2015/06/27

ツルマンネングサの花蜜を吸うヒメハナバチの一種♀



2015年6月上旬

堤防の階段に蔓延るツルマンネングサの群落で訪花している蜂がいました。
吸蜜してから身繕いしました。
後脚の花粉籠に黄色の花粉団子を付けています。
あまり自信がないのですが、この蜂はウツギメハナバチ♀(Andrena prostomias)と思い込んでしまいました。
狭食性(狭訪花性)のウツギヒメハナバチ♀がウツギ(アジサイ科ウツギ属)以外のベンケイソウ科から訪花集粉するとしたら大発見かもしれません。

密かに興奮しつつ、同定のため撮影直後に採集しました。

実はこの堤防の少し離れたところにウツギの大群落があり、昨年はウツギヒメハナバチを観察できたのでした。

▼関連記事(標本写真あり)
ウツギの花で採餌するウツギヒメハナバチ♀
今年もそろそろシーズンかな?と定点観察に来てみたものの未だ開花しておらず、当然ながらウツギの群落にウツギヒメハナバチはいませんでした。
今年は何らかの理由で(春の気温が高かった?)ウツギヒメハナバチの羽化が早まり、ウツギの開花とタイミングがずれてしまったのかもしれません。


『但馬・楽音寺のウツギヒメハナバチ:その生態と保護』p74によると、

ウツギヒメハナバチとその姉妹種であるコガタウツギヒメハナバチはともに短舌で典型的な狭食性種で、ウツギ属Deutzia(日本には7種ある)だけを訪花する。花粉採餌をしない♂は、ほかの花でも採集されることがある。
同書p72によると、
狭食性は共進化の証で、花資源種の選択幅の狭く、融通のきかない保守派である。


私の知らない場所で咲いているウツギの花粉を直前まで採餌していた可能性もあるので、後脚から採取した花粉を顕微鏡で分析してツルマンネングサの花粉だと花資源を同定すれば完璧ですね。


以下は標本写真。
方眼紙に乗せて大きさを調べると体長は11mm以上で、コガタウツギヒメハナバチではなくウツギヒメハナバチ♀のようです。

【追記】

てっきりウツギヒメハナバチかと思い込んで先走った記事を書いたら、コメント欄でうすのきさんより別種らしいとご指摘頂きました。
標本の写真も撮り直したものに差し替えました。


中胸盾板
中胸盾板
前伸腹節

翅脈を記録するのに良い方法を編み出しました。
私には展翅する暇もスキルも無いので、乾燥した標本の翅が反ったりカールしがちです。

被写界深度の浅いマクロレンズで接写しようとすると翅全体をきっちり平面に収めないといけなくて、いつも苦労していました。
ふと思いつき、根本から切り落とした翅をクリアファイルに入れると、静電気でクリアファイルと敷紙に翅が密着しました。
こうして反り返った翅を平にしてから翅脈を記録しました。
専門家はプレパラートのカバーガラスなどに翅を挟んでからスキャナで画像を取り込むらしいのですが、私にはこれで充分です。


左前翅(裏返しで接写)
左後翅(裏返しで接写)

前胸背板
前胸背板
前胸背板
腹部第一背板
腹部背板

22 件のコメント:

  1. こんばんは。
    とり急ぎ判った事を書きます。
    ウツギヒメハナバチ・コガタノウツギヒメハナバチではなさそうです。
    特にウツギではないでしょう。
    頭盾の形が違いますし、点刻は全く違うようです。
    コガタも同じような点で違うようです。

     では何か・・・。
    それも調べていますが直ぐには判りません。
    写真の撮影ポイントなんですが、少し違うような気がします。

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  2. さらに言いますと、頭部や特に胸部の黒い毛が見当たりません。
    しかし、結果としての写真なので観察しながら撮影の手順が当然の事ながらしていません。
    頭盾の隆起や無点刻部分が見当たらないこと・・もろもろで調べるしかありませんが、ちょいと写真が不鮮明なので全然判らないかもしれません(たぶんそうなる)
    ヒゲおやじさんの所は、判りませんが、前の投稿では普通に送れましたよ。
    きっとフィルターが予想外の動きをしているのではないでしょうか。

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    1. おはようございます。突然の指名にも関わらずコメントして頂きましてありがとうございます。
      ウツギ、コガタウツギでもなかったでしたか!(ガーン…)
      やはりお尋ねしておいてよかったです。
      同定を疎かにしたままずいぶんと先走った記事になってしまいました。(後で訂正します)
      確かに検索表と照らしあわせていません。(使いこなせないのです)
      Andrena sp.というところまでは大丈夫ですよね?
      『日本産ハナバチ図鑑』と見比べてワタセヒメハナバチが怪しいと思ったのですがどうでしょう。
      とりあえず、前伸腹節と中胸盾板を改めてアングルしっかり撮り直した方が良さそうですね。
      あと他に接写しておくべき部位はありますか?

