2015/04/26

雪面を歩くクロオビフユナミシャク♀(冬尺蛾)



2014年12月上旬・気温0℃@雪面

雪山の雑木林で短翅の冬尺蛾♀を見つけました。
クロオビフユナミシャク♀(Operophtera relegata)です。
触角が寒風にそよいでいます。
初め静止していた時は、立てていた翅をゆっくり広げてくれました。

雪面を歩き始めてもすぐに立ち止まってしまうので、熱い吐息を繰り返し吹きかけて温めながら撮影しました。
日が暮れるまでにどこか木に登って♂との交尾や産卵に備えるはずです。
歩き回る時は必ず翅を立てる(閉じる)ことに気づきました。
採寸のため歩かせた定規の上では途中から翅を広げたのですが、再び雪面に降りた途端に翅を立てました。※
歩行中は地面の温度がある閾値よりも低いと翅を閉じる仕組みになっているのでしょうか?
歩行中に翅を濡らしたり翅が雪面にへばり付いたり凍りついたりするのを防ぐ工夫なのかもしれません。
飛ぶ機能は既に失われているで、徘徊するのにいちいち飛翔筋を使って翅を開閉する消費カロリーも惜しいはずです。
冬尺蛾♀は更に短翅化へ進化し、無翅の種類が登場したのでしょう。

撮影後に同一個体を採集したのですが、下山中に容器を落として
しまいました。(紛失)
痛恨のミス!
コーリングや産卵行動を飼育下で観察するつもりだったので、残念無念。

▼関連記事(2011年11月中旬)
クロオビフユナミシャク♀を見つけた!


※【追記】
私が息を吹きかけたせいで警戒したクロオビフユナミシャク♀が翅を閉じ、しばらくすると警戒を解いて翅を開いた、という可能性も考えられます。
しかし、その仮説では定規の上での振る舞い※を説明できません。


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