2014/07/30

ウスバアゲハの交尾干渉@クマイチゴ花



2014年5月下旬

里山の草地でウスバアゲハ(旧名ウスバシロチョウ;Parnassius citrinarius)が群がり交尾していました。
計何頭いてどんな姿勢なのか、
撮影アングルがいまいちで状況が掴み難いです。
急斜面に藪が密生しているため、回り込めません。

クマイチゴに訪花している1匹の♀に対して初めは2匹の♂が来ているようです。
乱交状態のように見えますが、実際は既に1対の♀♂ペアで交尾は始まっています(交尾器が連結している)。
新たに♂が割り込もうとしても時既に遅く無駄です。
次々と飛来したあぶれ♂が参入し、寄って集って大騒ぎになりました。
♀が揮発性の性フェロモンを放出しているのか、あるいは草むらで羽ばたく白い翅という視覚刺激で♂が誘引されるのかもしれません。(※追記2を参照のこと。)
興奮した♂は吸蜜どころではなく、なんとか交尾しようと必死にしがみついています。
諦めたあぶれ♂から次々に離脱します。

最後に♀だけが残りました。
交尾相手の♂が付けた白い交尾嚢(交尾栓)が♀の腹端の下面にはっきり見えます。

これは♀の多回交尾を妨げる貞操帯として働きます。
花や葉の陰に隠れてしつこい♂達をやり過ごそうとしていたのかもしれません。
モテ期の狂乱から解放された♀はホッとした様子で口吻を伸ばしクマイチゴの花蜜を吸って回ります。
最後は葉に登り飛び立つも、力なくすぐに落下してしまいました。

▼関連記事
ウスバアゲハの交尾干渉@ハルジオン花
ハルジオンの花で♀1♂3頭の乱交を撮った6年前の映像です。

交尾嚢を付けた♀@吸蜜

【追記1】
『日本動物大百科9昆虫II』p35によると、
交尾栓が極端に発達し、♀の交尾器の外側につけることができるものをとくにスフラギス(貞操帯)と呼び、種によって一定の形をしている。日本産のチョウ類では、ギフチョウ属とウスバシロチョウ属の♂がスフラギスをつくる。♀はふつう1回しか交尾しない。(中略)一般に大きな交尾栓をつくる種ほど精包は小さい。これは、精包と交尾栓がほとんど同じ物質に由来しているためである。(中略)大きな交尾栓をつくり、小さな精包しか♀に渡さない種では、一般に♂の求愛行動や♀の交尾拒否行動が見られず、♀が交尾相手を選ぶ余地がない。

※【追記2】
『日本動物大百科9昆虫II』p32によると、ウスバシロチョウの配偶行動は実験的に調べられているそうです。
ウスバシロチョウの♂は、♂にも♀にもよく接近し前肢で翅にふれた。そのうえ、ナミアゲハにも接近し前肢で翅にふれた。ポスターカラーでつくった黒と黄、そして黒と青緑色の縞模様の紙モデルにもよく接近し前肢でふれたが、黒と白の縞模様の紙モデルには接近しなかった。私たちの目には、翅は黒と白の組み合わせに見えるのだが、ウスバシロチョウにとって翅の色は違った色に見えているらしい。

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