      ヒゲおやじさんには個人的に連絡してみることにします。
      スパム対策でプロバイダごと弾かれてるのかもしれません。

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  3.  おっと~~。
    ワタセでは基本的には頭部の触角域に黒い毛があるという記述があります。
    胸部背面の毛も黒いはずですが良く見えません。
    さらに頭盾・前伸腹節の雰囲気は似ていますが、ワタセには頭盾に無点刻部分があるはずですから違うと思われます。
    ただ基本的にと記されていますので、例外があるのでしょう。

    撮影する部分は種によって違うようです。
    基本は同じだとは思いますが、これも実際に見て想像して必要と思う所を撮影せねばならず修行(笑)がいるようですね。

     数学の証明問題みたいで面白いですが難しいです。
    私の場合は標本はとらないので、ひたすら観察。

     近畿圏ではないので想像が出来ないし、そちらでしかいない種も多いし・・・。
    頭盾の点刻や形・毛色・体の点刻・形状・刷毛の形や色の変化さらに密度・脚の色・後脚脛節距など見所満載です。(爆)

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    1. どうもありがとうございます。
      なかなか奥が深いというか手強いですね。
      頭楯の無点刻部分については素人目にはあるように見えたのですが、図鑑の写真ではもう少し広いですかね。
      見比べている形質の個体差の幅がどれぐらいあるのか、感覚的なことが私にはさっぱり分かりません。

      ただいま別件の飼育ネタで蛹化の微速度撮影をしている真っ最中でして、標本の撮り直しができません。
      困ったことにサブのカメラも調子が悪いのです。
      あと24〜48時間で終わると思うのですが、本で読んだ予定よりも遅れています。
      申し訳ありませんが、撮り直したらまたご連絡させてもらいます。

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  4. こんばんは。
    ウツギヒメハナバチではないと思います。
    コガタはどうかというと、体毛の色がぼやけていて判りません・・黒い毛は無いとおかしいはずですし、なにより頭盾に光沢があるはずなのです。
      標本の写真がクローズアップレンズを付けて開放近くで撮ったような画像になっていますが・・・見た感じでは、もっと画質は上がりそうなんですが?

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    1. おかげさまで長期戦の微速度撮影がなんとか上手くいきました!
      疲労困憊して晩酌を飲み始めてしまったので、明日こそは明日こそは撮り直します。
      ゆるじでぐだざいー!
      さて、前伸腹節と中胸盾板を撮り直すつもりなのですが、アングルよりも画質が問題なのですか?
      静物の静止画を撮る腕がさっぱり上がらず恐縮です。
      ディフューザー(影取り)を付けた内蔵ストロボを焚いて、raynoxのマクロレンズで接写してます。

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    2. カメラの細かな設定はよく分からないので、AUTOのままいじってません。

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    3. 被写界深度が極めて浅いので苦労してます。
      何枚も撮って標本の全パーツにピントが合ってる合成写真が撮れる方法があるそうなのですけど、調べてません。(たぶん高価な機材を買わないといけない?)

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  5. 深度合成ですね。
    フリーのソフトもあります・・・・が、撮影に時間がかかり技術が必要で、計算に「へっ?」と言う位時間が・・・・
     シャッタースピードは遅くなりますが、絞ると画質が一気にUPします。
    クローズアップレンズに開放では、ポヤポヤですよ。
    絞り優先で撮影してください。
    絞れば被写界深度も深くなります。
    私のレンズもDCR-250つけて撮っています。

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    返信
    1. 大変お待たせしました。絞り優先で撮り直してみました。
      少しはマシになったでしょうか?
      何か分かりましたら教えて下さい。
      よろしくお願いします。

