2015/01/08

交尾中のオオヒラタシデムシ♂は♀の触角を噛む性癖がある



2014年9月下旬

川沿いの遊歩道でミミズの死骸にオオヒラタシデムシNecrophila japonica)が群がっていました。
橋の下に近く、小径の両側はニセアカシアなどの河畔林でした。
死骸を覆い隠していたクズの葉を撮影のために取り除いたら、一部のオオヒラタシデムシが慌てて逃げ出しました。
ミミズの死骸は喰い千切られ、内臓が露出しています。

食事中の♀に♂が背後からマウントしています。
交尾器の結合状態はよく見えません。(交尾後ガードの可能性もあります。)
♀は頻りに脚を動かして、マウントする♂を払い除けるような仕草をしました。
交尾中のペアを接写してみると、♀の左触角を♂が噛んで引っ張りながらマウントしていることが分かりました。
この性癖は本に書いてある通りでした。

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クロボシヒラタシデムシ♂は交尾中♀の触角を噛む性癖がある

『日本動物大百科10昆虫Ⅲ』p103によると、

シデムシ亜科の多くは、交尾をするとき、♂が♀の背中に乗り、大顎で♀の触角の左右一方を掴む。そして♂は交尾がすんだ後も触角を捕らえたまま♀の背中に乗っていることがあり、時に産卵がすむまで放さず、ほかの♂を寄せつけないこともある。


色気より食い気の♀は構わずに食事を続けます。
別個体が死んだミミズのご馳走をめがけて交尾中の♀の腹の下に潜り込んできたせいで、♀が転倒してしまいました。
先程逃げた個体が次第に戻ってきた結果、計4匹が死骸に密集しています。
あぶれた独り身の2匹は交尾干渉するでもなく、食餌に夢中です。
形態による性別判定法を知りませんが、おそらく♀なのでしょう。

『山渓フィールドブックス13甲虫』p37によると、本種の生活史は

オオヒラタシデムシも年1世代で、越冬した成虫が4月から7月にかけて現れ、土中に1個ずつ卵を産みつける。孵化した幼虫は腐敗動物質を食べて8月末頃までに成虫になる。



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