2015/11/23

ジョロウグモ(蜘蛛)亜成体♀を巡り争う2匹の♂



2015年9月上旬

ジョロウグモ♀♂の定点観察#4


ジョロウグモNephila clavata)♂αが亜成体♀の傍らでガードしている間に、網の上部から別個体♂βが♀との交接機会を求めて侵入して来ました。
(それまで私は♂βの存在に気づいていませんでした。)
静止した♂βが爪先で網の糸を弾いています。
挑発を受けて下から♂αが網を登って来ました。
直接対決するかと思いきや、なぜか途中で引き返しました。
♂βが動きを止めて気配を消したからでしょうか?
♂αは♀の近く(少し上)に戻って下向きに占座すると、油断なく♀をガードします。

♂αがなぜか右下に移動を始めました。(@1:30〜)
パトロールが済むと元の位置に戻って下向きに占座。
このとき歩脚の先で網の糸を数回、弾いて(かき鳴らして)います。
カメラを上に向けてβ♂を写すと、少しずつ慎重に忍び寄っています。
鬼に気づかれないように隙を見て接近する様から、子供の頃に遊んだ「だるまさんがころんだ♪」を連想しました。

上から慎重に降りて来た♂βを迎え撃とうと ♂αが下から登ってきました。(@4:30)
正面からぶつかるように追い払い、♂βは慌てて上に逃げ出しました。
♂αは更に追撃します。
第二戦の途中で一瞬♂達を見失ってしまいました。
激しく争った際に♂αと♂βの位置が入れ替わった可能性もあるのですが、目視による体長の比較(♂α<♂β)から、おそらく先住効果でα♂が勝ったようです。
今後も♀の近くに居る♂を便宜的に♂αと呼ぶことにします。
♂は二匹とも五体満足なので(歩脚に欠損や再生肢なし)、見た目による個体識別は困難です。
マーキングすれば喧嘩の勝率をきっちり調べたり順位制に応じた位置取りなど面白いことが分かりそうですが、残念ながら窓の外で手出しができません。(体長も未採寸)
ハエトリグモの♂同士は儀式化された誇示行動で闘争するのに対して、ジョロウグモの♂同士はもっと直接的な争いをするようです。
しかし衝突があっても、ライバル♂に噛み付いて歩脚を欠損するほどの激しい喧嘩ではありませんでした。

♀の周囲を一回りしてから再び網をパトロール。
♀に触れて位置を確認すると、その上に下向きに占座。
♀が歩脚で♂を軽く払いのけ、♂は上に退散しました。
♂同士の喧嘩の一部始終を♀は網の振動によって把握しているはずですが素知らぬ顔で、勝者♂が来ても求愛を受け入れようとしません。(このとき私は未だ、♀は成体なのかと思い込んでいました。)
♂αはすぐに戻ってくると、懲りずに♀にちょっかいを出しています。
♀のすぐ上に落ち着いた♂αが爪先を舐めて身繕い。

敗者♂βは網の右にある窓枠に逃げ込んだのですが、しばらくすると網の上部に戻って居ました。

※ 窓ガラス越しに撮ったやや不鮮明な映像に対して動画編集時に自動色調補正を施しています。

『スパイダー・ウォーズ』p39によると、

日本のジョロウグモでは♂の競争の実体はまだあまり調べられていません。アメリカのジョロウグモで調べられたところでは、網をはさんで♀の真向かいにいる♂は網の周辺部にいる♂よりも優位で、♀との交尾頻度がずっと高いようです。この「正式」の夫すなわち「正♂」は「周辺♂」より体が大きく、正♂の地位を狙う他の♂を威嚇して自分の地位を守っています。ジョロウグモは一生のうちに一度しか交尾しない「貞淑な」タイプ。


つづく→#5:ジョロウグモ(蜘蛛)♂同士が争う合間に♀の網を破壊工作?



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