2013/10/19

スズメ(野鳥)の砂浴び



2013年8月中旬

家庭菜園の畑でスズメPasser montanus)が砂浴びをしていました。
畝の横の地面を掘った穴にスッポリ収まり、体を冷やしているようにも見えます。
スズメの群れが何羽も砂浴びしていたのですけど、逃げられてしまい撮れたのはこの一羽のみ。

連日の酷暑で近くの水溜まりも干上がっており、水浴ができないのでしょう。
鳥の砂浴び行動を初めて撮影できて、興奮しました。



砂浴びは乾燥した気候に適した羽毛の手入れ法といわれている。(『スズメ百態面白帳』p162より)

【追記】
『カラー自然シリーズ26:スズメ』より
頭で砂を掃いて、前の方へ突き飛ばすようにしながら、砂埃を上げます。翼でバサバサと、砂を跳ね飛ばします。こうして、砂と一緒に、体に付いたダニ、ふけ、細かい抜け毛などを取り去ります。


【追記2】
平野伸明『スズメのくらし (たくさんのふしぎ傑作集)』によると、
スズメが年に何度も子育てをできる秘密が、もうひとつあります。それは、同じ巣をくり返し使うことです。ふつう、鳥の巣は使い捨てで、1回しか使えません。巣が汚れてしまうからです。(中略)ダニまみれの巣は、二度と使うことはできません。そのため、スズメはダニの発生をできるだけ抑える工夫をしています。それは砂浴びです。水浴びをする鳥はたくさんいますが、スズメは水浴びと砂浴びの両方を行い、とくに砂浴びをひんぱんに行います。これは体についたダニを熱い砂で殺しているのです。おかげでスズメの体はいつも清潔で、巣の中にもほとんどダニがいません。 (p31より引用)




▼関連記事(6年後に撮影)
公園の砂場で砂浴びするスズメ(野鳥)


【追記3】
ギルバート・ワルドバウアー『虫食う鳥、鳥食う虫: 生存の自然誌』という本を読んでいたら、鳥が行う砂浴びの効能について体外寄生虫の駆除以外に興味深い説明がなされていました。
鳥は羽繕いの際に尾脂腺から分泌される油分を羽毛に塗りつけます。
しかし、この油分を定期的に落とさないと、数日もすると羽毛が脂ぎって逆に汚れが付きやすくなるのだそうです。
砂浴びすることで羽毛から寄生虫と一緒に余計な油分も吸着して落とす効果があるそうです。(原著『The Birder’s Bug Book』p154)

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