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    2. 写真のEXIFも残すようにしてみました。
      DCR-250同じですね。
      深度合成はどっかのカメラ最新機種で連写するだけで簡単に作ってくれる、というのを誰かのブログで読んだ気がするのですけど、うろ覚えです。
      虫の標本をデジカメではなくスキャナで取り込む方法を養老孟司さんが甲虫でやってて、私も昔真似したことがあります。
      しかし、蜂ではやったことがありません。(展翅、展足が必要かも。)

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  6. こんにちは。
    まず、良くなりましたね。
    標本の写真は気を使うらしくて良い写真は難しいらしい・・撮った事はないけど。
    結構カメラの基本が判ってないと、他人に伝える写真にはなりにくいと思われます。
    どんよりした側面の写真を見せられても?ですので難しいです。
    ヒメハナバチは毛でも生え方、長さ、状態、色の変化、 盾板でも点刻の大きさ・強弱・密度・分布など細かい情報を伝えないといけません。
     そういう事を無視して判断すると、大きすぎますがナカヒラアシヒメハナバチっぽい?
    中胸盾板の写真が2枚並んでますが印象が違いますけど。
    単眼の写真で後に前胸背板に薄っすらと溝のような物が見える。
    細かく書くと合う所合わない所ガッツリ書かないといけません。
    標本を採るなら綺麗に残るわけですから「日本産ハナバチ図鑑」で確認した方が良いと思いますよ。
    気になるのは、前伸腹節の彫刻が違うように見えるのが写りのせいなのか判らない事です。
    黄色味が帯びる毛があるとは思うのですがこの写真では不鮮明。
    確認しないといけない所が判らないのでいかんとも。

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    1. こんばんは。
      レスが遅れがちですいません。
      色々とご指導頂きまして、どうもありがとうございました。
      今までは基本が分からず我流でシャッタースピードを上げたりして撮ってみるものの、ご覧の有り様でした。
      レンズに小さなキズがあるので、そのせいかと諦めてました。
      2枚並べた中胸盾板の写真は、影の向きでお分かりのようにストロボの当て方(撮る向き)を前後逆に撮ったものです。(前側が撮りにくくて苦肉の策です。)
      中胸盾板の真ん中に膨らみというかでっぱりがあります。
      トリミングする前の標本写真をフォルダごと前部アップロードしてみました。
      https://goo.gl/photos/4NkQ4Hh76GTPcUeq7
      それから申し遅れましたが、撮影地は山形県南部の平地(低地:溜池の近く)でした。
      ナカヒラアシヒメハナバチっぽい?ということで、明日にでも図鑑と実物を見比べてみます。

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  7. こんばんは。
    シャッタースピードを上げると絞りが開くので逆効果ですね。
    私の場合は生きた状態から写真、標本写真となるので実際に動いているファインダーの像が印象に残るので標本写真から見るというのは面白い経験でした。
     山形ですか、生息する生物も北海道ほどではないでしょうが違うのでしょうね。
    山形といえば、山野草・・とくにスミレが気になりますね。
    果物も。

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    1. またまた亀レスですみません。
      次々に降り掛かってくる雑用に追いまくられて、今日も力尽きてしまいました。
      この件を忘れてる訳でも、もったいぶってる訳でもないのですが、ほんとすいません。
      スミレも奥が深いみたいですね。
      スミレを食草としている蝶がいるので、
      『スミレ図鑑』を買って勉強しようかと思ったこともあるのですが、後回しになってます…。
      私の撮影ネタはごくありふれた普通種を相手にしているつもりなのですが、他の地域にお住まいの方にしてみれば、ちょっと珍しいのかもしれません。
      そこはお互い様ですね。(隣の芝生は青い)

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    2. こんばんは。
      こちらの勝手な都合でたいへんお待たせしてしまい、申し訳ありませんでした。
      ナカヒラアシヒメハナバチっぽい?ということで、前胸背板と腹部第一背板を撮り直してみました。
      前胸背板を接写しようとすると影になってしまい、至難の業でした。
      頭部を引っこ抜いてしまえば簡単なのかもしれませんが…。
      色々工夫して何とか接写してみましたが、前胸背板中央に溝は無いと思います。
      図鑑の解説文にある「腹部の市松模様」が何を言ってるのか(どこを指しているのか)私にはよく分かりません。
      市松模様ってチェッカーズですよね?
      私の標本では閉じた翅が残っているため、腹部をきっちり背面から撮れませんでした。
      もし必要であれば、残った翅も切り落として撮り直しますけど。

