思いきや、もう一羽のダイサギdが飛来しました。(@3:11)
軽い小競り合いのような空中戦になり、すれ違いました。
先住者のダイサギcが迎撃に飛び立ったのに、結局は争いを避けるように上流へ飛び去りました。
後から来たダイサギdが入れ替わりで川岸の雪の上に着陸しました。
川の漁場を巡る縄張り争いなのかな?
生物の縄張り防衛でよく見られる「先住効果」(先住者が勝ち新来者を追い払うことが多い)が今回は無くて後から来た個体(新来者)が勝ったのは、体格の違いがあったのかもしれません。
しかし、映像を見直しても体格差はよく分かりませんでした。

あるいは、先住者ダイサギcがあっさり引き下がった理由は、それまで散々探し回ってこの辺りには魚があまりいないということを知っていたからかもしれません。

日高敏隆『群となわばりの経済学』によると、
・なわばりをめぐる争いは、資源が一様に分布している場合より、固まって分布している場合のほうがおこりやすい。資源のあるところをなわばりとして確保するほうが利益が大きいからである。そういうところに生活する動物は、群をつくるかわりになわばりを守る。(p48より) 
・一般的にいって、動物がなわばりを持つのは、なわばりの収支計算が黒になる場合である。(p56より)


川で出会ったダイサギ同士が小競り合いする結果としてダイサギの群れが川に沿って点々と棲み分けるようになり、各自である区画の縄張りをもっていそうな印象を受けました。
街中を流れるこの川は餌となる魚の量がそれほど豊かではないので、1羽当たりの縄張り流域は長くなることが予想されます。
また、この川で通年見られる顔馴染みのアオサギがこの日は1羽も居なくなっていた点も気になりました。
おそらく冬鳥として渡来したダイサギの群れがアオサギに縄張り争いで勝ち、川を占拠したのだろう、と想像しました。


つづく→川岸で羽繕いし片足で立つダイサギd(冬の野鳥)

(記事を書く順序が逆になりましたけど、フィールドで観察した順序としてはこうなります。)
せっかく縄張り争いで勝ったのに、すぐに魚を探し始めるかと思いきや、川岸でじっと佇んでいるだけでした。


※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。



【追記】
野上宏『小鳥:飛翔の科学』を読むと、「争い飛翔」について一章を割いて詳しく解説していました。
その中で繰り返し書いてあった記述が興味深いので引用します。
先に高度をとって速度をつけて襲った側が優位なのは戦闘機と同じ。(p89より)
ダイサギは小鳥とは呼べませんが、今回の映像を見直すと空中ですれ違った瞬間は確かに新来者が相手よりも高度をとり勝っていました。
先住者は空中戦に負けるべくして負けただけかもしれません。


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