2014/09/30

メスグロヒョウモン♀に求愛するミドリヒョウモン♂(異種間求愛と交尾拒否行動)



2014年7月中旬

山間部の道端に咲いたオカトラノオの花でメスグロヒョウモン♀(Damora sagana liane)が吸蜜していました。
そこへミドリヒョウモン♂(Argynnis paphia)が飛来すると、驚いたことに別種の♀に対して求愛を始めました。
♂は♀の背後に止まり交尾器を連結しようとするも、♀が翅を全開にし腹端を上げた交尾拒否姿勢をとりつつ花の上で逃げ回ります。
吸蜜どころではなく♀の口吻はゼンマイ状に縮んでいます。
嫌がる♀が遂に飛んで逃げ出し、♂もすかさず追飛

近くのオカトラノオ群落に訪花していた他のミドリヒョウモン♂も反応して乱舞になりました。
メスグロヒョウモン♀は近くのオカトラノオ花に着陸しました。
一連の行動を1/4倍速のスローモーションでリプレイ。


今回♀が交尾拒否したのは、異種の♂から求愛されたからとは限りません。
同じ日に同じ場所でミドリヒョウモン同士の求愛と交尾拒否を観察しています。
▼関連記事ミドリヒョウモン♀の交尾拒否
♀は未だ性的に成熟していないのかもしれませんし、生涯で交尾するのは一度だけなのかもしれませんし、交尾する♂を選り好みしている可能性もあります。

異種間の誤認求愛は珍しいと思ったのですが、交尾に至り雑種が生まれる例はあるのでしょうか?
生殖的隔離はどうなっているのかな?

メスグロヒョウモンは翅の色が性別によってまるで異なる性的二型です。
人間であればメスグロヒョウモン♀とミドリヒョウモン♀の翅の色と見間違えることは絶対にありませんが、蝶(ミドリヒョウモン♂)の目からはどのように見えているのでしょう?
例えばモンシロチョウの場合、可視光ではなく紫外線スペクトルでの見え方が種内の性別を見分けるのに重要であることが知られています。
もしかすると、紫外線で見ればメスグロヒョウモン♀とミドリヒョウモン♀の翅の色や斑紋は意外に紛らわしいのかもしれません。
それともメスグロヒョウモン♀が放つ性フェロモンの化学構造がミドリヒョウモンの性フェロモンと似ていて、どうしても♂が騙されてしまうのかもしれません。

逆の組み合わせ(メスグロヒョウモン♂とミドリヒョウモン♀)ではどうなのでしょう?

実はこの2種は分類学的に近縁で、メスグロヒョウモン属 Damoraは近縁のミドリヒョウモン属 Argynnis に組みこまれていたことがあるそうです(wikipediaより)。
メスグロヒョウモンとミドリヒョウモンの二種間では生殖隔離の仕組みが未だ甘いのかもしれませんね。



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