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  8. こんばんは。
    お疲れ様です。
    なにかこう~もやもやと写っているような気がするんですよね。
    生えている毛も斜めに流れてるようです。
    溝がなければヤマトヒメハナバチですが、大きすぎます・・ナカアシでも少し大きいようですが・・・。
    ルーペで見たほうが良いのかもしれません。
    私としては溝がなかったらヤマトですが大きすぎる・・・ならナカアシでしょうという感じです。
    ガッツリピントが来ていないともやもや~~として写らない事もあるので。
    まぁ、肉眼で見てなかったら無いのでしょうね。
    カールした上面の毛といい・・・色は不鮮明ですが合うのだけどな~。
     市松模様ですか?
    最初は謎の言葉だったのですが、見ていく内に平滑に対する言葉で微妙で、ある程度規則的な凹凸で構成されている外観ではないかと思います。
    キバナヒメハナバチの前伸腹節で前部が皺で後部が市松模様という表現で判ったような気になっています。
    間違ってはいけないのが、市松模様=つや消しという簡単な表現ではない事です。
    アブラナマメヒメハナバチの説明を読んでください。
     あっ、頭を取るのは止めましょう。

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    1. こんばんは。
      辛抱強く相談相手になって下さり、本当にありがとうございます。
      先日やった前胸背板の接写ではリングライトで標本を照らしながらやったりと色々工夫したのですけど、明らかに私の撮影技術の限界に達しました。
      頭部を残したまま、これ以上やるには(説得力のある写真を撮るには)内蔵ストロボでは無理と分かりました。
      接写用の外付けストロボが必要になりそうです。(リングフラッシュ?)
      あとは実体顕微鏡が欲しいところですけど、当分先の話になりそうです。
      動画の撮影機材で欲しい物が山ほどあるので、どうしてもそちらを優先的に購入してしまうのです。

      https://lh3.googleusercontent.com/ov9l2poDbGNDxd13X8dEuWY_36TrKW0b_vDipZPj5Uzq=w876-h657-no
      この一枚だけ、中央に溝らしきものが見えたかと思ったのですけど、他の写真には撮れてませんし、「再現性が無い幻の写真」と判断しました。(それとも奇跡の一枚?)
      撮影時にカメラのLCDを見ていた限りでは溝はありませんでした。

      市松模様の解説もありがとうございました。

      ヤマトヒメハナバチにしては大型だ、とのことですけど、♀が育房に貯食した量次第(栄養条件)で次世代の体長は変わりそうですよね。
      北国だからという説明は駄目ですかね?(「ベルクマンの法則」)
      …冗談を言ったつもりが、変温動物の昆虫の場合は「逆ベルクマンの法則」なのだとか。
      今のところヤマトヒメハナバチ♀かも?ということで書き直そうと思います。

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    2. ルーペぐらいは買おうと思います。
      LED付きの安物ルーペがだいぶ前に壊れてしまったのです。

      削除
  9. 深度合成撮影ができる実体顕微鏡が昆虫学会で売っていましたね。便利そうでした。
    日本産ハナバチ図鑑があるのであれば、P59~で亜属まで落とせば…と思いましたがナカヒラアシもヤマトもsimandrenaですね、、、
    前胸の溝くらいしか分からなさそうですね。 ~に比べて、なんて記述はもう片方が分からないとよく分かりませんし。
    esakiaにAndrenaの同定(key to species)が掲載されていたと思います。英語ですが…。
    これが何という種なのか興味があるので、また気が向いたら同定してみて下さい。 いやまぁ、簡単に言いますがAndrenaはちょっと難しいのですがね。。。 ハキリバチ程度なら私もなんとかなるのですが。。。

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    返信
    1. コメントありがとうございます。
      深度合成撮影ができる実体顕微鏡とか、欲しいですねー。
      いつになったら買えることやら…。
      検索表を自力で使いこなすのは未だとても無理で、いつも詳しい方の助けが必要です。

      ところでignitusさんは、上に登場したうすのきさんとは別の方ですか?
      もしうすのきさんのシノニムでしたら久しぶりにお話したいこと(お礼とか)があるのですが…。

      削除

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