2016/09/29

サシバ♂(野鳥)救出大作戦



2016年7月上旬・夕方

山麓を流れる深い用水路(高さ170cm、幅〜250cm)になぜか落ちて困っているサシバ♂(Butastur indicus)を見つけました。
全身ずぶ濡れで体が重くなり、飛び立てないようです。
羽根を乾かす場所もありません。
水路に流れる水量は少ないので、すぐに溺死するおそれはありません。
しかし、このまま脱出できなければ、低体温症で死ぬかもしれません。
野生動物の営みに介入しないという原則を破って救出すべきか、かなり悩みました。

水路内に万一ヒトが落ちた時のために脱出用の梯子などがあちこちに設置されているのですけど、サシバにはこれを自力で利用する知能は無さそうです。
そんな事態は想定外なので、鳥が止まり木として利用しにくい構造なのです。
水深は浅いので、いざとなったら私が梯子を降りて直接サシバを救出に向かうことも可能です。
その際はサシバが暴れないように被せる大きな布袋が欲しいところですけど、そんな便利な物は持っていません。
この日の私は軽装(タンクトップと短パン)なので、素手で猛禽類を捕獲しようとしたら鋭い鉤爪や嘴で怪我しそうです。(流血の惨事)

長考の末に、救出用の長い棒を探すことにしました。
辺りを探し回り、アカマツの枯れ枝を折り取ってきました。
いまいち細くて頼りない上に長さもギリギリですけど、これでなんとかするしかありません。
サシバを怖がらせないように、脱出用の枯れ木を見せながらゆっくり目の前に差し出してみました。
怖がって暴れるかと思いきや、サシバは不思議そうにキョトンと見上げています。
衰弱しているのかな?
溺れる者は藁をも掴む…はずなのに、どうも私の意図を察してくれません。
私が近くに居たのでは警戒・緊張して、脱出どころではないのかもしれません。
岸に枝の端を立てかけたままで、私がしばらくその場を離れることにしました。

他所で用事を済ませてから(12分後に)戻ってみると、いつの間にかサシバは棒の長さの半分近くまで自力で登っていました。
もし三脚を持参していれば、無人の監視カメラで録画したかったところです。
どうやらサシバの足には怪我が無いようで、安心しました。
今にも飛んで逃げられそうな気がして撮りながら近づくと、シジュウカラ?の警戒声♪が近くで聞こえました。
窮地に陥った猛禽類に対してここぞとばかりにモビング(擬攻撃)するため集まっていたのかもしれません。

立てかけた枯れ木の端を岸壁に固定する手段が無かったので、とても不安定な状況です。
サシバが岸まで登ろうとするとバランスを崩して枯れ木ごと水路にまた落ちてしまいそうなのが一番の心配でした。
つまり、このまま放っておく訳にはいかないのです。
サシバが乗った枯れ木をそっと水から引き上げて、ゆっくり岸の地面に置きました。
その間、幸いサシバは逃げたり暴れたりしませんでした。
随分ヒト馴れしているというか、未だヒトを恐れることを知らない幼鳥なのかな?
ずぶ濡れでもサシバの体重はさほど感じず、軽いので拍子抜けしました。
カメラを鳥に向けておく余裕がなくて、肝心の救出シーンが撮れずに残念。

救出直後もサシバは呆然とした様子でキョロキョロしています。
カメラのちょっとした動きに驚いて翼を広げ、向きを変えました。
しばらく私の顔をじっと見てから、遂にサシバ♂が力強く飛び立ちました!
飛翔能力は正常そうです。
どこにも外傷が無くて良かったです。
サシバは用水路の上を飛んで上流へ向かい、羽ばたきながら白い糞を大量に排泄しました。
水路脇に生えたクリの灌木に止まった直後に甲高くキンミー♪と繰り返し鳴いたので、特徴的な鳴き声から、このとき初めてサシバと確信できました。
樹上で身震いして羽根の水気を切っています。

即席の救出作戦がこれほど上手く行くとは思いませんでした。(自画自賛♪)
鷹匠になったような気分も少しだけ味わえ、貴重な体験でした。

※ 動画編集時にラストの樹上シーンのみ自動色調補正を施しています(@5:40〜)。

つづく→







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